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サッカー夏休み自主練メニュー中学生が一人で伸びる30日計画

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この30日計画は、夏休みに中学生が一人でも「試合で使える力」を伸ばすための自主練テンプレートです。ボールタッチや走力だけでなく、判断やメンタルも含めて4領域をバランスよく鍛えます。毎日細かなドリルを並べるだけではなく、週ごとの負荷・回復・テストを設計して、成長を数値で確認できるようにしました。壁や広いグラウンドがなくてもOK。身の回りのものを使い、動画と数値で上達を見える化していきましょう。

夏休み30日計画の狙いと全体像

このプログラムで伸ばす4領域(技術・体力・戦術理解・メンタル)

  • 技術(テクニック):ボールタッチ、ファーストタッチ、ドリブル、パス、シュート。左右差を小さくし、試合速度でも崩れないフォームを目指します。
  • 体力(フィジカル):敏捷性(アジリティ)、スプリント、反復持久、可動域と体幹安定。動ける身体づくりが前提です。
  • 戦術理解:空間を見るスキャン習慣、方向づけタッチ、トランジションの意識。1人練でも判断を鍛える仕掛けを入れます。
  • メンタル:継続、振り返り、自己対話。数値と映像で「できた」を積み重ね、試合での自信に変えます。

一人練習でも「試合で使える力」に変える原則

  • 再現性重視:同じ動きを同じフォームで何度も。成功率80%を超えたら難度を上げる。
  • 制限設定:制限時間、利き足禁止、視線制限(顔上げ)などで試合の圧を再現。
  • スキャン(観る)を常に:タッチの前に周囲確認の癖づけ。口で「右・左・前」など声出しも有効。
  • 減速→加速:抜く前に止まれること。減速技術を先に整えるとケガ予防にもつながる。
  • 左右対称:左右交互のレップ設定。週単位で左右の本数比を記録。
  • 疲労下の実行:最後のセットでもフォームを崩さない範囲で追い込む。

週間サイクルの考え方(負荷・回復・テスト)

  • Day1–Day2:技術の量を確保(基礎反復)。
  • Day3–Day4:判断・フォームの質を高める(動画チェック)。
  • Day5–Day6:ゲーム強度に近い負荷(スプリントや連続フィニッシュ)。
  • Day7:テストと振り返り(短時間でOK)。

週次で負荷を少しずつ増やし、4週目はテーパリング(負荷軽減)→最終テストへ。

1日の所要時間とタイムテーブルの目安

  • 所要時間:60–90分(ウォームアップ10分→技術40–50分→フィジカル15–20分→クールダウン5–10分)。
  • おすすめ時間帯:朝または夕方(暑熱回避)。
  • 頻度:週6日+回復1日。疲れが強い日は量よりフォームを優先。

事前準備:安全・用具・場所・記録のセットアップ

安全第一と暑熱対策(時間帯・水分・休憩)

  • 時間帯:気温の低い朝または夕方。直射日光の強い時間は避ける。
  • 水分:開始2時間前にコップ2杯程度、練習中は15–20分ごとに150–250mlを目安。塩分・糖分を少量含む飲料も有効。のどが渇く前に飲む。
  • 休憩:セット間に日陰で1–2分。めまい・吐き気・頭痛を感じたら中止し涼しい場所へ。
  • 服装:通気性の高いウェア、帽子、日焼け止め。シューズは足に合うものを。

必要な用具と代替案(コーン・壁・ラインの作り方)

  • ボール1球、マーカー10枚(代替:ペットボトル、石、目印テープ)。
  • コーン代替:牛乳パック、空き缶(安全に配慮)。
  • 壁:自宅の外壁は避け、公共のリバウンドボードや公園の厚壁。無ければネットやフェンスの前でバウンド調整。
  • ライン作り:養生テープ、チョーク、紐で直線/四角を作成。
  • ラダー代替:テープでマス目、チョークで描く。

練習場所別の工夫(狭い・屋内・壁なし・公園)

  • 狭い場所:1m四方のクイックタッチ、足元技術、ボールマスタリー中心。
  • 屋内:低反発ボールやフットサルボール、滑りにくいシューズ。
  • 壁なし:トラップ→自分で蹴り出し→追い越し→回収で代替。マーカーを「味方・相手」に見立てる。
  • 公園:人に配慮し、周囲の安全確認。早朝の利用が現実的。

上達を加速させる記録方法(動画・数値・チェックリスト)

  • 動画:スマホを地面固定、横画面で撮影。技術は横、走りは斜め前からが見やすい。
  • 数値:本数、成功率、タイム、距離。1種目1つの指標に絞ると継続しやすい。
  • チェックリスト:今日の達成/未達、気づき、翌日の微調整を30秒で記入。

上達の指標と初日テスト(Day0)

技術テスト:リフティング・ドリブルタイム・パス/シュート精度

  • リフティング:利き足・逆足・交互 各最大回数(3トライのベスト)。
  • ドリブル:10m往復×2のタイム(コーン3本でジグザグ)。
  • パス精度:壁当て30本中の的中数(1m四方の目標)。
  • シュート精度:5m/8mから各10本、的(幅1m)への命中数。

フィジカル簡易テスト:敏捷性・スプリント・持久力

  • 5-10-5敏捷性:5m→戻る→10m→戻る→5mの合計タイム。
  • 20mスプリント:立ちスタートのベストタイム。
  • YoYo代替:20mシャトル10往復の完遂タイム。スペース無ければ縄跳び2分の回数。

自己分析テンプレートと目標設定のやり方

  • 強み/弱み/機会/対策を1行ずつ(例:逆足パス弱→毎日50本)。
  • 30日目標:技術1つ、体力1つ、メンタル1つの3本立て。
  • 週目標:日次を束ねた小目標(例:逆足パス命中率50%→65%)。

ウォームアップとクールダウンの基本

10分動的ウォームアップ(ジョイントバイジョイント)

  • 足首回し→もも上げ歩き→ランジ&ツイスト→ヒンジ(おじぎ)→スキップ→カラダひねり走。
  • 最後に30mビルドアップ走×3で心拍を上げる。

ケガ予防のモビリティと体幹ドリル

  • 足首ドーシフレクション、股関節内外旋、胸椎ローテーション各10回。
  • プランク30秒×2、サイドプランク20秒×2、グルートブリッジ10回×2。

5分クールダウンとストレッチの型

  • ゆるいジョグ→呼吸整え→ハム/ふくらはぎ/股関節/ヒップを各20–30秒。
  • 練習の感想を1行メモ。痛みがあれば翌日の負荷を調整。

1週目:基礎タッチとフォーム・体づくり(Day1–Day7)

Day1 基準づくりとフォーム確認(テクニック導入+短距離ダッシュ)

  • ボールマスタリー:足裏/インサイド/アウト各50回×2セット。
  • ドリブル直線10m×6(顔上げ意識)。
  • 20mダッシュ×4(フォーム重視)。
  • 動画撮影:ドリブルとキックフォームを各1クリップ。

Day2 足裏/インサイド1000タッチ回路+足首/股関節モビリティ

  • 1000タッチ目安:200タッチ×5種(足裏ロール、インサイド交互、アウト交互、V字、プルプッシュ)。
  • モビリティ各10回×2周。

Day3 ドリブル基礎(8の字・ジグザグ)+体幹スタビリティ

  • コーン2個で8の字ドリブル1分×5(左右均等)。
  • 5本コーンジグザグ×6本、タイム計測。
  • 体幹:プランク/バードドッグ/デッドバグ各30秒×2。

Day4 パス&トラップ壁当て基礎+着地/減速の技術

  • 壁当て:片足パス20本×3セット(左右)。
  • トラップ→方向づけ→パスの3連続×10。
  • 減速:5m加速→ストップ→方向転換×6。

Day5 シュートフォーム入門(的当て)+股関節強化

  • インステップフォーム:近距離5mで的当て10本×3。
  • インフロントでカーブ感覚:8mで外→内回転10本。
  • 股関節:ヒップヒンジ、サイドランジ各10回×2。

Day6 フィジカル基礎(アジリティL字・T字)+アクティブリカバリー

  • L字/T字ドリル各3本×2セット(タイム記録)。
  • 軽いジョグ10分+ストレッチ。

Day7 週次テストと振り返り(動画確認と小目標更新)

  • ドリブル10mタイム、壁当て命中率、20mダッシュを再測定。
  • 動画を初日と比較し、次週の重点を1つ決める。

2週目:ボール保持と運ぶ力+スプリント強化(Day8–Day14)

Day8 空間認知ドリブル(顔上げ)+コーディネーションラダー代替

  • 顔上げドリブル:胸より高い位置の目印を見ながら10m×8本。
  • ラダー代替:マス目でインアウト/両足ジャンプ/シザース各20秒×3。

Day9 ファーストタッチの方向づけ+壁パス連続コンボ

  • 方向づけタッチ:マーカー左右に置き、受けて逆へ運ぶ×20本。
  • 壁パス→ワンタッチ戻し→2タッチ前進×10コンボ×2。

Day10 1v0突破の型作り(フェイント3種)+減速→再加速

  • フェイント:シザーズ、ダブルタッチ、プルプッシュ各10本×2。
  • 減速→再加速:10m加速→ストップ→再加速×6(タイム)。

Day11 キック強化(インステップ/インフロント)と正確性ドリル

  • ステップからのインステップ:8mで的当て10本×3。
  • インフロント:カーブの角度を変えつつ10本×2。

Day12 反復スプリント走(RSA)とフォーム改善

  • 15mダッシュ×10本(20–30秒間隔)。フォーム撮影して1点だけ修正。

Day13 セットプレー基礎(ロングキック・スローイン)+柔軟性

  • ロングキック:距離よりフォーム優先。20本。
  • スローイン:足を離さず正確に10本×2。
  • 股関節・ハムストリングの静的ストレッチ。

Day14 週次テスト(タイム・精度)と小休養

  • ドリブル、壁当て、スプリント再測定。午後は休養・散歩程度に。

3週目:判断スピードと連続性の向上(Day15–Day21)

Day15 スキャン習慣化ドリル(視線スイッチと事前情報収集)

  • 視線スイッチ:コーチ役(家族)が指示する番号を見てからタッチ×20。
  • 自分で声出し「右・左・前」を言ってからタッチ×20。

Day16 トランジション走とボール奪取イメージ(影トレ)

  • 5mダッシュ→戻り→10m前進→ストップ×6(反応で方向変更)。
  • 影トレ:コーンを相手に見立て、間合い→奪う→運ぶをイメージで反復。

Day17 連続フィニッシュ(ドリブル→シュート)持久系

  • 10mドリブル→シュートを連続10本×2(最後の3本でフォーム維持)。

Day18 狭小スペースクイックタッチ(1m四方での高速化)

  • 1m四方内でのタッチ回路:インサイド交互、アウト交互、V字、足裏ロール各30秒×3。

Day19 方向転換とターン(クルフ/オープン)+減速技術

  • クルフ/オープン/ドラッグバック各10本×2。
  • 減速3歩→ターン→加速5m×6。

Day20 対人代替メニュー(壁・コーンを相手化した判断トレ)

  • 壁に番号3つ貼り、コールされた番号へワンタッチパス→反対へ運ぶ×15。
  • コーン2本を相手脚に見立て、股抜きイメージ→方向変換×10。

Day21 週次テスト&アクティブリカバリー(可動域回復)

  • テストののち、ジョグ10分+モビリティ重点。

4週目:総合仕上げと実戦準備(Day22–Day30)

Day22 試合強度インターバル+ボール扱いの維持

  • 30秒全力ドリブル→30秒レスト×8。
  • タッチ回路500タッチで技術の感覚維持。

Day23 フィニッシュの質と再現性(連続10本チャレンジ)

  • 位置を変えて10本連続で枠内率を記録。2セット。
  • フォームを1点だけ意識(軸足、つま先、体の向き)。

Day24 ロングボール/サイドチェンジの精度トレ

  • 対角へロングキック10本×2(高さと回転を記録)。
  • グラウンダーのサイドチェンジ10本×2。

Day25 体の当て方とボディコンタクトの代替練習

  • 壁押しスクラム:壁に背中/肩で圧をかける10秒×6。
  • 片脚バランス+押す動作(チューブあれば使用)各10回。

Day26 ゲーム理解の自習(映像メモと戦術ノートの作り方)

  • 試合映像を10分観て、良い受け方・パスコース・体の向きを3つメモ。
  • 自分のポジションで今日から真似できる1点を決める。

Day27 テスト項目の総リハーサルと弱点補強

  • Day0の全テストを7割の力で通し。弱点を15分集中補強。

Day28 テーパリング(負荷軽減)と可動域回復

  • タッチ回路300、軽いシュート10本、ストレッチ長め。

Day29 最終テストリハーサル&微調整

  • テスト項目を本番形式で1回ずつ。靴・ボール空気圧を本番用に。

Day30 総合テストと成果の見える化(次目標設定)

  • Day0と同条件で全テスト。数値・動画・感想を保存。
  • 良かった3点、伸び悩み2点、次の30日でやる1点を決める。

ポジション別・課題別のアレンジ例

FW:裏抜け・フィニッシュ特化の一人メニュー

  • オフサイドライン想定マーカー→斜めラン→ワンタッチ/2タッチシュート各10。
  • 背後への初速強化:5m加速×8。

MF:スキャン頻度と方向付けタッチの強化

  • 背中の番号呼び→受ける→逆へ運ぶ×20。
  • 半身で受ける練習:体の向きを45度に固定して壁当て50本。

DF/サイドバック:対人代替・クリア/ロングの精度

  • 間合い管理:1.5m→1m→0.5mと詰めるフットワーク×10。
  • ロングクリア/サイドチェンジ各10本×2。

GK:一人でできるフットワーク・キャッチ・配球

  • ステップワーク(前後左右)20秒×6。
  • 壁リバウンドキャッチ10本×3(胸・頭上)。
  • ローリングスロー/ゴールキックのフォーム反復。

左右差補正と弱点克服の進め方

  • 逆足2:利き足1の比率で1週間継続。
  • 成功率60–70%帯で反復し、80%を超えたら難度UP。

雨の日・室内・早朝でもできる代替メニュー

3畳スペースでできるテクニック回路

  • 足元タッチ30秒×8(休憩15秒)。
  • 壁なしトラップ:自分でワンバウンド→止める×30。

階段/公園の活用(安全留意点付き)

  • 階段ドリル:段飛ばし/片脚着地は手すり側で。濡れている日は行わない。
  • 公園スプリント:人の少ない時間帯に。周囲確認を徹底。

チューブ・自重だけでフィジカル維持

  • スクワット10×3、ランジ10×3、カーフレイズ15×3、チューブヒップ外転15×2。

学習と戦術理解の自習法(ノート/映像の見方)

  • 1プレー1メモ方式:止める・蹴る・運ぶのどこが良かったかを1行で。
  • 同ポジションの選手を固定して観察する。

食事・睡眠・回復で差がつくコンディショニング

練習前後の栄養(炭水化物・たんぱく質・補食)

  • 前:消化の良い炭水化物(おにぎり、パンなど)。
  • 後:30分以内に炭水化物+たんぱく質(牛乳+バナナ、ヨーグルト+シリアルなど)。
  • 間食:熱い日は塩分を含む補食も検討。

水分補給と暑さ対策(タイミングと量の目安)

  • 開始前・合間・終了後に分けてこまめに摂る。色の濃い尿や頭痛は脱水サイン。

睡眠と昼寝の活用(入眠ルーティン)

  • 就寝前のスマホ時間を短縮、同じ時間に寝起き。
  • 昼寝は20分以内、夕方以降は控える。

習慣化のコツと家族/保護者のサポート例

  • 毎日同じ時間・同じ順番で始める。
  • 家族にテストのタイム読み上げ・撮影をお願いする。

週末セルフテストと進捗の見える化

週次チェック項目(技術・体力・メンタル)

  • 技術:ドリブルタイム、パス/シュート命中率。
  • 体力:20mベスト、アジリティ合計。
  • メンタル:継続率、自己評価(10点満点)。

スコアシートの例と評価基準のつけ方

  • A:目標達成、B:あと一歩、C:再設計。A/B/Cで色分けして可視化。

停滞時のリセット方法(負荷調整と課題再設定)

  • 量を7割に落としてフォーム再確認→翌週に再挑戦。
  • 課題を1つに絞り、成功体験を作る。

最終日まとめと次の30日へ

Day30の結果分析とハイライト抽出

  • Day0比で伸びた項目を3つ書き出し、動画のベストシーンを保存。

試合で成果を出すための移行(合流練/実戦)

  • 部活・クラブの練習では、今月磨いた1つ(例:方向付けタッチ)を意識して使う。
  • プレー後の振り返りを短く続ける。

継続計画テンプレート(次の30日設計)

  • テーマを1つに(例:逆足強化)。週2は測定日、週1は完全回復日を固定。

よくある質問(Q&A)

時間が取れないときの短縮版メニュー

  • 20–30分版:動的WU3分→タッチ回路8分→ドリブル5分→壁当て5分→クールダウン3分。

練習場所がない/壁がない場合の代替

  • 自分で浮かせ→ワンバウンドトラップ→方向付け→自分へパスで代替。

ケガをした場合の調整と復帰プロトコル

  • 痛みが出る動きを避け、上半身・体幹・スキャン練習に切替。痛みが引いてから段階的に復帰。

モチベーションが続かないときの工夫

  • 1曲1種目ルール、成功本数を見える化、家族に宣言して達成報告。

ボールが1つしかない場合の工夫

  • 近距離精度に特化。タッチ回路・1m四方ドリル・短距離フィニッシュを多めに。

付録:チェックリストと記録テンプレート

日次チェックリスト(達成/未達/メモ)

  • 今日の種目/回数/成功率/気づき1行/明日の修正1行。

週次スコア表とグラフ化のヒント

  • Excelやノートで「ドリブルタイム」「壁当て命中」「20m」を折れ線化。

用具管理・消耗品リスト

  • ボール空気圧、テープ/チョーク、飲料、タオル、帽子、替え靴下。

まとめ

この30日計画は、毎日の小さな積み重ねを数値と動画でつなぎ、試合で使える力へ変えていく設計です。壁や広いスペースがなくても、工夫次第で十分に伸びます。大切なのは、フォームの再現性、スキャン習慣、そして週ごとの振り返り。無理なく安全に続けながら、自分の強みを1つずつ増やしていきましょう。夏の終わり、プレーが軽く、判断が速く、シュートが枠を捉える感覚を手に入れているはずです。次の30日も、今日決めた1歩から。

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