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サッカーでパスを受ける最適な角度と体の向きテクニック

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サッカーの試合で「なぜ自分はパスをもらっても上手く前進できないのだろう?」そんな経験はありませんか?パスを受ける角度や体の向きを少し変えるだけで、プレーの幅は信じられないほど広がります。本記事では、高校生以上の男性サッカープレーヤーやサッカーを頑張る子どもを持つお父さん・お母さん向けに、パスを受けるときの“最適な角度”と“体の向き”について、現場ですぐに活用できる具体例やトレーニング方法を交えて徹底解説します。サッカーのプレーが一段階グレードアップする“受け方の極意”、今日から取り入れてみませんか?

目次

サッカーで重要な『パスを受ける』技術とは

パスの受け方が試合に与える影響

サッカーはパスの連続で試合が進んでいきますが、単にパスを出す・受けるだけでは勝負は決まりません。その中で「どう受けるか」が、その後のプレー選択やチーム全体のリズムまで大きく左右します。
たとえば味方がパスコースを作ってくれても、受ける側の立ち位置や体の向きが悪いと、受けた瞬間に相手ディフェンスに囲まれてしまい、やむなく後ろに戻すことになります。逆に、最適な角度と体の向きで受けていれば、ワンタッチで前を向いて攻撃を加速できるチャンスが生まれるのです。
これが積み重なれば、個人の評価もチームの結果も大きく変わります。その重要性を理解することが、サッカー上達の第一歩と言えます。

高校生以上が身につけたい基礎技術

中学生までは「ボールが来る方向に立つ」ことが多いですが、よりハイレベルなサッカーを目指す高校年代以上では「どの角度で受けるのがベストなのか」を意識する必要があります。
基礎的なテクニックとして、敵のプレッシャーを感じつつ、同時に次のパスやプレーが選べる体の向き・角度でボールを受けられるようにしたいところ。具体的には、“味方と敵、ゴール、スペース”の全てが視界に入るポジショニングがポイントとなります。

パスを受ける最適な角度とは

『角度』が生み出す選択肢の拡張性

サッカーの現場では「半身で受けろ」「45度で立て」といったアドバイスを耳にすることがあります。なぜ“角度”が重要なのでしょうか?
例えば、ゴールに対してまっすぐ向いた状態でパスを受けるのと、45度もしくはそれ以上体をひねった状態(オープンボディ)で受けるのとでは、その後のプレー選択肢がまったく異なります。
最適な角度でパスを受ければ、「前を向く」「味方につなぐ」「自分で突破する」といった選択肢が増えます。サッカーではこれを「プレーの幅が広がる」と表現します。“いつでも選択肢を最大限持ち続ける”ことが、良い選手の条件の一つと言えるでしょう。

なぜ角度が重要なのか?プロのプレー分析

Jリーグや欧州サッカーのトップ選手たちは、パスを受ける際の「角度」を誰よりも意識しています。相手の間(インターバル)に入るために体を微妙にずらしたり、パスを受ける直前に自分の立ち位置を修正するなど、細かい工夫が積み重ねられています。
観戦時に注目してみてください。ミッドフィルダーがディフェンスラインとミッドフィルダーの間で体を斜めにしながらパスを受ける場面や、フォワードがディフェンダーの背後から急に角度を変えてパスを引き出すシーンがしばしば見られます。これは、一瞬でも多く「前向き」でプレーできる時間を作る意図があります。
実際に、角度を工夫した選手ほど、ボールを受けたあとに複数のプレーオプションを残している傾向があります。

理想的なパスラインの作り方

理想的なパスラインとは、パスを出す味方と受ける自分、そしてその間にいる敵の位置を考慮した“最も危険で有効なスペースの線”を作ることです。
自分の立ち位置によっては、「パスをもらうスペースが狭くなる」「敵から読みやすくなる」といったリスクもあります。そのため、直前まで相手の死角に立ち、敵DFの背後や間で動いて「意を決して顔を出す」動きが有効です。
その際、単にパスラインにまっすぐ入るだけでなく、自分の体がゴール方向や複数方向にも向けられるように斜め(45度〜60度が基準)を意識することで、受けたあとのオプションが広がります。

パスを受ける際の体の向きの基本と応用

オープンボディとクローズドボディの違い

サッカーにおいてよく使われる「オープンボディ」「クローズドボディ」という言葉をご存知でしょうか?

  • オープンボディ:上半身をピッチの広いスペース(たとえばゴールや味方、スペース)に開いて、視野をより広く保つ体の向き。
  • クローズドボディ:上半身をボールが来る方向や、相手に対して“閉じる”ような形。プレッシャー回避やボールの失いにくさはあるものの、選択肢は狭まる。

パスを受ける時にオープンボディを取れると、守備者の状況やピッチの中央・サイドのスペースが同時に視界に入ります。逆にクローズドボディでは、後ろへの選択肢が増える場合もありますが、次のアクションへの幅は限定的になりやすいです。
状況に応じてどちらを選択するかが、プレーの質を分ける一因です。

実戦で使える体の向きパターン

練習で身につけるべきは、シンプルに「ピッチの中心を背中でとらえ、ゴール・サイドライン・味方・敵が同時に見える体の向き」を作ること。
たとえばオープンボディで受けると、“右も左も前も選べる”状態でボールと対峙できます。そのうえで、とっさの判断に対応しやすくなります。一方、相手のプレスが強い・背後から受ける場合は、あえてクローズドボディでワンタッチで流したり体を入れてボールをキープするなど、相手の出方に合わせて使い分けが求められます。
大切なのは、「受ける前に体の向きを決める」のではなく、“パスが来る直前〜受ける瞬間”にベストな体勢を作れるよう、微調整し続ける柔軟性です。

体の向きが守備者との駆け引きに与える影響

相手ディフェンスが一番嫌がるのは、「どちらにもプレーできる体の向き」=相手に的を絞らせない状態を作られることです。
例えば体の向きをうまく演じて右側へ行くと見せかけ、実際はワンタッチで左サイドに展開する。そういった“駆け引き”をできるようになると、守備者もプレッシャーをかけにくくなります。
また、体の向きを途中で変えることで、一瞬のスキを作りボールを前進できる時間を稼げる――。このような“体の向きと角度”で相手をだますプレーは、シンプルですが実戦でとても有効です。

具体的なトレーニング方法とドリル紹介

一人でもできる基礎ドリル

パスを受ける角度や体の向きは、チーム練習だけでなく個人練習でも向上させることができます。
【壁パス練習】
壁に向かってパスし、「受ける寸前に体の向きを変える」(正面→半身)ことを意識しながらボールをコントロールしましょう。少し壁から角度をずらしてパス→動く→またパス、という流れを反復することで、実戦で急な方向転換や角度調整ができるようになります。
また、ボールを受けながら「周りを見るクセ」を同時に身につけたい場合は、家族や友達に“指の数を出してもらい、声で答える”など工夫すれば、視野の使い方も同時に鍛えられます。

チームで取り組む連携強化メニュー

【三角形パストレーニング】
3人1組で三角形になり、パスを回します。それぞれが「別の方向を向いてパスを受ける」ことに重点を置きましょう。パスを出す直前に体を傾ける、ボールを受けてから反転して別方向の味方にパス――この連続によって、違う角度や体の向きを瞬時に使い分ける能力が養えます。
【ランダムコーンパス】
受け手側はコーンの周りをランダムに動き、味方のパスに合わせて瞬時に角度・体の向きを調整する練習もおすすめです。

動画分析を活用したフィードバック

自分のトレーニングや試合の様子をスマホなどで録画し、「パスを受ける前後の体の向き・角度」を客観的に見てみましょう。自覚している以上に、「正面でしか受けていない」「スペースがあるのに背中向きで受けている」など、クセが浮き彫りになるはずです。
理想は、録画した動画をコマ送りでチェックし、「パスを出そうとした瞬間、自分がどこにいるか」「体がどっちに向いているか」「受けた瞬間に何ができたか」を分析すること。これだけでも驚くほど上達スピードが上がります。

パスを受ける時によくあるミスとその修正法

ボールロストの原因分析

多くのプレイヤーが試合で経験するミス――それが「ボールロスト」。パスを受けた直後に相手に取られる理由は様々ですが、主に次のようなケースが挙げられます。

  • 体の向きが悪く、プレッシャーに対応できない
  • 受ける角度が相手に読まれている
  • 受けた瞬間に選択肢がなくなり慌ててしまう

こういったミスは、実は「受ける前の準備=体の向き・角度」が不十分なことが要因であるケースが多いです。

判断ミスを減らす思考のポイント

パスを受けた瞬間、“どこに出せば良いか、どっちに動けば有利か”が迷ってしまう――。判断力は経験値も大切ですが、「選択肢がいくつ用意できているか」で大きく変わります。
そのためには、常に“ピッチ全体”を感じられる角度・体の向きで受ける習慣が不可欠です。特に守備者が迫ってきても、あらかじめ頭を切り替えて「一番リスクが少なく、一番前進できるコースはどこか」と準備できていれば、ミスが激減します。
単に「受けるだけ」ではなく、受けた時に「どこにプレーできるか?」を味方・スペース・ゴール・敵全てを視野に入れながら考えるクセをつけると良いでしょう。

プロ選手が実践するミスからの立て直し方

トップレベルの選手ほどミスしたときの対処も早いのが特徴です。彼らはパスを受けてミスをした際、即座に「もう一度、より良い角度・体の向きを模索し直す」行動を徹底しています。
たとえばパスミスやボールロストが起きた直後、ポジションをほんの数歩ズラして再度パスを呼び込む・角度を変える、味方にサインを出すなど“小さな改善動作”を繰り返す。
大切なのはミスしたことで自分のプレーを止めないこと。次の機会には必ずより良い形でボールを受けられる準備を、常に心がけましょう。

状況別に見るベストな角度・体の向きの選択例

プレスが厳しい時の受け方

相手ディフェンスの圧力が強いときこそ、“早めの体の向き変更”と“半身で受ける”ことが有効です。
直前まで敵の影になる位置に身を潜め、パスが出された瞬間にサッと斜め45度(ゴール方向もしくはフリーな味方の方向)に体を向けて受け、ワンタッチで逃げる・反転する――このリズムを身につけておくことで、厳しいマークにも余裕を生み出せます。
ポイントは「受けてから考える」のではなく、「最初からターンする準備をしておく」こと。タイミングと準備の差が結果に大きく表れます。

数的優位の時に意識したいポイント

相手よりこちらの人数が多い(数的優位)状況では、わざと相手DFを誘き出すように体の向きをやや敵側に見せ、逆方向へのパス・展開につなげる“フェイク”が有効です。
また、パスを受ける角度を変えることで、相手の守備ラインのバランスを崩しやすくなります。このとき「複数の味方やスペースが同時に視界に入る体の向き」=オープンボディが圧倒的に有利です。
選択肢を多く持てる立ち方をしていれば、思い切った前進やサイドチェンジが味方との連携で自然に生まれます。

ペナルティエリア付近での角度と姿勢

ゴール前は相手が密集しやすく、受け手の動きが結果を左右します。
このときは「相手の間で一瞬でもフリーになること」と「ゴールへの角度を無理に狙いすぎず、”セカンドプレー”へつなげやすい姿勢」を心がけると効果的です。
体の向きはゴール方向に無理にこだわらず、リターンを受けやすい斜め後方やサイドにも目を向けておきましょう。焦らずに“受ける→すぐ次につなげる”ことができれば、チーム全体の得点力も自然と上がります。

子どもへの指導ポイントと親ができるサポート

家庭で実践できる声かけ例

お子さんに「パスを受ける時はどんな風に体を向けたら良いかな?」と問いかけながら、時には一緒にボールを蹴り合うのもおすすめです。
「今、どこから敵が来ると思う?」「今度は斜めに立ってパスをもらってみよう!」など、具体的な状況にあわせて声をかけることで、子どもの想像力や判断力も養われます。
日常のちょっとした会話でも「体の向き、大事にしてるね」「いろんな方向からプレーできるように立ってみよう」など、肯定的なフィードバックが響く年代です。

ジュニア世代に伝えたい体の使い方

小学生〜中学生のうちは、まず「ボールが来る前から体を動かしておく」ことを意識づけしたいところです。「走りながら受ける」「パスが来そうな時に半身になる」など、簡単な動作から始めてみましょう。
また「片足立ちでターン」「1回転してパスを受ける」など、遊び感覚のメニューも交えると、柔軟な体の使い方・バランス感覚も身につきやすくなります。

成長段階に合わせたテクニック習得の進め方

技術習得には年齢や体格差も影響しますが、ジュニア世代では「結果よりも過程を褒める」ことが何より大切です。
パスを受ける体の向きや角度に失敗しても、「じゃあ今度は違う角度でやってみる?」と前向きなアプローチを心がけましょう。
高校年代以上になったら、「なぜその角度・体勢が良かったのか/悪かったのか」を一緒に分析したり、自主動画分析やメモを活用しながら“自分で答えを見つける”力を養うサポートが効果的です。

まとめ〜今日から実践できるパスを受ける極意〜

パスを受ける角度・体の向きは、サッカーのプレー精度を劇的に高める重要テクニックです。
1. 常に“複数の選択肢”を持てるように角度・向きを整える
2. 体の向きで相手をだます駆け引きを恐れず挑戦する
3. ミスしてもすぐに切り替え、次のアクションを準備する

この3点を日々の練習や試合に取り入れることで、周囲と差をつけられるプレーヤーへの第一歩となります。効果を実感するためには、ただ繰り返すだけでなく「今、自分はどんな角度で、どこを見ながら、どう受けているか?」をぜひ意識してプレーしてみてください。
今日からぜひ、“パスを受ける”プレーに磨きをかけて、サッカーの新たな世界を切り拓いてください!

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