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サッカードリブルを親子で楽しく!奪われにくい練習

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相手に取られにくいドリブルは、天才のひらめきだけでなく、誰でも家の前や公園で積み重ねられる「コツの集合体」です。この記事では、親子で楽しく取り組みながら、確実にボールを守れる“奪われにくいドリブル”を身につける方法をまとめました。安全・スペース・時間の工夫も含め、今日からすぐ実践できる内容だけを厳選。楽しみながらキープ力を底上げしていきましょう。

はじめに:親子で“奪われにくいドリブル”を身につける理由

この記事で得られること

日々の10〜30分でできる、奪われにくいドリブルの具体ドリル、親子で楽しめる対人ゲーム、安全の工夫、レベルアップの指標までを一気に把握できます。難しい道具は不要。ペットボトルとボールがあればOKです。

奪われにくいドリブル=ボールキープ力の基礎

奪われにくさは「体の使い方」「情報収集」「間合い管理」の3本柱。トップスピードよりも、シールドと減速の技術が鍵になる場面が多いのが実戦の特徴です。まずは“守れる”から始めると、攻めのフェイントも効くようになります。

親子練習のメリット(継続・安心・観察)

親子だからこそ毎日短時間で続けやすく、強度を安全に調整できます。客観的に見て気づいたことをその場で伝えられるのも強み。動画撮影もスムーズで、成長の見える化が進みます。

奪われにくいドリブルの原則:客観的に押さえる5つのポイント

体とボールの位置関係(ボールを“体で隠す”シールド)

ディフェンダーとボールの間に自分の体を置くのが基本。ボールは足元の真横ではなく、軸足のやや後ろ寄りでキープすると奪取リスクが下がります。足裏・アウトサイドを使い分けて距離を微調整しましょう。

半身の向きと肩入れ(正面衝突を避ける角度作り)

正面を向くと接触が強くなりがち。半身で肩を入れ、相手の進路と直角ではなく斜めに角度を作ると、当たりを逃がしながら前進できます。肩は「ぶつける」ではなく「差し込んで線を作る」意識です。

タッチの頻度と歩幅調整(距離コントロール)

タッチが少なすぎると遠くなり、奪われやすい。近すぎると窮屈。1〜2歩に1タッチを基準に、相手が寄る瞬間はタッチ頻度を上げます。歩幅は小→中→大の3段階で使い分けると安定します。

視線とスキャン(首振り)で情報を先取り

顔を上げるだけでなく、2〜3秒に1回の首振りで後方や横の情報を拾うと、先手の判断が可能に。周囲を見る回数は、守備を剥がす確率に関連すると多くの現場で言われます。

間合いの管理(寄せられる前に動く/止まる)

相手が2m以内に入る前に、方向転換か減速で間合いをずらすのが基本。寄せられてからの強引突破は奪取率が上がります。止める→向きを変える→再加速の順を習慣化しましょう。

親子練習の準備:安全・スペース・用具・声かけ

安全ルール(接触強度・足元確認)

肩タッチや手タッチで判定する低接触ルールから開始。スパイクよりトレシューがおすすめ。段差や濡れた地面、障害物は先に確認しましょう。

スペースの目安と代用品(コーン=ペットボトル)

目安は縦横5〜8m。コーンがなければ水入りペットボトル、タオル、マスキングテープで代用可能。ラインは視覚的な目印になるので効果大です。

時間設計(10分×3セットの黄金比)

集中が続くのは10〜15分。ウォームアップ→基礎→対人ゲームの3本立てで合計30分がちょうど良い強度です。合間に給水を必ず。

親の役割:難易度調整と成功体験の演出

最初は“奪わない”を前提に、方向誘導やスピード調整で成功を作る。慣れたら徐々にプレッシャーを上げ、最後の1本だけ本気、などメリハリをつけます。

準備運動とクールダウンの簡単ルーティン

足首回し→ふくらはぎ→股関節→軽いジョグ→ボールタッチ。終了後はハムストリングとふくらはぎのストレッチを各20〜30秒。無理はしないことが大前提です。

ウォームアップ:ボールフィーリングを楽しく整える

足裏ローリングと内外コンビタッチ

足裏で左右にコロコロ→インサイド・アウトサイドの交互タッチ。リズムよく30秒×2回。音を小さく、体の真下で触るのがコツです。

トータップと片足バランスタッチ

トータップ20回→片足立ちで足裏タッチ左右10回ずつ。体幹と足首の安定を一緒に鍛えられます。姿勢はまっすぐ、肩はリラックス。

視線アップ縛り(顔を上げたままのタッチ)

胸から上の視線をキープして、足元は感覚で触る。ミスはOK。視線が落ちたらその場でストップ→再開のルールにすると意識が続きます。

リズム3拍子(タタ・タタタ)でミスを減らす

「タタ・タタタ」のリズムでタッチを変化。速さのムラを作ると、後のフェイントや減速に移行しやすくなります。

基礎ドリル:奪われにくさの土台を作るシールド系

シールドドリブル(体で隠して横移動)

親が後方斜めからゆっくり寄せ、子は背中を相手に向けて横移動。足裏とアウトサイドで1〜2mを往復。相手とボールの間に腰を置く意識がポイントです。

サイドステップ・シールド(守りながら運ぶ)

半身でボールを隠しつつ、サイドステップで運ぶ。膝を柔らかく、上体はブレずに。3歩運んだらタッチ幅を変える→再開のリズムで。

半身ピボット(向きを保ったままターン)

軸足を作り、足裏でボールを引いて半身を保ったまま90度ターン。相手に背中を向けすぎず、肩を差し込んで角度をキープします。

スローダウン→加速の“止める勇気”

3歩加速→急減速→静止1カウント→再加速。減速時にボールを体寄りに引き、間合いをズラす習慣をつけます。

親子でできる対人ゲーム:低接触で安全に“奪わせない”を体験

ワンアーム・タッチ鬼(肩タッチで奪取判定)

親は片手だけ使用OK。肩タッチされたら“奪われた”判定。子はシールドで逃げ切る。20秒×3本で成功回数を数えます。

背中シールド回転ゲーム(背負って回り勝ち)

親が背中に軽く当て、子は背負いながら半身回転で抜ける。1回転で1点。腕で押さず、腰と肩のラインで角度を作るのがコツ。

ライン際の駆け引き(タッチラインを味方に)

ライン沿いで1対1。外は出たら負け。内側を空けるフェイク→外に体を入れてキープ。ラインが“壁”になる感覚が身につきます。

ゾーン型1対1(侵入で得点・接触は最小限)

3×3mのゾーンを2つ設置。相手ゾーンへボールを運べば得点。接触は肩タッチのみ。奪いに行く方向と間合いの学習に最適です。

2球ドリブル追いかけっこ(認知と進路作り)

2球を5m先へ配置。合図でスタート、どちらのボールに行くかは子が決定。親は逆を狙う。認知→進路決定→シールドが一連で磨けます。

スキル別強化:逆足・ターン・ストップ&ゴー

逆足だけのシールド&前進(体の向き固定)

逆足アウトサイドのみで前進し、相手とボールの間に体を維持。10mをゆっくり往復。向きが崩れたらリセットしてやり直します。

足裏Vターンとインアウトの連続転換

足裏で引く→アウトで押す→インで切るのVターンを連続。角度を小→中→大に変え、間合いに応じた選択肢を増やします。

クイックストップ→爆発(減速技術)

3歩目で止める→0.5秒静止→逆へ出る。止める瞬間に重心を落とし、ボールを体寄りに。再加速は最初の一歩を長めに踏み出します。

ボディフェイントと肩入れの組み合わせ

上体だけの小さなフェイント→肩入れ→シールドで通過。大振りより“小さく速く”が実戦的です。

段階的な難易度設定:レベル別チェックと上げ方

レベル1(静→動)/レベル2(方向転換)/レベル3(対人)

レベル1:定点シールド→歩きの横移動。レベル2:Vターンや半身ピボットを追加。レベル3:肩タッチ式の対人。達成後に次へ進みます。

奪取率・成功率・タッチ数の簡易記録法

20秒で奪取0回なら◎、1回なら○。往復10mでのタッチ数も記録し、週ごとに変化を確認。数字は行動の継続を助けます。

動画撮影の見どころ(首振り・間合い・最初の一歩)

スキャン頻度、相手との距離、止まった後の一歩目。3点に絞ってチェックすると改善点が明確になります。

親子で変えるローカルルール(追い込み禁止など)

真後ろからの全力追走はなし、肩タッチは片手のみ、ライン外は休止など。安全と目的に合わせて柔軟に設定しましょう。

よくある失敗と即時修正のコツ

ボールが体から離れる→タッチ頻度と歩幅を微調整

足元の真下で触る意識に戻し、1歩1タッチに一時的に増やします。歩幅は小さめに再設定。

正面を向きすぎる→半身角度と肩入れの徹底

へそを相手に向けない。胸は斜め、肩を差し込む。相手の進路と平行ではなく、斜めの線を保ちます。

視線が落ちる→視線固定ルール+スキャンカウント

「3秒に1回スキャン」を声掛けでカウント。落ちたらストップ→再開の合図で習慣化します。

片足に偏る→逆足シールド→方向転換の順で慣らす

逆足アウトのみ→足裏Vターン→半身ピボットの順で段階的に。逆足の成功体験を先に作ります。

スピードでごまかす→一度“止める”をトレーニング

スピード依存は限界が来ます。止める→見る→出るの一拍を練習に組み込みましょう。

小スペース・屋内でもできる工夫

畳2枚メニュー(静音足裏タッチとピボット)

足裏ロール、Vターン、半身ピボットを静かに。音を立てないチャレンジはコントロール向上に効果的です。

家具・マスキングテープでコース作り

テープで2m四方の枠→角を活用したL字ターン→中央シールド。視覚的に動線を作ると集中が続きます。

バウンド制限と小ボール活用

小さめのボールや柔らかボールで反発を抑えると、室内でも安全。足裏中心で触るメニューが相性良し。

時間がない日の5分サーキット

トータップ→Vターン→半身ピボット→肩タッチ鬼(軽め)を各45秒。短時間でも感覚は維持できます。

フィジカル&コーディネーションを遊びで伸ばす

ラダー代替(チョークラインでアジリティ)

地面にラインを描いて前後左右の踏み替え。リズムを変えると反応速度が上がります。安全な場所で。

片足ジャンプ→タッチ→方向転換の連結

片足3回ジャンプ→着地で足裏タッチ→90度ターン。着地の安定がシールドの強さに直結します。

軽い体幹ミニゲーム(押し合いっこで重心感覚)

手のひらを合わせて押し合い→片足立ちで3秒キープ。重心がブレない感覚を遊びで身につけます。

反応ゲーム(色・数コールで進行方向決定)

親が「赤」「3」などのコール→指定方向へドリブル開始。認知と判断のスピードが上がります。

認知・判断を高める“見える化”ドリル

色コール&ナンバーコールで二重課題

コーンに色や数字の紙を貼り、親が読み上げる組み合わせへ進む。視線アップのまま選択する練習です。

スキャン回数カウント(3秒で1回を目安)

短い区間で首振り回数を数えるだけでも効果あり。数が増えると、寄せへの初動が早くなります。

視野の幅を測る簡易テスト

親が左右で指の本数を出し、子は前を向いたまま答える。視野の広がりを数値化できます。

親の声かけテンプレ(事実→気づき→称賛)

「今3回スキャンできたね」(事実)→「止まった後の一歩が速かった」(気づき)→「その調子!」(称賛)。シンプルで効果的です。

練習プラン例:週間メニューで習慣化

15分プラン(忙しい日:フィーリング+1ゲーム)

ウォームアップ5分→シールド基礎5分→肩タッチ鬼5分。短時間でもキープの核を触れます。

30分プラン(標準:基礎→対人→仕上げ)

ウォームアップ8分→基礎シールド10分→対人ゲーム8分→減速とVターン仕上げ4分。

45分プラン(充実:認知課題まで)

標準プランに二重課題ゲームと動画チェックを追加。最後にストレッチ5分で終了。

学年別アレンジ(小・中・高の強度目安)

小学生:接触弱・時間短め。中学生:接触中・判断課題追加。高校生:接触強め・対人比率アップ。

安全とケガ予防・リカバリーの基本

足首・膝のリスクと回避(接触強度の管理)

急停止・急加速は足首と膝に負担。接触は肩タッチ中心にし、滑る路面は避ける。違和感があれば即休止を。

クールダウンとストレッチの型

ジョグ→呼吸を整える→ふくらはぎ、ハム、股関節を各20〜30秒。反動はつけず、痛み手前で止めます。

ボールサイズとシューズ選びの要点

学年に合ったボールサイズを使用。室外はトレシュー、室内はノンマーキングソールが安心です。

疲労サインと休息の判断

フォームの乱れ、集中力低下、違和感は休む合図。睡眠と栄養を優先し、翌日に回す判断も大切です。

成長の見える化:目標設定とモチベ維持

タイムトライアル(コース往復)

5mコース往復のタイムを週1回計測。記録は伸びやすい区間と停滞の目安になります。

連続奪取回避回数のベスト更新

肩タッチ鬼で「20秒間、奪取0回」を何本連続で達成できるか。小さな成功を積み上げましょう。

チェックシートのテンプレ項目

首振り回数/奪取0回本数/逆足での前進距離/止め→出るの成功率。週次で○×記録が簡単です。

ごほうび設計と週次ふりかえり

達成で“好きなゲームを1本追加”など。最後に「今日の一番良かったプレー」を言語化して締めます。

ルール・用語の豆知識(客観情報)

インプレー/アウトオブプレーの基礎

ボール全体がラインを越えるまでインプレー。ライン際のシールドは“出さない技術”が価値になります。

肩の接触許容とファウル基準の考え方

肩と肩の自然な競り合いは認められる場合がありますが、腕で押す、背後からのチャージは反則となることがあります。最終判断は審判です。

1対1で有利になる“ライン・角”の使い方

ラインは相手の進路を制限する“壁”。角は方向転換の起点。位置取りで勝率は変わります。

よくある質問(FAQ)

親はどのくらい強く奪いに行くべき?

最初は誘導役。成功が続く手応えが出てから、片手タッチ→両手タッチ→肩タッチの順で段階を上げます。

狭い家でも効果はある?

あります。足裏中心の静的メニューと半身ピボットで十分にキープ力は伸びます。音と安全に配慮を。

雨の日・冬場の代替練習は?

室内でVターン、ピボット、視線アップ縛り。反応ゲーム(色・数)も組み合わせて認知を維持します。

子どもが飽きてしまうときの工夫は?

時間を短く、ゲーム形式を増やす、記録に挑戦する、ごほうびを設定する。選べるメニュー表も有効です。

逆足が苦手すぎる場合の第一歩は?

逆足アウトサイドでの“止める→1歩出る”から。移動距離は短くてOK。成功回数を稼ぎ自信を作ります。

まとめ:今日から始める3つのアクション

必ず入れる“シールド5分”

毎回の練習冒頭に、半身と肩入れを意識したシールドドリブルを5分。ここが奪われにくさの土台です。

視線アップのルール化

「3秒で1回スキャン」を合言葉に。親の声かけで回数を数え、習慣に落とし込みましょう。

成功体験を記録して次回へつなぐ

20秒奪取0回本数やタイムをノートに。前回越えの小さな更新が、継続と上達を加速させます。

あとがき

サッカードリブルを親子で楽しく!奪われにくい練習は、毎日の小さな積み重ねがすべてです。スピードや派手なフェイントより、「止める・隠す・見る」を丁寧に。安全を守りながら、今日の1本を大切に重ねていきましょう。明日のドリブルは、きっと今日よりも奪われにくくなっています。

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