サッカーで相手を抜き去る、ボールを安全に方向転換する、その両方に欠かせないテクニックが「アウトサイドターン」です。シンプルですが奥が深く、使いこなせれば攻守のギャップを一瞬で生み出せる武器。この記事では、アウトサイドターンの定義から実践的練習法、さらには上達を加速させる反復のコツや自主トレ法まで、保存版として徹底解説します。高校生・大学生の選手からサッカーに励むお子様を見守るご家庭まで、誰でも実用できるノウハウをお届けします!
目次
アウトサイドターンとは?その基礎知識
アウトサイドターンの定義
アウトサイドターンとは、ボールを足のアウトサイド(小指側)で押し出し、進行方向を素早く変えるターン技術です。ドリブル中や敵ディフェンダーと対峙した際に、足元の細かいボールタッチで進路変更をする際に使われます。インサイドターンと比べて身体全体の動きを活かせるため、自然な流れで加速をつけやすい特徴があります。
なぜ今アウトサイドターンが重要なのか
現代サッカーでは瞬時の判断と動作の速さが重視されています。ディフェンスが年々ハードになり、ボールロストによるカウンターのリスクも増加。そのため、ボールを守りつつ素早くターンできる技術は必要不可欠です。アウトサイドターンは、インサイドターンより体の向きを隠しやすく、次の一歩を相手に読まれにくい利点があります。海外の名選手やプロの育成現場でも、基礎練習の定番メニューとして扱われており、必須スキルといえるでしょう。
実践での活用シーン
具体的な使用場面としては、次のようなケースが挙げられます。
- サイドで相手ディフェンダーと1対1になった時
- 中盤でプレスを受けた際のボールキープ・逃げ方
- ゴール前で味方とのコンビネーションに繋ぐときの進路変更
- 後ろ向きでもらったボールを前に持ち出すファーストタッチ
つまり、攻守問わずボールコントロールを磨きたい全ての選手に不可欠なターンといえる存在です。
上達するために押さえておきたい!アウトサイドターンの動作ポイント
体の軸と姿勢作り
まず大切なのは体の軸です。アウトサイドターンを使うとき、上半身が不安定だったり猫背になると、ターン後の加速が落ちたり、ボールから視線が外れやすくなります。身体の中心線をまっすぐ保ちつつ、ボール側の足の膝を柔らかく曲げ、スタート&止まる動作を繰り返すことで自然な体の軸が身につきます。「お腹の下に力を入れ、腰を落とすこと」を意識して下さい。
足首とひざの使い方
アウトサイドでしっかりボールを押し出すには、足首の固定が重要です。緩んでしまうと、ボールが思い通りの角度に動かせない原因となります。また、膝を柔らかく使うことで一歩目の角度や加速にバリエーションが生まれます。ボールを触る側の足首を「小指側に倒して」タッチし、ボールをミートする瞬間にしっかり地面をとらえましょう。この踏み込みの感覚が安定したターンの決め手。細かな感覚ですが、ぜひ地道な積み重ねで磨いて下さい。
視野の確保とフェイントの工夫
ターンを成功させる最大のコツは、視野を確保しながらフェイントを自然に組み込むことです。アウトサイドターンの直前に肩を落としたり、ボディフェイントを入れることで、相手を惑わせボール奪取を防げます。そしてもう一つは、ターン後すぐに顔を上げてスペースや味方の動きを確認すること。最初のうちは動作に意識が行きがちですが、繰り返すことで「無意識に視野を広げながらターンできる状態」が理想的です。
【保存版】アウトサイドターンの実践的反復練習法
まずはフォーム習得!基礎ドリル3選
- 1mインターバルターンドリル
コーンを1m感覚で4つ並べ、アウトサイドターンのみでジグザグに進みます。ターン時、腰が流れない・ボールが離れすぎないよう注意しましょう。ゆっくり大きめに始めて、慣れたらスピードとリズムを上げてみて下さい。 - バックtoゴーターン
ボールを後方から迎える体勢でスタートし、受け際にアウトサイドターンで素早く前を向きます。パートナーに軽くボールを出してもらい、一連の流れをテンポ良く繰り返しましょう。 - 8の字マーカーターン
2つのマーカーを2mほど離して置き、8の字を描くようにアウトサイドターンで切り返します。左右両足どちらでもターンできるよう意識しましょう。
ステップアップ:対人練習の組み立て方
基礎を身につけたら、次のステップは対人練習です。以下を参考にアレンジしてみて下さい。
- 半面1vs1ターン勝負
ゴールの正面からディフェンス役と1対1。ディフェンダーとの距離感を毎回変え、実戦に近い圧を体験します。アウトサイドターンで抜き去るもよし、一度止まって切り替えるもよし。自由な判断を混ぜましょう。 - パス&ターンドリル
2人で向かい合い、片方がパス、もう片方がアウトサイドターンで切り返して返球。お互い役割を交代しながら反復します。
ゲーム形式で使うための応用練習
ターン技術は試合の中で使えてこそ本物。「限定されたエリアで3対3」「ミニゴールゲームでターン成功で得点2倍」など、ターンを実戦で試すルールを設けてゲーム感覚で練習しましょう。コーンやマーカーを活用しターンエリアを指定したり、ターンを用いた後の速攻やパスと組み合わせる場面を積極的に作ると、反復練習の質が格段に向上します。
アウトサイドターン上達のための反復の極意
練習頻度と適切な負荷設定
短期間で習得しようと焦って一度に大量の反復をするよりも、「毎日20〜30回でも良いので、質を意識して積み重ねる」方が上達が早まりやすいです。特に基礎段階では、ゆっくり・フォーム確認重視→慣れたらスピード&相手有りへ、とステップアップすることが大切。週に3〜5回、自分の集中できる範囲で練習を続けることで、無意識のうちに体に染み込みます。
上達を阻害するNG動作とその直し方
- ボールが体から離れすぎてしまう
→ 膝の曲げを増やし、ボールをタッチする瞬間に重心を落とすこと。最初は意図的に「小さなターン」を丁寧に繰り返し感覚を掴みましょう。 - 顔が下がりきり、視野が狭くなる
→ ボールと相手を見る「チラ見」のタイミングを意図的に練習。ターンしながら、毎回「どこか1点」ピッチ外の目標物を見つめるタスクを入れると有効です。 - ターンの一歩目で加速できない
→ 足首を意識して固定し、地面を蹴る感覚を強めましょう。最初はスロー、慣れたら徐々にスピードアップ・角度も変えると効果的。
セルフチェック・動画活用による効果検証
自分の感覚だけでなく、スマートフォンの動画撮影などを活用し客観視することもおすすめです。ドリルの前後や定期的に自分の動作を記録し、フォーム・目線・ボールの位置・身体の軸が崩れていないかチェックしましょう。また、他の上手な選手の動画と見比べることで発見も多くなり、意識的な修正点や成長を明確にできます。
アウトサイドターンを極めた選手たちから学ぶ‐参考動画・プロからのヒント
世界のトップ選手の実践例
例えばリオネル・メッシ選手やクリスティアーノ・ロナウド選手は、アウトサイドターンを非常に効果的に使いこなしています。特にメッシ選手のようにスピードを緩めずに細かくターンを繰り返すプレーは参考になるはずです。こうした選手のターンフォームやタイミングの取り方を見ることで、自分の感覚を研ぎ澄ませる教材になります。
日本人選手の巧みなアウトサイドターン
国内でも堂安律選手や三笘薫選手のような俊敏なアタッカーは、アウトサイドターンを活かしてゴール前に切り込む場面が多く見受けられます。また、柴崎岳選手や田中碧選手も中盤エリアでのターン技術に定評があります。日本人選手は身体のバランスや敏捷性を活かしてターン後のプレー精度を高めており、その動作リズムは特に学びやすいポイントです。
プロの指導から得られるワンポイント
育成年代のアカデミーやプロクラブ指導現場では、「ターンの直前に必ず身体の向きをフェイントで隠すこと」「常に次のプレー選択肢を用意しながらターンすること」が強調されます。つまり、ターン単体で終わるのではなく、ターンからパス・シュート・ドリブルへ“つなげる意識”が上達の鍵。また、コーチからは「両足で均等にターンできるバランス感覚を大切に」といったアドバイスもよく聞かれます。
アウトサイドターン習得のためのおすすめ自主トレメニュー
自宅・自主練でできるトレーニング紹介
- 簡易ドリブルターンドリル
屋内外問わず、ボールだけ持ってスペースを作り、壁や支柱をマーカー代わりにターンを繰り返す練習です。近距離で反復すれば短時間でかなりの量をこなせます。 - バランストレーニング
片足立ちでボールを軽くアウトサイドに押し出し、そのままバランスをキープ。体幹と足首の強化、バランス感覚アップが期待できます。
道具を使った工夫と練習例
身の回りのものを工夫して積極的に使いましょう。ペットボトルや小物をマーカーにする・横幅1mほどの板やマットを「ターンエリア」に設定して狭い中での感覚を養う、など自分だけのトレーニングルーティーンが作れます。また、ターン時のスピードに慣れてきたら、タイマーアプリで「10分間で何回ターンできるか」挑戦し、コントロールの安定度やスピード記録を可視化するのもモチベーション維持に繋がります。
記録をつけて成長を実感する方法
自主練や日々の練習で「◯月◯日:左右各ターン50回、速度23秒」などシンプルな記録をつけることで、上達度や課題が可視化できます。最初は時間や回数を重視、そのうち動画も記録してテクニックやフォームの変化を写真や映像で比較することで、自分の小さな成長も見逃さずに自信へ繋げていけるでしょう。
まとめ:アウトサイドターン上達には継続と工夫が不可欠
アウトサイドターンは簡単そうで、極めようとすると実はとても奥の深い技術です。しかし繰り返し練習+自分なりの工夫を積み重ねれば、着実に上達していきます。本記事で紹介したポイントを押さえ、焦らず一歩ずつ自分のペースで取り組んでみて下さい。正しいフォーム・反復、そしてプロ選手の工夫や失敗も参考にすることで、きっとあなたのサッカースキルが一段階アップするはずです。継続は力なり。楽しみながら、自分だけのアウトサイドターンを身につけましょう!