インナーラップ 練習方法を図解並みに言語化する

インナーラップを練習したいけれど、図がないとイメージしづらい。そんな悩みを、言葉で「図解並み」に再現する記事です。コーンの置き方を座標で示し、パス順序を番号化、走る角度や歩数まで固定して、目を閉じても動けるレベルの具体性でまとめました。読みながらその場で組めるメニューと、試合で効かせる判断の基準も載せています。まずは定義から整え、次に言語化のコツ、そしてドリルへ。最後は試合に直結するチェックポイントまで、一気通貫でどうぞ。

インナーラップとは？オーバーラップとの違いと用語整理

定義と用語（インナーラップ=アンダーラップ）

インナーラップは、ボール保持者の「内側（中央側）」を味方が追い越すオフザボールの動きです。英語では「アンダーラップ（underlap）」とも言われ、同義として扱われます。対になる言葉が「オーバーラップ（overlap）」で、こちらはボール保持者の「外側（タッチライン側）」を追い越します。内か外か、その違いだけで設計思想とリターンが大きく変わります。

オーバーラップとの戦術的な違い

• 侵入ゾーン：オーバーラップはワイドレーン、インナーラップはハーフスペースに侵入。
• 守備の揺さぶり：外は幅で1人を2人分働かせ、内は縦横の同時脅威で最終ラインの「背中」を突きます。
• パス角度：外は縦→外の一直線、内は斜め→縦の二段階でカットバックの質が上がる。
• カバー：外はタッチラインが保険、内は中央で失うとリスク大。ただしゴール期待値は上がりやすい。

関与するポジション（SB・WG・IH・トップ下）

• SB（サイドバック）：最も使われる役割。外に立つ味方の内側をスプリントで差し込み、PA角で受ける。
• WG（ウイング）：ボールを引きつけながら内を通すパサー役。逆にIHが外に張る入れ替えも有効。
• IH（インサイドハーフ）：三人目としてインナーラップで刺す役にも、つなぐ壁役にもなれる可変ピース。
• トップ下：PA手前での最終パスや、カットバックの起点。内走の「終点」をデザインする。

ハーフスペースの基礎理解

ハーフスペースは、サイドラインと中央の間の縦帯。タッチラインの保護がない代わりに、ゴールに最短で向かえるレーンです。ここをスプリントで通過し、PA角（ペナルティエリアの角）に入ると、シュート・折り返し・ファーへのクロスの三択を同時に持てます。

リスクとリターンの概観

• リターン：中央寄りで受けるため、シュートと決定機に直結しやすい。ライン間での数的優位も作りやすい。
• リスク：ロスト時のカウンターが直撃しやすい。SBが出た背後の管理、アンカーのカバー確認が必須。

インナーラップの練習方法を図で理解したい人へ：文章で空間を再現するコツ

コーン配置を言葉で図解する方法

「ゴールに向かって縦30m×横20mの長方形を作る。自陣から見て左下を原点（0,0）として、左タッチライン沿いにA(0,5)、B(0,20)。中央レーンにC(10,10)、D(20,10)。右タッチラインにE(30,5)、F(30,20)」のように、座標で置きます。こうすると口頭だけで全員が同じ図を共有できます。

座標と距離感の言語化（メートル・角度・歩数）

• 距離：5m・10m・15mの3段階で固定。「P1は10m」「L2は15mスプリント」など。
• 角度：「縦45度」を基準語に。縦へ45度内側に差す→PA角へ向かう基本ライン。
• 歩数：加速3歩・減速2歩のように歩幅で指示。年齢やレベルに合わせて「大股3歩→細かく2歩」。

役割色分けを名称で代替（青=SB/赤=WGなど）

色が使えない場でも「青=SB、赤=WG、黄=IH、白=CF」と言い切り、会話を短縮します。以降の記述も役割名で統一しましょう。

番号付けでパス順序と走路を可視化

パスはP1, P2…、ランはL1, L2…で記録。「P1: 赤→青（10m）」「L1: 青が縦45度に8m」「P2: 赤→L1へスルー」など、番号で因果関係を固定します。

チェックリストでイメージを補強

• 開始前に「距離（m）・角度（度）・歩数」を声に出す。
• 受け手の向きは「半身・視線・支持脚」を確認。
• 終点（PA角/ゴール前/リサイクル）を宣言してから開始。

どの局面で効くか：相手の守備ブロック別の使いどころ

4-4-2のサイド圧縮を剥がす

WGが外で受けて、SBを内走。相手のサイドMFが外へ寄る瞬間に内の縦ラインが空きます。P1で外→内へ角度を変えると、相手SBの骨盤が遅れ、PA角へ侵入可能。

マンマーク気味に対する背中取り

相手が人基準なら、マーカーの視線がボールへ移った瞬間が合図。味方の次タッチでL1開始、足音を消して背中へ。短いスルー（8〜12m）が有効です。

トランジション直後の即時刺し

奪った直後は中央が空きやすい。外で時間を作らず、縦45度へ一気にL1。相手の整列前にPA角で受けて決定機を作ります。

ペナルティエリア角（PA角）での崩し

PA角は選択肢の交差点。カットバック、ニア・ファーへの速いボール、マイナスの差し替えまで、インナーラップの終点をここに設定すると意思決定が速くなります。

ローブロック vs ミドルブロックの違い

• ローブロック：密度が高い。ワンタッチ多用、幅のフェイク→内差しでズレを作る。
• ミドルブロック：前向きに運ぶ余白がある。持ち運びで引きつけ→内走を通す。

成功の3要素：角度・タイミング・速度を言語で固定する

角度：縦45度を基準に内へ差し込む

基準角は45度。タッチラインと平行に走らず、縦に対して内へ45度で差すと、パスコース・射線・リターンの三つ巴が成立します。迷ったら「ゴールと肩を結ぶ角度」。

タイミング：味方の次のタッチでスタート

トリガーは「味方の次タッチ」。止まって見て→味方が触れる瞬間に一歩目。早すぎるとオフ、遅いと閉じられる。音で測るなら「タッ（触）でスタート」。

速度：最初は遅く、最後の3歩で最大加速

出だしはゆっくり相手を観察、最後の3歩でMAXまで上げる「ラダー加速」。受ける直前に1歩だけ減速を入れて、体の向きを作れる余白を確保します。

体の向き：半身とつま先の向きで選択肢を保持

受け手は半身。つま先はゴールとタッチラインの中間（約30〜45度）。支持脚はパスラインに垂直、軸のブレを減らし、ワンタッチの選択肢を増やします。

オフサイドライン管理と減速技術

最終ラインと同線で走らず、半歩内側に遅れて出る。パスが出ない時は「小刻み3歩のブレーキ」でオフを避け、再加速に備えます。

基礎ドリル1：2人で学ぶインナーラップの動線

セットアップ（20×15m・コーンA〜D）

• グリッド：縦20m×横15m。左下をA(0,0)、左上B(0,15)、中央右下C(15,5)、右上D(20,15)。
• 役割：赤=WG（B付近）、青=SB（A付近）。

手順（パス1→保持→ラン1→差し）

1. P1: 青→赤（AからBへ10〜12m）。赤は外で受ける。
2. 保持：赤がタッチ1〜2回で相手を引きつける。
3. L1: 青が縦45度でC方向へ8〜10mスプリント。
4. P2: 赤→青（L1へグラウンダー）。
5. P3: 青→カットバックまたはマイナスへ配球（D手前を仮想PA角）。

コーチングポイント（視線・肩の向き・支持脚）

• 赤：最初の視線は縦、次に内。肩を外に見せて内へ通す。
• 青：スタートは遅らせ、最後の3歩でMAX。支持脚は進行方向に対してやや外向き、ワンタッチの余白を作る。

ありがちなミスと修正キュー

• ミス：青が早く出すぎてオフ。修正：「次タッチで行く」。
• ミス：P2が強すぎる。修正：「膝下強度で背中へ滑らせる」。
• ミス：赤の体が内向きで外の脅威が消える。修正：「肩だけ外、足は中」。

発展バリエーション（強度とタッチ制限）

• 制限：赤は2タッチ以内、青はP2後ワンタッチクロス。
• 強度：L1の距離を12〜15mに延長、加速維持を狙う。

基礎ドリル2：三角形で第三の動きを習得（3人）

セットアップ（三角の一辺12〜15m）

正三角形を作り、左頂点に赤（WG）、下頂点に青（SB）、右頂点に黄（IH）。各辺12〜15m。

手順（壁→刺す→裏抜け→カットバック）

1. P1: 青→赤。赤は外足で受ける。
2. P2: 赤→黄（壁役）。
3. L1: 青が赤の内側を縦45度へ走る。
4. P3: 黄→青（スルー）。
5. P4: 青→赤/黄へ折り返し。

コーチングポイント（壁役の体勢と体幹）

• 黄は半身・膝軽く曲げ・体幹固定。出し手の逆足でワンタッチの面を作る。
• 青のL1は黄の視線がボール→青に移る前に通過。

1タッチ/2タッチの使い分け

圧が弱い時は2タッチで角度調整、強い時は1タッチでテンポ優先。ルールで「P2/P3は1タッチ固定」など強制し、スピード感に慣れます。

逆サイドへのスイッチ追加

P4後に一度CF役へ当て、逆WGへ展開。内走の脅威で中央が締まったら、スイッチで幅を取り直します。

実戦寄りドリル：2v1/3v2で判断を鍛える

2v1：DFの利き足と骨盤向きで決断

DFの利き足側へ誘導し、骨盤が外に向いた瞬間に内へ刺す。DFが内を切るならP1で外へ持ち出し→再度内へ。

3v2：優先順位（縦保持→刺す→外す）

まず縦を保持しDFを下げる→内走が通るなら即刺す→閉じたら外へ。優先順位を声で宣言してから開始すると、判断がブレません。

制約ルール（ハーフスペース通過必須など）

• 得点は「ハーフスペース通過後のシュートのみ有効」。
• 保持者は3タッチ以内。内走に出せないなら即外へ逃がす。

得点条件の設計（インナーラップ経由に加点）

内走→PA角→折り返しで+2点、通常得点は+1点のように重みをつけると、狙いが明確になります。

攻守切替の即時リスタート

ロスト時は5秒間のゲーゲンプレスを義務化。出たSBの背後はIHがカバーに入るルールで、実戦の怖さをセットにします。

コーン配置の言葉地図：図解並みに伝わる座標設計

基本グリッド（30×20m）の理由

縦30m×横20mは、PA角までのスプリント距離（10〜15m）と、外→内の角度変換を両立できる万能サイズです。

コーンA〜Fの座標と役割の固定

• A(0,5)=SBの出発点、B(0,18)=WGの受け点。
• C(10,10)=ハーフスペース入口、D(20,10)=PA角想定。
• E(30,5)=折り返しのニア、F(30,18)=ファー側到達点。

ゴール向きとライン名称の統一

右端がゴール方向。横線は下から「ライン1, 2, 3」、縦線は左から「レーン外・ハーフ・中央」で呼ぶと意思統一が速いです。

パス番号・ラン番号の書式（P1/L1など）

記録例：「P1 A→B（12m）、L1 A→C（45度10m）、P2 B→L1（グラウンダー）、P3 L1→D（折返し）」。

狭小スペース版（18×12m）への縮小

距離が短い分、タッチ数を減らしてテンポを上げる。角度は45度を維持しつつ、加速は2歩でMAXまで。

サイドバック向け：出るか残るかの判断基準

アンカー/CBのカバー確認（視線合図）

出る前にアンカーまたは逆CBと目を合わせ、顎を上げる小さな合図でOKをもらう。返事がなければ残るのが原則。

逆サイドの危険度スキャン（2秒ルール）

出る判断の前に2秒だけ首を振り、逆サイドの枚数と相手の立ち位置を確認。数的不利なら出ない。

カットイン誘導と内走の併用

WGがカットイン姿勢を見せて相手SBを止め、その背中へSBが内走。二人で「外と内の二択」を常に提示します。

侵入後の選択（折返し・マイナス・ファー）

• 折返し：ニア前に速いボール。GKとDFの間へ。
• マイナス：PA外のIH/トップ下へ丁寧に。
• ファー：浮かせず、速いドライブで足元へ。

戻りの最短ルート（弧ではなく直線→弧）

攻撃が切れたら、まず最短直線で撤退ラインへ戻り、そこから弧でサイドへ。遠回りの弧走はカウンターに間に合いません。

ウイング/インサイドハーフ向け：受け手の準備と引きつけ

半身の作り方と支点足の置き方

ボールとゴールの中間に骨盤を向ける半身。支点足はパスラインに垂直、インサイドの面を大きく作る。

相手SBを止めるタメの作り方

タッチ1回でボールを外に逃がし、次タッチで内に置くフェイク。相手SBの足が止まった瞬間に内走へ。

二択提示（カットイン vs インナーラップ）

ドリブルで中へ運ぶ姿勢を見せつつ、視線は外。逆もあり。相手に「どっちもある」と思わせ続けるのが鍵。

パススピードの最適化（膝下強度）

L1へのP2は強すぎると流れる、弱いとカットされる。膝下で押し出すグラウンダー、回転は少なめで一直線。

三人目の関与で密度をずらす

IHが一瞬だけ外に顔を出し、相手IHを連れ出してから内へ戻る。密度をずらすだけで内走の通り道が生まれます。

非言語コミュニケーション：トリガーと合図

視線と肩の開閉で知らせる

出し手は目だけ外→内へスライド、肩は外を見せて内を通す。走り手は視線で背後スペースを確認しつつ、顎を軽く振って準備OKを示す。

ボールタッチの強弱で合図する

強いタッチで前に置く→内走スタートの合図。弱いタッチ→保持継続で出ない合図。共通言語にします。

歩数と呼吸の同期（3歩でギア上げ）

「1・2・3」でギア上げ。出し手と走り手が同じリズムで呼吸すると、タイミングのズレが減ります。

キーワードの統一（例：「アンダー！」）

短くて通る言葉を一つ。「アンダー！」で内走、「アウト！」で外走。試合でも聞き取りやすい音に。

手の位置と腕振りで方向を示す

走り手は腕振りをやや内向きに大きく、受け手に意図を見せる。出し手は逆手で外を指し、内を通すフェイク。

守備側の対策に対する解法

内切り封鎖への対応（外へ一旦誘導→中）

最初は外へ運んで相手を広げ、骨盤を外向きに固定してから内へ角度変換。P1→P2のテンポを速く。

コース切りDFには縦持ちパラレラ

縦コースを切られたら、ボールを同じレーンで運ぶ「パラレラ」で下げさせる→空いた内へスルー。

潰されたら三人目でリターンブレイク

内走が捕まったら、一旦壁に当てて逆へ。三人目が同時に縦へ差し直す「リターンブレイク」で再加速。

逆足SBの弱点（内足タックルの遅れ）を突く

逆足のSBは内側のタックルが遅れやすい。内へ置いた瞬間にL1を通すと、足が間に合いません。

早いクロスとマイナスの使い分け

• 最終ラインが深い：早いクロスでニアへ。
• ラインが高い：マイナスでシュートブロックを外す。

年代・レベル別の導入と負荷調整

中高生：理解→速度→対人の段階設計

最初に言語化と座標で理解→加速3歩/減速2歩を固定→守備者を入れて判断負荷。週ごとに段階を上げます。

大学生・社会人：強度と判断の同時負荷

ハイテンポで3v2や4v3を中心に。時間制限（10秒以内）と得点条件（内走経由+2点）で狙いを明確化。

初心者チームへのルール制約導入

「P2は必ず内走へ通す」「外タッチ→内パス」の固定ルールで型を作ってから、自由度を上げる。

親子でできるミニドリル（5×5m）

小さな四角で親がWG、子がSB役。親が外足で受け→内へワンタッチスルー→子が斜めへ走って受ける。距離は3〜5mでOK。

女子・マスターズ向けの配慮ポイント

加減速の負担を抑えるため、角度をやや浅く（30度）設定。タッチ数を増やして安全に実行します。

個人スキル分解：技術・フィジカル・認知

技術：ファーストタッチとパスの質

内へ通すP2は面の作り方が命。足首を固め、膝下で押し出す直線的なグラウンダーを反復します。

フィジカル：加速・減速・方向転換

加速3歩、減速2歩、方向転換1歩の組み合わせをドリル化。ラダーやコーン2個で十分に向上します。

認知：スキャン頻度とタイミング

受ける前に左右→後方の順に2回、走る前にライン確認を1回。リズムは「タッチ前/タッチ後」。

姿勢：胸郭と骨盤の連動

胸を開くと骨盤も開きやすい。半身を保ち、上半身でフェイク、下半身で進行方向を決めます。

疲労下の精度維持

最後のセットこそ「歩数」と「角度」を声に出す。言語でフォームを固定するほど崩れにくいです。

実戦落とし込み：ポジション別のパターン練習

SB×WGの2人関係テンプレート

外→内の二択を常時提示。WGが縦に運ぶ姿勢を見せ、SBが内を通る。P2は斜めの背中通し。

IH絡みの三人目パターン（8番の挿入）

IHが一度外回収→内差しのスイッチ役。IHがボールを触るとDFは内に寄り、SBの内走が通りやすくなります。

CFの幅取りと背走の連動

CFが一瞬ワイドに流れると、CBが引き出されハーフスペースが空く。そこへSBが刺す連動が強力。

ビルドアップ→最終局面への連結

CB→IH→WG→SBの内走という4手。各パスの角度を45度ベースでつなぐと、相手のスライドが間に合いません。

セットプレー流れからの即時インナーラップ

CK/FKのこぼれ球でWGが外、SBが内へ即走。相手のマークが曖昧な瞬間を突きます。

計測と振り返り：練習の見える化

成功率の定義（侵入→決定機創出）

成功を「内走でハーフスペースへ侵入し、シュートまたは決定機（枠内/フリーでのシュート）を作った回」と定義。曖昧さを排除します。

回数・距離・最高速度の記録法

• 回数：P2が通った数/試行数。
• 距離：L1の走行距離（m）。
• 速度：最後の3歩の区間タイム（手計測でOK）。

動画チェック用チェックリスト

• スタートは「次タッチ」か。
• 角度は45度±10度か。
• 受け直前の減速が1歩入っているか。
• 体の向きは半身で選択肢を保持しているか。

週間メニュー例とボリューム管理

例：月=基礎2人×15分、火=三角3人×20分、水=休養、木=2v1/3v2×25分、金=仕上げ10分、土=試合、日=回復。総走行距離に応じて加速ドリルは調整。

個人目標とチーム目標の紐づけ

個人は「通過成功率60%→70%」、チームは「内走起点の決定機1試合3回」。個と組織で指標を別にして管理します。

ミス事例と修正キュー集（図解代替の短文フレーズ）

角度キュー：「肩とゴールを結ぶ」

迷ったら肩線をゴールへ。体の向きで角度が決まる。

タイミングキュー：「次のタッチで行く」

早い/遅いを防ぐ最短ワード。合言葉に。

速度キュー：「最後の3歩でMAX」

序盤は観察、終盤で爆発。走りのリズムが安定。

パスキュー：「グラウンダーで背中へ」

浮かせない、回転少なめ、一直線。

守備キュー：「見る→寄せる→切るの順」

奪い急がず、順序で守る。内走を止める側の原則。

よくある質問（FAQ）

オフサイドが多発する時の対処

「次タッチで行く」を徹底。立ち位置は半歩後ろ、減速1歩でライン管理を。

味方と動線が被る時の整理

外はWG、内はSB/IHで役割を固定。被ったら「外優先」を合意し、もう一人は三人目に回る。

守備に戻れない問題への解決策

戻りは直線→弧の順。IHとアンカーのカバー合図を先に取り、出る前の確認を習慣化。

左利き/右利きで何が変わるか

左利きのSBは右足着地で受けると内へ通しやすい。逆足はマイナスの精度が上がる。利き足前提で受ける角度を微調整。

小さいピッチでの再現方法

距離を半分にしても角度は45度を維持。タッチ数を1つ減らし、テンポで差を埋める。

まとめ：明日からの練習に落とし込む

10分でできるウォームアップ版

• 2人基礎：P1→L1→P2の繰り返し（各サイド3分）。
• 角度と歩数の声出しで言語固定。

チーム練習に差し込む30分版

• 三角3人×10分→2v1×10分→3v2×10分。
• 得点条件を「内走経由+2点」に設定。

試合前日の軽負荷版

距離短め、スピード60%。判断と合図の確認に特化。非言語トリガーを合わせるだけでも効果大。

試合でのチェックポイント3つ

• トリガーは「味方の次タッチ」。
• 角度は「縦45度」。
• 終点は「PA角で三択」。

あとがき

「言葉で図解する」ことに慣れると、練習の再現性が一気に上がります。角度・距離・歩数・合図。たったこれだけの共通言語で、チームの内走は鋭く、ミスは減ります。今日の練習から3つだけでいいので取り入れてみてください。必ず手応えが出ます。