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バックパスでプレス回避!高校生必見サッカー戦術&具体的練習法

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サッカーの技術や戦術が年々進化し、特に高校生年代では「プレス」を仕掛ける守備の強度が格段に上がっています。そんな中で自分たちのボールを失わず、効果的に攻撃へとつなげていくために欠かせないのが「バックパス」を使ったプレス回避。この記事では、高校生以上の選手やそのご家族に向けて、バックパス戦術の意義、具体的な活用法、さらには日々の練習から実戦につなげるアドバイスまで、しっかりと解説します。理論だけでなく「明日からピッチで使える」実践的方法もたっぷりお伝えしますので、ぜひ最後まで読んでください!

目次

バックパスと現代サッカー ― その重要性と役割

バックパスの変遷と戦術的価値

かつてバックパスは単なる「安全策」としてネガティブに捉えられることもありましたが、今や世界中で当たり前のように使われる攻撃的な戦術の一つ。特に1992年のFIFAのルール改正(ゴールキーパーの手によるバックパスキャッチ禁止)以降、選手たちはバックパスを“リスクを怖れて下げる”動作ではなく、「相手のプレスを外し、より有利なポジションを作るため」の積極的な選択と見なすようになりました。現代サッカーでは、ボールを保持しながら相手の守備網を崩すために、バックパスを駆使することが極めて重要です。

日本サッカーでのバックパス活用事例

Jリーグや日本代表の試合を観ていても、「危険を避ける」だけでなく、「ピッチ全体を使い切る」という意味でバックパスが多用されています。例えば後方に下げてからサイドチェンジ、もしくはゴールキーパーまで戻すことで相手の前線プレスを無効化し、一気に攻撃へつなぐなど、日本サッカーでもポゼッションスタイルのチームを中心にその価値が高く認識されています。

バックパスでプレス回避が求められる背景

高校サッカーにおけるプレス強度の高まり

近年の高校サッカーでは、個々の身体能力向上や戦術理解の深まりから、より組織だった「ハイプレス」を仕掛けるチームが増えてきました。相手は前線から一気に人数をかけてプレッシャーをかけ、パスコースを限定し、ボールを奪いに来ます。この流れの中では、「慌てて前に蹴る」のではなく、しっかりとボールをコントロールし、冷静にバックパスを活用してプレスを回避する力が全ポジションに求められています。

相手守備におけるプレスとその特徴

プレス守備の特徴は「複数人でボール奪取とパスコースの遮断を同時に狙う」点。これによってパスの選択肢が減り、ミスを誘われやすくなります。そんな中で、正確なバックパスやサポートの動きによって一回ボールを下げ、相手の出方を伺いながら新たなスペースやパスコースを作り出すことが大事なのです。

バックパスを使ったプレス回避の基本戦術

ポゼッション維持のための選択肢

ポゼッション、つまりボール保持を維持することが、現代サッカーで追求される戦術の大前提です。その中で「前に進めない」「選択肢がない」時の逃げ道として、バックパスは極めて重要なオプションとなります。後方にボールを戻すことで一度立て直し、味方全体のラインや形を再整備することも可能です。

スペースを生むためのバックパスの使い方

バックパスにより相手守備陣もポジションを修正しなければいけません。その瞬間に生まれる隙(例えばサイドで1人フリーになるなど)や、中央が空くケースも珍しくありません。「下げる」ことが逆に「前進」のきっかけになる、というのが戦術的なポイントです。

相手逆を取る動きと連動

個人だけでなく、チーム全員が連動して「相手を引き出す→逆を取る」ことでバックパスの価値がより高まります。例えば、中央へのパスコースを消されたとき、バックパスをして一度相手を前に引き出し、その後逆サイドへスイッチすると、ノーマークの選手が生まれる…といった連続性のある動きも経験を通じて学ぶべき部分です。

実戦で使える!具体的なバックパス活用パターン

ゴールキーパーへの有効なバックパス

ピンチの際だけでなく、ゴールキーパー(GK)を1人のフィールドプレーヤーと見立てて活用できるのが現代サッカーの大きな特徴です。GKへのバックパスからワンタッチでサイドチェンジ、もしくは逆サイドのCB(センターバック)を経由した再保持など、多様な選択肢が広がります。GK自身の足技向上が進んできたことで、この形は高校生以上では必須の戦術といえます。

センターバックとサイドバックの連携

最終ラインでは、センターバック(CB)からサイドバック(SB)、逆にサイドから中央という具合に、柔軟な連携が必要。相手のサイドプレス時にCBがバックパスで回避→SBが一度戻す→再び空いたスペースに楔を入れるなど、連動したポジションチェンジで守備網を揺さぶり続けることが、プレス回避への絶対条件です。

中盤でのリターンパス活用

中盤で縦パスを受けたとき、無理に前を向こうとすると簡単にボールを奪われてしまうことも。そんな時は一度後ろにリターンし、再び顔を上げて攻撃の糸口を見つけるのが効果的です。リターンパスによって周囲の味方が連動し、新たな突破口が生まれます。

ピッチ全体のバランスを崩す工夫

ピッチ全体を使えば、相手ディフェンスの陣形の隙を見つけやすくなります。例えば右サイドで組み立てている時に、CB→GK→逆SB→サイドチェンジという流れで、ピッチ幅を最大限に使う意識も大切です。これを繰り返すことで相手の守備ブロックに横ズレが生じ、縦にも斜めにも前進しやすくなります。

バックパスでのリスク管理と注意点

バックパスミスによるリスク例

バックパスは有効ですが、ミスをすると致命的な結果を招くこともあります。例えば不用意なパススピード、不正確な方向などは、相手にボールを奪われてそのまま失点、あるいは流れを一気に持っていかれるリスクに直結します。特にゴール前でのミスは取り返しがつかないため、慎重かつ丁寧な技術が求められます。

リスクを減らすための判断基準

「本当に下げるべきか」「縦に行くべきか」は、その場の状況を適切に見極めて決断しなければいけません。判断材料としては、自分と味方との距離や角度、相手プレスの人数やスピード、ボール保持者がどれだけ余裕を持てるか、相手の残り人数などを常に意識しましょう。「なんとなく下げる」のではなく、意図をもった選択がミスを大きく減らすコツです。

意思疎通と声かけの重要性

パスを出す側・受ける側の意思疎通も不可欠です。「バック」「マンマーク来てる」などといった声かけ、または手のジェスチャーなどを日頃の練習から習慣化しておくと、実戦でも落ち着いてプレーできます。「お互いの意図がズレない=ミスが減る」というサイクルが生まれます。

高校生が身につけるべきバックパス技術

正確なキック技術の向上方法

バックパスには高い精度のキックが必要です。インサイドキックで短い距離、インステップや足の甲で長めのレンジを狙い分けるなど、シチュエーションによって使い分けられることが理想です。日常的に「どの距離・どんな体勢でも狙ったところへ正確にボールを送る」ことを意識して練習しましょう。

視野の確保と判断スピード

バックパスは視野が狭いと逆に危険なプレーになります。プレッシャーを感じても、できるだけ顔を上げ、受け手・相手・スペースの全体像を把握してからパスする習慣を身につけたいところです。また、1テンポ遅れるだけで相手に詰められる…そんな場面が多いので、「もらう前・受ける前」の判断スピードも同時に意識しましょう。

プレッシャー下での正しい姿勢

相手のプレスを受けながらでも、体の向きや足のステップを工夫すると視野を確保しやすくなります。パスを出した瞬間、そのまま静止するのではなく、次の動きへの準備(サポート、カバー、受け直しなど)までが一連のサイクルとして身につくとより安全です。

バックパスを活かすための具体的練習法

基本ドリル:正確なバックパス

1対1~2対2の近距離パス練習から、「どんなプレッシャーや体勢でも正確に後ろへボールを返す」ことにフォーカスしたドリルがおすすめです。たとえばコーンでターゲットを作り、決まった足、ワンタッチでパスを出し直すなど、反復で感覚を磨きましょう。

プレッシャー練習:限定空間でのパス回し

狭いグリッド内で2対1・3対2といった数的優位の状況を作り、その中でどれだけ冷静にバックパスやリターンパスを活用できるか練習する方法です。相手のプレッシャー強度を徐々に上げていくことで、実際の試合により近い緊張感の中で精度と判断スピードを磨けます。

ゲーム形式:数的優位を生かしたビルドアップ

GKを含めたディフェンス→中盤のビルドアップ練習は、バックパスの活用を意識しやすい絶好のメニューです。例えば「5対3」で守備側のプレスを仕掛けつつ、攻撃側がどれだけ有効なバックパスやサイドチェンジを駆使して数的優位を維持できるか、ゲーム形式でトライし続けることが有効です。

親が知っておきたい、子どもの成長を促すアドバイス

試合中にできるサポートの形

試合を観戦するときは、単なる結果やミスだけではなく、「どんな意図でそのプレーを選択したのか?」にも注目しましょう。「しっかりボールをつなごうとしている」「周りを見てパスを選ぼうとしている」など、考えたうえでのプレーには積極的な声援と称賛を送りたいところです。

失敗から学ぶための声かけ

バックパスでのミスは、誰にでも起こりえます。ミスを責めるのではなく、「どうしてそうなったか?」「次にどうチャレンジするか?」といった前向きな声掛けを心がけることで、子どもたちは自分なりに「チャレンジ→改善→成長」へつなげることができます。

自主練や家庭でのサポートのコツ

家の庭や近所の広場など、ちょっとしたスペースがあれば親子でパスの練習ができます。背中側から声をかけてパスを呼び込ませるなど、「周囲を見る・声を聞く」感覚を養う練習もおすすめです。また、試合映像を一緒に見ながら「今のバックパスはなぜ有効だった?」と問いかけ、自分の頭で考えさせてみるのも効果的です。

バックパス戦術をレベルアップさせるために

さらに上のレベルを目指すには

バックパスは単なる逃げ手段ではありません。より高いレベルでプレーしようとするなら、パスを出す瞬間の状況把握、味方との連携、そして「次のプレー」への準備まで一体化して考える必要があります。焦るのではなく、どれだけ落ち着いて自分達のプランを遂行できるかが違いを生みます。

参考になる海外・プロの実例

世界のトップクラブ・代表チームを観察すると、GKを中心にしたビルドアップやセンターバックからの的確なバックパス活用で、相手のハイプレスを見事にかわしているシーンが多々あります。例えばバルセロナやマンチェスター・シティなど、トップレベルではバックパス一つで局面を大きく変えています。動画などで研究してみるのもおすすめです。

情報発信メディアの活用と自分に合った戦術分析

今はSNSやYouTube、または解説付きの戦術サイトなど、様々な媒体で簡単に戦術情報を得られる時代です。ただ、情報を鵜呑みにせず「自分やチームならどこが当てはまるか?」という視点を忘れず、実際の練習や試合でトライ&エラーを繰り返すことが最大の成長材料です。

まとめ ― バックパスで「つなぐサッカー」を自分のものに

バックパスを使いこなす力は、試合を通じて自分やチームのペースを生み出す大きな武器です。ただ単に「後ろへ下げる」ではなく、意図を持ってパスを選び、周囲と連動しながらプレスを回避し、攻撃やビルドアップへとつなげていく――これこそが勝つため・成長するためのサッカー戦術です。
日々の練習を一歩ずつ積み重ね、バックパスの質と判断力を磨いていきましょう。今日から意識してトライしてみてください!

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