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サッカー交代ルール最新 5交代・脳振盪・延長の全整理

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サッカー交代ルール最新 5交代・脳振盪・延長の全整理

交代ルールは、試合の勝敗だけでなく選手の安全や育成にも直結する「実務の要」です。いまの主流は5交代制(通常時は交代機会3回)ですが、延長戦の扱いや脳振盪(コンカッション)による追加交代など、細部は大会規定によって変わります。本記事では、競技規則(IFAB)に基づく骨格と、実戦で迷いやすいポイントを一気に整理。監督・選手・保護者まで、今日から現場で使える“間違えない交代運用”を目指します。

いま知っておくべき交代ルールの全体像

基本定義(選手交代・交代要員・交代回数・交代機会)

まず用語を揃えます。

  • 選手交代:ピッチ上の競技者をベンチの交代要員と入れ替えること。交代が完了したら、退いた選手は再入場できません(原則)。
  • 交代要員(サブ):メンバー提出時に記載されたベンチ入り選手。人数の上限は大会規定が定めます(IFAB上限は15名まで許容)。
  • 交代回数(交代枠):試合中に何人まで入れ替えられるか。現在は多くの大会で最大5人まで。
  • 交代機会(ウィンドウ):プレーが止まった「交代できる機会」の数。通常時は最大3回。ハーフタイムや延長のインターバルでの交代は機会にカウントされません。

ポイントは「何人替えられるか(枠)」と「何回止めて替えられるか(機会)」は別ということ。同時に2~3人替えても“1機会”です。

最新トピックの要点(5交代・脳振盪追加交代・延長戦)

  • 5交代:IFABの競技規則に組み込まれ、各大会が採用するかを決めます。多くのトップレベルで標準化。
  • 脳振盪(コンカッション)追加交代:IFABの試験的運用(トライアル)。採用の有無・回数・記録上の扱いは大会規定による(永久交代が基本)。
  • 延長戦:大会規定によって「延長で交代枠を1名追加(合計6名まで)」を認めるケースが一般的。延長中は交代機会が1回追加されます。

競技規則(IFAB)と大会規定の関係と優先順位

IFABの競技規則が“枠組み”を示し、その範囲内で「交代人数・ベンチ入り人数・延長での追加可否・脳振盪トライアル採否」を大会規定が具体化します。競技規則に反する緩和・拡張はできません。疑義があれば「大会規定→通達→競技規則」の順で整合を確認しましょう。

5交代ルールの基礎と背景

導入の経緯と定着までの流れ

2020年、過密日程と選手保護の観点から「暫定的な5交代」が始まり、その後延長を経て、2022年に競技規則へ恒久的に組み込まれました。以降、国際・国内の多くの主要大会が5交代を採用しています(最終判断は各大会)。

交代機会の考え方(3回+ハーフタイム等の例外)

  • 通常の90分内:最大5人まで、交代機会は3回。ハーフタイムの交代は機会に含まれません。
  • 同時交代:2~3人を同時に替えても「1機会」消費。対戦相手の交代に“合わせて”自チームも同一機会で交代できます。
  • 飲水・クーリングブレイク中の交代は機会としてカウントされます。
  • 機会は節約が重要。流れを切らずに複数人を入れ替える設計がカギです。

ベンチ入り人数と起用の幅が与える影響

ベンチ入り可能人数は大会規定次第(IFABは最大15名まで許容)。人数が多いほど「試合展開に応じた専門性の高いカード」を持ち込みやすく、終盤の強度維持やセットプレー要員の投入など、勝ち筋が増えます。逆に、ベンチが少ない大会では“機会の節約”がより重要になります。

延長戦における交代枠と運用

延長突入時の追加交代枠の扱い

延長戦に入ると、交代枠の取り扱いは大会規定で差が出ます。

  • 一般的な例:延長で交代枠が1名追加(合計6名まで)。
  • 別の例:延長でも枠の追加なし(合計5名のまま)。

どちらの方式かは必ず事前確認を。いずれの方式でも、延長で「交代機会」が1回追加されるのが通例です(延長前・延長ハーフタイムの交代は機会に含まず)。

延長のインターバルと交代機会のカウント

  • 延長前インターバル(90分終了~延長開始)での交代:機会にカウントされません。
  • 延長前半・後半の間(延長ハーフタイム)での交代:機会にカウントされません。
  • 延長中のプレー停止時に行う交代:延長用の交代機会を消費します。

PK方式(勝者を決定するペナルティーマークからのキック)時の交代可否

  • 原則、PK方式に入った後の交代は不可。
  • 例外:ゴールキーパーが負傷等で続行不可能となり、かつチームに未使用の交代枠が残っている場合、交代を認める大会規定があります(競技規則に準拠)。
  • PKキッカーの資格:延長終了時にフィールド上(または一時的にフィールド外)にいた選手が対象。人数を揃えるための“減員”手続きも競技規則に沿って行われます。

脳振盪(コンカッション)追加交代のポイント

対象状況・手順・審判とのコミュニケーション

  • 疑いの兆候:意識もうろう、ふらつき、頭部打撲後の違和感、記憶の混乱、嘔気など。迷ったら「安全最優先」。
  • 手順の基本:主審に頭部外傷の可能性を伝え、速やかに評価。交代する場合は「脳振盪による追加交代」である旨を第4の審判に明確に申告します(大会規定のフォーマットに従う)。
  • 性質:“永久交代”が前提。疑いがあって交代した選手は、その試合に戻しません。

評価(ヘッド・インジュリー・アセスメント)と再入場判断

  • HIAの観点:意識レベル、記憶、バランス、頭痛・めまいの訴えなどを医療担当が確認。
  • 再入場:脳振盪追加交代を行った場合は不可。交代せず一時的に確認を行った場合でも、少しでも異常が疑われるなら復帰は避けます。
  • 原則:When in doubt, sit them out(迷ったら出さない)。

大会ごとの採用有無と記録上の扱い(チームの交代枠消費との関係)

脳振盪追加交代はIFABの試験的運用で、採用の有無・回数・相手チームへの“補充交代”の扱いが大会ごとに異なります。

  • 例:チームごとに最大1~2回の脳振盪追加交代を認め、これは通常の交代枠に含めない方式。
  • 相手チームの補充:不正防止の観点から、相手にも同数の追加交代を与える方式が一般的。
  • 記録:試合記録上は「脳振盪による追加交代」と明示。大会規定の表記ルールに従います。

実施の有無と細部は必ず大会規定で確認してください。

主要大会・カテゴリー別の採用状況の整理

国際大会・主要プロリーグの一般的な傾向

  • 多くの国際大会・プロリーグ:5交代(通常3機会)を採用。延長戦では交代枠を1名追加する方式が広く見られます。
  • 脳振盪追加交代:採用する大会も増えていますが、未採用の大会も存在。毎シーズンのレギュレーションを必ずチェック。

国内トップカテゴリー(男子・女子)の概要

  • 5交代制が標準。ベンチ入り人数や交代可能人数、延長での追加可否は大会ごとに明文化。
  • 国内カップ戦などのノックアウトでは、延長での追加交代を認める例が多い傾向。

学校・ユース・アマチュアで見られる取り扱いの違い

  • 育成年代・アマチュア:再入場可(ローリングサブ)を認める大会も。教育的配慮や選手保護が優先されます。
  • 一方で「全国大会相当」はトップカテゴリーに準じる運用が増加。
  • 学年や地域で差が大きいので、主催者の実施要項を必ず確認。

実戦で役立つ交代ルールQ&A(負傷・装備・時間管理)

負傷・流血・装備不備時の対応と一時退場の流れ

  • 負傷:主審の許可で外へ。治療後、危険がないと判断されれば再入場可。交代しなければ交代枠は消費しません。
  • 流血:必ずピッチ外で止血・ユニフォーム交換。血液が付着した装備は交換必須。
  • 装備不備(シンガード等):主審の確認後に再入場。装備が整うまでプレー不可。

遅延行為(時間稼ぎ)の判定とリスク

  • 意図的なスロー交代や回り道での退場は「遅延行為」で警告(イエロー)の対象。
  • 現在は「最も近い境界線からの退場」が原則。安全上の理由があれば主審が別指示。
  • 遅延で得た利はアディショナルタイムで調整されやすく、リスクに見合いません。

ゴールキーパー交代とフィールドプレーヤーのGK化

  • GK交代:通常の交代枠を使用。試合中でも可。
  • フィールドプレーヤーがGKへ:プレー停止中なら交代枠を使わず、役割の交換が可能(主審の許可が必要)。
  • PK方式中:GK負傷時の例外は大会規定と残り交代枠の有無に依存(原則は交代不可)。

交代を武器にする戦術と体力マネジメント

強度維持とプレス再加速のタイミング設計

  • 60~70分帯での強度再注入:前線の走力を入れ替えてプレス速度を再点火。
  • 75分以降の“二段構え”:終盤の押し込み用に空中戦・セカンド回収のカードを残す。
  • 交代機会の節約:一度の機会にラインごと刷新し、流れを保ったまま強度を上げる。

ポジション別の交代優先順位と相性

  • CF/ウイング:スプリント回数が落ちる前に早めの手当て。
  • IH/ボランチ:試合のテンポ係。ビルドアップが詰まる時は“視野のタイプ”を変えると流れが変わる。
  • SB/CB:守備の継続性を重視。終盤は高さ・対人強度のカードを想定しておく。
  • セットプレー要員:キッカー/ターゲットを状況に合わせて投入し、期待値の高い時間帯に合わせる。

データ・モニタリングを用いた交代意思決定

  • 外部指標:スプリント回数、ハイインテンシティ距離、デュエル勝率の推移。
  • 主観指標:選手本人の自己評価とベンチの目視(呼吸の乱れ、戻りの遅れ)。
  • 意思決定:数値と現場感の“合致”を待つのではなく、先手で実行。交代機会を残して終わるのは機会損失になりがち。

ベンチワークと交代手続きの実務

第4の審判への申告と交代ボードの扱い

  • 申告:交代選手の背番号を明確に伝える。脳振盪追加交代の場合はその旨を併記。
  • 準備:交代ボードの表示確認、選手の用具チェック(装備不備で再開が遅れないように)。
  • タイミング:最適な再開方法(スローイン/ゴールキック等)に合わせ、相手のリスタートを待たせない設計を。

入退場位置・順序・再開方法の確認

  • 退場:原則「最も近い境界線」から。混乱回避のため事前に周知。
  • 入場:交代相手が完全に退場し、主審の合図があってからハーフウェーライン付近から。
  • 再開:交代後の再開方法を間違えない。不要なファウルによる相手FKは避ける。

選手登録・背番号・出場停止と交代の関係

  • 登録:試合開始前のチーム表に記載の選手のみ交代可能。
  • 背番号:交代ボードの表示と一致するかを事前に確認。
  • 出場停止:無資格選手の起用は没収試合等の重大リスク。大会規定を都度確認。

よくある誤解と落とし穴

同時交代と交代機会のカウントの勘違い

同時に2~3人替えても「1機会」。対戦相手が交代するタイミングで自チームも便乗すれば、自分たちの機会を節約できます。

ハーフタイムの交代は交代機会に含まれる?

含まれません。前後半の間、延長前、延長ハーフタイムの交代は機会のカウント外です。

延長前インターバルでの交代機会の扱い

延長開始前の交代も機会外。延長中の交代のみ、延長用の交代機会を消費します。

最新情報の追い方とアップデート耐性を高める

IFAB競技規則の改訂サイクルと読み方のコツ

  • サイクル:原則毎年更新。多くは7月1日施行(前倒し採用を認める場合あり)。
  • 読み方:Law 3(競技者)とLaw 10(PK方式)の該当箇所をマーク。改訂箇所はハイライトされます。

大会規定・通達のチェックリスト

  • 交代人数(5か、延長で+1があるか)。
  • 交代機会の規定(3機会+延長で+1か)。
  • 脳振盪追加交代の有無・回数・相手の補充扱い。
  • ベンチ入り人数、メンバー提出期限、用紙様式。

チーム内でのルール周知テンプレート

  • 試合前ブリーフィング:交代方針(優先順位・合図・合言葉)を共有。
  • ボード運用:表示順序、同時交代の並び、緊急時のバックアップ役割。
  • 脳振盪時:判断権者(メディカル)、ベンチ合図、記録係の手順を明文化。

ケーススタディで理解を定着させる

前後半で5交代を使い切る試合運び

例:前半HTに1人(機会0消費)、後半60分に2人同時(機会1)、75分に1人(機会2)、85分に1人(機会3)。機会を使い切りつつ、終盤の強度確保に成功。相手の交代に合わせて便乗できれば、さらに機会節約も可能です。

延長+脳振盪追加交代が発生した場合の分岐

  • 延長で交代枠+1が認められる大会:通常枠5+延長枠1に加え、脳振盪追加交代は別枠として扱われる(大会規定に従う)。
  • 交代機会:延長中に1機会追加。脳振盪による交代は「機会カウント外」とする大会もあります(規定確認)。
  • 実務:脳振盪交代の申告と同時に、相手への補充交代の権利有無を第4の審判に確認。

交代機会を節約しながら流れを変える采配

同時交代でラインごとに入れ替えるのが定石。たとえば60分に「CF+WG」、75分に「IH+SB」を同時に刷新。機会2回で4人入れ替え、最後の機会は守備固めや時計管理に残す設計が安定します。

保護者・若年選手の安全と育成の視点

脳振盪の兆候と受診の目安

  • 兆候:頭痛、めまい、吐き気、ふらつき、記憶の混乱、過敏(光・音)、反応の遅れ。
  • 受診の目安:症状が一つでもあればプレー中止。救急受診を検討。意識消失や嘔吐が続く場合は緊急対応。
  • 復帰:医療的評価に基づく段階的復帰が原則。独断での早期復帰は避ける。

育成年代に見られる交代ルールの特徴

  • 再入場可や交代自由の採用が多く、出場機会の確保を重視。
  • 安全最優先:頭部接触後は「無理をさせない」運用をチームで徹底。

遠征・公式戦前のルール確認チェックリスト

  • 交代枠(人数)と交代機会(回数)。
  • 延長の有無・延長での追加交代の扱い。
  • 脳振盪追加交代の採用有無と申告方法。
  • ベンチ入り人数・登録締切・選手証の携行。

用語集(交代に関わるキーワード)

交代枠・交代機会・追加交代の違い

  • 交代枠(交代回数):何人まで替えられるか(例:5人)。
  • 交代機会:プレーを止めて交代できる回数(例:3回)。
  • 追加交代:延長や脳振盪で付与される“別枠”の交代。

コンカッション・サブスティテュートの用語理解

  • コンカッション(脳振盪):頭部への衝撃等で生じる脳の機能障害。疑いだけでも安全最優先。
  • サブスティテュート:交代要員。通称サブ、ベンチ。

競技規則・大会規定・実施要項の区別

  • 競技規則(IFAB):世界共通のルール。選択肢の範囲を示す。
  • 大会規定:その大会における具体の採用(交代人数など)。
  • 実施要項・通達:当日の運用手順や補足。第4の審判の運用もここに準拠。

まとめ:今日から実践できる要点

試合前の確認3点セット

  • 交代枠(5人か+延長で6人可か)。
  • 交代機会(90分で3、延長で+1か)。
  • 脳振盪追加交代(有無・回数・相手の補充)。

ベンチ運用と意思決定のフレーム

  • 優先順位:走力→中盤のテンポ→守備の高さの順で設計。
  • 機会の節約:同時交代を前提にプランA/B/Cを事前に作成。
  • 安全最優先:頭部外傷は疑いでも即評価。迷ったら交代。

次回アップデートに備える習慣化

  • IFAB競技規則の年次更新をフォロー(施行時期に注意)。
  • 大会規定・通達を毎試合事前に読み合わせ。
  • チーム内テンプレートでベンチ手順を標準化。

交代は「守るためのルール」であり「勝つための資源」です。ルールの枠内で最大限に活かす準備を、今日から積み上げていきましょう。

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