目次
- ローブロック 練習方法が図解級にわかる再現ドリル
- ローブロックとは?定義と目的
- ローブロックの原則:図解級に伝えるキーファクター
- 再現ドリルを“図解級”に読むためのルール
- 基本セットアップ:4-4-2ローブロックの配置
- ドリル1:ライン間圧縮と横スライドの基礎
- ドリル2:外切りでタッチラインへ誘導→奪い切り
- ドリル3:ハーフスペース遮断の“8の字スライド”
- ドリル4:クリア後の押し上げと深さ管理
- ドリル5:クロス対応とニアゾーンの優先順位
- ドリル6:奪った後の脱出パスと陣形維持
- ドリル7:数的不利での遅らせとブロック再形成
- ドリル8:ゲーム形式 6v6+2GK(3ゾーン制限)
- ポジション別コーチングの要点
- 合図とコミュニケーション辞典
- よくあるミスと即効修正ドリル
- 評価とデータ化:ローブロックKPI
- 年齢・レベル別の進め方
- セッションプラン例(60分/90分)
- 試合への落とし込み:週内周期と対策準備
- FAQ:ローブロック 練習方法が図解級にわかる再現ドリル
- 用語集(簡潔定義と実戦での使い方)
- まとめ
ローブロック 練習方法が図解級にわかる再現ドリル
相手の攻撃を自陣深くで受け止め、粘り強くゴールを守り切るローブロック。走る距離を抑えながらも、チームとして賢く戦える強力な選択肢です。本記事では、ローブロックの定義と目的から、原則、具体的なドリル、評価指標までを「図解級」に言語化。ピッチ上でそのまま再現できるよう、サイズ、人数、合図、成功基準を細かく明記しました。チーム全員で共通理解を作り、練習から試合へまっすぐつなげましょう。
ローブロックとは?定義と目的
ローブロックの定義と特徴(自陣深くでのコンパクト守備)
ローブロックは、自陣の深い位置に守備ラインを敷き、縦横にコンパクトなブロックを形成して中央を固める守備戦略です。ゴール前の危険地帯にスペースを与えないこと、無理に奪いに行くのではなく、相手の攻撃を外へ誘導しながら「奪える確率が高い場所」で狙い撃ちするのが特徴です。
採用する試合状況と狙い(リード時・格上相手・移動距離の最適化)
- リード時:無理な前進を避け、危険の少ない選択で時間を進める。
- 格上相手:中央の高価値スペースを消し、相手の強みを弱める。
- 移動距離の最適化:チーム全体の走行距離と高強度走行を抑え、終盤の落ちを防ぐ。
狙いは「中央封鎖」「外誘導」「奪ってからの出口確保」。失点を減らすだけでなく、奪った後の一撃につなげやすいのも利点です。
成功基準とベンチマーク(被危険エリア侵入・被クロス・被決定機)
- 被危険エリア侵入:ペナルティエリア中央〜ニアゾーンへの侵入回数を抑制。
- 被クロス:本数だけでなく「自由に上げられたクロス率」を下げる。
- 被決定機:明確なフィニッシュに至る回数を減らす。
結果だけでなく過程(ラインの高さ、ライン間距離、押し上げ速度)も合わせてチェックします。
ローブロックの原則:図解級に伝えるキーファクター
縦横のコンパクトネス目安(縦25〜30m・横35〜40m)
目安として、最終ラインから前線までの縦幅は25〜30m、横幅は35〜40m。相手のサイドチェンジ時でも、ボール移動中に横スライドして幅の超過を防ぐのが基本です。
体の向きとカバーシャドウ(内切り/外切りの使い分け)
- 中央封鎖時:内切り(内側をカバーシャドウで隠す)。
- 奪い所設定時:外切りでタッチラインへ誘導。
- 肩の向き:パスコースを消しつつ、次の一歩が出やすい半身を維持。
ライン間距離と優先順位(CB—CMF間8〜12m)
センターバックとセンターミッドの間は8〜12mを目安に。10番エリアの受け手に前向きで持たせない距離感が最優先。前に出る動きは「背中がカバーされている」時に限定します。
スライド速度と合図(ボール移動中の同調・最短3ステップ)
相手の足からボールが離れた瞬間にスライドを開始。最短3ステップでポジションに到達する意識を合わせます。声の合図(外・内・押し上げ)と手の示しで遅れをゼロに。
中央封鎖と外誘導の意思統一(ハーフスペースの管理)
ボールサイドのハーフスペースは最優先管理エリア。内側を締めてパス角を切り、外へ誘導。外でボールを受けられても、ニアゾーンとカットバックを最優先でケアします。
再現ドリルを“図解級”に読むためのルール
表記ルール(色・記号・役割の凡例)
本記事では文字で「図解級」に再現します。A=守備側、B=攻撃側、F=フリーマン、→=パス、⇒=意図した誘導、◎=合図、★=成功基準の到達を示します。
フィールド寸法の基準(フル/横転・ハーフ/1/3コート)
- フル/横転:横幅をやや狭めて移動距離を管理。
- ハーフ:PAを含む実戦距離でクロスやカットバックの質を再現。
- 1/3:原則の反復に適した密度で学習効果を高める。
人数差と制限設定の思想(制約で原則を浮き彫りに)
攻撃側にフリーマンを足して難易度を上げ、守備側には「奪い所」「押し上げ合図」の制約を課すことで、狙った原則が自然に出るようにします。
レベル別アレンジ方法(初級/中級/上級の変更点)
- 初級:人数少なめ、接触軽め、制限多め(方向指定)。
- 中級:実戦サイズ、フリーマン追加、制限は半分に。
- 上級:フリー寄り、時間制限とKPI評価を厳格に。
基本セットアップ:4-4-2ローブロックの配置
最終ラインの深さと幅(PA端基準・オフサイド管理)
最終ラインはPA幅の外側を基準に、CBはPA端〜端の内側で連携。背後はGKと共有してオフサイドを焦らず管理します。
中盤4枚の弓形配置(縦スライドと斜めカバー)
中盤はボールサイドが一歩前、逆サイドが一歩内へ絞った弓形。縦ズレは8〜12mを超えない範囲で。斜めのカバーでハーフスペースを塞ぎます。
2トップの役割(背後遮断と逆サイド切り)
2トップはDMラインへの縦パスをカバーシャドウで遮断しつつ、逆サイドの展開を遅らせる角度を作ります。
ライン間の空間管理(10番エリアの消し方)
CMの片方が10番エリアの受け手を監視、CBは背後の走り出しに同調。受け手が前を向く前に身体を当てさせない距離で管理します。
ドリル1:ライン間圧縮と横スライドの基礎
目的(中央封鎖の型を体得)
ライン間を狭く保ち、ボール移動中に横スライドで中央を割らせない型を身につけます。
設定(20×35m/8v6+フリーマン)
サイズ:縦20m×横35m。A=守備6(4-2の形)、B=攻撃8(6+F2)。Bは中央突破を狙い、Aは中央封鎖と外誘導を徹底。
手順(無圧→軽度有圧→方向制限あり)
- フェーズ1:無圧ビルドに対して形だけスライド(合図と距離感確認)。
- フェーズ2:軽くプレッシャー、Aは内切り優先で外へ誘導。
- フェーズ3:Bは「中央→外→戻し」制限。Aは戻しに合わせて一斉スライド。
コーチングポイント(ボール移動中に動く)
- 声の優先順位:CB→CM→SB/CF。
- 受け手の利き足側へ体を向け、内側の線を消す。
- ライン間8〜12mを常に確認(背後の名指し声かけ)。
成功基準・よくある失敗(列のズレ/縦に裂ける)
- ★中央侵入ゼロ/1分間:達成でフェーズ昇格。
- 失敗例:2列目が遅れて縦に裂ける→逆サイドCMの初動を早く。
ドリル2:外切りでタッチラインへ誘導→奪い切り
目的(サイドで数的優位を作る)
外へ誘導し、タッチラインを「味方の守備者」にして囲い込み、ボールを奪い切ります。
設定(25×40mサイドレーン強調/6v6+2フリーマン)
左右各5mのサイドレーンにマーカー。BにF2名(内外に配置可)。Aは外切り徹底。
手順(内閉じ→外誘導→囲い込み)
- 内閉じ:CFとCMで縦パスを消す。
- 外誘導:SBが角度を作り、サイドへ⇒。
- 囲い込み:SB・SH・CMの三角で二方向を同時に刈り取る。
合図とトラップ(ショルダーチェック・声かけ)
◎「外!」で外切り統一。SBは肩越し確認→接近、SHは戻りのラインを先取。CMはカットバックの線上に立つ。
成功基準(サイドでの奪取率・縦突破の遮断)
- ★サイドレーン内での奪取率50%以上。
- 縦突破ゼロを1分継続で勝ち。
ドリル3:ハーフスペース遮断の“8の字スライド”
目的(内側侵入のパスライン消去)
ボールサイドCMが前に出て圧力、逆サイドCMが絞って背後を管理する“8の字”の動きを統一します。
設定(ハーフスペースレーン可視化/7v7)
縦ラインでハーフスペースを可視化。A7(4-3の型)、B7(2-3-2)。Bはハーフレーンの受け手を多用。
手順(ボール側中盤の前進→逆サイドの絞り)
- CM(ボール側):半身で前進し内側パスを遮断。
- CM(逆):CBの前に落ち、10番エリアを一時封鎖。
- SH:SBの内外どちらも守れる待ち方で二択を遅らせる。
身体の向きと足の運び(開きすぎ防止)
足元はやや内向き、腰は相手と味方の両方を視野に。開きすぎると縦のスルーを許すので、膝の向きで角度を調整。
チェック項目(縦ズレと背後管理の両立)
- CMの前進とCBのコーチングが同時か。
- 背後ランに対してSB/CBどちらが引き受けるかが即決できているか。
ドリル4:クリア後の押し上げと深さ管理
目的(セカンド回収とブロック再形成)
クリア後の3秒でラインを整列し、二次波を跳ね返す土台を作ります。
設定(30×40m/波状攻撃想定の連続レップ)
コーチが連続でボール供給。Aはクリア後、押し上げラインをコーンで可視化。
手順(クリア→3秒ルールでラインアップ)
- クリア方向は原則「外・高く・長く」。
- 3秒でPA外にラインアップ。CMが先に声でリード。
トリガー(GKの声・CBの第一歩)
◎「出る!」の声と同時にCBが一歩前。これが全体のスイッチになります。
成功基準(押し上げ速度・二次波の抑制)
- ★クリア→ラインアップを3秒以内で80%達成。
- 二次波のPA進入を半減。
ドリル5:クロス対応とニアゾーンの優先順位
目的(ニア攻撃の無力化と走り込みの捕捉)
ニアゾーンを優先し、走り込みを捕まえる分担を明確にします。
設定(サイド起点5v5+GK/PA幅)
PA幅で実施。Bはサイドからのクロス多用。Aは役割固定で反復。
手順(ボールウォッチ防止→人/ゾーンの分担)
- SB/SH:クロッサーの足元へアプローチ、自由クロスを許さない。
- CB(ニア):ニアを最優先で占有。
- CB(中央):中央の走り込みをスクリーニング。
- CM:カットバックの線上にセット。
役割分担(ニア/中央/ファー/カットバック)
- ニア:CBまたはSB(状況優先)。
- 中央:逆CB。
- ファー:逆SB+SH。
- カットバック:CM。
成功基準(被決定機率・クリア方向の質)
- ★ニア側での被決定機ゼロ/3本連続。
- クリアは「外・高く・長く」70%以上。
ドリル6:奪った後の脱出パスと陣形維持
目的(奪って終わりにしない)
ボール奪取から前進の出口を確保し、陣形を崩しすぎない移行を鍛えます。
設定(25×35m/奪取後10秒で前進目標)
Aは奪取後10秒以内にハーフライン相当を越える、もしくは3本連続パスで加点。
手順(出口の確保→ファーストタッチの方向)
- CFは常に一方の出口を提示(内or外)。
- 奪った選手は外側の安全方向へファーストタッチ。
連携(CFの背負い・サイドの裏抜け)
CFの背負いにSHが縦抜け、SBは安全なサポート角度で逆サイドへ展開の準備。
評価(3パス連続・テリトリー脱出率)
- ★3パス連続成功率60%以上。
- 自陣テリトリー脱出率(10秒以内)50%以上。
ドリル7:数的不利での遅らせとブロック再形成
目的(緊急時の失点回避行動)
カウンター被弾時の遅らせと時間稼ぎ、復帰の優先順位を統一します。
設定(移行局面3v2/4v3反復)
Bが数的優位で前進。Aは最短コースを遮り、時間を作ることが目的。
手順(最短コース遮断→時間稼ぎ→復帰)
- 角度を作ってシュートラインを遮断。
- 身体を正対させすぎず、外へ⇒。
- 戻り組はPA正面を最優先で復帰。
コーチング合図(遅らせ/待て/角度)
◎「遅らせ!」「待て!」で飛び込ませない。「角度!」で外へ誘導。GKはシュート距離のコールを継続。
成功基準(シュートブロック・PA進入遅延)
- ★最初のシュートをPA外に限定80%。
- PA進入まで5秒以上遅延を50%以上。
ドリル8:ゲーム形式 6v6+2GK(3ゾーン制限)
目的(原則の試合転用)
原則をゲームに落とし込み、意思決定と合図の質を上げます。
設定(縦50×横45m/3ゾーン通過制限)
自陣/中盤/敵陣の3ゾーン。Bは中央経由でしか敵陣へ入れない制限、Aは外誘導で加点。
得点ルール(サイド奪取→加点・中央遮断→加点)
- サイドレーンで奪取:+1。
- 中央遮断→外誘導成功:+1。
- 奪取後10秒以内の前進成功:+1。
制限解除の進行(終盤は自由プレー)
前半は制限あり、後半は解除して自由プレー。原則が自然発生するかを確認します。
振り返り(映像と口頭でのチェック)
映像があればベスト。なければ役割別に30秒ずつ口頭で要点共有。「何を見て」「なぜそうしたか」を言語化します。
ポジション別コーチングの要点
センターバック(深さとライン統率)
最終ラインの深さを決め、押し上げの第一歩を出すリーダー。ニア管理と背後の声かけを切らさない。
サイドバック(出る/待つの判断基準)
クロッサーへ出るのか、カットバックに備えるのかの二択は「味方の戻り人数」「ゴールとの距離」で判断。
センターミッド(縦ズレと逆サイド絞り)
前に出るCMと絞るCMの役割交代を素早く。10番エリアの受け手に前を向かせない距離感を死守。
ウイング/サイドハーフ(背後管理とカットバック警戒)
SBの背後を見ながら、カットバックの線上に戻る。スプリントの質が生命線。
センターフォワード(背中消しと出口の提供)
相手DMの背中を消し、奪取後の出口になるポジショニング。背負いの安定がカウンターの起点。
ゴールキーパー(コーチングとカバー範囲)
押し上げのトリガー役。クロスの質、シュート距離のコール、ライン背後の掃除を担当。
合図とコミュニケーション辞典
キーワード集(外/内/遅らせ/押し上げ/スイッチ)
- 外:外へ誘導する角度を作る。
- 内:内側を閉じる、カバーシャドウ意識。
- 遅らせ:時間稼ぎ、飛び込むな。
- 押し上げ:ラインアップ開始。
- スイッチ:マーク受け渡し。
誰が言うか・いつ言うか(優先順位)
優先順位はGK>CB>CM>SB/SH>CF。ボールが動く「前」に出すのが基本。
非言語合図(手の示し・体の向き・一歩目)
指差しで空けたくないレーンを明示、体の向きで誘導先を共有、一歩目でチームの合図を合わせます。
よくあるミスと即効修正ドリル
ライン間が空く(縦圧縮リマインド)
修正:8秒間の「圧縮コール」ドリル。CBのコールに合わせて全員が2m前進→維持。
ボールウォッチング(背後チェックの習慣化)
修正:3秒ごとショルダーチェックコール。コーチが「見る!」の声で全員が背後を確認。
サイドの出足が遅い(合図と初動距離の短縮)
修正:「3ステップ先取り」ドリル。パスが出る前に3歩分の角度作りを義務化。
クリア方向が悪い(二次波に繋がるNG例)
修正:外・高く・長くの反復キック。目標ゾーンにネットを置き、成功率を数値化。
反復テンポの作り方(短時間高頻度)
90秒オン/60秒オフを基本に、総レップを増やす。質が落ちたら即リセット。
評価とデータ化:ローブロックKPI
被PA侵入数/15分・被クロス数・被決定機
15分単位でログ化。クロスは「自由に上げられたか」も記録。
ブロック内パス成功率とインターセプト数
自陣ブロック内の守備側パス成功率(脱出成功)と奪いの回数で進歩を可視化。
ラインアップ時間(クリア→整列の秒数)
3秒基準で計測。平均と最遅値を把握して改善します。
セッション負荷管理(RPEとボリューム)
主観的運動強度(RPE)×時間で負荷を記録。ローブロック日は高強度走を抑えめに。
記録テンプレ(アナリティクスの最低限)
- 日時/テーマ/サイズ/人数/制限。
- KPI(PA侵入/クロス/決定機/ラインアップ秒)。
- 所感と次回の微調整。
年齢・レベル別の進め方
中高生向け(用語の簡素化と反復量)
言葉は短く、反復多め。合図を固定して迷いを減らす。
大学・社会人向け(相手分析の反映)
相手の得意形(偽9番、幅取り)に合わせて微修正。映像で事前共有。
ジュニア・親子練習(ミニゲーム化と安全)
当たりは軽め、コートは小さめ。合図は1つに絞る(例:外)。
女子・小規模チームのアレンジ(人数不足対応)
フリーマン活用で負荷を調整。休息をこまめに入れて質を担保。
セッションプラン例(60分/90分)
60分プラン(ウォームアップ→ドリル→ゲーム)
- W-UP10:ショルダーチェック+角度作り。
- D1 12:ライン間圧縮。
- D2 12:外誘導奪取。
- D6 10:脱出パス。
- Gm 16:3ゾーン制限ゲーム。
90分プラン(段階進行と評価タイム)
- W-UP15:合図と半身づくり。
- D1 12 → D3 12 → D5 15。
- D4 10:押し上げ反復。
- D6 10:カウンター出口。
- Gm 16+振り返り10。
用具チェックリスト(コーン/マーカー/ビブス)
コーン、マーカー、ビブス、ミニゴール(代替可)、ストップウォッチ、記録用紙。
天候・ピッチ条件での調整(屋内代替案)
屋内はサイズ縮小、接触軽め、カットバックの線上にマーカーで代替再現。
試合への落とし込み:週内周期と対策準備
週内マイクロサイクル(負荷の波形)
試合2日前にローブロックの強度をピーク→前日は合図とセットプレー最終確認。
相手スカウティングからの微調整(偽9番/幅取り)
- 偽9番:CMが10番エリアを優先管理、CBは釣り出されない。
- 幅取り:SBは出過ぎず、SHの戻りを前提に二人で対応。
プランB・C(押し込み時/同点追撃時)
押し込まれ過ぎたらCFを1枚下ろして5-4-1へ。追撃時は奪取後の即時前進ルールを厳格に。
交代とエネルギーマネジメント(70分以降の鍵)
SB/SHの交代はスプリントと戻りの質で判断。GKとCBの声量が落ちないよう随時リマインド。
FAQ:ローブロック 練習方法が図解級にわかる再現ドリル
Q1:ブロックが崩れる最大要因は?
ライン間の広がりと合図の遅れです。距離目安と「ボール移動中に動く」を徹底しましょう。
Q2:守り一辺倒にならないためには?
奪取後10秒の出口ルールを入れ、CFのポジショニングを常に出口優先にすることです。
Q3:個で強度が足りない時の工夫は?
角度で遅らせ、数的優位を作る時間を稼ぐ。外誘導とカットバック警戒を徹底します。
Q4:3バックでも同じ原則か?
基本原則は同じです。WBの背後管理とCBの横スライド幅がより重要になります。
Q5:ホームとアウェイで変えるべきか?
環境により押し上げのリスク許容度は調整しますが、中央封鎖と外誘導の核は変えません。
用語集(簡潔定義と実戦での使い方)
カバーシャドウ/外切り/内切り
相手の背中側でパスコースを影のように消す動き/外へ誘導/内を閉じる。
ハーフスペース/スライド/リトリート
サイドと中央の間のレーン/横移動で配置調整/後退してブロック形成。
スクリーニング/ニアゾーン/カットバック
走路を体で遮る/ゴール近くのニア側スペース/ゴールライン際からの折り返し。
PPDA・被PA侵入・セカンドボール
守備のプレッシング度を示す指標/PAへの侵入数/こぼれ球。
まとめ
ローブロックは「中央封鎖」「外誘導」「押し上げ」「脱出」の4本柱で成立します。本記事の再現ドリルは、サイズ・人数・合図・成功基準までを具体化し、現場でそのまま使える形にしました。まずは縦25〜30m・横35〜40mのコンパクトネスと、ボール移動中に動く同調から。サイドで奪い、ニアを守り切り、奪って終わりにしない。数値で成長を見える化しながら、試合の武器に落とし込んでいきましょう。
