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サッカー練習ノートの書き方・例で伸びる!結果を変える5分術

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「サッカー練習ノートの書き方・例で伸びる!結果を変える5分術」へようこそ。練習や試合で感じたことや数字を、たった5分のメモに落とし込むだけで、上達のスピードは目に見えて変わります。ノートは、感覚を言葉に変え、再現性を高め、次の一歩を明確にするための道具です。本記事では、誰でも今日から続けられるシンプルなフォーマットと、すぐ真似できる具体例を紹介します。紙でもスマホでもOK。大事なのは「客観(事実)×主観(感覚)×次アクション」の3点セットにすることです。

なぜ“サッカー練習ノート”で結果が変わるのか

練習ノートの効果:メタ認知と再現性がパフォーマンスを押し上げる

サッカーは瞬間的な判断と継続的な積み重ねのスポーツです。練習ノートは、頭の中で起きたことを可視化し、自分のプレーを俯瞰して捉える(メタ認知)手助けをします。客観的な記録があれば、良かったプレーの条件や悪かったプレーの原因を翌日に再現・修正できます。結果を偶然に任せないために、ノートは「思考の癖」「身体の感覚」「数字」を結びつける橋渡しになります。

伸び悩みの共通点は「記録の欠如」と「曖昧な目標」

停滞時にありがちな2つの落とし穴は、①記録しない(記憶に頼る)②目標が抽象的(“頑張る”“もっと走る”など)です。記録がなければ原因は推測のまま、目標が曖昧なら行動はぼやけます。ノートは、この2つを同時に解決します。事実(メニュー・回数・成功率)を残し、次にやることを数値や行動に変換するだけで、練習の密度が上がります。

5分術の全体像:準備30秒→練習/試合→振り返り5分→次アクション30秒

フォーマットはシンプルです。練習前に30秒で今日の焦点を決める。練習や試合後に5分で振り返る。最後の30秒で明日の小さな一歩を決める。合計6分もかかりません。ポイントは「完璧を求めない」「毎回同じ型で書く」「時間を区切る(タイムボックス)」の3つ。最小の手間で最大の効果を得ます。

5分でできる!サッカー練習ノートの基本フォーマット

1分:今日の焦点を決める(SMART目標+1行テーマ)

まずは1行でテーマを書きます。例:「裏抜けの初動を0.3秒早く」「前進パスを10本通す」。SMART(具体・測定可能・達成可能・関連性・期限)を意識して、数と動作を入れましょう。

2分:事実を残す(メニュー・回数・成功率・体感RPE)

練習や試合の「起きたこと」を数字中心で。例:「1対1×12本、勝率7/12」「ダイレクトパス20本中14本成功」「スプリント10本、RPE7/10」。RPEは主観的運動強度(0〜10)です。数字の粒度をそろえると比較が容易になります。

1分:気づきの言語化(技術/戦術/メンタルの3視点)

短文でOK。「技術:ファーストタッチが内向きになりがち」「戦術:相手CBが縦スライドで背後空く」「メンタル:失点後に判断が遅れた」。視点を分けると原因と対策が整理されます。

1分:次アクション(If-Thenプラン×1、明日の小さな一歩)

「もしAならBする」という形で行動を決めます。例:「もしSBが外に出たら、背後へ縦パスを即選択」「もし受け手が背中を見せたら、足元でなく前へ」。明日は「10回だけ試す」「3本だけ狙う」のように小さく設定します。

書き方のコツ:客観と主観を切り分ける4色メソッド

事実は黒(数値・出来事・ポジション/局面)

黒=変わらない事実。「練習メニュー」「回数」「ポジション」「局面(自陣/敵陣、前半/後半)」を黒で固定。紙なら黒ペン、デジタルなら[FACT]などのタグで代用すると整理が早いです。

感情は青(良し悪しではなく強度・自信・集中の度合い)

青=状態の強さ。「自信6/10」「集中8/10」「緊張4/10」。良し悪しの評価より、度合いを数字で残す方が改善に役立ちます。

仮説は緑(原因と修正アイデア)

緑=考え。「タイミングが半拍遅れるのは視線がボールに固定」「修正:受ける前に2回スキャン」。仮説は正解でなくてOK。次回検証のタネです。

課題/次アクションは赤(締め切りと測定方法を必ずセット)

赤=やること。「今週中に“前向きファーストタッチ10/15”」「次戦で前進パス8本」。締め切りと測定法がない課題は実行率が下がります。

今すぐ使えるテンプレート(コピペOK)

練習日テンプレ:焦点→メニュー→成功率→気づき→次アクション

[日付][テーマ] 例:前進パスの質と本数を上げる[FACT] メニュー/回数/時間:・ロンド5v2 12分・対人1v1(サイド)×10本・ゲーム8v8 20分[STAT] 成功率/本数:・ダイレクト前進パス 14/20・1v1勝率 6/10・被ロスト 3回[STATE] RPE/感情(0-10):・RPE7、集中8、自信6[INSIGHT] 気づき(技術/戦術/メンタル):・技術:1stタッチが外向きで加速できた・戦術:相手2CHの間が後半に空きやすい・メンタル:序盤に消極的[PLAN] If-Then + 明日の一歩:・もし2CHの間が空いたら、縦パスを即選択・明日:前進パス10本トライ(最低5本)

試合日テンプレ:役割→前半/後半の局面→スタッツ→勝因/課題→修正

[試合] vs___(大会/節/ピッチ/天候)[役割] 例:右SB(ビルドアップ第2列、オーバーラップ)[前半の局面]:・高い位置取りで背後スペース管理が甘い[後半の局面]:・相手WGの内外使い分けに対応改善[スタッツ]:・スプリント回数 18・クロス 4本(成功2)・デュエル勝率 7/12・被ロスト 2[勝因/課題]:・勝因:サイドチェンジの質・課題:ネガトラ初動(2歩遅い)[修正If-Then]:・もしボールロストしたら、2秒間は内側をカバーして遅らせる

オフ日/セルフケア:睡眠・栄養・可動域・痛みスケール

[オフ/回復]・睡眠:7.5h(質 7/10)・栄養:タンパク質〇g目安、補食2回・可動域:股関節/足首チェック(左右差メモ)・痛み:部位___ 痛み2/10(走行で3/10)・実施:ストレッチ15分、アイシング10分

週次レビュー:到達度/改善曲線/学びベスト3

[週次レビュー]・今週のKPI達成度:前進パス 43/50、1v1勝率 58%・改善曲線:月曜→土曜で成功率+12%・学びベスト3:____、____、____・来週のKPI:____(数値で)

月次アセスメント:強みの更新・弱点の優先順位・来月のKPI

[月次]・強みの更新:対人対応の体の向き・弱点TOP3:スキャン頻度、背後管理、ファイナルの質・来月のKPI:スキャン/分 3→6、被ロスト/試合 5→3、決定機創出 2→3

例で理解する「伸びる書き方」ポジション別サンプル

FWの例:裏抜けのタイミングとファーストタッチでの前進

[テーマ] 裏抜け初動を0.3秒早く、1stタッチ前向き80%
FACT:スプリント裏走り12本、オンサイド率10/12、決定機3
気づき:CBが前進した瞬間に肩を見ると成功率UP。左足1stで減速。
次アクション:もしCHが前を向いたら、同時に背中へ斜め走り。左足1stはアウトで運ぶ練習を10回。

MFの例:スキャン頻度・体の向き・前進させるパス選択

[テーマ] スキャン/分 5回→8回、縦パス成功10本
FACT:スキャン/分 6、前進パス 9/13、被ロスト2
気づき:前を向く前に味方の背中位置を確認するとミス減。体の向きが半身だと余裕が増えた。
次アクション:もし背後にSTが降りたら、足元より前へ通す選択を先に考える。

DFの例:ラインコントロール・カバーシャドー・1v1の距離感

[テーマ] 最終ラインの高さ+連動、1v1の距離2歩キープ
FACT:ラインアップの声掛け12回、背後抜け対応5/6、1v1勝率7/10
気づき:ボールサイド圧力が弱い時は1歩下げると背後ケアが安定。
次アクション:もし相手が外向きに運んだら、内切りカバーシャドーを徹底。

GKの例:ポジショニング幅・セービング準備・コーチングワード

[テーマ] シュート前のセットタイミング、コーチングを短く具体的に
FACT:被枠内7、セーブ5、クロス対応成功4/5、コーチングワード記録12個
気づき:「外!」「寄せ!」など単語+方向で味方の反応が速い。
次アクション:もし相手が逆足でカットインしたら、半歩ニア寄せでセットを早める。

スキル別チェックリストをノートに組み込む

技術:ボールタッチ/キック精度/ヘディング/トラップ

  • □ 1stタッチで前向きに運べた回数/全体
  • □ シュートの枠内率
  • □ ロング/ショートのキック精度
  • □ ヘディングの打点と方向

戦術:スキャン/トリガー認知/サポート角度/背後管理

  • □ スキャン/分
  • □ 受ける前のトリガー(味方の体勢/相手の視線)に反応できたか
  • □ サポート角度の選択(縦/斜め/横)
  • □ 背後スペースの管理(押し上げ/下がる判断)

フィジカル:スプリント/敏捷性/持久/リカバリー

  • □ スプリント本数と最大速度の体感
  • □ 方向転換のキレ(10-10-10などのアジリティ)
  • □ 持久(Yo-Yoなどのベンチマーク)
  • □ リカバリー時間の短縮感

メンタル:集中/自信/切り替え/セルフトーク

  • □ 集中スコア(0-10)
  • □ 自信スコア(0-10)
  • □ 失敗後の切り替え秒数(体感)
  • □ セルフトークの質(短く具体的か)

ライフスタイル:睡眠/栄養/水分/学業・仕事の調整

  • □ 睡眠時間と質
  • □ たんぱく質/炭水化物/水分の補給タイミング
  • □ 学校・仕事との両立のストレス度合い(0-10)

数値で伸びを見える化:KPIとミニ計測アイデア

練習KPI:成功率・反復回数・RPE・休息比率

例:シュート枠内率、前進パス成功、1v1勝率、反復本数、RPE、作業:休息=2:1など。毎回同じ単位で集計すると進歩が見やすいです。

試合KPI:決定機・デュエル勝率・前進パス数・被ロスト

「何回ゴールに直結するプレーを作ったか」「相手との競り合い勝率」「前進するパスの数」「ボールロストの回数」。役割に合わせて2〜3個に絞りましょう。

フィットネスKPI:Yo-Yo/30m/10-10-10アジリティ/ジャンプ

簡易計測でOK。30m走のタイム、10-10-10(10m×方向転換×3)の所要時間、カウンタームーブメントジャンプ(CMJ)の跳躍高など、月1で記録すると変化が見えます。

メンタルKPI:主観的自信・集中スコア・プレショットルーティン遵守率

「自信/集中(0-10)」の平均とブレ幅、「ルーティンをやれた割合」。数字にすればメンタルも管理可能です。

動画・アプリと連携して精度を上げる書き方

クリップのタイムスタンプとノートの紐づけ

動画の該当シーンに「00:12:34|裏抜け成功」などのタイムをメモ。ノートにリンク(またはタイム)を書くだけで、復習の質が跳ね上がります。

スマホメモ/クラウドとの連動(検索とバックアップ)

紙派でも週1でスマホに要点を打ち込み、検索可能に。クラウド保存なら紛失リスクも減ります。

GPS・心拍・歩数のメモ化で負荷管理

アプリやウェアラブルの数値を「スプリント本数・最大速度・心拍ゾーン」の3点に要約して記録。オーバーワークの予防に役立ちます。

共有リンク管理とプライバシーの基本

共有は必要最小限の範囲で。閲覧権限を限定し、個人情報(顔・学校名・住所など)の扱いには注意しましょう。

コーチ・親・チームメイトと共有して伸ばす工夫

1on1面談用サマリーの作り方(30秒ピッチ)

「今の強み1つ」「課題1つ」「次のKPI1つ」を30秒で言える形に。ノートの赤行(次アクション)を読み上げるだけで伝わります。

質問リスト:観てほしい場面・欲しいフィードバック

  • 観てほしい場面:例)前半25分のビルド時、半身の取り方
  • 欲しいフィードバック:例)体の向きと味方の位置の連動

親子でのフィードバックルール(事実→感想→次の行動)

順番は「事実(数字)→感想(短く)→次の行動(1つ)」。感情が先行すると議論が空中戦になりがちです。

チーム内の共通言語化(用語辞書ページを作る)

「スキャン」「カバーシャドー」「If-Then」など、よく使う言葉の定義を1ページに集約。意思疎通が速くなります。

よくある失敗と回避法

書くだけで終わる問題:次アクションに締め切りをつける

「いつまでに」「何回」をセット。例:「今週中に前進パス50本試行」。

反省の書きすぎ:成功の再現条件を同じ行数書く

失敗の原因と同じだけ、成功の条件も記録。「なぜ良かったか」を明確に。

目標が抽象的:行動と数値に落とし込むチェック

「もっと走る」→「スプリント15本」「戻り5本を最速で」。

続かない:タイムボックスと最低1行ルール

3分砂時計+「最低1行」でハードルを下げる。空欄は次回埋めればOK。

結果だけを追う:プロセス指標とセットで評価

ゴール数だけでなく、「決定機創出」「前進パス」「デュエル勝率」を同時に見ると原因が掴めます。

5分術を習慣化するための仕掛け

トリガー習慣(練習後すぐ・シューズを脱ぐ→ノート)

行動の直後にノートを紐づけると忘れにくい。「バッグからノートを出す」を合図に。

タイムボックス(3分砂時計+2分チェック)

時間制限があると集中します。書く3分、見返す2分で十分です。

最小化ルール(1行でもOK・空欄は次回埋める)

白紙を作らないのが継続のコツ。1行記入でも継続は価値があります。

週1ごほうびレビュー(継続日数を見える化)

連続記入日数を記録し、1週間続いたら小さなご褒美を。動機が続きます。

実例のビフォーアフター:短文サンプルで比較

初心者の例:抽象→具体への変換

Before:「全体的にダメ。もっと頑張る。」
After:「1v1 3/10。被ロスト5。体の向きが正対。次回は半身で受けるを10回試す。」

伸び悩み高校生の例:技術から戦術へ焦点移行

Before:「パスミスが多い。技術不足。」
After:「前進パス 6/15。スキャン/分3。相手2CHの間を見れてない。受ける前に2回スキャンをIf-Then化。」

ケガ明けの例:負荷管理と恐怖心の扱い

Before:「怖い。全力が出せない。」
After:「片足ジャンプ 痛み2/10。スプリント80%で5本、痛み変化なし。次回は90%で3本。」

社会人プレーヤーの例:短時間練習の最大化

Before:「時間がない。走れてない。」
After:「30分練習。基礎タッチ300回、対面パス100本。KPIは被ロスト2以下。」

競技レベル・状況別にアレンジする方法

学校部活動:集団メニューの中での個目標設定

全体練習でも「自分のKPI」を1つ決めて記録。「今日はスキャン」「今日は裏抜け」とテーマを絞ると濃度が上がります。

クラブチーム:役割明確化と共有ノート

役割(例:右SBでの前進ルート)をノートの冒頭に固定。共有ノートで用語とKPIをそろえるとチームの方向性が一致します。

社会人・シニア:時間制約下の効率化

練習時間が短い分、目的を1つに絞る。測れる指標を1つにして、週次で振り返ると継続しやすいです。

短期合宿・大会期:回復重視の記録と即時修正

疲労・睡眠・痛みスケールの記録を優先。試合間の小さな修正を即If-Thenで決めましょう。

ケガ予防・復帰に役立つリハビリノート

痛みスケール(0-10)と部位・動作の記録

「部位」「どの動きで何/10か」をセットで記録。変化が見えれば不安が減ります。

医療者からの指示メモと遵守率

理学療法や医師の指示をそのまま転記し、実施率を数字で。無理な自己判断を避けます。

復帰プロトコルの段階チェック

「ジョグ→ダッシュ→方向転換→対人→全体」の段階ごとに、痛みと不安のスコアを残すと復帰判断がしやすいです。

再発予防のウォームアップ/可動域ルーティン

自分専用ルーティンを固定化。例:股関節モビリティ5分→ハム活性化3分→加速ドリル2分。

明日からの一歩:始め方と最初の1ページ

必要な道具と選び方(紙/デジタル)

紙は即書ける、デジタルは検索に強い。どちらでもOK。重要なのは「毎回同じ型」です。

最初の設定:今月の3目標と測り方

  • KPI1:スキャン/分 3→6(練習中に1分間でカウント)
  • KPI2:前進パス成功 30/50
  • KPI3:被ロスト/試合 3以下

初日の練習後5分記入例

[テーマ] 前進パスの質と本数[FACT] ロンド12分、8v8 20分 / 前進パス 12/18[STATE] RPE7、集中7、自信6[INSIGHT] 半身で受けた時に成功率が高い。味方STが降りた瞬間が狙い目。[PLAN] もしCHが顔を上げたら、即縦のレーンに動き直す。明日10本狙う。

次の試合へのIf-Thenプランの作成

  • もし相手が5バックなら、外→中→外の揺さぶりを3回は作る
  • もし前半20分以降に相手のプレスが落ちたら、縦パスを積極的に狙う
  • もしリード時は、リスク管理を優先(背後ケアとポジショニング)

まとめ:ノートが変われば思考が変わる、プレーが変わる

要点の再確認(客観×主観×次アクション)

・客観:数字と事実で自分を把握する
・主観:感情や体感を短く数値化する
・次アクション:If-Thenで明日の行動に変える

今日のアクション(テンプレを1枚コピー)

まずはテンプレをそのままコピペ。1行だけでも書く。続けることが何よりの武器です。

継続の合言葉:小さく、速く、具体的に

5分術は「小さく始めて、速く振り返り、具体的に直す」。ノートがあなたのプレーを再現可能にし、結果を変えていきます。明日の5分から、積み重ねを始めましょう。

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