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サードマンランの練習方法を図なしで分解解説

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リード

サードマンラン(第三の動き)は、パスを出した人でも受けた人でもない“第三の選手”が、相手の視野と重心の一瞬のズレを突いて前進や決定機を作る仕組みです。本記事では「サードマンランの練習方法を図なしで分解解説」というテーマで、図がなくても頭の中で鮮明に組み立てられるように、言葉と具体例だけで設計・実行・修正までを丁寧に解説します。単なるパターン暗記ではなく、試合で再現できる原理原則、合図、ドリル、コーチング、KPI、週の練習設計まで網羅。高校生から大人まで、そして指導者や保護者の方にも実践しやすい内容です。

サードマンランとは何か—図なしで思い描ける定義と効果

サードマンラン(第三の動き)の基本定義

サードマンランは、ボール保持者(ファーストマン)→経由点(セカンドマン)→走り抜ける第三の選手(サードマン)という三者の連携で、相手の守備ラインやマークのズレを生み、スペースへ侵入する動きのことです。重要なのは、三人が同時に同じ絵を共有していること。「誰が相手を引きつけるのか」「どこへ落とすのか」「誰がいつ裏へ走るのか」を一つの意図でまとめます。

なぜ得点機会と前進が同時に生まれるのか

縦パス→落とし→裏抜けの“V字パターン”は、守備者の視線がボールに集中しやすい瞬間を生みます。セカンドマンに縦パスが入った瞬間、相手の重心は前へ。そこでサードマンが背後へ走ると、マークは一拍遅れます。結果、前進と決定的なチャンスを同時に獲得しやすくなります。

二人では起きないズレを三人で作る理屈

二人だけのやり取りだと、出し手と受け手の関係しかありません。守備はその直線を消すだけで対応可能です。しかし三人目が関わると、守備は「ボール」「落としの受け手」「背後に走る選手」という三つに注意を割かざるを得ません。視線が分散し、足が止まる。そこにズレが生まれます。

成功が増える試合局面(ビルドアップ/崩し/トランジション)

  • ビルドアップ:CBやGKからの縦パス→IH落とし→SBやWGがハーフスペースへ抜ける。
  • 崩し:サイドでの壁パス風に見せつつ、三人目が背後へスプリントしてクロスや折り返し。
  • トランジション:奪った直後に縦パス→ワンタッチの落とし→最短距離で裏抜け。相手の整う前に刺す。

原理原則:幅・深さ・角度・タイミングを言葉で設計する

幅で相手を横に引き伸ばす

サイドに味方が広がるだけで、相手の横スライドが遅れます。幅の確保は「真ん中を通すための外」。外に出しそうに見せて中央に縦パスを通すと、中央のセカンドマンがフリーで受けやすくなります。

深さで背後を脅かす

常にDFラインの背後を意識して「深さ」を確保する選手がいると、相手CBは下がらざるを得ません。ラインが下がれば中盤が空く。中盤が空けば縦パスが刺さる。深さは三つめのパスの到達点としても機能します。

角度で身体の向きを操る

セカンドマンはワンタッチで前向きの選手へ落とせる角度に立つこと。受ける角度を90度に近づけると、落とし先を相手から隠しやすくなります。角度が悪いと、ボールも身体も相手に丸見えになります。

タイミングでオフサイドとマークを外す

サードマンの走り出しは「ボールが足から離れた瞬間」。これが基本原則。早すぎるとオフサイド、遅すぎるとDFと並走になります。合図は“離れた瞬間=GO”。

三人の役割分担:ファーストマン/セカンドマン/サードマン

ファーストマン:引きつけ・前進・逆足誘導

ファーストマンは守備者を前に引きつけ、逆足側に誘導して縦パスを刺す役。選択肢は「自分で運ぶ」「縦に刺す」「外に見せる」の三択。迷ったら“相手の逆足へ運ぶ”が基本です。

セカンドマン:経由点の体の向きとワンタッチ基準

ワンタッチで落とすのが基本。胸・つま先・骨盤の向きが落とし先を語ります。基準は「前向きの味方へ」「相手から遠い足へ」「次の一歩が出しやすい速度で」。

サードマン:視野確保と加速の開始点

サードマンは常に背後のラインと味方の体勢をチェック。「見て→決めて→動く」の順序を崩さない。スタートは“ボールが離れた瞬間”。最初の3歩は最大加速、4歩目でボールの軌道を確認します。

三者の共通言語(早い遅い、足元/スペース、内/外)

  • スピード:今(GO)/待て(WAIT)
  • パス先:足元/スペース
  • 方向:内/外、表/裏

短い言葉で判断を同期させましょう。声はプレーより半拍先に。

トリガーと合図:守備の重心と視線を読む

相手の肩の向き・腰の向きが示すパスライン

相手の肩が外を向いたら中が空き、腰が前を向いたら背後が空きやすい。セカンドマンは受ける前にそこをチェックします。

ボールスピードと相手のステップのずれ

強い縦パスは相手の踏み替えを遅らせます。強い→落とす→背後。この順の“速度差”がズレを作ります。

味方の体勢(開いてる/閉じてる)によるGO/WAIT

セカンドマンが開いていればGO、閉じていればWAIT。体勢が閉じているのに裏へ走ると、ボールは出ません。

ボールが足から離れた瞬間のスタート原則

サードマンは「離れた瞬間に出る」。これは全員の共通ルールとして徹底しましょう。

図なしで理解するための言語化・イメージ化テクニック

三角形の各頂点に自分を置き換える想像法

三角形の頂点を「自分/味方/相手」に入れ替えて想像します。自分がファーストマンのとき、次はセカンドマン、次はサードマンと立場を入れ替えることで、全体像がクリアになります。

“見て→決めて→動く”を声出しで同期

全員で「見た!決めた!動く!」と声を出しながらテンポを合わせると、判断の順序が崩れにくくなります。ふざけているようで効果的です。

5秒ストーリー法(誘う→預ける→刺す→抜ける→仕留める)

5秒間の物語を描きます。「誘う(引きつけ)→預ける(落とす)→刺す(縦パス)→抜ける(裏走り)→仕留める(フィニッシュ)」。各フェーズの合図を決めて反復しましょう。

相手一人を“消す言葉”を決める(外向け/内向け)

「外向け!」はサイドへ誘導、「内向け!」は中へ誘導。言葉で相手を固定し、狙いを全員で共有します。

準備:サードマンランに必要な基礎スキルチェック

ワンタッチの方向付け(セカンドマンの質)

  • 相手から遠い足で落とせているか
  • 落としの強弱が合っているか
  • 落とす前に次の受け手を見ているか

スキャン頻度と角度(首振りの回数とタイミング)

受ける前1秒間に2回以上の首振りが目安。角度は前方/斜め/背後の三方向。ボールが来る“前”に見ることが肝心です。

加速の1歩目(抜け出しの初動)

1歩目は低く・長く。2〜3歩目で最高加速へ。脚だけでなく腕を強く振ると初速が上がります。

体の向きでパスを“見せる/隠す”

見せたいときは胸を開き、隠したいときは骨盤の向きで欺きます。セカンドマンの身体表現が三人の速度を決めます。

段階的ドリル1:2〜3人で始める導入

2人の引きつけ→預け→落とし(予備動作)

2人で8〜10mの間隔。Aが運ぶ→Bに強い縦→BがAへワンタッチ落とし。10本×2セット。目的は「強い縦」と「落としの質」を合わせること。

3人の三角形リレー(内→外→背後)

A→Bへ縦、B→Cへ落とし、Cが背後へパス。Cはそのまま前進、Aが新しいセカンドマンへ移動。三角形を回り続けます。左右両回り各3分。

ワンタッチ/ツータッチ制限での精度向上

基本はワンタッチ。ミスが続く場合のみツータッチへ。制限があるほど認知の質が上がります。

声かけ固定ワード導入(“今”“待て”“背中”)

  • 今(GO):裏へ走る合図
  • 待て(WAIT):体勢が整うまで待つ
  • 背中:相手の背後を使う合図

段階的ドリル2:パターン練習(3v0/3v1/3v2)

3v0の基礎型(引きつけ→経由→裏)

守備者なし。スピードと正確性に集中。目安は1分間に8〜10回転。落としの質をKPIに。

3v1での守備者の肩誘導と逆取り

1人のDFを置き、ファーストマンが運んで逆足へ誘導→縦差し→落とし→裏。DFの肩が外を向いた瞬間に中を通す練習です。

3v2での“遠いほうの背後”の使い分け

DFが二人なら、より遠いDFの背後を狙います。近いDFは触れるのでリスクが高い。遠い背後なら走り勝ちやすい。

成功基準と反復回数の目安

  • 3v0:成功率90%以上を維持して1セット3分×2
  • 3v1:成功率70%以上を目安に3分×2
  • 3v2:成功率50%→70%へ改善を狙い4分×2

段階的ドリル3:ポゼッションで使える形に昇華

4v2ロンドでのサードマン解放ルール

条件:「縦→落とし→縦」が成立したら1点、外へ逃げたら0点。ロンドで三人目の動きをスコア化します。

5v3/6v4でのサイドからハーフスペース侵入

タッチライン側にボールを置き、外へ見せて中へ落とし、逆サイドのハーフスペースへ裏抜け。サイド発の三人目を反復。

縦パス→落とし→縦抜けの制約付け

ボール保持チームは「縦→落とし→縦」でしか前進点が取れない制約を設定。狙いが明確になります。

ターン禁止/背後のみ得点の制限で狙いを固定

ターン禁止にすると、落としが自動的に増え、三人目の価値が上がります。背後パスのみ得点も有効。

ゲーム形式の落とし込み:ゾーン別の狙い

サイドレーンでのウイング裏抜け

SB→IH→WGの裏抜け。SBは外を見せて縦差し、IHは内側へ落とし、WGが背後へ。クロスはニア・ファー・カットバックの三択。

ハーフスペースでのIHの背後走り

CB→IH→CF、またはCB→ボランチ→IH。IHは受ける前に背後確認、CFはDFを固定してレーンを空けます。

中央でのCFの楔→IH抜けの高速化

CFが楔を受けてワンタッチ落とし、IHがスプリントで背後へ。CFは受ける直前に背中をチェックして反発ステップを準備。

ゴール前のラスト3本(ワンタッチフィニッシュ)

裏抜け→折り返し→ワンタッチ。GK前の時間がない局面での決定力を鍛えます。左右交互に5本×3。

守備対応別の攻略法:マンツーマン/ゾーン/ハイプレス

マンツーマンに効く“受け手の入れ替え”

セカンドマンとサードマンが入れ替わる(クロス)動きを入れると、マークが二者で迷います。マークが遅れた瞬間に縦。

ゾーン守備に効く“ライン間占有→背後”

ライン間で受け手を作り、ボールが入った瞬間に背後へ。ゾーンは視野の優先順位がボール→周囲なので、三人目が通りやすい。

ハイプレス下でのGK起点サードマン

GK→CB→IH→SB(もしくはWG)の裏。GKの縦刺しが合図。強いボールと即落としで一気にラインを超えます。

ミドルブロック攻略の横→中→縦の順序

横へ揺さぶる→中に刺す→背後へ。順序が崩れると“縦→縦”になって潰されがち。横の一拍が鍵。

ポジション別トレーニングの焦点

CF:楔後の背中チェックとフェイク方向

受ける直前に背後を一度見る→相手を外へフェイク→内へ落とし。落としの足は相手から遠い足で。

IH/ボランチ:経由点の体の向き90度

90度で受けて、視野の半分を前へ。ボールコンタクト前に落とし先を決定します。

SB/ウイング:外で見せて内で刺す

タッチラインに張って幅を作り、中への落としと背後への走りをセットで。外→内のデセプションが有効。

CB/GK:縦パスの質とリスク管理

縦パスは「速く・足元へ・次が前向きになれる」ボール。奪われた時の即時奪回位置も同時に設計します。

コーチングポイントと声かけ例

“先に見る→遅れて動く”の合言葉

見るが先、動きは半拍遅らせる。オフサイドや被マークを避ける鉄則です。

ボールが離れた瞬間に“GO”の統一

合図は全員で同じ言葉に。「今!」の一声でチームが前へ動きます。

受け手は“縦を見せて横を使う”

縦へ行くと見せて落とし(横/斜め)。守備の重心を縦に固めさせてズラします。

決定局面は“触る/触らない”の判断を1歩前で

クロスや折り返しでは、最後の1歩で触るかスルーするかの決断。相手と味方の位置で決める習慣を。

よくある失敗と修正のコツ

走り出しが早すぎる(オフサイド/被マーク)

修正:ボールが離れた瞬間ルールを徹底。視線をボールと最終ラインに交互に配分。

セカンドマンが開けていない(体の向き問題)

修正:受ける前に半身を作る。ボール側の肩を少し引くと前向きの落としが生きます。

縦パスのスピード不足(誘えない/崩せない)

修正:スパイクの面をやや立て、インステップ寄りに強く。ミニゴールへ通す感覚で。

裏抜けの角度が悪い(GKに寄る/DFに捕まる)

修正:最初は外へ走ってから内へ切る“くの字”で。GKとDFの間に落ちる角度を作る。

制約付きゲームで学習を加速させる

背後突破のみ得点カウント

裏へのパスが通ったら1点。狙いが背後に固定され、走り出しの質が上がります。

“縦→落とし→縦”で追加ポイント

通常1点+1、フィニッシュまで行けば+2。三人目を使う動機が強まります。

サイドからの折り返し1タッチ限定

ゴール前のテンポを上げ、判断スピードを鍛えます。予測の質が上がる副次効果も。

全員が一度はサードマンを経験するルール

役割偏りを防ぎ、全員が原理原則を体得します。ローテーション制を導入。

評価とKPI:上達を可視化する指標

意図的なサードマン発生回数/試合

「狙って行った」回数をカウント。偶然ではなく意図の数値化が大切です。

縦→落とし→縦の成功率とフィニッシュ率

前進だけでなく、フィニッシュまで到達した割合も追います。

裏抜けのタイミング成功率(オフサイド率)

オフサイド率は減少傾向が理想。成功率はボールスピードと相関します。

前進距離/前進回数の増加

ゾーン1→2→3の移動回数と距離を簡易記録。体感の改善を数値で裏づけします。

年代・レベル別のアレンジ

中高生向け:距離短め/判断回数多め

8〜12mの距離で反復を重視。首振り回数を口頭でカウントすると効果的。

大学・社会人向け:制限時間短縮/プレッシャー増

2〜3タッチ以内、2秒以内の落としなど制限を厳しく。対人プレッシャーを強めて実戦化。

初心者/親子向け:歩き→ジョグ→スプリントの段階

最初は歩きで形を作り、ジョグでタイミング、最後にスプリントを追加。成功体験を積みやすい順番です。

少人数チームでの現実的メニュー化

3〜5人でも十分。コーン2本で縦→落とし→縦のラインだけ作り、役割ローテを回します。

個人でできる補助トレーニング

壁当てでの縦→落とし再現

壁に強い縦→リターン→前へ走って再度受ける。テンポを口で数えながら1分×3。

シャドーランでの角度と初速づくり

コーンを三角形に置き、外→内の“くの字”で加速。3歩で最高速に。

視線トレ(首振りと視野切替)

タイマー音に合わせて前・斜め・背後を交互にチェック。ボールなしでも認知力は鍛えられます。

スプリントの減速/再加速ドリル

10m加速→減速→5m再加速。背後への走り直しに効きます。6本×2。

認知・判断・実行をつなぐメンタルモデル

事前プランA/Bを常に用意する

A:縦→落とし→縦、B:外→内→背後。二択を事前に持つと迷いが減ります。

デセプション(見せて隠す)で守備を固定

見せる方向と使う方向をズラす。身体の向きと目線で相手を固めます。

“誰がフリーを作るか”の役割意識

フリーになる人だけが主役ではありません。仲間をフリーに“させる人”がいて初めて成立します。

ボール非保持者の主導権思考

ボールを持っていない選手が試合を動かす。走る・止まる・立つ位置で主導権を握りましょう。

フィジカル要求と負荷管理

10〜20mのスプリント反復耐性

サードマンの距離は短く速い。10〜20mの反復が現実的です。

加減速の反復回数とRPE管理

主観的運動強度(RPE)7〜8で2〜3分の反復→2分レスト。週2回が目安。

ハムストリングス予防(ノルディック等)

裏腿のケアは必須。ノルディック、ヒップヒンジ、コペンハーゲンプランクをルーティン化。

週内配置(高強度日の前後をどう組むか)

高強度ドリルは週中(試合2〜3日前)。前後は技術/回復でサンドイッチ。

一週間の練習設計テンプレート

月:基礎スキルと導入ドリル

ワンタッチ、縦→落とし、三角形リレー。負荷は中。

水:ポゼッションと制約ゲーム

4v2ロンド、背後突破カウント、ターン禁止。負荷は中高。

金:ゲーム形式とセットプレー紐付け

ゾーン別の狙い、CK/スローインからの三人目確認。負荷は高。

試合:評価→短時間レビュー→回復

KPI集計、音声合図の統一確認、軽いリカバリー。

試合への落とし込み:分析→練習→適用→振り返り

相手の弱点(外/中/背後)仮説の立て方

相手のCBが背走に弱いなら背後、サイドの閉じが遅いなら内、ボランチが前進に弱いなら中央。仮説を一つに絞ると迷いません。

前日メニューでの確認事項リスト

  • 合図の言葉は統一されているか
  • 縦パスの強度は足りているか
  • セカンドマンの体の向き90度は徹底されているか

試合中の合図とベンチからの修正ワード

「外向け!」「中空いた!」「今!」など短く具体的に。長い指示は届きません。

映像なしでもできる試後レビュー法

三人で1プレーを言語で再現。「いつ」「どこで」「誰が」「何を」したかを書き出し、次の改善点を1つだけ決めます。

ケーススタディ:局面別の再現手順

右SB起点→IH経由→WG背後

SBが外へ運ぶ→IHへ縦→IHが中へ落とし→WGが背後へ。SBは外を見せて中を使うのが肝。

CF楔→IH落とし→SBインナー抜け

CFへ強い楔→IHが前向きへ落とし→SBが内側から抜ける。WGは幅でCBを外へ引っ張る。

CB縦刺し→ボランチ経由→CF裏

CBの縦刺しで相手中盤を飛ばす→ボランチがワンタッチで前へ→CFが背後へ。CBはリスク管理でカバー位置を即確保。

CK/スローインからの三人目活用

短いCK:受け手→リターン→内へ差し込んで裏抜け。スローイン:近場→落とし→斜め走りでバイライン突破。

FAQ:よくある疑問に答える

ボール保持者が見えていない時は走るべき?

基本は待ち。保持者の体勢が開くか、アイコンタクトが取れたらGO。無理な走りは無駄とリスクを増やします。

オフサイドを避けつつ最速で抜けるコツは?

最終ラインと平行に“スライド→加速”。真っ直ぐより、横に滑ってから縦が安全で速い。

相手が中を締めるときの代替パターンは?

外→中→背後の順番を守り、外で数的優位を作ってから中を通す。内が閉じれば外の時間が増えます。

少人数/狭いコートでの工夫は?

制約を強く。ターン禁止、背後のみ得点、ワンタッチ限定で“質”を高めます。距離は短く、テンポは速く。

用語ミニ辞典

ファーストマン/セカンドマン/サードマン

出し手/経由点/三人目の走り。役割を明確にし、入れ替えも想定します。

背後・ライン間・ハーフスペース

背後:最終ラインの後ろ。ライン間:中盤とDFの間。ハーフスペース:サイドと中央の中間レーン。

逆足誘導・デセプション

逆足誘導:相手の利き足と逆へ運ばせる。デセプション:見せて隠すフェイント全般。

縦→落とし→縦(V字パターン)

三人目を使う基本連携。縦パスで引きつけ、落として、もう一度縦へ。

まとめ

サードマンランは、三人の意図を1本の矢印に揃える技術です。幅・深さ・角度・タイミングという原理に沿い、合図を統一し、段階的なドリルで反復すれば、図がなくても再現できます。決して特別な才能は要りません。強い縦パス、正確な落とし、そして“ボールが離れた瞬間に走る”この三点を、今日からチームの共通言語にしてください。練習は嘘をつきません。5秒のストーリーを、ピッチで何度でも描きましょう。

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