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サッカー ドリブル コツを極めるなら、抜ける選手が捨てた3習慣

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「サッカー ドリブル コツを極めるなら、抜ける選手が捨てた3習慣」。タイトルの通り、ここでは“足技を増やす”よりも“通過率を上げる”ための考え方と練習法をまとめます。うまくいく人は、新しい技を足す前に、勝ちを遠ざける習慣をきっぱり手放します。この記事は、今日から捨てる3習慣→代わりに入れる3原則→実戦直結のドリル→相手タイプ別の設計図→可視化と週3メニュー、という流れで、試合の一本目が変わるところまで伴走します。

サッカー ドリブル コツを極めるなら、抜ける選手が捨てた3習慣(導入)

この記事で得られることと読み方

この記事では以下が得られます。

  • 抜ける選手が共通して捨てている3つの悪習慣が分かる
  • 代わりに入れる3つの原則(視野・角度とリズム・ファーストタッチ)が身につく
  • 1日20分からできる実戦向けドリルと、相手タイプ別の突破設計図が手に入る
  • 伸びを数値で確認できる“見える化”の指標が分かる

読み方のおすすめは「捨てる→入れる→測る」。まず3習慣をやめる意識を持ち、次に3原則のドリルで置き換え、最後に指標でチェックして調整してください。

ドリブル成功の条件を分解する(認知・決断・実行)

ドリブルは大きく「認知(見る)→決断(選ぶ)→実行(動く)」の3段階。失敗の多くは“実行”のテクニック不足に見えますが、実は前段の認知・決断が崩れると、どんな技も弱くなります。逆に、視野と判断の質が上がると、シンプルな動きでも通過率は跳ね上がります。

“技の数”より“通過率”を上げるという発想

華やかなフェイントは魅力的ですが、勝敗を分けるのは「一歩目でどれだけ前に出られるか」。通過率を上げるには、技のバリエーションより、相手の重心を外す角度・タイミング・タッチ距離の管理が重要です。以降はこの発想を軸に組み立てます。

抜ける選手が捨てた3習慣

1. 視線がボールに固定される習慣を捨てる

足元ばかり見ていると、相手の重心変化やカバーの位置に気づけず、仕掛けのタイミングを逃します。抜ける選手はボールに触る瞬間以外、視線を外に置きます。小さな例外はあっても、原則は「ボールは触覚で、相手は視覚で」。

  • 捨て方のコツ:2〜3歩に1回のスキャン(首振り)を意識する。触る直前だけ視線を落とす。
  • チェック:10秒で4回以上スキャンできているかを自撮りで確認。

2. 直線的に突っ込む習慣を捨てる

相手は正面衝突を待っています。一直線は読みやすく、接触も増えます。抜ける選手は「角度」を最初に作り、相手の軸足に“当てない”ラインを取り続けます。

  • 捨て方のコツ:1歩目で斜め外へ30〜45度の角度を作る意識を先に持つ。
  • チェック:接触前に相手の軸足と自分の進行ラインが交差していないか。

3. 無目的に細かく触り続ける習慣を捨てる

細かいタッチは便利ですが、「何のために細かいのか」が抜け落ちると、減速して捕まりやすくなります。目的は「時間を作る」「角度をずらす」「相手を引き付ける」のいずれかに限定しましょう。

  • 捨て方のコツ:3タッチ以内に“出口”(縦・横・斜め)を決めるルールでプレーする。
  • チェック:5秒以上細かく触り続ける場面をゼロにする。

代わりに身につける3つの原則(ドリブルのコツ)

スキャン頻度と身体の向きで優位を作る

スキャンは「見る」だけでなく「身体の向きを決めるため」にあります。半身(相手に対して45度)を基本に、腰と肩の向きで2つの出口を常に提示しましょう。

  • 頻度:移動中は2〜3歩に1回、止まっている時は毎秒1回の首振り
  • ポイント:受ける前に出口の優先順位(縦→内→外など)を仮決め

角度とリズムで一歩目を外す

一歩目は「角度(斜め)×リズム(減速→加速)」で外します。踏み込み前に軽く減速し、軸足を相手の足幅の外側に置くことで、相手の重心をずらしてから加速します。

  • 角度:相手の前足親指の外側に“差し込む”イメージ
  • リズム:1(見る)→0.7(減速)→1.3(加速)と強弱をつける

ファーストタッチの置き所で勝負を決める

勝負は最初の触り方で半分決まります。スペースへ運ぶタッチ距離は約1.5〜2.5m(スプリント一歩半〜二歩分)を目安に。相手が近ければ短く、離れていれば長く。足の面は「外→内→甲」の順で使い分けます。

  • 近距離:ボール半個分だけ外に置いてシールド
  • 中距離:1.5m先に置いて追い越す
  • 長距離:2.5m先に置いて直線加速、次タッチは外側

実戦に直結するドリブルドリル(1日20分〜)

スキャン→方向づけ→突破の3ステップドリル

目的

認知から実行までを1本の流れにする。

やり方

  1. コーン3本(中央・左5m・右5m)。中央でボール保持。
  2. 合図で首を左右に1回ずつ振り(スキャン)、コーチの指差した方へ半身を作る(方向づけ)。
  3. ファーストタッチで指示側のコーン外へ1.5〜2m運び、加速して通過。

基準

  • スキャンからタッチまで0.8秒以内
  • 通過までのタッチ数は2〜3

よくあるNG

  • スキャンが形だけで、身体の向きが変わらない

左右非対称のリズムチェンジドリル

目的

減速→加速の差を左右で再現する。

やり方

  1. 10m直線。3m地点で0.7倍に減速→5m地点で1.3倍に加速。
  2. 外→内の順に面を変えて、片側は2タッチ、反対側は3タッチで通過。

基準

  • 加速後の2歩で相手一人分(約1m)を空けるイメージ

NG

  • 減速が中途半端で強弱差が出ない

ファーストタッチ距離コントロールドリル

目的

1.0m/1.5m/2.5mの3距離をコントロール。

やり方

  1. マーカーを1m/1.5m/2.5mに設置し、合図で指定距離へ最初のタッチ。
  2. 次タッチで外側シールド→加速。

基準

  • 誤差±20cm以内で10本中7本成功

1対1で「縦・横・斜め」を選ぶ意思決定ドリル

目的

出口の事前設計と選択の速さ。

やり方

  1. 攻撃側は開始前に「縦・横・斜め」の第一優先を心の中で決める。
  2. 1対1開始、3タッチ以内に決めた出口へ。
  3. 守備が切ったら即プランBへ切替。

採点

  • 決めた第一出口での成功率と、プランB切替後の成功率を別々に記録

相手タイプ別の突破設計図

前に出てくるDFを外す:引き付け→差し込みの原理

前がかりの相手には、半歩待って引き付け→相手の前足外側へタッチで差し込みます。相手の踏み込み直前に0.7倍へ減速し、踏み切った瞬間に外へ1.3倍で加速。

後ろ向きで下がるDFを崩す:減速→再加速のタイミング

下がる相手には、2回の小さな減速で距離を詰め、膝が伸びた瞬間に縦へ。ファーストタッチは1.5m、次タッチで外に逃がしてシールド。

体を当ててくるDFに勝つ:シールドとカバーリングタッチ

接触系には、外側の肘と肩でラインを作りながら、ボールは相手と反対側の足で触る「カバーリングタッチ」。タッチ直後に体を半歩ねじ込み、進行方向に肩を入れて進む。

カバーが近い場面:出口の先取りと2手先の選択肢

カバーが2枚目に近いなら、突破後の出口(パスorシュート)までセットで決めてから仕掛けます。突破の方向=次の味方の利き足側に合わせると通りやすいです。

ポジション別ドリブルの使い分け

サイドアタッカー:外→中/中→外の2択を両立する

  • 外に見せて内へ:角度を45度→縦へのスラローム
  • 内に見せて外へ:内足フェイク→外足で突破、クロス準備

インサイドハーフ:縦スラロームと背中取り

  • 背後のスペースをスキャンし、縦に細かく運びながら角度を変える
  • 受ける前から半身で「背中取り」を準備、最初のタッチは相手の背後へ

センターフォワード:背負う→ひっくり返す“半ターン”

  • シールドで背負い、相手の押し返しの力を使って半ターン(外側)
  • 半ターン直後のタッチは2m先、DFの足が届かない所へ

サイドバック:持ち上がりでライン間を突く運び方

  • 最初は外側レーンを運び、相手が出てきた瞬間に内へ角度変更
  • 中盤の足元が見えたら、1.5mのタッチでライン間へ差し込み

足元のテクより“状況”を作る技術

2対1を作る運び方(引き付けと解放)

  • 味方のマークを自分に“寄せる”角度で運ぶ(縦寄り)
  • DFが寄った瞬間、外へタッチして味方を解放→ワンツーやスルーで抜ける

逆足(弱い足)の実戦投入法

  • 逆足は“止める・運ぶ”に限定。シュートやクロスは強い足に戻す。
  • 逆足で1mの短いファーストタッチ→強い足で加速の2段構え。

身体の当て方とライン際の生存確率を上げるタッチ

  • タッチと同時に肩を相手の胸の前へ置き、進行方向へ体を傾ける
  • タッチは外側ラインからボール半個内側に置き、出し過ぎない

よくある誤解と失敗パターン

フェイントの種類が多いほど有利?の落とし穴

種類より、相手の重心を動かす「角度・間合い・タイミング」。同じ技でも、入る角度が変わると通ります。

速く走れば抜ける?加速より重要な“減速”

減速がないと相手の重心が固まり、加速の差が出ません。0.7→1.3の強弱を意識しましょう。

狭い方へ仕掛けて潰される:出口設計の欠如

最初に出口を設計していないと、狭い側に吸い寄せられます。3タッチ以内に出口を決めるルールを。

計測して伸ばす:上達を可視化する指標

スキャン回数とタイミングの記録方法

  • 撮影して10秒間のスキャン回数を数える(目標:4回以上)
  • 触る前0.5秒以内にスキャンできている割合(目標:60%→80%)

一歩目の到達距離と成功率の測り方

  • マーカーで1.5m/2.0m/2.5m。合図からタッチまでの時間と距離の誤差を記録。
  • 一歩目後に相手に触られずに加速できた割合(目標:70%以上)。

1対1突破率とボールロスト位置のログ化

  • 1対1の本数・成功数・ロスト位置(中央/サイド/縦方向)を記録。
  • ロストの30%以上が同じ場所なら、角度かタッチ距離の調整課題。

トレーニングメニュー例(週3想定)

Day1 技術フォーカス:タッチ・方向づけ・弱点補強

  • ウォームアップ(8分):股関節/足首モビリティ+ボールタッチ
  • メイン(25分):ファーストタッチ距離コントロール→リズムチェンジ
  • 仕上げ(10分):1対1(制限付き)で出口3択ルール

Day2 判断・認知フォーカス:制限付きゲームで鍛える

  • ウォームアップ(8分):スキャンドリル(声かけ合図)
  • メイン(25分):3ステップドリル→3対3小ゲーム(3タッチ以内で仕掛け)
  • 仕上げ(10分):動画撮影→スキャン回数チェック

Day3 実戦・対人フォーカス:ターゲット付き1対1/2対2

  • ウォームアップ(8分):減速→加速の反復
  • メイン(25分):1対1(ゴール2口)→2対2(2対1を作る運び)
  • 仕上げ(10分):指標の記録とフィードバック

コンディショニングと怪我予防

足首・股関節の可動域を確保するルーティン

  • 足首ドーシフレクション:壁に向かって膝タッチ左右各10回
  • 股関節90/90ローテーション:左右各8回

ハムストリングと腸腰筋の連動トレーニング

  • ヒンジ(ルーマニアンデッドリフトの動き)10回×3
  • ハイニー→ランジの流れで、腿上げと伸展をつなげる

片脚バランスと減速筋(臀筋群・内転筋)の強化

  • 片脚スクワット浅め10回×2(膝とつま先の向きを揃える)
  • サイドランジ10回×2(内転筋のブレーキを作る)

メンタルとルーティン

仕掛ける前の呼吸と視野リセット

  • 吐く→吸う(2秒→2秒)を1セット、首を左右に1回ずつ振る
  • 出口の優先順位を心の中で宣言(例:縦→内→外)

ミス後のリカバリー思考(次の一手の固定化)

  • 「原因→対応」を10秒で言語化(例:距離長すぎ→次は1.5m)
  • 即時守備への切替合図を自分で出す(拍手や声)

試合前のチェックリスト(ピッチ・相手・自分)

  • ピッチ:滑りやすい場所、バウンドの変化
  • 相手:SBの軸足・間合い・前進/後退の癖
  • 自分:一歩目の距離感、今日の出口優先

試合で使うための準備:スカウティングとプランB

相手SBの癖の見抜き方(重心・軸足・間合い)

  • 重心が前のめり→引き付けて差し込みが有効
  • 軸足が内側に入る→外へ45度が刺さりやすい
  • 間合いが遠い→長いファーストタッチで先に前進

ピッチコンディションへの適応(滑り・バウンド)

  • 湿った芝:タッチ距離を-20cm、面は内側寄り
  • 硬い人工芝:バウンド高め、最初のタッチは甲寄りで押し出す

抜けない時の早期切替:パス・キープ・ファウル獲得

  • 3タッチで出口が開かない→ワンツーorリセット
  • 体でラインを作ってファウルを受ける選択肢も早めに

まとめ:今日から捨てる3習慣、明日から変わる一歩目

チェックポイントの再確認

  • 視線固定を捨てる:2〜3歩に1回のスキャン
  • 直線突入を捨てる:最初の一歩で角度を作る
  • 無目的な細かいタッチを捨てる:3タッチ以内に出口決定
  • 入れる原則:視野と半身、角度とリズム、ファーストタッチ距離

明日からの5分ミニルーティン

  1. 首振り+半身(1分)
  2. ファーストタッチ1.5m/2.5m(2分)
  3. 減速→加速リズム(1分)
  4. 出口声出し→2タッチ突破(1分)

“抜ける”を継続させる学習サイクル

  • 撮る(動画)→測る(指標)→直す(ドリル)→また試す(対人)
  • 週ごとに「角度」「距離」「リズム」のうち1テーマを深掘り

ドリブルのコツを極める鍵は、足元の派手さではなく、状況の作り方と一歩目の質です。今日捨てることを決め、明日の最初のタッチを変えましょう。通過率は確実に上がります。

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