セットプレーは「練習で再現しやすく、試合で差がつく」領域です。本記事では、図が使えない状況でもイメージが合うように、言葉のルールを用いて位置や動きを“見える化”。そのままチームの共通言語として使える形で、コーナーキック(CK)、フリーキック(FK)、スローイン、ペナルティキック(PK)までを通して整理します。専門用語は最小限、比喩と座標で噛み砕きます。
目次
導入|なぜ「図なしで見える化」なのか
本文の読み方と前提(試合経験・ポジション不問)
ここで目指すのは「誰が読んでも同じ絵が浮かぶ言葉」をつくることです。読者のポジションや経験年数は問いません。フィールド全体を上から俯瞰する視点を共有し、攻守それぞれの役割を言語化します。読み進める際は、各セクションのミニルール(時計盤・線・レーン・記号)をチームの共通言語として借りるつもりでOKです。練習ノートにそのまま写して、配布しても使えます。
言葉で図を描くためのルール(比喩・座標・番号化)
- 比喩:ピッチを「時計盤」に見立て、向きやズレを直感で共有します。
- 座標:縦の「レーン番号」、高さの「A/B」で場所を示します。
- 番号化:攻撃はA1〜A5、守備はD1〜D5のように役割を固定して混乱を防ぎます。
- 線の言語化:「ボール線/ニア線/ファー線」の3本で、距離と優先順位をそろえます。
この4つを使えば、紙がなくても、ピッチサイドの30秒でパターン確認が可能になります。
用語のミニ辞典(CK/FK/PK、ニア・ファー、セカンドボール ほか)
- CK(コーナーキック):コーナーからの再開。最初の受け手にオフサイドは適用されません。
- FK(フリーキック):ファウルなどで与えられるキック。間接/直接の別は主審の示唆に従います。
- PK(ペナルティキック):ペナルティマークからの1対1。キック時、GKは少なくとも片足の一部がゴールライン上(またはその延長線上)にある必要があります。
- ニア/ファー:キック地点に近い側がニア、反対側がファー。
- セカンドボール:最初の競り合い後に生じるこぼれ球。
- キッカー:蹴る選手。ランナー:走り込む選手。スクリーン/ブロック:合法の範囲で味方の進路を助ける体の使い方。
セットプレー戦術の全体像
攻撃と守備の共通原則(スペース・タイミング・役割)
- スペース:空いている所を作る/使う。攻撃は「空けてから入る」、守備は「空けさせないで触る」。
- タイミング:助走とキックの瞬間を合わせる。早すぎる合図出しは読まれやすい。
- 役割:誰がターゲット、誰がカバー、誰が合図、誰がカウンター残りかを明確に。
再開の種類と特徴:CK・FK・PK・スローイン・キックオフ
- CK:到達人数が多く、事前合図が豊富。相手も警戒しやすい。
- FK:距離帯で戦術が分かれる。壁・GKの視界操作がカギ。
- PK:技術に加えメンタル管理が成果を分ける。
- スローイン:テンポよく。相手の準備前に進入角度を作れる。
- キックオフ:相手の配置が固定されやすく、事前仕込みの効果が高い。
フェーズの分解:第1波・第2波・トランジション(守→攻/攻→守)
- 第1波:最初の落下点と競り合い。ここで無理に決めにいくか、意図的に「こぼし」ても可。
- 第2波:こぼれの回収と再投入。ここに点が生まれやすいチームは強い。
- トランジション:失った後/奪った後の最初の3秒。守→攻は出口、攻→守は即時プレッシャーとファウルマネジメント。
図なしで見える化するための基礎フレーム
時計盤モデル:12時(ゴール前中央)と3時/9時(サイド)の使い分け
相手ゴールを正面の12時、右サイドを3時、左サイドを9時とします。CK右アウトスイングなら「3時から12時へカーブ」、ショートコーナーで角度をずらすなら「3時から2時へ移動」のように表現。選手同士の口頭共有が一気に速くなります。
三線モデル:ボール線・ニア線・ファー線で位置関係を言語化
- ボール線:現在ボールがある縦線。
- ニア線:ボール線からゴール方向に最も近い到達線。
- ファー線:逆側の奥行き線。守備はこの線の裏抜けを嫌がります。
「ニア線に2人で重ねて、ファー線に遅れて1人差す」のように、線単位で指示が出せます。
レーン番号モデル:1〜5の縦レーンとA/Bの高さで座標化
ペナルティエリア幅を中心にピッチ横幅を縦に5分割して「レーン1(左外)〜5(右外)」とします。高さはAがエリア内、Bがエリア外1列目(アーチ周辺)。たとえば「AはA3へ突入」「回収はB2・B4の三角」を合言葉にすれば、迷いが消えます。
役割の記号化:A1〜A5(攻撃)/D1〜D5(守備)の担当整理
- A1:キッカー補助(ショート、フェイク、リスタート管理)
- A2:ニアのターゲット
- A3:中央のターゲット(最も得点期待が高い)
- A4:ファーの遅れ差し
- A5:第2波の回収・再投入
守備はD2=ニアカット、D3=中央主戦、D4=ファー管理、D5=外回収、D1=カウンター出口など、チーム事情で固定します。番号が定着すると、交代時の伝達が一瞬で終わります。
コーナーキック(攻撃)の基本
キッカーの利き足と軌道:インスイング/アウトスイングの使い分け
- インスイング(ゴールへ曲がる):ニアで触るだけ、GKへ密集させて混乱を作りやすい。
- アウトスイング(ゴールから離れる):走り込みの勢いを生かし、中央〜ファーでの打点が安定。
相手GKの出やすさ、風向き、味方の打点に合わせて選択。合図は「イン=赤、アウト=青」など単純でOK。
ニア集中の狙いと第2波の設計(落下点→こぼれ→再投入)
ニア集中は「触って流す」意図が核です。A2がニア線で最初に触り、A3が中央に合わせ、A5がB2/B3でこぼれを回収して再投入。言語例:「ニアタッチ→A3詰め→B3拾い」。1回目はシュートにこだわりすぎず、2回目の準備を先に整えるのがコツです。
合法的スクリーンとブロックの作法(身体の向き・接触の許容範囲)
- 進路妨害にならない立ち位置で、相手の視線と助走を切る。
- 肩で押さない、腕で掴まない。体の向きはボールとゴールに対して半身。
- 自分は止まって、味方が動く。接触は「当たる」ではなく「当たらせない」。
主審の基準を序盤に観察し、許容の幅をチームで統一します。
ショートコーナーの意図:角度変更・2対1・守備のライン崩し
ショートは「相手の準備を外す」ための角度作り。A1が寄って2対1を作り、ボール線をズラしてからA3/A4の背中へ。言語例:「3時→2時→A4裏」。守備が数的優位を作らないうちにテンポ良く。
セカンドボールの回収とカバー配置(PA外の三角形)
B2・B3・B4に三角を置いて、こぼれを左右どちらにも再投入可能に。A5はミドルも狙うが、最優先は回収。カウンターに備えて1人はボールと逆サイドの出口(B1またはB5)を封鎖します。
合図とトリガー:助走・手のサイン・偽装の組み合わせ
- 助走で合図:短い助走=ニア、長い助走=ファー。
- 手のサイン:片手=イン、両手=アウト、手を下す=ショート。
- 偽装:同じサインから別パターンを1割混ぜる(読まれ防止)。
コーナーキック(守備)の基本
マンツーマン/ゾーン/ハイブリッドの選択基準
- マンツー:相手の高さに強く、個の競り合いに自信がある時。
- ゾーン:ニア/中央の落下点管理に強い。走り込みへは受け身になりやすい。
- ハイブリッド:ニアと中央はゾーン、残りはマーク。実戦で扱いやすい選択。
ニア/ファーポスト管理とゴールライン保全
ニアは失点が最短。D2を強い跳ね返し役に。ファーは遅れ差し対策としてD4が一歩内側からスタート。ポストに人を置くかはチーム方針で。GKと相談し、視界と出やすさを優先します。
GKの出処と最終ライン(6ヤードの支配と声掛け)
GKはゴールエリアの優先権を明確に。「自分のボール」の声は早く、強く。DFはGKのコールに合わせてラインを一歩出す/下げるの統制を。接触を受けたら手を広げて体を守り、ファウルを誘うプレーは避けます。
マッチアップ設定:身長・ジャンプ・初速・性格特性まで
ジャンプ到達点だけでなく「最初の一歩の速さ」「当たり強度」「怖がらない性格」も考慮。ニアに“初速の速い”選手、中央に“空中戦の柱”、ファーに“遅れ差しを読める”選手を置くと整います。
カウンターの発火点:クリア方向と1st受け手の位置
クリアは「外・高く・長く」が基本。1st受け手はタッチライン沿いのB1/B5へ。2ndは内側に角度を作る位置。言語例:「外高クリア→外出口→内サポ」。
フリーキック(攻撃)の基本
距離帯別の優先戦術:近距離・中距離・遠距離の選択肢
- 近距離:直接/壁越え。GKのニア/ファーの立ち位置を見て選択。
- 中距離:背後ランと合わせ。壁の横や最終ラインの背中を突く。
- 遠距離:配球。セカンド狙いの設計を先に作り、1本目は落下点の争奪に集中。
キッカーとランナーの二者関係(見せ足と蹴り足)
助走の見せ足でGKと壁を動かし、蹴り足の最後の向きでコースを隠す。ランナーは「蹴り出しの0.2〜0.5秒前」に最終ステップを終える感覚を共有。言語例:「見せ足ニア→蹴り足ファー」。
守備壁の操作:視線・助走テンポ・踏み込みのずらし方
- 視線で壁を動かす(見ている方向に人は引っ張られやすい)。
- 助走テンポに緩急をつけ、蹴り足直前にスピードアップ。
- 踏み込みの角度を最後に変える(体の向きで逆を取る)。
逆足キック/変化球/グラウンダーのリスクとリターン
逆足やグラウンダーは意外性が強み。ただし壁に当たるリスク、カウンターの危険が上がります。第2波の配置が薄い時は選ばない、が安全策です。
パターン言語化テンプレ:『合図→動き出し→落下点→第2波』
例:「片手→二人逆走→A3点→B3/B4回収」。毎回この順で記録すると、振り返りが楽になります。
フリーキック(守備)の基本
壁枚数の決定と配置(コース切りとGK視界の両立)
壁はコースを消しつつ、GKの視界を確保。枚数は距離と角度、相手のキッカー質で調整。ジャンプする/しないは事前に統一します。
最終ラインとオフサイド管理(一歩の統制)
キック直前に一歩でラインをそろえる。バラつきは一発で破られます。背後のケアはGKのコールに合わせて。
セカンドアクションの予防(バウンド・弾きの回収)
こぼれ対策に、ボールの前(B2/B3)へ1〜2人。跳ね返りの軌道を予測し、最短で詰められる角度に立つ習慣を。
ファウルリスク管理と不要な接触回避
腕の伸び、抱え込み、背後からの体当たりはリスク大。相手の進路を読む守備足(体の正面)で勝負し、手は広げて見せる程度に。
スローイン戦術の基礎
サイド3角形の作り方(背中・足元・背後の三択)
スローインは「足元」「背中」「背後」の三択を常に用意。味方2人で三角を作り、受け手は相手を背負って足元、もう1人は背後へ流れる準備。言語例:「足→返→裏」。
ロングスローの可否判断(投擲距離・味方の空中戦)
届かないロングは逆効果。距離が足りない日はショートの連続でラインをずらしてから入れる方が安全です。
タッチライン沿いの圧縮と裏解放(圧→開→縦の反復)
あえてサイドに人を集めて相手を圧縮→一人が背中へ離れて受ける→縦へスイッチ。この反復で前進。合図は「圧→開→縦」。
5秒以内の意思決定と合図(声・身振り・視線)
ゆっくり投げるほど守備は整います。スローアーは5秒で決め、近い合図ワードで即実行。「ワン」「ツー」「リターン」で十分です。
ペナルティキック(PK)の要点
キッカーのルーティン設計(呼吸・視線・助走リズム)
毎回同じ手順がブレを消します。呼吸→ボール設置→助走歩数→視線の順で固定。シュートコースはゴール直前で決めるのではなく、助走開始前に決めておくと迷いが減ります。
GKの事前情報と駆け引き(傾向・立ち位置・フェイント)
相手の過去傾向、助走の角度、踏み込み足を見るのは有用です。立ち位置はギリギリまで中央寄り、キック直前にわずかに動いてプレッシャーを与えます(反則にならない範囲で)。
リバウンド対応の配置(蹴り手側/逆サイドの優先順位)
こぼれは蹴り手側に流れやすい傾向。1人は蹴り手側ポスト前、もう1人は逆サイドのクリア通路を確保します。
トレーニング設計:少人数でも成果を出す
最小構成ドリル:6人で作るCK/4人で作るFK
- CK(6人):キッカー、ニア、中央、ファー、外回収×2。パターンを3つ決め、5本1セット。
- FK(4人):キッカー、壁役、裏ラン×2。助走と合図のテンポ合わせを中心に。
コールワード辞書の作成(色・数字・動詞で簡潔化)
- 色:赤=イン、青=アウト、白=ショート。
- 数字:1=ニア、2=中央、3=ファー、0=フェイク。
- 動詞:押す=密集、離す=拡散、割る=壁の横を通す。
例:「青2割る」=アウトスイングで中央、壁横を狙う。
成功率の記録と振り返り(試行回数/到達率/オンターゲット)
記録は「到達(意図した落下点に届いたか)」「接触(味方が触れたか)」「シュート枠内」を分けて集計。感覚と結果のズレを可視化します。
映像なしでも検証できる記録紙フォーマット
テンプレ例:「日付|相手方式|風向き|合図|蹴種|落下点(A2/A3/A4)|第2波(B2/B3/B4)|結果(到達/接触/枠)|メモ」。ピッチ横のメモで十分です。
高校年代と一般の負荷・難易度の調整
- 高校:パターンは3つに絞って反復。走り込みの質とタイミングの共通化を優先。
- 一般:バリエーションを増やしすぎず、第2波の回収人数を厚めに。
分析とデータ活用
xGで読むセットプレーの価値(年間目標の立て方)
セットプレーはシーズン得点の一定割合を占めることが珍しくありません。まずは「CKから年間◯点」「FKから◯点」と具体化。練習本数と目標得点をリンクさせます。
配球ヒートマップの言語化(ゾーン頻度→狙いの可視化)
落下点をA2/A3/A4で集計し「どこに多いか」を言語に。偏りがあるなら、相手に読まれる前に1割の変化を混ぜます。
相手分析チェックリスト(キッカー傾向・守備方式・合図)
- キッカー利き足/助走/蹴種(イン/アウト/グラウンダー)
- 守備方式(マン/ゾーン/ハイブリッド)とニアの強度
- 合図(手サイン/助走癖)と第2波の配置
反則とルール理解の要点
合法と反則の境界:ブロック・ホールディング・GK干渉
進路妨害や抱え込みは反則。GKへの不当な接触もNGです。スクリーンは「相手を見ない」「手を使わない」「自分の位置を守る」ことが基準になります。
主審の基準の把握とアジャスト(序盤の観察)
序盤の数本で基準を観察。注意を受けたら即修正し、同じプレーを繰り返さない。キッカーは主審に壁距離の確認を冷静に行い、リスタートの合図を見落とさないように。
再開時刻と合図(笛・壁距離・ボール静止)
主審の笛、ボールの静止、壁の距離(規定距離)を守ること。早すぎるリスタートの失敗は避け、約束事を徹底します。
よくある失敗と対策
合図の未共有による動き出し不一致
対策:合図は「色+数字+動詞」の3点セットに固定。交代選手には最初にコール辞書を共有。
セカンドボール無人地帯の発生
対策:B2/B3/B4の三角を必ず1人ずつ。A5の責任区画を固定し、蹴る前に声で再確認。
GKへの過度な干渉でのファウル失点
対策:GK周辺は接触を避け、進路に立つだけ。腕や肩でのブロックはしない。
パターン固定化による読まれ対策(1割の変形を常備)
対策:普段の合図から1割の変化(落下点/助走/ショート挿入)を常に用意。試合の流れで使い分けます。
チーム内の役割設計とコミュニケーション
セットプレーリーダーと副リーダーの分担
リーダーは合図決定と主審コミュニケーション、副リーダーは第2波とカウンター残りの管理。責任の所在が明確だと迷いが消えます。
キッカー序列と代替案(利き足・風向き・疲労)
序列表を作り、風やピッチ状態で即入れ替え可能に。直接狙い/配球狙いの担当も分けると判断が速いです。
ピッチ内合図/ピッチ外準備(カード・メモ・口頭)
ミニカードに「色・数字・動詞」の辞書を印刷し、ベンチとピッチで同じ言葉を使う運用に。
交代時の即時共有プロトコル
交代選手は最初に「A/D番号」「今日の3パターン」「相手の守備方式」を10秒で共有。これだけで十分機能します。
試合運用の戦略とコンテクスト調整
スコアと時間帯での選択(逃げ切り/追撃/均衡)
- 逃げ切り:A5を厚く、残し人数を増やしカウンターケア重視。
- 追撃:ニア密度を上げ、リスク許容。第2波の枚数も増やす。
- 均衡:ショートで揺さぶり、相手の基準を崩してから強パターン投入。
風雨・ピッチ条件・ボール特性の影響
向かい風はアウトスイング有利、追い風はインの失速に注意。濡れたピッチはグラウンダーが伸びやすく、弾くボールは第2波が生きます。
審判・相手ベンチの反応を読むマネジメント
抗議が増えるほど試合は止まり、リズムが切れます。冷静さはセットプレーの成功率に直結します。
リスクとリターンのバランス設計(守備枚数/残し人数)
CK時に相手が2人残すなら、こちらも3人残しは危険。最低限の数でカバーし、背後のスペースを消しておくこと。
明日から使える言語化テンプレ集
CK攻撃3パターン(ニア密集/ファー剥がし/ショート展開)
- ニア密集:「赤1押す→A2触→A3詰→B3拾」
- ファー剥がし:「青3離す→A4遅差→折返→A3」
- ショート展開:「白→2対1→2時へ→A3裏」
FK攻撃3パターン(壁越え/裏ラン/グラウンダー差し込み)
- 壁越え:「片手→壁上→枠→B3詰」
- 裏ラン:「青2→縦刺→A3抜→折返」
- グラウンダー:「白→壁横→A2スルー→A4」
CK守備2パターン(ニア強固/ハイブリッドライン)
- ニア強固:「D2固定→D3援護→外回収B2/B4」
- ハイブリッド:「ニア/中央ゾーン+外マン→GKコール優先」
スローイン2パターン(受け直し/背後解放)
- 受け直し:「足→返→縦」
- 背後解放:「圧→開→裏」
まとめと次の一歩
個人向け自主練メニュー(助走・ヘディング・キック精度)
- 助走:3歩・4歩・5歩で蹴り分け、最後の一歩の角度を変えて狙いを隠す。
- ヘディング:立ち・一歩・助走ありの3段階で打点を安定。
- キック精度:マーカー3点に対してイン/アウト/グラウンダーを各10本。
チーム導入チェックリスト(合図・配置・担当・検証)
- 合図:色/数字/動詞の辞書を作成
- 配置:A1〜A5/D1〜D5の固定
- 担当:キッカー序列と代替案
- 検証:記録紙フォーマットで毎試合更新
継続改善のサイクル:計画→実行→記録→微調整
セットプレーは「小さな差の積み重ね」です。今日の言語化をそのまま練習に持ち込み、次の週末に微調整。第2波の強化と合図の明確化だけでも、得点と失点のバランスは確実に変わります。
あとがき
図がなくても、言葉で同じ絵を描ければ現場は変わります。時計盤・三線・レーン・役割記号。この4つをチームの共通言語にした時点で、セットプレーの質は一段上がります。まずは「今日から3パターン」「第2波の三角」を合言葉に。次の一本に、準備の差を乗せていきましょう。
