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サッカーのヘディングを親子で楽しく練習、怖くない工夫も

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「ヘディングは怖い」「痛そう…」そんなイメージを、今日から親子でひっくり返しましょう。サッカーのヘディングを親子で楽しく練習、怖くない工夫もたっぷり紹介します。やわらかい道具と段階的な進め方、安全の基本さえ押さえれば、ヘディングは「当てる技術」から「狙ってコントロールする武器」へ。自宅や公園でもできるミニドリルを、年齢やレベル別にアレンジしながら進めていきましょう。

導入:ヘディングは「怖い」を「楽しい」に変えられる

親子練習で怖さを小さく、成功体験を大きく

怖さは「分からない」「痛いかも」という不安から生まれます。親子でゆっくり、やわらかい道具から始めれば、不安は少しずつ小さくなります。最初は「額でポンと触れるだけ」でOK。できた瞬間を一緒に喜び、成功体験を積み重ねることで、自然と次のステップに進めます。

痛くない・危なくないにフォーカスしたアプローチ

練習の合言葉は「やわらかい・短時間・段階的」。風船やタオルからスタートし、軽いボール→低速→狙いの精度→動くボールへ。常に「痛みゼロ」を目標に設計します。

本記事のゴールと活用方法

ゴールは三つ。(1)怖くない当て方を体験する、(2)親子で続けられるミニドリルを知る、(3)試合につながる基本を身につける。各ステップを飛ばさず、1回5分×3セットを目安に回してください。

ヘディングが怖くなる理由と安全の基本

痛みが出るメカニズム:当てどころ・速度・力の逃げ道

  • 当てどころ:額の平らな面ではなく頭頂や鼻に当たると痛い。
  • 速度:ボールのスピードが速すぎると衝撃が大きい。
  • 力の逃げ道:首や体幹がふにゃっとしていると衝撃が一点に集中する。

解決はシンプル。「額で受け、首と体幹で“押し返す”」。打つではなく、押すイメージです。

心理的要因:初回の失敗体験と予期不安

最初の痛い経験が「また痛いかも」に変わり、防御反応で目をつぶりやすくなります。見て→言って→当てるのルーティンで意識を前向きに切り替えましょう。

安全原則3つ:やわらかいボール・短時間・段階的

  • やわらかい:風船→タオル→スポンジ→軽量3号球の順。
  • 短時間:長くやるほど集中が切れてフォームが崩れる。
  • 段階的:成功率7割以上で次へ進む。迷えば一段戻る。

親子練習の前に:用意する道具と環境チェックリスト

道具リスト:風船/やわらかいボール/軽量3号球/的(紙・タオル)

  • 風船:恐怖ゼロで額に触れる体験に最適。
  • スポンジボール・新聞紙ボール:屋内でも安心。
  • 軽量3号球:弾み過ぎず扱いやすい。慣れたら4・5号へ。
  • 的:A4紙、タオル、ガムテープで即席ターゲット。

環境チェック:足場・周囲の障害物・照明・風の強さ

  • 足場:芝・マット・土など滑りにくい面。屋内はマットを。
  • 障害物:頭上・壁・窓・家具の距離を確保。
  • 照明:逆光は目を細めやすく危険。斜め前からの光が◎。
  • 風:屋外は弱風以下。強風時はドリルを簡単に。

ウォームアップ:首・肩・目線の準備運動(2〜3分)

  • 首回し小さく各方向5回、肩回し10回。
  • チンタック(あごを軽く引いて戻す)10回。
  • 目線スイッチ:近くの指と遠くの樹木を交互に見る×10。

段階的ステップ:怖くないヘディング学習ロードマップ

ステップの全体像:慣れる→当てる→動く→遊ぶ→試合へ

最初は「触れる」→「額で当てる」→「歩く・ジャンプ」→「ゲーム化」→「実戦のボールへ」。一段ずつ噛みしめるのがコツです。

1セット5分×3で短く回す理由

  • 集中が保ちやすく、恐怖が戻りにくい。
  • 翌日に疲れを残さず継続しやすい。
  • 動画チェックや修正を挟みやすい。

親の役割:投げ手・安全係・声かけコーチ

  • 投げ手:速度と高さをコントロール。
  • 安全係:周囲と着地を見守る。
  • 声かけコーチ:「見る→言う→当てる」「ナイス額!」など短く具体的に。

ステップ1:ボールに慣れる(触覚・視覚・リズム)

風船タッチリレー:額で“ポン”を数える

風船を額で上にポン。連続何回できるか30秒チャレンジ。手は胸の前で待機、落ちたらキャッチして再開。

タオルヘディング:丸めたタオルでソフトタップ

フェイスタオルを丸め、親がふわっと投げる→額で軽く押し返す。音の「トン」でリズムを覚えます。

目線トレーニング:ボールを“見る→言う→当てる”

ボールに書いた数字や色を、見えた瞬間に声に出す→額でタッチ。目を閉じる癖を防げます。

ステップ2:正しい当てどころと姿勢(額・体幹・首の連動)

当てどころは前髪の少し上(額の平らな面)

指で触れて平らな面を確認。ここに当たると音もクリアで痛みが少ない。

あごを引く・お腹に軽く力・背中を丸めない

あごは軽く引き、みぞおちを締めるイメージ。胸を張りすぎず、背骨は長く。

親のサポート:両肩サポートで姿勢フィードバック

子の肩に軽く手を置き、「今、あご引けてるよ」「背中まっすぐ」を短く伝えると整いやすい。

ステップ3:静止球のヘディング(痛くない当て方の体験)

親がボールを手で支え“そっと押し返す”だけ

親が胸の前でボールを支える→子は半歩前から額で1〜2cmだけ押す。衝撃の少ない成功体験を作ります。

壁ターゲット:紙の的に軽くタップ→音で確認

壁にA4紙を貼り、1mから静止球→タップ。紙を鳴らす「ペチッ」を目標に。

1秒ルール:当てる前に“1”と数えて落ち着く

焦ると目が泳ぎます。「見る→1→当てる」で呼吸とタイミングを整えましょう。

ステップ4:やわらかいボールでの浮き球(親子キャッチ&タップ)

キャッチ&タップ:投げる→額タップ→キャッチ

親が胸の高さにふわっと投げる→子が額で軽く押し返す→親がキャッチ。10本中7本成功を目安に。

山なりロフト:弾む前の“最高点でそっと当てる”

高めの放物線で投げ、頂点付近で額タップ。落下スピードが最小で安全。

速度調整:親が投球スピードを3段階で変える

  • レベル1:超スロー(山なり)
  • レベル2:ゆるめ(胸〜頭)
  • レベル3:実戦寄り(低めで速さ控えめ)

ステップ5:タイミングと踏み切り(ジャンプの基礎)

足→腰→頭の順で前進力を作るミニドリル

小さな一歩で前へ→骨盤を前に滑らせる→最後に額で押す。全身で押す感覚が身につきます。

一歩踏み切り→両足着地の安全ジャンプ

片足踏み切りでふわっと浮き、両足で静かに着地。高さよりもバランス重視。

着地練習:膝を柔らかく、目線は前

着地の瞬間に膝を軽く曲げ、つま先と膝の向きをそろえる。目線が下がると体がぶれます。

ステップ6:動くボールへの対応(バウンド・ロフト)

ワンバウンド・ヘディング:弾む前に合図を出す

親が投げてワンバウンド→子が頂点で額タップ。「今!」など合図でタイミングを共有すると安心。

クロスを想定:斜めからの山なりを合わせる

斜め45度からのロフトを、半身で合わせて押す。肩の向きと額の面で狙いをコントロール。

難易度調整:距離・高さ・回転の3要素

  • 距離:近→中→遠。
  • 高さ:胸→頭→頭上。
  • 回転:無回転→軽い順回転→逆回転。

ステップ7:実戦につなげるミニゲーム(得点化で楽しく)

ターゲットビンゴ:9マス的当てで得点バトル

壁に3×3マスを作り、当てたマスにチェック。3つ並んだら勝ち。狙う面と強さを学べます。

3本勝負:左右・正面の配球をランダム化

親が左右・正面にランダム投球。子は「見る→呼ぶ→当てる」で素早く対応。3本中2本成功を目標に。

親子協力ミッション:連続10回ラリーに挑戦

やわらかいボールでヘディングラリー。記録更新を楽しみましょう。

親子で楽しむバリエーションドリル10選

風船ヘディング・ラリー30秒チャレンジ

30秒で何回つなげるか。記録更新型で継続力UP。

新聞紙ボールのふわふわパス交換

新聞を丸めてテープで止めるだけ。室内でも安心。

額ドリブル(その場で10回タップ)

額の面を感じる定番。落ちたら即リセット。

タオル的当て(距離を10cmずつ伸ばす)

近距離から命中率7割で次の距離へ。

色コール・ヘディング(色を聞いて狙う)

「赤!」とコール→赤い的へ。認知と実行をリンク。

リズム拍手→ヘディング(3拍子で合わせる)

手拍子「タン・タン・タン→ポン」。テンポを体に刻む。

ステップ踏み→額タップ(足元コーディネーション)

前後ステップ2回→額でタップ。足と頭の連動を養う。

背中タッチ→ターン→ヘディング(簡易マーク外し)

親が背中タッチ→合図で振り向き→額で押す。

親の片手ロフトを“スッと押し返す”

回転少なめの片手ロフトで優しく。面の安定に効く。

ヘディング→キャッチ→パス→シュートの連結

動作をつなげてゲーム感アップ。最後は気持ちよくシュート。

痛みを減らすコツ:フォーム・力の入れ方・呼吸

“打つ”ではなく“押し返す”イメージ

首だけで振ると衝撃集中。全身でゆっくり押し返すと痛みが激減します。

お腹とお尻に軽く力→首はロックしすぎない

体幹で安定、首は固めすぎず自然な強さで。

吐きながら当てると力みが抜ける

「フッ」と吐くと肩の力が抜け、視野も広がります。

首・体幹の補強エクササイズ(週3分で差が出る)

チンタック(あご引き)10回×2セット

仰向けまたは立位で、頭を前後に小さくスライド。

首アイソメトリック(前後左右)各10秒

手で軽く抵抗をかけ、動かずに押し合う。

デッドバグ or バードドッグ30秒×2

体幹の安定に効果的。動きはゆっくり。

グルートブリッジ10回×2で着地安定

お尻を持ち上げ、踵で床を押す感覚を養成。

年齢別アレンジ:小学生/中高生/大人再入門

小学生:風船・やわらかいボール中心、成功体験重視

「できた!」を積み重ねる設計。距離より命中率を優先。

中高生:フォーム固め+タイミング・競り合い基礎

姿勢と額の面の安定→ジャンプと踏み切り→斜めボール対応へ。負荷は段階的に。

大人再入門:可動域と首周りの準備を厚めに

ウォームアップと補強を丁寧に。短時間で回し、翌日の首の張りをチェック。

家の中・公園・グラウンド別の安全なやり方

家の中:風船・新聞紙ボール・低反発マット活用

家具や照明から距離を取り、窓方向には打たない。天井を使ったリバウンドも面白い。

公園:木陰で逆光回避、周囲の人と距離を取る

人の少ない時間帯を選び、ボールが道路に出ない位置で。

グラウンド:ラインを活用し距離・角度を見える化

マーカーの代わりにラインを使い、成功距離を記録しましょう。

よくある間違いと修正チェックリスト

頭頂や鼻で当ててしまう→額の“平ら”を探す

指で触って面を確認→鏡で位置を見てから開始。

目をつぶる→“見る→言う→当てる”の声かけ

見えた色・数字を声に出してから当てる習慣に。

首だけで振る→足・腰の前進力で“押す”

小さな一歩で前に乗る→額で1cm押す。

突っ込みすぎ→最後の一歩を短く整える

長い最後の一歩はぶれのもと。短く置いて安定。

痛みを我慢→即中止・原因を一つずつ潰す

当てどころ/速度/ボールの硬さを見直し。無理は禁物。

怖さに向き合うメンタルスキル(親の声かけ例つき)

恐怖スケール1〜10で段階調整

今の怖さは何点?6以上なら一段戻る。4以下なら次へ。

“できた”を具体化する称賛(額で2回タップ等)

「今の額の面、まっすぐ!」「呼吸うまくできたね」と行動を言葉に。

呼吸→合図→実行のルーティン化

「フッと吐く→1→ポン」を毎回同じ流れで。試合でも再現しやすくなります。

ルールと最新動向:安全に配慮したヘディングの扱い

地域や協会のガイドラインを事前に確認する

年代によりヘディング練習や頻度に指針がある場合があります。所属チームや地域の方針を必ず確認しましょう。

低年齢では負荷・頻度・ボール硬度を控えめに設計

やわらかいボール、短時間、間隔を空ける。痛みや違和感が出たら即中止。

試合参加前の自己チェック(体調・首周りの状態)

睡眠不足や体調不良時は無理をしない。首・肩の張りが強い日は軽めに。

練習を記録して成長を見える化(セルフ評価)

達成指標:的中率・連続回数・恐怖スケール

「10本中何本」「連続回数の最高記録」「今日の怖さ何点」を記録。

シンプル記録シートの作り方

  • 日付/場所/道具(風船・スポンジ・3号など)
  • メニューと結果(的中率・連続回数)
  • メモ(よかった点/次やること)

動画の撮り方:正面と横の2角度でフォーム確認

正面は額の当てどころ、横は体重移動と姿勢をチェック。5〜10本で十分です。

Q&A:よくある疑問

頭が痛くなったら?中止と再開の目安

その日の練習は中止。数分で治らない強い頭痛、吐き気、めまい、ぼんやり感がある場合は医療機関の指示に従ってください。次回は痛みが完全にない状態で、風船や静止球から再開を。

メガネは外すべき?安全策と代替案

フレームが当たると危険なので、基本は外すかスポーツ用ゴーグルを検討。やむを得ず着用する場合は風船・新聞紙ボールなど超軽量のみで。

ボールの種類とサイズは?段階に合わせる

風船→スポンジ→軽量3号→4号→5号の順が目安。年齢や所属のルールに合わせて調整してください。

何回やれば良い?短時間×高頻度の考え方

1回5分×3セットを週2〜3回。調子が良い日は+5分、疲れや不安があれば-5分でOK。

まとめ:今日から始める親子ヘディング

最初の1週間は“風船+静止球”でOK

恐怖ゼロの成功体験を量産し、面と姿勢を体に覚えさせましょう。

“安全・短時間・楽しい”が継続の三原則

やわらかい道具、5分区切り、ゲーム化。笑顔があるほど上達は速い。

次のステップへ:的当てゲームで成功体験を積む

紙の的→ビンゴ→ラリーと進め、慣れたらやわらかい浮き球へ。怖さを味方に、親子で「狙えるヘディング」を手に入れましょう。

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