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サッカー3人目連動崩し方|上手くなるコツと具体練習メニュー

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サッカーがもっと上手くなりたい、高校生・社会人プレーヤーから、サッカーを頑張るお子さんを応援する保護者の方まで。「崩し」の場面で必ずと言っていいほど耳にする“3人目の動き”。
パスワークも理解できてきたけれど、2人では壁を越えられない─そんな壁を感じていませんか?
この記事では、サッカーで攻撃の幅を一気に広げて相手守備を切り裂きたいあなたのために、3人目連動の崩し方、上手くなるコツと実際のトレーニング法をまるごと紹介します。
部活、クラブ、社会人、親子トレーニングまで幅広く役立つ内容でまとめました。次の試合で「上手くなったね」と言われたい方は、ぜひ最後までじっくり読んでみてください!

目次

サッカーにおける3人目連動の重要性

現代サッカーで求められる3人目の動き

サッカーの戦術が進化を続けるなか、攻撃の局面で「3人目」が絡む動きはもはや世界基準。Jリーグでも、ヨーロッパ主要リーグでも、ゴール前をこじ開ける決定的な場面には必ず3人目、もしくはそれ以上の選手が連続的に関与しています。
なぜなら、組織的な守備を崩すには、パスの受け手・出し手だけでなく“裏を取る”選手や“囮になる”選手など、複数人が連携することで相手の意表を突きやすくなるからです。
こうした3人目の連動は、現代サッカーで点を取る上で欠かせない、まさに必須のスキルなのです。

2人の連携だけでは崩せない理由

パス&ゴーや「ワンツー」など2人組の崩しはサッカーの基本。しかし、守備側も2人での連携は十分に想定していて、局面によっては前向きに迎撃してきます。
この時、3人目が予測不能なタイミング・コースで絡めば守備のバランスが崩れやすくなるのです。スペースを生み出し、選択肢を増やす“第三の存在”こそ、相手DFの秩序を一瞬で壊せる最大の秘訣です。

3人目が絡む崩し方の基本原則

攻撃の選択肢を増やす3人目連動

3人目の動きを攻撃に取り入れることで、ボールをもらう「A」、パスを出す「B」、そして連動して動くことでラストパスや決定的なプレーに絡む「C」。この三角関係を作ることでパターンは一気に広がります。
ワンツーの応用形やダイアゴナルランの活用など、3人目の意図的な動きはパスコースを増やし、攻撃に“ズレ”を生みます

スペースを作る動きとタイミング

3人目連動の最大のポイントは、相手の視線や意識をそらし、味方が自由に使えるスペースを生むこと。
例えば受け手が下がって引き付けた瞬間、サイドや中央から3人目が裏に抜け出す。パスが出てからではなく、その少し前から動き始め、タイミング良く合わせることで相手DFのギャップを突けます

3人目の動きが効く局面

  • ゴール前・PA付近でDFのラインを崩したい場面
  • サイドから中央への折り返しパターン
  • 前線で相手を数的不利に追い込みたい時
  • 中盤で相手のボランチを引き出して背後を突く場面

このような局面で3人目が絡むと、高確率で決定機へ持ち込むことができます。

3人目連動を成功させるためのコツ

サインと意識の共有がカギ

3人目連動のコツとして外せないのが「選手同士の意識・サインの共有」。アイコンタクト、動き出し前の合図、体の向きで意図を合わせる。そして“自分が囮なのか・アクション役なのか”を明確にし、味方と共通認識を持つことが最低条件です。
複雑な戦術というより「今、誰がどう動けば面白いか」をリアルタイムで感じ合うセンスも磨いていきましょう。

ファーストタッチと視野の確保

3人目が効く攻撃となるには、パス&コントロールの質が大前提。ファーストタッチで一歩相手を外す、受ける前に顔を上げ視野を広げておく、といった基本動作を徹底しましょう。
3人目の動きはパススピードが遅かったり、コントロールが雑だと決して成立しません。技術+準備=3人目連動です。

相手ディフェンスの観察力を高める

もう一歩上のプレーヤーを目指すなら、相手DFの「ズレ」や「ギャップ」を素早く察知する力が不可欠です。ボールを持っていなくても、味方とDF両方を見ながら「どこのスペースが空く?」「相手は誰を見ている?」と常に観察し、最適なタイミングで動き出しましょう。

実践で役立つ!3人目連動の具体練習メニュー

3人1組の三角形パッシング&オフ・ザ・ボール練習

サッカーで3人目連動を身につけるための最も基本的な練習が、三角形のフォーメーションで行うパッシング+動き出しのドリルです。

  1. マーカーで三角形を作り、3人が各頂点に立つ
  2. 「A→B→C→A…」の順でパス交換。パス&ゴーで出した人は味方のサポート位置へ移動
  3. 意図的に「裏へ抜ける」「近くで受ける」「囮になる」といった“3人目アクション”を組み込む

この練習を繰り返すことで、パスの質・動くタイミング・アイコンタクトが連動し、試合さながらの崩しのイメージが身につきます。

数的優位を作る3v2トライアングルゲーム

より実戦的に3人目の連携力を磨きたい方には、3対2のトライアングル突破ゲームが効果的です。一つのボールをパス・ドリブルでつなぎながら、3人のうち必ず1人は裏抜け・サポート役を演じます。
相手DF2人に対し、数的優位をどのように作るか? どこで連動し、いつ仕掛けるか?を課題にすると、3人目連動のコツが肌で体感できます。

シュートに持ち込む3人目突破ドリル

攻撃の決定力アップには、3人目が絡んでシュートまで行く仕上げの練習が特に重要です。

  1. 中盤からサイド・中央と配置を決め、パス回しから3人目が裏に抜け出す
  2. フィニッシュはシュートまで必ず持ち込む
  3. 攻撃側とDF側でポイント制にして、守備のプレッシャーも感じながらテンポよく繰り返す

実践を想定して「どこで、誰が3人目になるか?」をゲーム形式で競い合うと実戦力アップに直結します。

ユースからプロも実践する応用練習例

プロ選手やJリーグユースチームでも導入されているのが、4対4+2フリーマン形式でのミニゲーム。3人の中に必ず1人「フリーで裏抜けできる役割」を決めて、相手守備を混乱させます。
ここでポイントなのは、その時々で裏を取る役割とボールホルダー、サポート役をローテーションしながら変化させていくこと。固定せず即興で役割交代できるとより高度な連動が生まれます。

練習で意識したいチームコミュニケーション

プレー中の声かけとジェスチャー

3人目連動の練習・実戦で決定的になるのは、声かけやジェスチャーによるコミュニケーションです。
「行け!」「裏!」「サポート頼む!」など短い単語でもOK。思ったこと・したい動きを、今すぐ声に出す勇気を持ちましょう。また、指差し・手の動きで味方に合図を送ることも、予期せぬミスを減らす大切なポイントです。

目線・体の向きを使った意図伝達

時には守備の目を盗んで味方とアイコンタクトだけで連携する場面もあります。
受け手がどこを見ているか・体の向きはどこを向いているかをお互いに感じ取ることができれば、よりスムーズに3人目の動きに移行できます。視線のコミュニケーションを習慣にして練習から意識してみてください。

3人目連動のよくある失敗と改善アプローチ

パスタイミングのズレと修正法

練習・試合でよく起きがちなのが、出し手と動き手のタイミングが噛み合わないミス。
この場合、「なぜズレたのか?」をすぐ確認しあうのが効果絶大。原因の多くは「出してから動いた」「動きに気づけなかった」などのシンプルなものです。繰り返すうちに“合図→合わせ”がスムーズになるので、トライ&エラーを恐れず伝え合いましょう。

3人目の動き出しが遅れる原因と対策

  • 周囲の状況を把握していない(=認知が遅い)
  • 受け手とアイデアが合っていない
  • 運動量・体力不足で2,3本目の連動が続かない

これらは「パスが出る直前」ではなく、「マイボールになった瞬間」から準備する意識で解消できます。特に高校生以上は常に“次”を考えながら動きましょう。

シチュエーション別失敗例

  • 相手DFが密集しているのに裏へのランしか選ばない
  • ずっと同じ人が3人目の役割を続けてしまい予測される
  • 練習では上手くいくが、プレッシャーが強いと消極的になり無難なパスばかりになる

こうした失敗をした場合も、原因を仲間と話し合い“引き出し”の数を増やすことが成功への近道です。

3人目連動巧者になるための自主トレーニング方法

認知力を高めるトレーニング

3人目連動の達人になるためには、技術以外に「認知力=周囲察知力」を鍛える自己トレが大いに役立ちます。

  • ボールキープやリフティング中に「何秒かに一度、周りを見る」癖を持つ
  • 小さな音や声にすぐ反応→空間認識や反射の向上につなげる

普段の自主練から“視野を持って、判断する”ことをあえて課題に加えてみましょう。

周辺視野を鍛えるドリル

例えば家の中や公園で、ドリブルやリフティングしながら周囲の色付きマーカー・人・数字を見つけて覚えるトレーニングも効果抜群です。
「自分の真横・背後の味方/相手位置を感じ取る」感覚を養え、イメージの中でパス先・3人目の選択肢が自然と増えてきます。

試合映像を用いたイメージトレーニング

サッカー中継・YouTube動画で、「3人目がどこからどう絡んだか?」だけに注目して観察してみてください。
自分のポジションに近い選手、憧れの選手のプレーを見て脳内で状況再現する“イメージ練”を繰り返すことで、ピッチで「今だ!」という瞬間にダイナミックな連動が発揮できるようになります。

高校生・大人・親子で取り組む3人目連動の工夫

高校生・大人が意識したいポイント

より速いテンポと高い強度で競い合う高校生・大人のサッカーでは、「決断の速さ」と「体の使い方」が連動成功の分かれ目となります。守備側と同数~数的不利の状況で「3人目が一瞬で背後を突く」「味方の動きを囮にする」など瞬時の判断が特に求められます。
体幹トレーニングや、3人一組で素早く“判断+動作”をセットで繰り返す練習も並行して取り入れましょう。

親子でできる遊び感覚のトレーニング

サッカーを始めたばかりのお子さんや親子で楽しみたい時には、「3人追いかけっこパス鬼」などおすすめです。

  1. 親+子ども+もう1人(または壁や的でもOK)でボールを回す
  2. 鬼(ディフェンス役)はボールをカットしたり動きを予測する
  3. 攻撃側は3人が連携して裏を狙う・囮になるなど工夫する

遊びの中で「意識した動き」「声かけ」など、3人目の連動に必要な基礎感覚が育ちます。

ジュニア年代から育てたい動き

小学校低学年~ジュニアユース世代で大事にしたいのは、“まずは動き出してみる・自由にアイデアを出す”経験です。
複雑な戦術よりも「自分なりの連動を試す→結果を見る→また挑戦する」というプロセスを大切にして、
「3人のどこが空いてる?」「どう動けばパスが来る?」とワクワクしながら取り組む場と雰囲気を作りましょう。

まとめ|継続的な練習で磨く3人目連動スキル

サッカーで「崩せる人」の特徴、それは3人目の動きに“気づき”、素早く“合わせ”、迷いなく“実行”できること。
ですが最初から完璧な連動ができる必要はありません。
大事なのは、毎回「なぜ上手くいった?」「なぜ失敗した?」と仲間と振り返り、ゆっくりでも着実にコミュニケーションと認知力を積み重ねていくことです。

この記事で紹介したコツや練習メニュー、自主トレの工夫を継続していけば、必ず「もっと点が取れる・楽しく連動できる自分」に近づけます。
次の練習・試合で“小さな気づき”が生まれることを、心から応援しています!継続あるのみ、ぜひチャレンジを楽しんでください。

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