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ドリブル中も視線を意識!抜けるプレーの秘訣と練習法

サッカーのドリブルで相手を抜き去る瞬間――決まると最高に嬉しいですよね。でも、うまくかわしたいのに「前が見えていない」「ボールばかり見て動きが硬い」と悩んでいる方も多いはず。実は、ドリブルで相手を“抜ける”選手には共通するひとつの大きなポイントがあります。それが「ドリブル中も視線を上げる」こと。本記事では、高校生以上のプレーヤーや、サッカー少年のご両親に向けて、ドリブル中に視線を意識することでどんなプレーの変化が生まれるのか、その秘訣と具体的な練習法を分かりやすくまとめました。今日からすぐに実践できる内容を詰め込んでいるので、ぜひ一緒にレベルアップを目指しましょう!

はじめに:ドリブル中に視線を上げる重要性

なぜ視線が大切なのか

ドリブル中、多くの人が「ボールを失いたくない」という意識から、ついボールばかりを見てしまいがちです。しかし実際の試合で本当に必要なのは、自分とボールだけでなく“周りの状況”をいかに正しく把握して動けるか。「視線を上げて」プレーすることで、相手との距離、味方やスペースの位置を素早く把握できるようになります。
視線が上がる=情報が増える。つまり、「今、何をすべきか?」を冷静に選びやすくなります。そうすることで判断が早くなり、“普通のドリブル”が“抜けるドリブル”へとレベルアップしていきます。

ドリブルが上手い選手に共通する特徴

グラウンドで素早く相手を抜いていく選手や、相手の逆を突く絶妙なタイミングで仕掛けられる選手。その多くに共通しているのが「視線の使い方がうまい」ことです。
相手と駆け引きするには、顔が上がっていること――これが必須条件です。海外のトッププレーヤーも「周りを見て動き、瞬時に判断できるからドリブルで抜ける」とたびたび語ります。単なる技術やスピードだけでは到達できない部分に「視線のコントロール」があるのです。

視線を意識することで生まれるプレーの変化

相手ディフェンスを惑わす効果

ドリブル中に視線を上げることで、相手ディフェンスへの“フェイント”的な効果も発揮されます。たとえば、進む方向と逆のスペースに一瞬視線を送ったり、味方を見るフリをしながら自分で仕掛けたりすると、ディフェンダーは動揺しやすくなります。
「この選手、どこにいくんだ?」と相手を迷わせる、仕掛けるために“視線の演技”をするのも重要な武器になります。

選択肢が増える=“抜ける”可能性が広がる理由

視線を上げて周囲をよく見ることで、実は自分の手持ちの選択肢がグッと増えます。自分で抜くのか、味方にパスするのか、あるいは一度キープするのか。
狭い場所で相手に囲まれているときなど、選択肢が見つけやすくなり、とっさの判断で「抜けるコース」が見つかることも多くなっていきます。選手として「引き出しの多さ」は大きな強みです。

ボールコントロールと視野拡大の関係

一見、視線とボールコントロールは別の話のように思えますが、実は深い関係があります。視線が上がることで、身体がよりリラックスして、自然な体勢でボールを扱うことができます。その結果、足元を見る時間が減る分「フェイント」「スピードアップ」など次の動作につなげやすくなるのです。
また、広く視野を取る習慣が身につけば、味方やゴール前のチャンスを見逃しにくくなります。ボールが“足元感覚”で扱えるようになるほど、サッカーがもっと楽しく感じられるでしょう。

ドリブル中に視線を上げるコツ

ボールタッチの基礎を身につける

まず、視線を上げたままドリブルする第一歩は「ボールタッチの精度」を高めることです。足元の感覚だけでボールを自然に運べれば、「見なくても大丈夫」という自信が生まれます。
定番は「インサイド・アウトサイド」「足裏」「リフティング」など単純なタッチを繰り返すこと。これを「顔を上げて」やってみることで、少しずつ難しさに慣れていきます。最初は多少ボールがズレてもOK、徐々に距離やスピードを上げていきましょう。

視線を上げるための“意識シフト”方法

急に「顔を上げて!」と言われても、なかなか感覚はつかめません。最初は「いま視線が落ちてきてるな」と自覚することから始めます。
例えば、ドリブルの最中に「あ、周りが見えてない」と気づけた時点で成長の証。最初のうちは、練習中に友達やコーチに「顔が下がっていたら声をかけて」とアドバイスをもらうのも効果的です。
また、「ボールを見る」から「ボールを感じる」へ意識を切り替え、「周囲を見渡しながら動く」ことを少しずつ増やしていくのがおすすめです。

ゲーム中に使える!具体的な視線上昇テクニック

具体的なテクニックとしては、自分の前方だけではなく左右や後ろの状況も「チラ見」する癖をつけます。
例:

  • 仕掛ける直前に遠くの味方・スペースをサッと確認する
  • フェイントの方向と反対側にも視線を振る
  • キックフェイントやパスフェイクのときも表情や視線で相手を惑わす
  • 1タッチごとに“顔を少し上げる”を意識する

これらを繰り返すうち、ゲームの中で自然と「顔が上がったドリブル」ができるようになっていきます。

抜けるプレーへつなげる!視線トレーニング実践法

一人でもできる視線トレーニングメニュー

視線を上げてドリブルする感覚は、一人練習でも鍛えられます。
おすすめメニュー:

  • コーンやペットボトルを並べてジグザグにドリブル(顔を上げて障害物を認識)
  • 壁当てリフティングで、壁の模様や色を視野に入れながら続ける
  • ボールを小さくタップしながら周りの景色・目標物を言葉にして確認する(例えば「赤い車」「公園のベンチ」などを声に出す)

これにより、無意識でも周囲に目を配る癖が身につきやすくなります。

ペア・グループでの視線を意識したドリル

複数人でできる練習も非常に効果的です。
例:

  • 一定方向にドリブルする人の進行方向で、仲間が指や手を挙げ、その数を答える
  • コーチや仲間がランダムに「右!」「パス!」など指示を出し、それに即対応
  • 味方が複数いる中で、タイミングを合わせて「パスorドリブル」を選択しながら「どこで誰が空いているか」を瞬時に探す

これらは声と視覚、判断のスピードすべてに効果的です。みんなでやれば楽しく集中力も高まります。

試合形式での視線チェックポイント

練習が慣れてきたら、ぜひ試合形式でも「視線」を意識してみましょう。ポイントは「1回に1回だけでもいいので、絶対に顔を上げる瞬間を作る」こと。
たとえば、ドリブル中に少しでも周囲を確認できた時や、タイミングよくパスやシュートにつなげられたときは自分を褒めましょう。
また、できれば試合後や練習後に「どの場面で周りが見えていたか」「見落とした瞬間は?」など簡単に振り返ってみると、次第に意識が高まっていきます。

〈体験談・コーチの視点〉視線を磨いて成長した実例

高校・大学サッカーでの成功例

ある高校生プレーヤーのエピソードです。中学時代から「ドリブルで抜くのは得意でも、周囲が見えず行き止まりになることが多かった」とのこと。しかし高校の部活で「顔を上げてドリブル」「ボールはできるだけ足元感覚で」と徹底的に練習した結果、スタメン定着・アシスト増加・県大会ベスト4進出と大きな成長につながりました。
また、大学サッカーでも「顔を上げてプレーできる選手」は監督・コーチからの評価も高く、チームの中心としてプレーすることが多いのが特徴です。ドリブルの選択肢だけでなくパスやシュートのタイミングも逃さず、勝負強さを発揮できる選手に成長しています。

コーチ目線で見る視線改善の効果

指導歴豊富な地域コーチによると「視線が上がるようになった選手は、プレーの幅が劇的に広がる」とのこと。小・中学生の段階で“顔を上げたドリブル”の習慣をつけた選手は、高校年代以降、守備を引き付けてパスしたり、相手の逆を素早く突けるようになります。
ドリブルが得意な選手ほど「ボールを見ない勇気」「周りを信じて見る力」が、次のステップアップにつながる。これはコーチの現場でも実感の多い事実です。

ドリブル中の視線を意識するための日常習慣

プロも実践する“普段から視野を広げる”練習

多くのプロ選手も、実は日々意識して「視野を広げる」練習を取り入れています。例えば、待ち時間や電車移動など日常生活の中で、「自分の左右・背後に何があるか?」をチェックしてみたり、友達と歩く時も「少し先の状況まで見る」よう心掛けるのです。
普段の生活で「観察する」「先回りして考える」習慣が、グラウンドでの“顔を上げるプレー”につながっていきます。

オフザピッチでできる脳トレ・アイデア

サッカー以外の活動でも視野や判断力は鍛えられます。

  • 動画・試合映像を見ながら「次にどんな動き」「どんな選択肢があるか」を考えてみる
  • 友達や家族と「瞬間暗記」ゲームをして見る力・観察力をUPさせる
  • 「信号の色」や「すれ違う人の数」など、街中のちょっとした情報を瞬時に記憶・判断する

このような“脳トレ”も、ピッチでの反応速度や柔軟な発想力につながります。

気をつけたい“視線”のNG例とその対策

よくある失敗パターンと改善ポイント

ドリブル中の視線には、よくある「つまずきパターン」がいくつかあります。

  • ボールばかり見てしまい、相手を見落とす
  • 前ばかり見ていて、足元のボールをコントロールできずミスが出る
  • 周囲を見ようとしすぎてプレーが遅くなる

これらを防ぐには、「慣れ」と「意識の切り替え」がポイントです。
まずは「一度に全部完璧にやろう」とせず、練習ごとに「今日は顔を上げること」「次はボールタッチ」と課題ごとに意識を分けて取り組むのがおすすめ。
また、上手くいかない時こそ焦らず、一つ一つ「自分にできたこと」「次に意識したいこと」を整理してみてください。

視線を意識しすぎてミスをしないためには

大切なのは「視線」と「ボールコントロール」のバランスを取ることです。
顔を上げようと意識しすぎると足元のミスが増えることもありますが、これは成長過程にとてもよくあること。
焦らず、まずは練習では失敗を恐れず試してみましょう。最初は「半分に一回」くらい視線を上げるだけでも十分。積み重ねていくうちに、無理なく自然にできるようになります。「やり方が合っているか分からない」ときは、ぜひ動画で自分のプレーをチェックしたり、仲間やコーチに声をかけてもらうのもおすすめです。

まとめ:視線を制する者がドリブルを制する

ドリブル中に「視線を上げる」こと。これは、ただカッコよく見せるためのテクニックではありません。ゲームの流れを1歩先読みし、相手と味方、スペースやゴールすべての情報をキャッチしプレーの選択肢を広げる、サッカーの本質的な力です。
「抜けるドリブル=怖がらず顔を上げ、判断し、“今”を楽しむ勇気」なのかもしれません。
ぜひ、今回紹介したコツやトレーニングメニューを、今日の練習からさっそく取り入れてみてください。ドリブルがもっと楽しくなり、あなたの「突破力」が大きく変わっていくはずです!

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