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サッカーでレッドカードが出る条件と一発退場の境界線

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サッカーでレッドカードが出る条件と一発退場の境界線

「どんなプレーが一発退場になるのか?」は、勝敗を左右するだけでなく、選手生命やチームの信頼にも関わる大問題です。この記事では、競技規則(IFAB)の考え方を土台に、イエローとレッドの境界線をわかりやすく解説します。プレー中の判断、守備のテクニック、言動のライン、そしてDOGSO(明らかな得点機会の阻止)の判定軸まで、試合で“退場しないため”の実戦知識をまとめました。

レッドカードの基礎と最新ルールの前提

競技規則の位置づけと毎年の改訂ポイント(IFAB)

サッカーのルールはIFAB(国際サッカー評議会)が定める「競技規則」によって統一されています。競技規則は原則毎年アップデートされ、語句の整理や判定基準の明確化、運用の改善が行われます。例えば、過去には「DOGSO(いわゆる“三重罰”の緩和)」や「ハンドの基準整理」、「アドバンテージ時の処置明確化」などが調整されてきました。最新の判断を知るには、所属連盟が示す最新の競技規則を必ず確認しましょう。

レッド・イエロー・警告・退場の用語整理

用語の整理は重要です。

  • 警告(イエローカード):反則や不正行為に対する公式な注意。二度目の警告で退場。
  • 退場(レッドカード):その試合のプレー資格を失う。直接のレッド(いわゆる“一発”)と、2枚目の警告による退場がある。
  • 一発退場:主審が直接レッドカードを提示するケース。乱暴な行為、SFP、DOGSO、侮辱・差別的言動、噛みつき・唾吐きなどが代表例。

主審の裁量と副審・第4の審判・VARの関与範囲

主審が最終決定権を持ちますが、実際の判定はチーム審判で支えます。副審は視野の広いオフ・ザ・ボールの情報や接触の有無、ファウルの位置を支援。第4の審判はベンチ周辺のマネジメントや選手交代を管理。VAR(導入大会のみ)は「明白かつ重大な誤り」や「見逃し」を対象に、ゴール、PK、直接レッド、選手の人違いに限定して関与します。オンフィールドレビュー(OFR)で主審がモニター確認を行い、それでも最終判断は主審です。

レッドカードが出る主な条件(一覧)

著しく不正なプレー(Serious Foul Play:SFP)

ボールにプレーしようとするチャレンジ中に、過度な力や相手の安全を危険に晒すタックル・チャージなど。足裏を高く出す、両足で跳び込む、スピードと体重が乗った踏みつけなどが典型です。

乱暴な行為(Violent Conduct:VC)

ボールと無関係の暴力、またはプレーと関係していても相手の安全を著しく害する暴力的行為。試合停止中やボールのない場所での殴打、頭突き、蹴り、意図的な強打などが該当します。

噛みつき・唾吐き(接触の有無にかかわらず)

相手に噛みつく、相手に向けて唾を吐く行為は一発退場の対象です。唾が当たらなくても「相手に向けて吐いた」時点で退場になり得ます。

明らかな得点機会の阻止(DOGSO:反則による)

相手の明白な得点機会を、反則(トリッピング、ホールディング、チャージなど)で止めた場合。4要素(距離・方向・守備者数・コントロール可能性)を総合判断します。

明らかな得点機会の阻止(DOGSO:手や腕の使用による)

手や腕の使用(ハンド)で明白な得点や得点機会を止めた場合。ゴールに向かうボールを腕で防ぐなどが代表例です。

侮辱的・攻撃的・差別的な言動やジェスチャー

相手、審判、観客に対する侮辱・攻撃・差別に当たる発言やジェスチャーは一発退場です。言葉だけでなく、差別的サイン、極めて挑発的な身振りも対象になります。

2枚目の警告による退場(2nd caution=一発ではない)

同一試合で2枚目のイエローカードを受けると退場。これは直接レッドではありませんが、チームは以降10人になります。

物を投げつける・当てるなど危険または暴力的な行為(状況によりVC)

ボール、ボトル、用具などを相手に向けて強く投げる、蹴りつける行為は乱暴な行為としてレッド対象になり得ます。距離、速度、対象(頭部付近など)で危険性を評価します。

一発退場の境界線:イエローとレッドを分ける具体的基準

ケアレス・レックレス・エクセッシブの違い

  • ケアレス(不注意):注意が足りない。原則ファウルのみ(カードなし)。
  • レックレス(無謀):相手の安全を考えずに行った。警告(イエロー)。
  • エクセッシブ(過度な力):相手の安全を危険に晒す。退場(レッド)。

同じタックルでも、速度・角度・当たり方で評価は大きく変わります。

「相手の安全を危険に晒す」判断材料(速度・強度・接触部位・踏みつけ・両足・足裏の露出)

  • 速度・強度:助走距離が長い、全体重が乗る、刃を当てるような当たり方。
  • 接触部位:足首・すね・膝・アキレス腱など脆弱部位への直撃は危険度が高い。
  • 足裏露出:足裏を高く見せるタックルは危険評価が上がる。
  • 両足タックル・踏みつけ:コントロール不能・逃げ道なしでレッドになりやすい。

ボールに触れていてもレッドになり得るケース

「先にボールに触れたからセーフ」は誤解です。ボール先触りでも、相手に過度な力で接触し安全を脅かせばSFPで退場になり得ます。ボール奪取の意思は減軽要素にはなりますが、結果として危険ならレッドです。

接触がなくてもレッドになり得るケース(暴力・唾吐き・侮辱)

相手への蹴りや殴打の「試み」、相手に向けた唾、差別的ジェスチャーなど、接触がなくてもVCや侮辱的行為として一発退場の対象です。

DOGSO(明らかな得点機会の阻止)の境界線を読み解く

DOGSO判定の4要素:距離・方向・守備者数・コントロール可能性

  • 距離:ゴールまでの近さ。
  • 方向:ゴールへ向かっているか(プレーの向き)。
  • 守備者数:GKを含む他の守備者の位置・追いつける可能性。
  • コントロール可能性:ボールを実際にコントロールできそうか。

4要素を総合判断します。1つ突出していても、他が弱ければDOGSOでないこともあります。

「最後のDF=自動レッド」は誤り:総合判断の実際

最後のDFでも、角度が鋭くない、ボールが遠い、味方が追いつく、などで「明白」とは言えない場合があります。逆に、最後のDFでなくても4要素が揃えばDOGSOになり得ます。

PA内の例外(PK+警告の原則)と適用外となるケース

ペナルティーエリア内で、ボールへの「正当な挑戦」を試みた結果の反則でDOGSOが発生した場合は、レッドではなく「PK+警告」が原則です。一方、ホールディング、引っ張り、押す、ボールに挑戦していない、または手や腕の使用(ハンド)で阻止した場合は、PA内でもレッドになり得ます。

ハンドによるDOGSOと通常のハンドの違い

ハンドでも「偶発的な接触」や「手の位置が自然で回避困難」な場合は反則にならないことがあります。DOGSOになるのは、手や腕で明白な得点や得点機会を阻止したとき。ゴールに向かうボールを腕で止めるのが典型例です。

アドバンテージ適用時:得点成立でDOGSOが警告に変わる条件

主審がアドバンテージを適用し、そのまま得点が成立した場合、DOGSOの退場は科されず、原則として当該選手は警告(不正なプレーによるSPA相当)にとどまります。ハンドによるDOGSOでも、ゴールが入れば同様に警告で処理されるのが一般的運用です。

具体例で理解する:レッドになる/ならない境界事例集

スライディングタックル:ボール先触りでも足裏が高く相手の安全を脅かす

高速で突っ込み足裏で相手のすね〜膝を直撃→SFPの可能性大。逆に、速度を落とし横から低い位置でボールに触れ、相手の脚を巻き込まない→ファウルなし、または軽微な接触でレックレスなら警告で済むことも。

カウンター阻止:ユニフォームを引く(DOGSO/SPAの分かれ目)と走路遮断

自陣ハーフでの小さな引っ張りはSPA(有望な攻撃の阻止)として警告にとどまることが多い一方、最後方で前向き独走、他守備者がいない状況での明確なホールディングはDOGSOでレッド。走路に体を入れてスピードを落とす、角度をつけるなど「遅らせの守備」を選べると退場リスクを下げられます。

GKの飛び出し:PA外のハンドとPA内の「プレーへの挑戦」

GKがPA外で手を使ってシュートやスルーパスを止め、明白な得点機会を消した→ハンドによるDOGSOでレッド。PA内でスライディングに行き、ボールに挑戦したが遅れて相手に接触→PK+警告(DOGSO緩和)が原則。ただし抱え込みや引っ張りなどボールに挑戦していない場合はレッドの可能性。

空中戦のエルボー:身体の使い方と過度な力の線引き

ジャンプ時の腕の自然な広がりは許容されますが、相手の顔面に向けて肘を振る、後方確認なしで肘から当てにいく、肘を振り抜くなどはVCやSFPの対象。無謀なら警告、過度な力なら退場です。

ゴール前のブロック:体を入れる・肩同士の接触と抱え込み・ホールディング

肩同士の正当なチャージはOK。進路に体を入れてスピードを落とすプレーも可。ただし腕で抱え込む、両手で引く、背中に回り込んで押し倒すのはホールディング/プッシング。DOGSOの状況ならレッドまであり得ます。

リスタート妨害:投げたボールが相手に当たるときの評価

スローインやFKのボールを相手に強く投げつける、至近距離から意図的にぶつける→VCとなり得る。プレー再開の妨害が主目的で危険性が低い場合は警告にとどまることもありますが、頭部や顔面を狙う、強い力は一発退場の可能性が高まります。

言動の境界:抗議・不満の表明と侮辱/差別の決定的違い

判定への不満表明や強い抗議は「異議」で警告対象。人格否定、下品・侮辱、差別的発言やジェスチャーは即レッド。言葉選びと態度で結果が大きく変わります。

小競り合い・乱闘:仲裁のつもりが暴力と見なされる典型パターン

仲裁に入る際に相手を強く突き飛ばす、首元をつかむ、頭部に手をやるなどはVCと見なされ得ます。間に入るときは手を広げて距離を取る、声かけ中心で物理的接触を避けるのが安全です。

著しく不正なプレー(SFP)と乱暴な行為(VC)の違い

チャレンジ中の危険なタックル(SFP)

ボールに挑んでいる最中の危険なタックルがSFP。足裏先行、両足、踏みつけ、膝への飛び込みなど。場所がPA内ならPK+退場になることもあります。

プレーと無関係な暴力(VC):試合停止中・ボールから離れた場面

ホイッスル後の報復、背後からの殴打、ベンチ前の押し合いなど、ボールと関係なく行われる暴力はVC。試合中でもオフ・ザ・ボールの暴力はVCです。

投げる・叩く・頭突き:接触の有無とレッドの可否

強く投げつける行為や頭突きの試みは、接触がなくてもVCで退場になり得ます。接触があればより明確にレッド。対象が顔面・頭部の場合はより厳しく評価されます。

SFPとVCの見分けが実戦に与える影響(PKの有無・再開方法)

SFPは原則「ファウル」なので、接触地点で直接FK、PA内ならPK。VCは状況により再開方法が変わり、フィールド上で相手に対する暴力なら直接FK/PK、プレーが止まっていたり対象が競技外なら競技規則に沿った再開(例:ドロップボールなど)になります。

年代・レベル別の注意点とトレーニング設計

高校・大学年代で多いレッド要因と指導の優先順位

  • 遅れて入るスライディング(速度管理・踏み込み角度の教育)。
  • カウンター時の「掴み・引き」癖(遅らせの戦術理解とカバーリング連携)。
  • 感情的な報復(セルフコントロールと役割分担の徹底)。

社会人・アマチュアで増えがちな口頭トラブルの予防

言葉のエスカレーションが多いカテゴリーでは、キャプテンの役割とチーム内の“話者”を明確化。判定へのリアクションは一人に限定し、他は距離を取りプレー再開を優先するチームルールを。差別的・侮辱的表現は一発退場になることを共有します。

後追い局面の代替行動:遅らせる・角度を取る・カバーを待つ

真正面から無理に刈り取ろうとせず、外へ追い出す、スピードを落とさせる、縦を切って横に誘導するなどで、DOGSOやSFPリスクを減らします。味方のカバーが間に合えば「明白な」機会ではなくなります。

トレーニングで身につける安全な守備テクニック(踏み込み・体の向き・重心)

  • 踏み込みは低く短く、最後の半歩で減速。
  • 体の向きは斜め。相手の利き足側を切り、足裏を見せない。
  • 重心は足元。上体を起こし、接触時に逃げ道を作る。
  • カバーと声かけの習慣化(「遅らせ!外へ!」など具体ワード)。

守備者のリスク管理チェックリスト

DOGSO回避のための瞬間判断(4要素のセルフチェック)

  • 距離:ゴールまで何メートル?
  • 方向:相手は前向き?角度は鋭い?
  • 守備者:自分以外に誰が戻れる?GKとの距離は?
  • コントロール:相手はボールを収められている?長いタッチ?

タックル前の自己評価(速度・間合い・味方の位置・相手の利き足)

  • 自分の速度を落とせるか。止まれるか。
  • 間合いは正しいか。足裏が出る角度になっていないか。
  • 味方のカバーはどこにいるか。
  • 相手の利き足・切り返しの癖を想定した構えか。

追走時の最適解(並走・身体の入れ替え・ファウルしない圧)

真後ろから触らない。並走で肩の範囲に収め、相手のタッチが大きくなった瞬間だけ前に体を入れる。手で掴む代わりにステップでコースを限定し続けるのが安全です。

攻撃側のセルフプロテクションとフェアプレー

身体の入れ方で危険接触を避ける(腕の使い方・視野の確保)

ボールキープ時は肘を振らず、前腕でスペースを感じる程度に。相手の進行方向を視野に入れ、接触を受ける前に体を斜めに入れて衝撃を逃がします。無理なターンで相手のスパイクに突っ込まない判断も大切。

シミュレーションは警告対象:レッドとの関係

倒れたフリ(シミュレーション)は不正行為で警告対象。これ自体はレッドではありませんが、2枚目の警告に繋がれば退場。相手や審判を挑発する演技は、別件で重く評価されるリスクもあります。

不用意に挑発しない:試合運営上のリスクマネジメント

ガッツポーズや歓喜の表現は問題ありませんが、相手ベンチ前でのアピール、挑発的ジェスチャーはトラブルの火種。不要な口論や乱闘はVCにつながり、チームが損をします。

レッドカード後の影響とチームマネジメント

人数不利の戦術と交代の考え方

10人になったら、まず中央を閉じる。ライン間を詰めてコンパクトにし、ボールサイドに素早くスライド。前線は一人残し、限定的なカウンター狙いに切り替える。走力のある選手を残し、疲労の大きいポジションから交代を検討します。

停戦・クールダウンの徹底で連鎖退場を防ぐ

退場直後は感情が荒れやすい時間。キャプテンが輪を作り、深呼吸と役割確認でクールダウン。ベンチの声も統一し、判定への過度なリアクションを止めることが連鎖退場の予防になります。

出場停止・規律の扱い(大会規定で変わるポイント)

退場後の出場停止試合数や罰金は大会規定に依存します。一般にVCは重く、SFPやDOGSOは内容次第。抗議・侮辱や差別的言動は厳罰となる傾向です。クラブとして規律の内規を設け、再発防止策を明文化しておきましょう。

よくある誤解Q&A(境界線をクリアにする)

最後のDFなら必ずレッド?

いいえ。4要素(距離・方向・守備者数・コントロール)で総合判断。最後のDFでもDOGSOでないことはあります。

ボールに触れれば反則ではない?

誤り。ボール先触りでも相手の安全を危険に晒せばSFPでレッドになり得ます。

スパイクの裏を見せたら即レッド?

状況次第。足裏露出は危険性が高いサインですが、速度・接触部位・強度の総合評価で決まります。

VARがあれば危険なタックルも後で帳消し?

いいえ。VARは明白な誤りのみを介入対象とし、最終判断は主審。帳消しではなく、必要な修正を行う仕組みです。VARのない大会も多くあります。

相手が倒れなければレッドにはならない?

倒れたかどうかは参考情報に過ぎません。危険性(過度な力、部位、方式)でレッドは成立します。

審判とのコミュニケーション術

キャプテンの役割と抗議の手順

抗議はキャプテンが一本化。プレーが切れたタイミングで短く要点を伝え、回答を受け入れて再開に集中。判定の変更を迫るより、意図を確認する姿勢が有効です。

言葉選び・距離感・身振りで損をしない

語尾を強めない、指差しや大仰なジェスチャーを控える、適切な距離を保つ。これだけで「異議」の評価を大きく下げられます。

感情のコントロール:自分と仲間を守る技術

深呼吸、視線を下げる、短い合言葉(「落ち着こう」)をチームで共有。交代直後の選手に“火消し役”を割り当てるのも効果的です。

まとめ:一発退場の境界線を越えないための3原則

安全最優先(相手の安全>ボール奪取)

速度を落とす・角度を取る・足裏を見せない。危険を感じたらタックルをやめる勇気を。

DOGSOの代替策を常に持つ(遅らせ・角度・連携)

無理に止めない。遅らせて味方を待つ、外へ追い出す、コース限定で十分なことが多い。

言動のセルフチェック(言葉・ジェスチャー・態度)

侮辱・差別は即レッド。異議は短く冷静に、キャプテン一本化でトラブルを回避。

退場は偶然ではなく、リスクの積み重ねから生まれます。判定の考え方を知り、プレーと心の準備を整えれば、境界線の“手前”で止まれます。今日のトレーニングから、速度管理・角度・言葉選びという3つのスイッチを意識してみてください。試合の終盤、あなたとチームを守る大きな差になります。

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