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サッカーのドリブル、小学生でも取られない体の向きと運ぶタッチ

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サッカーのドリブル、小学生でも取られない体の向きと運ぶタッチ

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サッカーのドリブル、小学生でも取られない体の向きと運ぶタッチ

ドリブルは「抜くテクニック」だけではありません。まずは相手に取られないこと。小学生でもできるのは、体の向きでボールを守り、細かい運ぶタッチで前進することです。この記事では、サッカーのドリブルで小学生でも取られない「体の向き」と「運ぶタッチ」の関係をわかりやすく解説し、すぐに実戦投入できる練習メニューまでまとめました。

小学生でも取られないドリブルの核心:体の向きと運ぶタッチ

なぜ『抜く』より『運ぶ』が先なのか

フェイントは武器ですが、相手の距離が近すぎたり、体の向きが悪いと失いやすくなります。まずは「運ぶ」ことで相手の間合いを管理し、取られない時間を作るのが基本です。運びながら角度を変え、相手の重心を動かした瞬間に抜く。この順番が安全で効果的です。

相手とボールと自分の位置関係(三角形)を作る

ボールを体の真ん中に置くと、相手から丸見えで触られやすい。自分の体、相手、ボールで三角形を作り、ボールを体の外側(相手から遠い側)に置くと守りやすくなります。この三角形を保ったまま運べれば、取られにくさが一気に上がります。

体の向きでボールを守り、タッチで運ぶという役割分担

「体の向き=盾」「タッチ=タイヤ」と考えると理解が早いです。まず盾を相手の方に向け、次にタイヤを回して前進。盾がずれないように、進行方向に合わせて細かく体の角度を調整します。

取られにくい体の向き:半身と進行方向の作り方

半身(45度)で相手と進行方向を同時に見る

正対せず、相手に対しておよそ45度の半身が基本。顔・胸・つま先が同じ方向を向くと視野とバランスが安定します。半身なら相手の動きと空いているコースを同時に確認でき、次の一歩が速くなります。

正面を向かない理由:接触と奪取リスクの増加

正面は接触の衝撃をまともに受けやすく、足も出されやすい角度です。また、体の回転が遅れやすく、方向転換に一拍かかります。半身は回転の余白があるため、進む・戻すの両方に対応しやすいのが利点です。

左半身・右半身の切り替えフットワーク

相手の位置が変われば半身も切り替えます。足をクロスせず、細かいサイドステップと小さなピボット(前足のつま先を支点に角度調整)で対応。切り替え時にボールは相手から遠い足で触るのが基本です。

オープンとクローズの角度調整でコースを隠す

オープンスタンス:前進・展開に有利な体の向き

オープンは進行方向に骨盤と肩を少し開いた向き。前が見やすく、パスやスルーの判断がしやすい状態です。空間に対して体を開くので、最短距離で前進できます。

クローズスタンス:ボールを隠す守備的ドリブル

クローズは相手に対して肩を閉じ、ボールを背中側に隠す向き。相手の足が届きにくく、時間を作りたいときや囲まれかけた場面で有効です。クローズで守り、オープンで展開。この切り替えが肝心です。

相手の利き足・守備脚に合わせた角度選択

相手が右利きなら、こちらの左半身で右足の差し込みコースを遮る、といった角度調整が有効。相手の踏み込み足を観察し、その足が出にくい方向に体の向きをセットします。

運ぶタッチの黄金ルール:距離・強さ・リズム

1歩1タッチの基準距離(足1〜2足分)

「1歩1タッチ」で足1〜2足分先に置くのが基本。近すぎるとスピードが出ず、遠すぎると奪われます。ピッチや芝の状態で調整し、常に触り直せる距離を保ちます。

加速時と減速時のタッチ強度の変え方

加速はやや強めのタッチで前に置き、2〜3歩で追い越すイメージ。減速は足元に引き寄せる弱いタッチでブレーキを作り、次の角度変更に備えます。強弱の差が相手の重心を揺らします。

リズムの乱高下で相手の重心をずらす

一定リズムは読まれます。「トン・トン・タッ」「タッ・タッ・トン」と触る間隔を意図的に変化。音を出すつもりでステップとタッチにリズムをつけると、相手のタイミングが合わなくなります。

どの足のどこで触る?インサイド・アウトサイド・レースの使い分け

インサイド:角度を作る・守るときの安定タッチ

インサイドは面が広くコントロールが安定。クローズで守りながら角度を細かく作る時に最適です。相手から遠い足のインサイドで触る習慣をつけましょう。

アウトサイド:体の外側で隠しながら運ぶ

アウトサイドは体の外側で触れるので、相手からボールを隠しやすい。半身と相性がよく、縦にも斜めにも出しやすいのが特徴です。最初の一歩で相手の膝の外側を通すイメージを持つと効果的。

レース(靴紐):直線加速とストップ&ゴー専用

靴紐部分(レース)で前方に転がすと、真っすぐに速く運べます。ストップ&ゴーでは、レースで前に置いて一気に踏み出す。止めるときは足裏やインで確実にブレーキを。

視野を確保する『スキャン』と首振りのタイミング

タッチ前・タッチ中・タッチ後の3回チェック

次に触る前、触っている最中、触った直後の3タイミングで素早く首を振ると、周囲の情報が途切れません。長く見る必要はなく、チラ見で十分。これで選択肢が増えます。

相手の軸足・肩の向きで奪いに来るサインを読む

相手の軸足が内側に踏み込んだら前に来るサイン。肩が前に落ちたらタックルに入る合図。サインが出た瞬間に逆へ運ぶと、接触前にかわしやすいです。

下を見すぎないためのボールコントロール基準

「2タッチに1回だけ下を見る」を目安にし、他は周りを見る時間に使います。タッチ距離が安定すれば、自然と視線は上がります。

間合い管理:届かない距離で運ぶ・触らせないで回避

相手の足が届かない『安全圏』を知る

相手の脚の長さ+半歩が届く範囲。安全圏はその外側です。自分のスピードと相手の歩幅を見て、タッチの強さを調整しましょう。

踏み込みを誘ってから外す『引き込み→外し』

あえてボールを半歩近くに置いて相手の踏み込みを誘い、次のタッチで外へ。誘うときはクローズ、外すときはオープンに切り替えると成功率が上がります。

縦の間合いと横の間合いの両立

縦だけ遠くても、横が近ければ触られます。体の幅分だけ横距離も確保し、半身で相手の進行ラインを遮るのがポイントです。

シールドと手の使い方:ファウルにしない身体の置き方

ボールと相手の間に腰と肩を差し込む

ボールを置いた側の腰と肩を相手との間に差し込み、進路をブロック。手ではなく骨盤と肩の面で守ります。これがシールドの基本です。

前腕は伸ばさず肘は畳む:接触の安全管理

腕を伸ばすと押したと判定されやすいのでNG。肘を軽く畳み、相手との距離を感じるアンテナ程度に使います。手のひらは開かず、自然に下げましょう。

接触時は低く強く:重心と足幅の基準

接触が来そうなら膝を軽く曲げ、足幅は肩幅〜1.5倍。低い重心はブレにくく、次の一歩にもつながります。

小学生でもできる『体の向き×運ぶタッチ』ドリル

半身ウォーク&1歩1タッチ(往復3分)

半身で横歩きしながら、相手から遠い足で1歩1タッチ。10mを往復し、左右の半身を切り替えます。視線は前、ボールは足1〜2足分先。

アウトサイド運び→インサイド保護の切替ドリル

3歩はアウトサイドで運び、次の2歩はインサイドでボールを体の後ろ側に隠す。この5歩セットを繰り返し、オープンとクローズの切り替えを体に入れます。

ストップ&ゴー:3種のブレーキ(足裏・イン・アウト)

合図で停止。足裏で止める、インで内側に引く、アウトで外へ押し出してから再加速。各10回ずつ、左右の足で行います。

コーン不要・公園でできる実戦化メニュー

白線・タイル目地をコースに見立てる練習

校庭の白線やタイルの目地に沿って1歩1タッチ。カーブではオープン、狭い所はクローズに切り替えるルールで行いましょう。

木やベンチをディフェンダーに見立てた間合い調整

木やベンチの端に対して半身で接近し、届かない距離で外側へ運ぶ。近づきすぎない「安全圏」を体感できます。

縁石サイドでのタッチライン際ドリル

縁石をタッチラインに見立て、外へ出さない運び。ライン側の肩を落としてシールドし、アウトサイドで前進します。

1対1で取られない駆け引き:スピード差ではなく角度差

ストップ→半身キープ→アウトサイド一歩

一度止まり、半身で相手を正面にさせないままアウトサイドで斜めに一歩。角度差で抜ける基本形です。

縦を見せて斜め45度に運ぶ『偽縦』

縦のレースタッチを見せて相手を下がらせ、直前で斜め45度にアウトで運ぶ。縦の脅しと角度変更のセットが効きます。

バックトラック相手への減速→再加速

追いかけられたら一度減速して間合いを詰めさせ、相手の体が立った瞬間に再加速。強弱の切り替えで外します。

状況別:タッチライン際・中央・逆サイドへの逃げ道

タッチライン際:体で挟み込み+足裏で逃がす

ラインと自分の体でボールを挟み、相手が寄ったら足裏で内側へ逃がす。外へ出さない集中と半身の維持が大切です。

中央渋滞:クローズで守りオープンで展開

中央で密集したらクローズで時間を作り、味方や空間を確認できたらオープンに切り替えて運ぶ。焦って前に突っ込まないこと。

逆サイドへの『運ぶスイッチ』の作り方

一度ボールを自分の背中側へ置き、相手の視線が外れた瞬間に長めのレースタッチで逆サイドへ。体の向きでスイッチを作ります。

フェイントに頼らない運ぶドリブルとフェイントの接続

運ぶベースがあるとフェイントが効く理由

間合いと角度で主導権を握っていると、相手は反応が遅れます。その上でのフェイントは小さくても効果的です。

最小限のシザース・ダブルタッチの挿入ポイント

相手が止まった瞬間や、踏み込みを誘った直後に一回だけ入れる。欲張らず、次の運びにつなげる前提で使いましょう。

フェイント後の最初のタッチ方向が全て

勝負を決めるのはフェイントではなく、後の一歩。アウトで相手の膝の外、またはインで相手の軸足の内を通す明確な方向付けを。

利き足偏重を直す:片足→両足化のステップ

利き足アウトで運ぶ→逆足インで守る連動

まずは利き足アウトで前進し、相手が寄ったら逆足インでクローズに切り替える連動を習慣化。守る役割を逆足に任せて慣らします。

弱い足でも失わないタッチ距離の設定

弱い足はタッチ距離を短め(足1足分)に。スピードより確実性を優先し、視線を上げる時間を確保します。

日替わり『弱足DAY』メニュー

週に1〜2回、弱い足しか使わない日を設定。5分の基礎運び、3分のストップ&ゴー、1分の1対1シャドーで構成すると継続しやすいです。

よくある失敗と即修正のチェックリスト

正面を向いてしまう/ボールが体の真ん中にある

半身45度を合言葉に。ボールは相手から遠い足の前に置く。胸とつま先の向きを合わせるだけで改善します。

タッチが強すぎて見ながらしか運べない

1歩1タッチに戻り、足1〜2足分の距離へ。弱いタッチでの減速を習得すると視野が上がります。

減速がなくブレーキが効かない

足裏・イン・アウトの3種ブレーキをセットで練習。減速→観る→再加速の3拍子を1プレーに1回入れる習慣を。

測定と成長の見える化:家庭でできる簡単テスト

5m往復運びタイム(落球なし・視線ルールあり)

5mを往復し、落球なしで計測。視線ルールは「2タッチに1回だけ下を見る」。記録を週単位で比較します。

1分間『触らせない』タッチ回数カウント

家族や友達に軽く足を出してもらい、1分間でボールに触られずに運んだタッチ回数を数える。間合いとリズムの練習になります。

動画で首振り回数・体の角度を観察

スマホで30秒撮影し、首振りの回数と半身の角度をチェック。数値化すると改善ポイントが明確です。

安全と成長期の配慮:ケガを避ける運び方

膝とつま先の向きを一致させる

膝が内、つま先が外などのねじれは負担のもと。半身でも膝とつま先は同方向にそろえます。

連続ストップ&ゴーの回数制限と休息

ストップ&ゴーは負荷が高いので、連続は10回程度を目安に小休止。呼吸を整えてから再開します。

足裏多用時のふくらはぎ・足底ケア

練習後はふくらはぎと足底を軽くストレッチ。硬さが残ると翌日のキレが落ちやすいです。

指導・保護者の声かけ例:言葉で行動を変える

『正面じゃなく半身で!』を合図化する

短い合図は届きやすい。「半身!」だけでも姿勢が整います。チームで共通言語にしましょう。

『触る前に見る×3回』のリマインド

タッチ前・中・後の3回スキャンを合言葉に。声かけで習慣化すると判断が速くなります。

結果より『角度・間合い・タッチ距離』を褒める

抜けた・抜けないより、良い体の向きや安全圏の管理を具体的に褒めると再現性が上がります。

ポジション別:活きる『運ぶドリブル』の使いどころ

SB/ウイングバック:タッチライン際の半身運び

ラインを背にクローズで守り、アウトサイドで前進。相手が寄ったら内へ足裏で逃がすのが定石です。

ボランチ:斜めの運びで前進の角度を作る

相手の守備ラインに対して斜め45度で運び、パスコースを開ける。オープンとクローズの切り替えが要。

ウイング/CF:縦を見せて内or外45度

レースで縦を見せ、最後は内外45度にアウトで運ぶ。角度差でシュートかクロスの選択肢を作ります。

今日から実戦で使える3つの行動

半身45度+1歩1タッチを試合の最初の5分で徹底

序盤から角度と距離を安定させると、その後のプレーが楽になります。まずは基本の徹底を。

減速→観る→再加速の3拍子を1プレーに1回

どこかで一回、強弱を入れる。相手の重心が動いた瞬間がチャンスです。

アウトで運ぶ・インで守るをセットで使う

運びはアウト、守りはイン。このセットを無意識にできるようになると取られにくさが段違いです。

まとめ:『体の向き×運ぶタッチ』でドリブルは安定する

サッカーのドリブルで小学生でも取られないポイントは、華やかなフェイントよりも「体の向き」と「運ぶタッチ」にあります。半身45度で相手と進行方向を同時に見て、オープンとクローズを切り替える。1歩1タッチの距離を軸に、強弱とリズムで間合いをコントロールする。これだけでプレーは一気に安定します。今日の練習から、まずは半身とタッチ距離を整えることから始めてみてください。継続すれば、自然と抜ける角度が見えてきます。

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