ケガは突然起きます。そんな時こそ、短く・早く・正確に「必要な人に」「必要な情報」を届けることが大切です。この記事は、試合中・練習中・移動中・自宅での負傷に対して、監督や保護者にすぐ送れる連絡文例をまとめました。状況の整理に役立つチェック項目と、コピペ可能なテンプレを多数用意しています。迷ったら、そのまま使ってください。記録や受診後の共有まで含めて、再発防止やチーム運営にも役立つ実用的な内容です。
目次
- この記事の狙いと使い方
- 連絡の基本原則:60秒で要点だけ、後から詳細
- まず伝えるべき8項目(現場で抜けやすい要素を先に固める)
- 試合中のケガ発生時の連絡例(現場からすぐ送れる)
- 練習中・移動中・自宅での負傷時の連絡例
- 連絡チャンネル別テンプレ集(コピペ可)
- 立場別テンプレ:誰が誰に伝えるかで言い回しを最適化
- 緊急性が高い疑いの文例と注意点(119の判断は迷わず)
- 連絡後にやること:短時間で残す“記録”が守るもの
- 悪い連絡→良い連絡への書き換え例
- 復帰までの連絡フロー(再発を防ぐ情報共有)
- 事前準備チェックリスト(準備が速さと正確さをつくる)
- よくある質問(FAQ)
- まとめ:迷ったら短く・早く・正確に(ワンフレーズ集付き)
この記事の狙いと使い方
最短で“正しく伝わる”連絡をするために
現場では、判断が遅れるほど選択肢が狭まります。まず安全確保と応急対応を優先し、60秒で要点だけを送ってください。その後、落ち着いたら詳細を追報します。この記事は「最初の一報」と「追報」の両方を用意しています。
- 一報:60秒で送る要点(8項目の最小セット)
- 追報:状態の変化・受診予定・必要な支援
- 共有:チーム全体や関係者への配慮ある伝え方
今すぐ使う人向け:コピペ用テンプレの探し方
本文中の【】は書き換え箇所です。状況別テンプレは「試合中のケガ発生時」「連絡チャンネル別」「立場別」にまとまっています。急ぎなら「試合中のケガ発生時の連絡例」→「LINE/SMS」→該当ケースを選び、【】だけ埋めて送ってください。
連絡の基本原則:60秒で要点だけ、後から詳細
優先順位と判断基準(安全確保→応急対応→連絡→記録)
- 安全確保:プレー中断・危険エリアからの退避・体位保持
- 応急対応:安静・冷却・圧迫・挙上など(可能な範囲で)
- 連絡:まず一報(要点)→落ち着いて追報(詳細)
- 記録:時刻・状況・対応を短くメモ(後で役立つ)
緊急性が高いと判断したら119が先です。連絡はその直後でOKです。
誰に・いつ・何を:連絡の優先順とタイミング
- 試合中:ベンチ(監督・コーチ)→保護者(未成年)→チーム連絡
- 練習中:コーチ→保護者→監督(チーム方針に合わせて)
- 自宅/移動中:保護者または本人→監督→必要に応じチーム
伝える情報の型(5W1H+痛み・意識・出血・移動可否)
- 5W1H:いつ・どこで・誰が・何をしていて・何が起きて・どうするか
- 状態:痛み0〜10、意識・めまい・吐き気、出血/変形、歩行可否
- 機転:接触/非接触、着地・切り返しなど
まず伝えるべき8項目(現場で抜けやすい要素を先に固める)
1) 負傷者の氏名・学年・背番号
例:【氏名】、【学年】、【背番号】。識別が最優先です。
2) 発生時刻と場所(ピッチ位置・練習/試合)
例:【15:22】【前半/後半】【右サイド中央/自陣PA付近】など。
3) 負傷部位・痛みの強さ(0〜10)
例:【右足首外側】【痛み7/10】。数字があると判断が早いです。
4) 意識・めまい・吐き気の有無(頭部評価の要)
例:【意識清明/ぼんやり】【めまいなし/あり】【吐き気なし/あり】。
5) 出血・変形・体重負荷の可否
例:【出血少量/持続】【変形なし/疑い】【体重負荷不可/辛うじて可】。
6) 受けた接触/非接触・プレー状況(受傷機転)
例:【相手と接触】【着地で内返し】【スプリント中に痛み発生】。
7) 現在の対応(RICE・止血・安静・救急要請の有無)
例:【アイシング開始】【圧迫止血】【固定】【救急未要請/要請済】。
8) 要望(迎え要請・受診希望・ベンチ指示依頼)
例:【交代希望/様子見】【保護者迎え要請】【救急外来受診希望】。
試合中のケガ発生時の連絡例(現場からすぐ送れる)
選手→監督:LINE/SMSの即時連絡テンプレ(軽症・継続可)
「【氏名/背番号】です。今【時刻】【右サイド】で【右足首】を軽くひねりました。痛み【3/10】、出血/変形なし、意識問題なし、歩行・プレー継続可。今は【アイシング/テーピング調整】で様子見。交代不要ですが、悪化時はすぐ連絡します。」
選手→監督:LINE/SMSの即時連絡テンプレ(交代希望)
「【氏名/背番号】です。【時刻】に【左ハムストリング】を痛めました。痛み【6/10】、非接触、スプリントで発生。歩行は可/ダッシュ不可。意識・出血・変形なし。現在【冷却・安静】。交代希望です。ベンチ近くにいます。」
選手/スタッフ→監督:電話または留守電の要点スクリプト
「【氏名/背番号】、【時刻】、【場所】で負傷。部位は【部位】、痛み【0〜10】、【意識良好/めまいなし】、【出血/変形なし】、【歩行可/不可】。対応は【冷却/圧迫/固定】実施。交代【希望/不要】。必要なら【指示/迎え/受診】お願いします。折り返しは【番号】へ。」
スタッフ→保護者:頭部・出血・骨折疑い時の初報テンプレ
「【選手名】さんについてご連絡です。【時刻】【場所】で【頭部接触/出血/骨折疑い】がありました。現在、【意識はある/会話可能/吐き気なし/観察中】、【圧迫止血/固定/安静】を行っています。必要に応じて【救急要請/受診】を検討しています。お迎えの可否と到着目安を教えてください。追加は【後何分】でご連絡します。」
ハーフタイム/試合後の追報テンプレ(状態・受診予定・復帰目安)
「【氏名】の件、続報です。痛み【数値】→【変化】、腫れ【あり/なし】、歩行【可/不可】。本日【受診予定/自宅で冷却・圧迫継続】、必要物【保険証/同意書】。次回参加は【未定/軽負荷のみ】、目安は【医師評価後】にお伝えします。」
練習中・移動中・自宅での負傷時の連絡例
練習中:コーチ常駐時の即時報告テンプレ
「【氏名/学年】が【部位】を負傷(痛み【数値】)。接触/非接触は【内容】。意識良好、出血/変形なし。対応は【冷却/圧迫/固定】開始。今日は【中止/別メニュー】に切り替えます。受診は【予定/検討中】。保護者への連絡は【済/これから】です。」
移動中:遠征先・帰路での連絡テンプレ(位置情報併用)
「【氏名】が移動中に【部位】を痛めました。痛み【数値】、歩行【可/不可】。現在地は【位置情報リンク】。応急対応は【冷却/圧迫】まで実施。これから【最寄りの医療機関/宿舎】へ向かいます。必要な対応があればご指示ください。」
自宅/自主トレ:翌日の参加可否と医療受診予定の報告テンプレ
「【氏名】です。自宅での自主トレ中に【部位】を痛め、痛み【数値】。明日の参加は【可/制限付き/不可】の見込みです。今日【受診予定/アイシング・安静】、結果は【明日までに】共有します。」
連絡チャンネル別テンプレ集(コピペ可)
LINE/SMS:最短140字テンプレと追報用ブロック
最短140字:「【氏名/背番号】。今【時刻】【場所】で【部位】負傷、痛み【数値】。意識良好、出血/変形なし、歩行【可/不可】。対応【冷却/圧迫】、【交代希望/様子見】。次報【何分後】。」
追報ブロック:「腫れ【あり/なし】、可動域【制限あり/ほぼ可】、受診【予定/検討中】、支援【迎え/備品/指示】お願いします。」
電話:30秒/90秒の要点スクリプト
30秒:「【氏名】が【時刻】、【場所】で【部位】負傷。痛み【数値】、意識・出血・変形【要点】。対応は【冷却等】、【交代希望/不要】。次の指示お願いします。」
90秒:上記+「機転【接触/非接触】、歩行【可/不可】、受診【必要そう/経過観察】、保護者連絡【済/未】、準備物【保険証等】」。
留守電:ワンテイクで伝わる固定フレーズ
「【チーム名】【氏名】です。【時刻】【場所】で【部位】負傷、痛み【数値】。意識良好、出血/変形【なし/疑い】。対応【冷却/圧迫/固定】、【交代希望/不要】です。折り返しは【番号】へお願いします。続報は【何分後】に送ります。」
メール:受診結果報告と復帰可否の正式文例
件名:【氏名】受傷・受診結果のご報告(【日付】)
本文:「お世話になっております。【氏名】です。昨日の【状況】で負傷した件、【医療機関名】で受診し、診断は【診断名/所見】でした。医師の指示は【安静期間/リハビリ/復帰条件】です。次回の参加は【可/制限付き/不可】で、【日付】に再評価予定です。必要な提出物があればご教示ください。」
立場別テンプレ:誰が誰に伝えるかで言い回しを最適化
選手(高校生/大学生/社会人)→監督・コーチ
「【氏名/背番号】です。【部位】を【機転】で負傷。痛み【数値】、現状【対応】。今日は【交代/制限/続行】希望。ご指示ください。」
保護者→監督(未成年の受診・同意・迎え依頼)
「【選手名】の件でご連絡です。現在【症状】、【医療機関】へ受診予定です。必要な手続きや同意があればお知らせください。迎えは【到着予定】です。」
監督/コーチ→保護者(初報・経過・対応方針)
「【選手名】さんが【状況】で【部位】を痛めました。意識・出血・変形は【要点】。応急処置は【内容】。念のため【受診/経過観察】を予定しています。ご都合がつけば【迎え/持ち物】をご準備ください。」
キャプテン/主務→チーム全体(共有・再発防止・機密配慮)
「【選手名】の負傷について共有します。詳細は【本人・家族の意向】に配慮し、必要情報のみ共有します。再発防止として【ウォームアップ/プレー強度/ルール遵守】を徹底します。」
緊急性が高い疑いの文例と注意点(119の判断は迷わず)
頭部打撲・意識障害・嘔吐:即時連絡テンプレと観察ポイント
「【氏名】が頭部接触。意識【一時ぼんやり/現在会話可能】、めまい【あり/なし】、吐き気【あり/なし】。プレー中止・安静。119【要請済/要請予定】。保護者へ連絡お願いします。」観察は「意識の変化・頭痛増悪・嘔吐・記憶の混乱」を短い間隔で確認。
頸部/背部痛・しびれ・脱力:体位保持と連絡の言い方
「【氏名】が【頸/背】部痛と【しびれ/脱力】あり。無理に動かさず体位保持。119【要請済/検討】。迎えは不要/必要を再連絡します。」
熱中症疑い:冷却・日陰移動・水分と同時に送る連絡例
「【氏名】に熱中症疑い。症状【めまい/吐き気/倦怠感】。日陰で冷却・水分補給実施。反応は【あり/鈍い】。悪化時は119要請します。」
大量出血・骨折疑い:圧迫止血/固定と119要請の一文
「【氏名】が【部位】出血/骨折疑い。圧迫止血/固定中。体動制限、119要請【済/予定】。保護者連絡をお願いします。」
連絡後にやること:短時間で残す“記録”が守るもの
事故記録テンプレ(時刻・状況・第一声・対応の時系列)
「【時刻】受傷、状況【接触/非接触】、第一声【痛みの場所・強さ】、対応【冷却/圧迫/固定】開始【時刻】、連絡【誰に/時刻】、状態変化【要点】。」
写真・動画・位置情報の扱い(プライバシー配慮)
患部の腫れや出血は、本人・保護者の同意のもとで最小限に。共有先は必要な関係者に限定し、保存期間も決めておきます。
保険・学校・クラブの報告ルートと期限
所属団体の規定に従い、所定のフォームや期限を確認。領収書や診断書の保管も忘れずに。
医療機関受診後の共有(診断名/所見の引用方法)
診断名や医師のコメントは、誤解が出ないよう「引用」で共有。解釈は控えめにし、方針は医師の指示を基準にします。
悪い連絡→良い連絡への書き換え例
情報不足(誰・どこ・何が抜けている)を埋める
悪い例:「足やったかも。たぶん大丈夫。」→良い例:「【氏名/背番号】、【右足首】、痛み【5/10】、【時刻】【場所】、歩行【可】、【冷却】中。」
憶測や過小評価を避ける言い換え
「大したことないと思う」→「現時点では【痛み5/10・歩行可】。変化あればすぐ報告します。」
感情過多・断定口調を整える定型フレーズ
「ヤバい」「終わった」→「【強い痛み/動かすと悪化】があり、プレー継続は困難です。」
良い例のフォーマット化(コピペで崩れない型)
「【氏名/背番号】【時刻/場所】【部位/痛み数値】【意識/出血/変形】【歩行可否】【対応】【要望】」
復帰までの連絡フロー(再発を防ぐ情報共有)
医療所見の共有方法(文言引用と解釈の線引き)
「診断名:『【捻挫/打撲など】』、『【安静期間】』、『【復帰条件】』。指示の要点のみ共有し、自己判断で短縮しない。」
リハビリ/制限付き参加の可否を伝えるテンプレ
「【日付】まで【制限(例:接触不可/全力疾走不可)】。実施可:ウォーク・上半身・コア。再評価は【日付】。」
復帰前チェックと当日朝の最終連絡テンプレ
「【氏名】の復帰前チェック:痛み【0〜10】、腫れ【有無】、可動域【可/制限】、片脚荷重【可】、ダッシュ【可/不可】。当日朝の状態は【良好/様子見】。参加は【制限付き/全面】でお願いします。」
事前準備チェックリスト(準備が速さと正確さをつくる)
連絡先・役割シート(監督/コーチ/保護者/救急)
- 主要連絡先(電話・LINE・メール)と役割(指示・迎え・記録)
- 救急・最寄り医療機関の連絡先と住所
スマホに登録する定型文とショートカット作成例
定型文の冒頭に「【氏名】【時刻】【部位】【痛み】…」を保存。ショートカットで現在時刻・位置情報を自動挿入できると速いです。
クラブ/学校の規定と同意書の確認ポイント
受診時の同意、保険の申請、事故報告の期限を事前に共有。保険証や診察券の管理方法も決めておくとスムーズです。
よくある質問(FAQ)
監督へは“いつまでに”が妥当?
試合中は即時。練習中は5分以内の一報、詳細は落ち着いて追報。自宅の負傷は当日中に連絡が目安です。
写真や動画は送ってよい?どの範囲?
必要最小限を同意の上で。公開範囲は監督・コーチ・保護者など必要者に限定し、保存期間も短く。
既読がつかない/電話がつながらない時の次の手
別チャンネルへ同内容を複製(電話→SMS→メール)。チームのサブ連絡先にも並行して送ると早いです。
未成年の受診・処置の同意はどう伝える?
保護者へ「【受診の可否】【同意の範囲】【到着目安】」を明確に。書面が必要な場合は案内を受け次第共有します。
まとめ:迷ったら短く・早く・正確に(ワンフレーズ集付き)
最小限テンプレ3選(現場用/保護者用/監督用)
- 現場用:「【氏名/背番】【時刻/場所】【部位/痛み】【意識/出血/変形】【歩行】【対応】【交代/様子見】」
- 保護者用:「【状況】で【部位】負傷。意識・出血【要点】、応急処置【内容】。受診【予定】、迎え【要/不要】。」
- 監督用:「【受傷要点】、現在【対応】、本日【交代/制限】、次の指示お願いします。」
次に備える1分ルーティン
- スマホに定型文を1つ登録
- 主要連絡先を「よく使う」に固定
- カバンに【保険証の写し/テーピング/保冷剤】
連絡はケガを小さくし、チームを守る力になります。まずは一報、そして追報。今日の試合から使える形で用意しておきましょう。