目次
- スルーパス 基本をやさしく解体、縦が通る理由
- 導入:スルーパスはなぜ試合を変えるのか
- 定義と種類:スルーパスの基本整理
- 縦が通る理由:物理と認知の観点から
- タイミングの科学:逆タイミングとオフサイド管理
- スキャン(視野)の手順:いつ・どこを見るか
- 体の向き・初動準備:通す前の90%
- キック技術:インサイド/インステップ/アウトの蹴り分け
- ボールスピードと回転:通過時間を最適化する
- 受け手の動き:裏抜けとフェイントの基本
- コンビネーションで通す:ワンツー・サードマン・レイオフ
- ポジション別の狙いとコツ
- 守備ブロック別攻略:ハイライン/ミドル/ローブロック
- 局面別:ビルドアップ・カウンター・トランジション
- 判断とリスク管理:失わない縦パス
- 合図とコミュニケーション:言語化で速度を上げる
- よくあるミスと修正法
- 個人技術トレーニング:一人で伸ばすメニュー
- ペア・グループ練習:連動を習慣化する
- ゲーム形式で磨く意思決定
- チェックリスト:試合前・試合中・試合後
- データ活用:数値で“通った”を可視化する
- 環境要因:ピッチ・ボール・気象の現実解
- メンタルとクリエイティビティ:勇気と欺き
- 年代・レベル別の指導ポイント
- 試合分析の視点:プロの動きから抽象化する
- 上達プラン:4週間のロードマップ
- まとめ:縦が通るチームになるために
スルーパス 基本をやさしく解体、縦が通る理由
相手の守備が整っていても、一本で試合の空気を変えるのがスルーパスです。派手さよりも「通す前の準備」「タイミング」「強弱・回転」という小さな積み重ねが結果を分けます。この記事では、スルーパスの基本をやさしく解体しつつ、なぜ“縦が通る”のかを物理と認知の両面から説明。練習法や合図、ポジション別の使い分けまで、今日から使える実戦目線でまとめました。
導入:スルーパスはなぜ試合を変えるのか
縦が通るとは何かを明確化する
ここで言う「縦が通る」とは、相手のライン間や背後へ、守備者に触られず受け手が前向きでプレーできるパスが成功すること。単に前方向へ蹴るのではなく、受け手が次の一手(シュート、折り返し、運ぶ)がスムーズにできる状態まで作れて初めて「通った」と言えます。
スルーパスと単なる縦パスの違い
縦パスは方向の話、スルーパスは意図の話です。スルーパスは「スペースを意識して、人ではなく次の動きを走らせるパス」。受け手の助走、DFの体の向き、ボールの速度が噛み合うよう設計します。単なる縦パスは足下への供給も含みますが、スルーパスは“スペースに置く”要素が強いのが特徴です。
得点機会に直結する理由の全体像
スルーパスは守備の横ズレを一気に無効化します。理由はシンプルで、守備者はボールと人の両方を同時に最大精度で追えないから。視野・体の向き・相対速度にギャップが生まれる瞬間を突けば、数的同数でも決定機に到達できます。
定義と種類:スルーパスの基本整理
グラウンダー/浮き球/チップの使い分け
- グラウンダー:最短時間で到達。足元へつけてから前を向かせる、GKとDFの間を通すなどに最適。
- 浮き球:相手の足を越す必要があるとき。バウンドの読みが合えば強力ですが、ピッチ状態で跳ね方が変わる点に注意。
- チップ(ロブ):GKの前で落とす、DFラインの背後に“置く”用途。速度は遅い分、走者の優位を作りやすい。
縦スルー/斜めスルー/ハーフスペーススルー
- 縦スルー:最短距離。ハイライン相手に有効。
- 斜めスルー:DFの背中側(ブラインド)へ。受け手の体の向きが前を向きやすい。
- ハーフスペーススルー:サイドと中央の間のレーンへ。シュート、クロス、カットバックに移行しやすい黄金レーン。
足下狙いとスペース狙いの原則
足下は安全、スペースは破壊力。ライン間で足下→落とし→スルーの二段構えが安定します。前線が裏を狙う準備ができていないときは足下、走者が助走に入ったらスペース、と切り替えるのが基本です。
縦が通る理由:物理と認知の観点から
角度・相対速度・到達時間の関係
受け手とボールが同じ方向へ進むと「受けながら加速」が可能。斜めの角度で出すとDFは進行方向を変える必要があり、相対速度で不利になります。到達時間は“受け手の二歩先”に合わせるのが目安。速すぎると追い越し、遅すぎると寄せられます。
DFの視野と体の向き(ブラインドサイド)の弱点
DFはボールに正対すると、背中側のランナーを視認しづらくなります。肩の向きがサイドラインを向いた瞬間は特にブラインドが発生。そこへ斜めのボールを通すと触れにくく、縦が通りやすくなります。
ボールスピードと回転が作る“間”
強すぎない中速のグラウンダーは、受け手が次の一手を選ぶ“間”を作ります。順回転(前方向の回転)は伸びやすく、無回転は減速が少し早いことが多い。回転の設計で「届くけど余裕がある」速度帯を作ると通りやすくなります。
タイミングの科学:逆タイミングとオフサイド管理
キックモーションとラン開始の同期
目安は「蹴り脚が振り下ろされる瞬間」にラン開始。早すぎるとオフサイド、遅いとボールが先に行きます。キッカーはモーションを隠さず、味方に“合図”として使うと同期が取りやすいです。
DFラインの上下動を利用する逆タイミング
DFが一歩前に出る(押し上げ)瞬間は背後が空きます。その逆を突くのが逆タイミング。横パスやトラップのわずかな減速でDFを前に誘い、背後へ刺すと縦が通ります。
オフサイドラインの実戦的な見え方
ラインは“まっすぐ”ではなく、DFの足並びでギザギザ。近いDFの足の位置を基準に判断すると安全です。受け手は肩越しに2回確認(走る前と走りながら)を癖にしましょう。
スキャン(視野)の手順:いつ・どこを見るか
受ける前0.8秒のスキャンルーティン
およそ1秒弱前を目安に、左右→前→背後の順でクイックスキャン。ボールが足元に来る直前は足下に視線が落ちがちなので、その前に情報を取り切るのがコツです。
味方の助走ベクトルとDFの重心を見る
見るべきは「味方の走る方向」と「DFの重心の向き」。味方の助走ベクトルと逆向きにDFの重心が傾いたら狙い目です。
最後の一瞥で確定する“空きレーン”
蹴る直前の最後の一瞥で、DFの足と足の間、背後の芝生のラインを確認。芝の色の切り替わりを目印にすると、レーンのイメージが掴みやすくなります。
体の向き・初動準備:通す前の90%
半身の角度で縦・斜めの両脅威を表現
腰と肩をやや斜めに置き、縦にも斜めにも蹴れる体勢を見せます。相手に選択肢を読ませないことが最大の“偽装”です。
トラップ方向でDFの重心をずらす
インサイドで外へ触って内へ蹴る、または内へ触って外へ蹴る。トラップの一歩でDFの重心を外し、次のパスコースを空けます。
逆足の置き方と踏み込みの深さ
踏み込み足はボールの横やや後ろに。深く入れすぎるとキックが読まれ、浅すぎると力が乗りません。相手が寄ったら短い踏み込みでクイックに、離れたら長めで強度を出すのが基本です。
キック技術:インサイド/インステップ/アウトの蹴り分け
インサイドで通す基礎の精度設計
狙った“タイル一枚”に通すつもりで、足首を固めて真っ直ぐ押し出します。芯をとらえるとスピンが安定し、コースがブレません。
インステップドライブで速度を通す場面
相手の戻りが速いときはインステップで距離とスピードを確保。強度が上がる分、受け手の二歩先に置くイメージを忘れずに。
アウトサイドで角度を隠す小技
体の向きは外、ボールは内へ。アウトサイドは角度の偽装に最適。短い振りでコースを変えられるため、密集でも通しやすいです。
ボールスピードと回転:通過時間を最適化する
グラウンダーの順回転・無回転の選択
順回転は伸びて届きやすい、無回転は減速が少し早く“置きやすい”。受け手との距離、芝の状態で使い分けましょう。横回転を少しかけると、レーンの外から内へ戻すカーブも作れます。
濡れたピッチ・長い芝・風の影響
- 濡れたピッチ:滑って伸びやすい→少し弱めで。
- 長い芝:減速が早い→強め&順回転を意識。
- 向かい風:球足が落ちる→低く強く。追い風:伸びる→受け手の減速を計算。
受け手の初速に合わせる“置き配”
走り出し直後は加速中。受け手の初速に合わせ、最初は短め、トップスピードなら長めに置く。置き配の感覚を共有すると成功率が跳ね上がります。
受け手の動き:裏抜けとフェイントの基本
チェックイン→裏抜けの二段モーション
足下に寄る素振り(チェックイン)でDFを引き出し、背後へ反転。これだけで1メートルの差が生まれます。
内から外/外から内の走行ライン設計
内から外へ走るとシュート角が広がり、外から内へはゴール前へ直行しやすい。キッカーの利き足と合わせると角度が作りやすいです。
肩越し確認と減速ステップの価値
肩越しに二度確認。最後に半歩の減速ステップを入れると、ボールがぴたりと合いやすく、トラップが前向きになります。
コンビネーションで通す:ワンツー・サードマン・レイオフ
ワンツーでライン間を開けてから刺す
足下→返し→背後。返しを少し外側に置くと、DFは内外の判断に迷い、レーンが開きます。
サードマン走でプレス背後へ
受け手ではなく“第三の走者”へ。プレスの視野外に出現するため、縦が通りやすい王道パターンです。
レイオフの角度を作る“壁の質”
壁役はワンタッチで、進行方向へ5~15度だけ角度を作ると次のスルーが通りやすくなります。触る位置は足の親指側で短く。
ポジション別の狙いとコツ
CBの縦差し:インサイドレーンを通す条件
相手1stラインの外側へドリブルで誘ってから、内へ縦差し。相手のCHが出た背後のスペースが狙い目です。
アンカー/インサイドMFのハーフスペース配球
片方のIHがライン間で受け、逆サイドの裏へ。斜めの速いボールで前進の角度を作ります。
SBとウイングの外→中の斜めスルー
SBが外で幅を取り、ウイングが中へ走るパターン。外を見せて内へ通すとブラインドを突けます。
CFの壁役と裏抜けの両立
最初は壁で引き付け、DFが近づいた瞬間に裏へ。CFが“時間を作る→一気に消える”で縦が通ります。
守備ブロック別攻略:ハイライン/ミドル/ローブロック
ハイライン攻略は相対速度で勝つ
少ないタッチで前向きに。長めの斜めスルーで走者がトップスピードに乗る前提で設計します。
ミドルブロックはライン間→背後の二段構え
ライン間で前を向かせ、引き出したところを背後へ。足下とスペースの切替でズレを生みます。
ローブロックは角度偽装とサードマンで崩す
真正面は狭いので、外から内のカーブ、壁→裏の三角形で角度を捻り出します。
マンツーマンにはスイッチとブラインドラン
マークを入れ替えるスイッチと、視野外のブラインドランをセットで。1秒の解放時間を作れば十分です。
局面別:ビルドアップ・カウンター・トランジション
ビルドアップでの縦刺しトリガー
相手のIHがボールへ寄った瞬間、背後のハーフスペースが点灯。ここが縦刺しの合図です。
カウンター時の最短距離と最短時間
横幅は捨て、縦へ一直線。最短でゴールへ向かう角度のボールを選びます。ファーストタッチで前を向けるよう“置く”のが鍵。
奪って3秒:トランジションの黄金窓
奪ってから約3秒は相手が整理できない時間。迷わず前進のレーンを探す習慣をチームで共有しましょう。
判断とリスク管理:失わない縦パス
失うと危険なエリアの回避と代替案
自陣中央の縦は最もリスク。迷ったら外へ逃がす、または一度ライン間で落としてから背後へが安全です。
セーフティラインと背後カバーの確認
出す前に「もし失ったら誰が止める?」を確認。SBが高いならアンカーが残る、CBが運ぶなら逆CBがカバー、のように役割を固定します。
期待値(xT)思考での選択基準
“前進して危険度が上がる”選択を優先。リスキーでもxTが高い場面(数的優位、GKとDFの間など)は挑戦価値があります。
合図とコミュニケーション:言語化で速度を上げる
キーワード(縦・裏・待て・スルー)の設計
短く、全員が同じ意味で使える言葉に統一。「縦=足下前向き」「裏=背後スペース」など、定義を決めましょう。
ジェスチャー・視線・腕の指し示し
視線で釣って逆へ。腕は3回以上振らない(バレる)。一度目で知らせ、二度目で確定が基本です。
事前取り決めで曖昧さを削る
「この形になったら必ず裏」をチームで宣言。迷いを減らすとスピードが上がり、通過率が上がります。
よくあるミスと修正法
速すぎる・遅すぎるの原因特定
速すぎる=踏み込みが深く、体が前に倒れている。遅すぎる=足首が緩い、体重が後ろ。動画で足元だけでなく上半身の傾きを確認しましょう。
見過ぎてバレる:準備の段階で隠す
蹴る前に2回も3回も背後を見ていると読まれます。受ける前のスキャンで情報を取り切り、蹴る瞬間は視線を外す“見るフリ”を使いましょう。
受け手とズレる起点を合わせる練習
「二歩先」に置く共通言語を持つ。練習では受け手が号令(今!)を出し、キッカーが音で同期するドリルが有効です。
個人技術トレーニング:一人で伸ばすメニュー
コーンレーン通過で角度と速度を定量化
幅1メートルのレーンを10~20メートル設定。インサイド・アウト・インステップで通過本数と到達秒数を記録。角度と強度の再現性を磨きます。
壁当てでワンタッチ方向づけ→スルー
壁→ワンタッチで外へ触る→縦へスルー。トラップ方向とキックの連動を体に覚えさせます。
視線フェイント→キックの非対称練習
右を見る→左へ蹴る、など視線と実際のキックを意図的にずらす練習。小さな偽装が試合で効きます。
ペア・グループ練習:連動を習慣化する
チェックイン→裏抜けの同期ドリル
受け手がチェックイン、合図で裏へ。キッカーはインサイドで二歩先に置く。5本連続成功を目標にします。
ワンツー→サードマン→スルーの連鎖
A→B→A(返し)→C(走者)へ。Bの返し角度を5~15度で固定化。角度で通り道が変わる感覚を共有します。
制限付きゲーム(2タッチ・縦通しボーナス)
2タッチ制限+縦通しで1点ボーナス。意思決定の速度と縦意識が自然と高まります。
ゲーム形式で磨く意思決定
2対2+サーバー:タイミング限定ルール
サーバーからのみスルーパス可、蹴る前に必ず横パス1本を義務化。逆タイミングを体感できます。
4対4+フリーマン:ハーフスペース活用
フリーマンはライン間限定。受けたら必ず前向きへ。ハーフスペースの価値をチームで共有できます。
縦通し成功で得点倍ルールの心理効果
縦が通るほど“得”になる設定で、リスクを恐れない文化を醸成。挑戦回数が増え、精度が上がります。
チェックリスト:試合前・試合中・試合後
試合前の確認(芝・風・相手ラインの高さ)
- 芝の長さと湿り気で球足を確認(ウォームアップで体感)。
- 風向きで低い球/浮かせる球を決める。
- 相手のライン高さの傾向を観察(押し上げが速いか、深いか)。
試合中の微調整(速度・角度・受け手の特性)
味方の足の速さ、トラップの得意方向に合わせて角度を変更。通らなかったら「強すぎた/遅すぎた」をすぐ共有します。
試合後の振り返り(映像と数値の整合)
成功・未遂・カットをタグ付け。映像で“通り道”を言語化し、次の試合に持ち越します。
データ活用:数値で“通った”を可視化する
縦パス成功率とプログレッションの見方
成功率だけでなく、どれだけ前進したか(ヤード/メートル)の合計を記録。質と量の両面で評価します。
ライン間侵入回数と最終局面到達率
ライン間へ入った回数と、そこからPA侵入・シュートで終われた割合をセットで。前向きで受けられたかが鍵です。
ビデオタグ付けの項目テンプレート
- 形:縦/斜め/ハーフスペース
- 球種:グラウンダー/浮き球/チップ
- 結果:前向き受け/タッチ流れ/カット
- 要因:速度過多/遅延/角度不適/タイミング不一致
環境要因:ピッチ・ボール・気象の現実解
芝の長さ・湿度で変わる減速率
同じ強さでも球足は変わります。アップで10~15メートルの基準パスを数本蹴り、到達時間を体に入れましょう。
ボールの空気圧・パネルの違い
硬いボールは伸びる、柔らかいと足離れが遅い。空気圧は規定内であっても微差が操作感に影響します。
向かい風・追い風での軌道修正
向かい風:低く、回転を抑える。追い風:バウンド後の伸びを想定し、受け手は一歩手前で待つ意識を。
メンタルとクリエイティビティ:勇気と欺き
ミスへの許容と試行回数の相関
スルーパスは挑戦回数に比例して上達します。チームで“チャレンジ歓迎”の空気を作りましょう。
“見るフリ”と“蹴るフリ”で生む遅延
一瞬のフェイクでDFの判断を遅らせる。0.2秒の遅延が通過の“間”を生みます。
脱力→加速のスイッチを持つ
力みはコントロールの敵。脱力した助走から最後だけスッと加速するキックは読まれにくく、精度が上がります。
年代・レベル別の指導ポイント
基礎期:正確性と視野習慣の形成
短い距離でコーン通過、受ける前のスキャンを声に出して確認(右・左・前)。習慣化が最優先です。
競技期:スピード下の意思決定
2タッチ制限、逆タイミングのパターン反復。映像での自己評価を取り入れ、改善点を具体化します。
保護者のサポート:声かけと観察のポイント
結果より「良い試みだった」「今の視野はナイス」とプロセスを褒める。挑戦回数が増えると上達が加速します。
試合分析の視点:プロの動きから抽象化する
ゴール直前の一手前で何が起きたか
得点シーンは最後のパスだけでなく、その一手前(角度作り・縦引き付け)にヒントがあります。
DFの足並び・重心・肩の向きの読み取り
3人のDFのうち誰の肩が開いていたか、誰が一歩出たか。静止画で止めて確認すると、狙い目が見えてきます。
成功パターンを自チーム言語に落とす
「横→縦」「壁→裏」「外見せて内」など、短い合言葉に。チームの共通語が意思決定を速くします。
上達プラン:4週間のロードマップ
Week1 基礎技術とスキャンの癖づけ
コーンレーン通過、壁当て、受ける前のスキャンを声に出す。動画で足首と体の傾きをチェック。
Week2 タイミングと角度の反復
チェックイン→裏抜け、ワンツーの返し角度固定ドリル。二歩先に置く“置き配”を共有。
Week3 コンビネーションと局面特化
サードマン走、ビルドアップの縦刺し、カウンターの一直線。守備ブロック別メニューを日替わりで。
Week4 ゲーム強度での再現性
制限付きゲーム→11対11で検証。データタグ付けで成果を可視化し、次の4週間に繋げます。
まとめ:縦が通るチームになるために
個の精度×連動×環境適応の掛け算
キック精度、走者との同期、ピッチ適応。この三つが揃うとスルーパスは武器になります。どれか一つでは足りません。
“通す前の準備”に投資する
スキャン、体の向き、トラップ方向で80%が決まります。蹴る瞬間より、その前を磨きましょう。
反復・記録・共有で習慣化する
練習で反復、試合で記録、ミーティングで共有。これを回し続けるチームは、必ず“縦が通る理由”を体得します。今日の練習から、二歩先に置く一本を積み上げていきましょう。
