目次
- 導入:逆走で列間を裂く、その核心
- 二列目の逆走とは何か:定義と目的
- 戦術的原理:相手の守備基準を“ズラす”
- 役割別の逆走:IH・シャドー・ウイング・偽9
- 逆走のトリガーとタイミング設計
- 身体の向き・初動の作法
- 走法とスピードコントロール
- ランニングラインとレーン管理(5レーン/ハーフスペース)
- 連動の設計:誰が釣り、誰が刺すか
- 具体的連携パターン集
- 守備ブロック別攻略
- ゾーン別アプローチ(自陣→中盤→最終3rd)
- セットプレー/リスタートでの逆走活用
- 相手の対策とこちらの再対策
- トランジション管理と守備リスク
- スカウティング/動画分析チェックリスト
- トレーニング設計(制約主導)
- 年代・レベル別導入ポイント
- フィジカル準備と傷害予防
- メンタル・認知スキル
- よくある失敗と修正法
- 成功指標(KPI)と自己評価法
- 試合中のコーチング用キーフレーズ
- ケーススタディ:国内外の試合例から学ぶ視点
- 1週間の練習メニュー例(マイクロサイクル)
- よくある質問(FAQ)
- まとめ:逆走は“合図・連動・再現性”で武器になる
- 用語集と参考リソース
- あとがき
導入:逆走で列間を裂く、その核心
二列目の逆走は、相手DFの意識と基準を“ズラす”ための小さな一歩です。マークの裏をかくというより、守備者の視線と身体の向きを奪い、空間を生み出すためのデザインだと捉えると理解が進みます。この記事では、逆走の定義から役割別の使い方、タイミング、トレーニングまでを一気通貫で整理。明日の試合でそのまま使える“合図・連動・再現性”に落とし込みます。
二列目の逆走とは何か:定義と目的
用語整理(二列目・逆走・釣り出し・列間・ライン間)
二列目はIH/シャドー/ウイング/偽9などの中盤〜前線の間の選手群。逆走は“前進方向に対して一度後ろへ動く”こと。釣り出しは守備者を本来の位置から外す行為。列間/ライン間はDFラインと中盤ラインの間のゾーンを指します。
なぜ逆走が列間を裂くのか(守備基準の破綻を狙う)
多くの守備は人/ボール/スペースの複合基準。逆走は守備者に「つくか、渡すか」の二択を同時に迫り、判断の遅延を発生させます。その遅延を味方の背後走や縦パスが突きます。
どんな相手に有効か(マンツーマン傾向・4-4-2ミドルブロックなど)
人基準が強いチーム、4-4-2でCHが前後にスライドするチームに特に有効。CBが前に出る習慣の少ない相手にも、偽9の深い逆走が効きやすいです。
戦術的原理:相手の守備基準を“ズラす”
視線・身体向き・基準点の分断(ボール/人/スペース)
逆走は守備者の視線を手前へ、身体向きを内外へズラします。結果、ボール・人・スペースの三点が同一直線に揃わず、カバーシャドウが薄くなります。
コンパクトネスの横と縦の破綻を同時に誘発
一人の逆走でCHが縦に外れ、隣のCHが横スライド。横と縦の圧縮が同時に緩み、列間とハーフスペースが開口します。
ピン留め(ピンニング)と空間生成の因果関係
CFやWGが最終ラインを固定(ピン留め)するから、逆走の吸引力が増します。前線が止め、二列目がズラし、三人目が刺す。この順番が肝です。
役割別の逆走:IH・シャドー・ウイング・偽9
インサイドハーフ(8/10)の逆走とサードマン解放
IHはアンカーの前から背中へ逆走して縦壁を作り、戻し一発でサードマン解放。ハーフスペースで半身を作れると前向きの一歩が早くなります。
シャドー/トップ下の逆走とCFの背後走りの両立
シャドーの浅い逆走でCHを手前へ釣り、CFが同サイドCBの背後へ同時走。縦と斜めの二択でCBの決断を奪います。
ウイングの内側逆走(インバート)でSBを釣る
WGが内側へ逆走するとSBが内絞り。結果、外幅のSB/ウイングバックが解放され、クロスやカットバックの質が上がります。
偽9の深い逆走とCBの引き出し(背後の空洞化)
CFが中盤まで逆走しCBを動かせると、背後に大きな空洞。ウイングの内走やIHの縦抜けの価値が最大化します。
逆走のトリガーとタイミング設計
視覚トリガー:CBの前体勢・SBの視線外・アンカーの逸脱
CBが前体勢なら背後警戒が薄い合図。SBがボールに吸われた瞬間や、相手アンカーが横へ出た瞬間が逆走の好機です。
ボールトリガー:バックパス・横パス・縦パスの準備動作
バックパスで相手が一歩前へ。横パスの準備動作で足が止まる。縦パス準備で重心が上がる。その半拍前に動きます。
味方トリガー:CFのピン留め開始・SBの幅取り・アンカーの降り
CFがCBを抑えた瞬間、SBがタッチラインに張った瞬間、アンカーが降りて数的優位を作った瞬間がシグナルです。
タイミングの黄金則(パスが出る“半拍前”に動く)
パス後では遅い。蹴り脚が引かれる半拍前に初動を切り、守備の視線がボールに固定された一瞬を突きます。
身体の向き・初動の作法
半身(オープン/クローズ)の使い分け
受ける前はクローズで相手を引き寄せ、受ける瞬間にオープンへ切り替え。背中で相手を感じつつ前を向く角度を事前に作ります。
フェイント逆走:肩の角度と足元の偽装
肩を一度前に差してから引くと、相手の重心が前へ。足元は踏み替えでリズムをずらし、身体を置いていきます。
初動の一歩目を“相手の死角”へ送る角度作り
真正面ではなく、相手の背中のラインへ一歩目。半歩外→内の曲線で腕を使い、接触を受け流します。
走法とスピードコントロール
減速→停止→再加速(ストップ&ゴー)でマークを剥がす
止まる勇気がズレを生む。止まって見せてから2歩で再加速すると、守備の反応は必ず遅れます。
歩幅とピッチの切り替えで“絡まる”感覚を与える
小刻み→大股→小刻みの切替で相手のステップを乱し、身体接触の主導権を握ります。
スロー・ファスト・スーパーファストの三段変速
視線誘導はスロー、間合い調整はファスト、抜ける瞬間はスーパーファスト。目的ごとに速度を変えます。
ランニングラインとレーン管理(5レーン/ハーフスペース)
外→中の逆走でハーフスペースを開く
外から内へ引き、SB/CHを内側に吸い込ませると、外のレーンが空きます。戻しで幅を使い直せます。
中→外の逆走で中央の列間を裂く
中の選手が外へ引くとアンカーの迷いが発生。中央の列間にIHや偽9が顔を出しやすくなります。
縦・斜め・曲線のライン選択(ダイアゴナルの利点)
直線は読まれます。ダイアゴナルや曲線で相手の視線をズラし、背中から抜ける角度を常に確保します。
連動の設計:誰が釣り、誰が刺すか
CFのピン留めと二列目の逆走の同期
CFが最終ラインを固定した瞬間に二列目が逆走。固定→ズラし→刺しの三位一体が理想です。
SBの幅取り/インナーラップとIHの背後抜け
SBが幅を取り、IHが逆走から背後へ。インナーラップの気配でCHを迷わせ、IHがフリーで前進します。
アンカーの立ち位置で相手アンカーを固定
自チームのアンカーが相手アンカーの前で幅を作ると、相手は動けません。逆走するIHが浮きます。
CBの持ち出しで中盤の視線を引きつける
CBが運ぶとCHの視線が低くなり、背中が空きます。そこへ二列目が逆走で入ると綺麗に前進できます。
具体的連携パターン集
逆走→縦壁→サードマン(裏抜け)
IHが逆走で縦壁、落としを受けたアンカーがサードマンへスルー。最短で背後に到達します。
逆走ダミー→外→内の三角解放
逆走は受けないダミー。外へ逃がしてから内の列間へ再侵入。三角で前向きに差し込みます。
偽9逆走→ウイング内走→SB解放
偽9でCBを引き出し、WGが内へ。SBが空いた外を獲得してクロスやカットバックへ。
二列目の同時逆走でダブルピン留め
IHとシャドーが同時に引くとCHが縦に割れ、アンカーは選択を誤りやすい。中央が裂けます。
逆走→戻し→スルーのタイムラグ活用
戻しの瞬間に守備は前体勢。ワンタッチの時間差スルーで背後へ差し込みます。
守備ブロック別攻略
4-4-2ミドルブロック:CHの縦分断を誘う逆走
IHがCHの背中→足元へ逆走し縦壁。もう一方のIHが背後に走るとライン間が裂けます。
5-3-2/3-5-2:ウイングバックの判断を狂わせる逆走
WGの内側逆走でWBが内に吸われると外が解放。CB/WBの受け渡しに遅延が出ます。
4-1-4-1:アンカーの釣り出しと内側の列間活用
偽9やIHの逆走でアンカーを前へ。背後のハーフスペースへシャドーが差し込みます。
マンツーマン気味のチームへの対応
逆走は特効薬。ただし受ける角度と再加速の質が命。連続的なポジションチェンジで剥がします。
ゾーン別アプローチ(自陣→中盤→最終3rd)
自陣ビルドアップでの逆走:プレッシャー緩和と前進路形成
IHが一度降りて相手CHを連れ出し、CBやSBが運ぶレーンを開けます。戻し角度も確保。
中盤での逆走:ライン間で前向きに受ける準備
逆走でマークを剥がし、半身で受けて前を向く。1タッチ目の方向付けが勝負です。
最終3rd:逆走と背後走の二択でCBの決断を迫る
ボールサイドは逆走、ウイークサイドは背後走。二択の同期でCBの足を止めます。
セットプレー/リスタートでの逆走活用
スローインの逆走で戻し角度を作る
受けるフリで引いて、即時の戻しラインを確保。二人目が前向きで差し込めます。
ショートコーナーと逆走で二対一を早期形成
コーナー受け手が逆走でマーカーを釣り、内外の2対1を素早く作ります。
FKの二次攻撃でCHの逆走→ミドルレンジ解放
クリア後の混乱時、CHが逆走でフリーマン化。こぼれ球を前向きで叩けます。
相手の対策とこちらの再対策
アンカーの固定/カバーシャドウ対応への解答
逆走が切られたら、外幅→内折り返しでシャドウの背中受けへ。角度をずらして通します。
CBの前進拒否(無反応)に対する次手
無反応なら前進でOK。CBが出ない背後には針を刺さず、運んで引き付けてから外→内へ。
SB内絞りとWG追尾への配置転換
WGをタッチラインに固定しSBを外へ引き戻す。IHが内側で数的優位を作ります。
早いスライドに対する逆回転(戻す→逆サイド)
逆走で時間を作り、素早く逆サイドへ回す。走らせて疲弊させ、終盤の隙を待ちます。
トランジション管理と守備リスク
逆走時の“置き去り”を防ぐレストディフェンス
逆走する側とは反対のSB/CHが残り、中央と逆サイドの即時遮断ラインを確保します。
失った瞬間の即時奪回位置(5レーン基準)
失ったサイドの外-内-内の三角で包囲。逆サイドはバランス維持に徹します。
ファウルマネジメントと危険地帯の切り離し
背後で抜かれたら接触の質で減速。中央を切り、外で時間を稼ぐ軽いファウル管理も選択肢です。
スカウティング/動画分析チェックリスト
相手CHの視線と背中のスペース観察
常にボール視か、人視か。背中にスペースを残しやすい方を特定します。
アンカーの守備基準(人/スペース)判定
人基準なら偽9が効く。スペース基準ならIHの幅取りとサードマンを優先。
CBの引き出されやすい側(利き足/体の向き)
利き足側に誘うと前に出やすいCBもいます。体の向きの癖をメモします。
逆走後の“空きエリア”の継続的出現パターン
開きやすいハーフスペースやレーンを特定し、試合中に狙い続けます。
トレーニング設計(制約主導)
2対2+フリーマンでの逆走タイミング制約
逆走後の受け→落としのみ得点可。半拍前の初動と身体の向きを徹底します。
4対4+2サイドでのサードマン限定得点
得点はサードマン経由のみ。逆走のダミー価値と外-内の角度を体得します。
6対6+GKで“逆走→背後”のみ得点カウント
逆走で釣ってからの背後抜けでしか加点されないルールで、再現性を作ります。
ゾーントレーニング:列間ゾーン通過で加点
ライン間を通過した回数でポイント化。狙うべき場所をチームで共有。
ゲーム形式での接触回数/方向転換回数の計測
逆走の質は接触と切替の頻度に現れます。数値化して習慣化します。
年代・レベル別導入ポイント
高校・大学:基準の共有と言語化を先行
「半拍前」「背中を取る」など短い合図を共通言語化。動画での振り返りをセットに。
社会人/アマ:負荷管理と簡潔な原則に絞る
走力に依存せず、角度とタイミング重視。3つのトリガーだけに絞って運用します。
ジュニア/ユース:遊び要素で逆走の感覚づくり
鬼ごっこ式のストップ&ゴー、背中タッチゲームで“死角に入る”感覚を育てます。
フィジカル準備と傷害予防
減速耐性(エキセントリック:ハム/臀筋)の強化
ノルディックハム、RDLで制動力を養成。ストップ&ゴーの基礎になります。
股関節可動と骨盤コントロールで初動を速く
90/90ストレッチとヒップエアプレーンで可動+安定。初動の一歩が軽くなります。
足首/膝のアライメント管理(切り返し耐性)
カーフレイズ、片脚スクワットで膝内倒れを抑制。方向転換の怪我を予防します。
ウォームアップ:多方向ラン+視線スイッチ
コーディネーションラダーに“後方確認”を組み合わせ、逆走特有の視線切替を準備。
メンタル・認知スキル
スキャン頻度と“何を見るか”の優先順位
ボール→最近接DF→背中のスペースの順で0.5秒ごとにスキャン。優先順位を固定化します。
偽装(デセプション)の使いどころ
受ける直前の肩入れ、視線の外しで守備の重心を誘導。やりすぎず一点豪華主義で。
認知負荷を減らす合図(キュー)の共通言語化
「半拍」「背中」「ピン」の短語で意思疎通。複雑さを現場で削ります。
よくある失敗と修正法
動き出しが早すぎる/遅すぎる問題
蹴り脚の引き始めを合図に。早いなら一度止まる、遅いなら曲線でショートカット。
逆走が深すぎて背後が遠くなる問題
2〜3歩で十分。深さは“触れそうで触れない距離”を目安に調整します。
身体の向きが閉じて前進できない問題
受ける前に足先と骨盤を開く。落とし先の視線を先に作ると自然にオープンになります。
ボール保持者と視線が合わない問題
逆走前に一度アイコンタクト。見えないなら手のジェスチャーで合図します。
成功指標(KPI)と自己評価法
逆走でDFを釣り出した回数/試合
試合後に数値化。3回/試合をまずの目標にします。
列間受けからの前向きタッチ率
前向きの1stタッチが何%か。60%超で影響が出始めます。
逆走→背後の決定機創出数
逆走が起点の決定機をカウント。1以上/試合で武器化の兆し。
逆走関連のロスト後即時奪回率
失っても5秒で奪い返せるか。レストディフェンスの評価にも直結します。
試合中のコーチング用キーフレーズ
“半拍前!”“背中で受けて!”“逆を踏んで!”
初動と角度の質を一言で喚起。繰り返し使える短語が効果的です。
“ピン留め継続!”“戻し速く!”“逆サイ準備!”
連動の役割を即時共有。戻しの速度と逆サイドの準備が逆走成功率を上げます。
選手間のショートコール設計例
「ピン」「半」「背」「逆」「今」。誰でも言える短さで統一します。
ケーススタディ:国内外の試合例から学ぶ視点
4-3-3のIH逆走でCBを引き出す場面の観点
IHが背中に落ちるとCBが迷い、ラインが割れます。CBの一歩目が出た瞬間の裏抜けが鍵です。
偽9の逆走とウイング内走の連鎖の観点
偽9が縦壁、WGが内走、SB解放。三者の距離が10〜15mだとテンポが崩れません。
SBの幅取りが逆走成功率に与える影響の観点
SBが広く取るほどCHの横スライドが遅れます。幅取りは逆走の“見せ筋”です。
1週間の練習メニュー例(マイクロサイクル)
MD-4:個人戦術(初動/体の向き/減速)
30分のストップ&ゴー+半身ドリル。短時間高品質で基礎固め。
MD-3:小集団戦術(2v2+3のサードマン)
逆走→落とし→刺ししか得点にならない制約で、連動の速度を上げます。
MD-2:チーム戦術(8v8でトリガー確認)
視覚/ボール/味方の各トリガーを言語化し、共通キューをテスト。
MD-1:セット/定位置の確認と負荷調整
ショートコーナーとスローインの逆走パターンを軽めに反復。
MD:ゲーム中の合図とKPI共有
ベンチからのキーフレーズを統一し、KPIを試合後に即時レビューします。
よくある質問(FAQ)
逆走の深さはどのくらいが適切?
2〜4歩が目安。背中に入るが、受けても前を向ける距離をキープしてください。
マンツーマン相手に効かない時の代替案は?
逆走を囮に“位置交換”を増やします。CFとIH、WGとSBの連続入れ替えで剥がします。
体格差がある相手への工夫は?
接触前に角度勝ち。曲線走と半身で正対を避け、触られる手前でボールを離します。
まとめ:逆走は“合図・連動・再現性”で武器になる
原理の再確認と優先順位
固定(ピン)→ズラし(逆走)→刺し(背後/縦差し)。この順を崩さないことが最優先です。
小さく始めて大きく適用するステップ
個人の初動→小集団のサードマン→チームのトリガー統一。段階的に拡張しましょう。
試合で明日から使えるミニチェックリスト
半拍前に動く/受ける前に半身/逆走は2〜4歩/戻しはワンタッチ/逆サイ準備を忘れない。
用語集と参考リソース
用語集(列間/ピン留め/サードマン/ハーフスペース)
列間:ライン間のゾーン。ピン留め:最終ラインを固定する動き。サードマン:2人のやり取りから3人目が受けて前進。ハーフスペース:中央とサイドの中間レーン。
試合観戦でのチェックポイント早見表
逆走の発生位置/相手の誰が動いたか/空いたスペース/パスの方向/次の再現性の可能性。
学習を深めるための素材整理のヒント
ハイライトだけでなくビルドアップ局面を集める。逆走→背後の連鎖が見える場面を切り抜きます。
あとがき
逆走はド派手ではありませんが、守備の“基準”にノイズを入れる最短手段です。走る量より質、スピードより角度。合図をそろえ、連動を増やし、再現性で武器にしてください。小さな一歩で、相手の大きな穴を開けられます。