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サッカー成長記録ノートの作り方:練習×試合がつながる1冊

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練習でできたことが、試合になると消えてしまう。逆に、試合で感じた課題が、翌週の練習には活かされない。そんな断絶を埋めるのが「サッカー成長記録ノート」です。目的は、毎日の練習・週末の試合・日々のコンディションを1冊でつなぎ、上達の再現性を高めること。このガイドでは、今日から作れて続けられる具体的なノート術を、テンプレートと記入例まで含めてお届けします。

この記事の狙いと『練習×試合がつながる1冊』の全体像

ノートで上達が加速する理由

上達は「気づく→試す→修正する」の反復です。ノートはそのループを目に見える形にします。書くことには、次の効果があります。

  • 焦点化:テーマが明確になり、練習の質が上がる
  • 記憶定着:言語化で学びが長持ちする
  • 客観化:感情に流されず事実で判断できる
  • 再現性:良かった理由・悪かった理由を次に活かせる

つまりノートは、努力を「ただの量」から「成果につながる質」へ変換する装置です。

練習と試合の断絶をなくす設計思想

このノートは「年間→月間→週間→1セッション」という階層を持ち、日々の記録が上位の目標につながる設計にします。さらに「映像×ノート」「練習×試合」「メンタル×フィジカル」を連動させ、ギャップ分析で次の行動に落とし込むのが核です。

このガイドの使い方(段階的に導入する)

  • ステップ1:週間テンプレと1セッション記録だけ始める
  • ステップ2:試合ページとAAR(振り返り)を追加
  • ステップ3:KPIと映像タイムコードの連携へ拡張

全部を一度にやる必要はありません。最小セットで回し、効果を感じたら要素を足しましょう。

準備編:ノート選びと必要ツール

紙かデジタルか:メリット・デメリットと併用のコツ

  • 紙の強み:素早く書ける・視覚的に全体が俯瞰しやすい
  • 紙の弱み:検索しにくい・動画と結びつけにくい
  • デジタルの強み:検索・タグ付け・リンク管理が容易
  • デジタルの弱み:入力に時間がかかる・通知に邪魔されやすい

併用のコツは「現場は紙、整理はデジタル」。練習・試合直後は紙で走り書き、週末にデジタルへ要点転記が継続しやすいです。

サイズとフォーマット(見開き・ルーズリーフ・スプレッドシート)

  • A5見開き:携帯性と書きやすさのバランスがよい
  • ルーズリーフ:ページの差し替えが簡単で年間→月間→週次の並び替えに便利
  • スプレッドシート:KPIの推移やsRPEの集計に最適

筆記具・付箋・インデックス・タイムスタンプの工夫

  • ペンは黒(本文)・青(事実)・赤(次アクション)で色分け
  • 付箋は試合ページに貼って、映像チェックのTODOを見える化
  • 月ごとインデックスで検索性UP
  • 全記録に日付と開始時刻を必ず記載(例:2025-04-12 19:00)

動画リンク・QRコードの管理方法(URL短縮・日付命名)

  • 動画は「YYYYMMDD_対戦相手_カテゴリー」で命名
  • URL短縮(短縮サービス)を使いノートに手書きで記入
  • 重要シーンはタイムコードをmm:ss形式でメモ
  • QRコード化してノートに貼れば、スマホで一発アクセス

設計図:年間→月間→週間→1セッションのフレームをつくる

年間テーマの設定(技術・戦術・フィジカル・メンタル)

まずは「今年の自分」を一言で。例:「前進の起点になれるMF」。そこから4領域に分解します。

  • 技術:ファーストタッチの質、両足パス、1対1
  • 戦術:ポジショニング、ライン間受け、守備の合図
  • フィジカル:スプリント、反復持久、コア
  • メンタル:集中維持、リセット、セルフトーク

期分け(オフ/プレ/インシーズン)と負荷管理の考え方

  • オフ:技術ベースと弱点克服、量よりフォーム
  • プレ:フィジカル構築と連携確認、負荷を段階的に上げる
  • イン:回復優先、試合での再現性にフォーカス

負荷は「主観的運動強度RPE(1〜10)」と時間を掛けてsRPEを算出(例:RPE7×90分=630)。さらに週合計の推移を見るとオーバーワークを避けやすくなります。

月間スプリント:3~4週間の集中テーマ

月ごとに「1~2テーマ」に絞るのがコツ。例:「背後へのランの質」「前向きのファーストタッチ」。KPIも2~3個に限定しましょう。

週間プランのひな型(予定→実施→レビュー)

  • 予定:今週のテーマ/KPI/試合のねらい
  • 実施:練習と補強のログ(RPE・時間・小さな気づき)
  • レビュー:良かった点3・課題3・Next Action3

1セッション見開きレイアウトの基本形

  • 左:目的・役割・仮説・メニュー・KPI
  • 右:出来た/出来ない・タイムコード・次アクション

目標設定とKPI:成果が見える『測れる目標』に落とす

長期・中期・短期目標をSMART化する手順

SMART(具体・測定・達成可能・関連・期限)。例:「3カ月でライン間受け回数を試合平均5回→8回にする」。

技術KPI例(1対1成功率・パス成功率・ファーストタッチ質)

  • 1対1成功率:試行/成功
  • パス成功率:前進パスの成功率を別で計測
  • ファーストタッチ質:前向きに出せた割合

戦術KPI例(ライン間受け回数・プレス成功・背後ラン)

  • ライン間受け回数:1試合での受け回数
  • プレス成功:奪取orミス誘発の回数
  • 背後ラン:有効な抜け出し回数(味方が使えたか)

フィジカルKPI例(スプリント回数・RPE・sRPE)

  • スプリント回数:全力走の本数
  • RPE:セッション直後に1~10で記録
  • sRPE:RPE×時間(分)で負荷の見える化

メンタル・コンディションKPI例(集中度・睡眠時間・主観的疲労)

  • 集中度:1~5で自己評価、時間帯も記録
  • 睡眠:就寝/起床時刻・中途覚醒
  • 主観的疲労:朝のだるさを1~5で

自己採点ルーブリックの作り方(5段階基準の言語化)

  • 5:意図通り再現・周囲を活かせた
  • 4:ほぼ再現・軽微なミス
  • 3:半分できた・課題が明確
  • 2:意図ズレ・再現度低い
  • 1:意図不明・消極的

練習記録の書き方:前→中→後で思考と行動をつなぐ

練習前:今日の狙い・役割・仮説を1行で書く

例:「狙い=前向きの初速。役割=アンカーからの前進の起点。仮説=背中に相手を置いた状態で半身の体の向き。」

練習中:メニュー・負荷・気づきの即時メモ術

  • メニュー名と本数、RPE
  • 気づきは電信文で(例:半身OK/背中圧に弱い)
  • チームメイトの一言も引用(客観ヒント)

練習後:成功/課題/次アクション(Next Action)

  • 成功3:具体的な場面と理由
  • 課題3:原因の仮説をセット
  • Next Action3:次回の実験にする

AAR(After Action Review)5問テンプレート

  1. 何が起きた?(事実)
  2. なぜそうなった?(原因)
  3. 何がうまくいった?(強み)
  4. 何がうまくいかなかった?(改善点)
  5. 次はどうする?(具体行動)

上達を早める『小さな実験』の設計と記録

例:「受ける2秒前から首振りを3回→結果:ファーストタッチ前向き率60→75%に上昇」。効果が出たらルーティン化します。

試合記録の書き方:準備→実行→検証で再現性をつくる

試合前:スカウティング・自分の役割・ねらい

  • 相手の特徴:ライン高さ・奪いどころ・キーマン
  • 自分の役割:フェーズ別(守→攻、攻→守)で明確に
  • ねらい:KPIに沿った個人テーマを1~2個

試合中:イベントタイムラインと簡易スタッツの取り方

ベンチや保護者の協力で、主なイベントを時系列で記録(mm:ss+タグ)。個人スタッツは最低限に絞ると続きます。

ポジション別観点(GK/DF/MF/FW)のチェックポイント

  • GK:ポジショニング、1対1の間合い、配球の選択
  • DF:ラインコントロール、カバー距離、対人の体の向き
  • MF:受ける角度、前進の選択、切り替え初動
  • FW:背後への駆け引き、サポート角度、フィニッシュ前の準備

試合後:自己採点・映像タイムスタンプ・改善計画

  • ルーブリックで自己採点
  • 良い/悪い各3クリップをタイムコードで記録
  • 次の練習で試す具体行動を1~2個に絞る

チーム戦術と個人課題をどう切り分けて記録するか

チームの方針(例:奪いどころ)と、個人の実行(例:プレスの角度)を別枠に。個人課題は自分で変えられる行動に限定します。

練習×試合をつなぐ『ギャップ分析』

うまくいった/いかなかったの因果を仮説化する

例:「前向きタッチ失敗=首振り不足×ボールスピード過多」。要因を2~3に分解し、次回の実験案へ。

優先順位の付け方(重要度×再現性×改善余地)

各課題を1~5で評価し合計点で優先度を決定。合計が高いものから着手します。

次週の練習設計に落とす(ドリル選定・負荷設定)

  • ドリル:課題に直結するメニューのみ3つ
  • 負荷:sRPEを前週比±10%以内で調整
  • 検証:KPIを1つ設定して効果測定

次の試合での検証ポイントを1~2個に絞る

例:「ライン間で半身を作る→前向き受け3回以上」。小さく勝つ体験を積み上げます。

チェックリストで抜けを防ぐ:技術・戦術・フィジカル・メンタル

技術チェック(トラップ/パス/ドリブル/シュート/ヘディング)

  • トラップ:体の向き/ボールの置き所/次の一手
  • パス:強度/方向/タイミング
  • ドリブル:最初の一歩/重心/視線
  • シュート:軸足/踏み込み/コース選択
  • ヘディング:助走/踏切/当てる面

戦術チェック(ポジショニング/カバー/切り替え/セットプレー)

  • ポジショニング:味方・相手・スペースの三角関係
  • カバー:距離と角度、声の連動
  • 切り替え:3秒ルールで最初の行動
  • セットプレー:役割の確認と合図

フィジカルチェック(スピード/持久力/アジリティ/コア)

  • スピード:初速とトップスピード到達
  • 持久力:終盤の走力低下
  • アジリティ:方向転換時のブレーキと再加速
  • コア:接触時の安定

メンタルチェック(集中/自信/感情コントロール/セルフトーク)

  • 集中:プレー間の再集中ルーティン
  • 自信:成功体験の想起
  • 感情:ミス後のリセット手順
  • セルフトーク:機能する言葉の準備

コンディションチェック(睡眠/栄養/水分/疲労/痛み)

  • 睡眠:7~9時間を目安に
  • 栄養:炭水化物・たんぱく質・色の濃い野菜
  • 水分:練習前後の体重差をチェック
  • 疲労:朝の主観スコア
  • 痛み:部位・強さ・動作時の変化

映像×ノート連携:タイムコードとタグで学びを固定化

タグ定義の共通化(例:奪取・突破・裏抜け・サポート等)

タグはチーム/家族で共通言語にします。例:「奪取」「突破」「裏抜け」「サポート」「前進」「切替+」「切替-」。

タイムコード記入のルール(mm:ss+タグ+一言)

例:「12:34 裏抜け パスが背中側」「55:02 奪取 体の向き良」。検索と振り返りが速くなります。

良い例/悪い例の並置と『なぜ』の言語化

良い/悪いをペアで貼り、「違いは何か」を一言で。例:「半身の角度」「最初の視線」。

チーム映像・個人映像・ハイライト短縮の使い分け

  • チーム映像:全体の流れと立ち位置
  • 個人映像:技術と細部
  • ハイライト短縮:週次レビュー用に3~5本

コンディショニング記録:怪我を防ぎ、ピークを合わせる

睡眠・起床時感覚・体重・主観的疲労(RPE)の記録

朝の体調は簡単なチェックでOK。「眠気」「だるさ」「起床時心拍(測れる人)」を1~5で。

練習量×強度から算出するsRPE(簡易トレーニング負荷)

やり方はシンプル。セッション後にRPE(1~10)を決め、時間(分)と掛け算。週合計を折れ線で追うと、増えすぎ減りすぎを防げます。

食事・補食・水分補給のメモ(試合前後の型)

  • 前日夜:炭水化物中心+たんぱく質
  • 試合前:消化の良いもの+水分
  • 試合後:30分以内に補食(糖質+たんぱく質)

痛み/違和感スケールと早期対応メモ(RICE/医療受診)

痛みは0~10で。安静・冷却などの対処、受診の有無を記録し、悪化の兆候を見逃さないようにします。

リハビリと復帰ロードマップの書き方

受傷から復帰までのステージ設計(痛みゼロ→練習部分→全体→試合)

段階を明確に。「痛みゼロの基礎動作→個別ドリル→部分参加→全体練習→試合」。各段階で合格条件を設定します。

客観指標と復帰基準(片脚スクワット・スプリント等)

  • 片脚スクワット:フォームの安定
  • スプリント:左右差や違和感の有無
  • 方向転換:痛みなく反復できるか

代替トレーニングとテクニカル維持メニューの記録

上半身・コア・球技感覚(座位トラップなど)でテクニックを維持。できることを可視化しておきます。

復帰戦のリスク管理とノートでの合意形成

出場時間の上限、交代の合図、痛みが出た場合の対応を事前に文字で合意しておくと安心です。

メンタル強化:感情ログとルーティンで波を整える

試合前ルーティン/試合後クールダウンのチェックリスト

  • 試合前:呼吸→イメージ→キーワード(例:「半身・前向き・最初の一歩」)
  • 試合後:整理運動→補食→5分AAR

セルフトークの棚卸し(機能する言葉/しない言葉)

機能する言葉だけを残し、不安を増やす言葉は「禁止ワードリスト」へ。

緊張と集中の最適ゾーンを探る(自分のサインを記録)

手の冷え・呼吸の浅さ・視野の狭さなど、自分のサインを書き出し、戻す行動(深呼吸3回等)をセットで記録。

失敗後のリセット手順を言語化しておく

例:「視線を上げる→胸を張る→合図の言葉→次のプレーに触れる」。

保護者・コーチとの共有欄:建設的な対話を生むノート

面談準備ページ(質問リスト・改善案・要望)

「事実→質問→案」の順で。例:「前進パス成功率40%→視野の取り方を教えてほしい→ドリル提案」。

コメント欄と合意アクションの明文化

コーチ/保護者コメント欄を設け、合意した次アクションを日付つきで記録。

観戦協力メモ(イベントカウントの役割分担)

家族は「背後ラン数」など1~2項目だけ担当。シンプルが継続の鍵です。

チーム方針と個人目標の整合をとる書き方

チーム戦術の意図を短く書き、その枠内で個人KPIを設定。ズレをなくします。

継続のコツ:5分で書けるテンプレと習慣化の仕掛け

1分ログ→5分レビュー→15分週末振り返り

  • 1分:今日の一言/次にやること1つ
  • 5分:成功3・課題3・Next Action3
  • 15分:映像3クリップで確認

もし〜なら〜する(実行意図)でトリガーを決める

例:「帰宅したら、まず1行ログを書く」。条件と行動をセットに。

色分け・記号・スタンプで視認性を高める

◎成功、○まあまあ、△要改善、×失敗。矢印↑→↓で方向性を記録。

三日坊主を防ぐリカバリールール(飛ばしてOK、後で要点のみ)

書けない日は空白でOK。週末に要点だけ補完する「救済ルール」を最初から決めておきましょう。

よくある失敗と改善策

書き込み過多で続かない→要点3つに絞る

「事実1・気づき1・次アクション1」で十分。量より継続。

感情だけ/データだけの偏り→両輪で記録する

感情は動機、データは方向。両方を書くとズレが減ります。

評価が甘い/辛いバイアス→ルーブリック基準で補正

事前に基準を作り、その物差しに従う。日によるムラを抑えられます。

『やること』が増えすぎる→捨てる勇気のルール

毎週1つ捨てる。優先順位を守ることが上達の最短ルートです。

記入例:1週間のモデルケース

高校生MFの例:ボール前進と守備強度をテーマにした1週

今週のテーマ:ライン間受け→前向き前進/カウンタープレス初動。KPI:ライン間受け8回、前進パス成功5本、即時プレス成功3回。

  • 月:ポゼ練(RPE6/90分)気づき=半身の角度で視野が広がる
  • 水:対人+ゲーム(RPE7/100分)気づき=背中圧にはワンタッチ逃げ
  • 土:試合 前半「12:34 前進 成功」後半「65:10 即時奪取 成功」
  • 週末レビュー:成功=前向き受け5回→次週はサイドチェンジの選択を追加

小学生DFの例:ポジショニングとボール奪取の記録

テーマ:カバーの角度と奪いどころの合図。KPI:カバー成功5回、奪取3回。

  • 練習:1v1カバー(RPE5)合図「右右!」を決めて実行
  • 試合:「08:12 カバー 成功」「21:30 奪取 身体の向き良」
  • 次:相手の利き足側を切る立ち位置を意識

社会人FWの例:限られた時間での効率的なノート運用

平日30分×2、週末試合。テーマ:裏抜けとファーストタッチ。KPI:裏抜け有効3回、枠内シュート2本。

  • 火(30分):ダッシュ10本→ファーストタッチ+シュート各20本
  • 木(30分):駆け引きのステップワーク10分→動画でフォーム確認
  • 日:試合「34:50 裏抜け 成功→シュート枠」次は体の向き作りを早く

シーズン別の使い方:オフ・プレ・インシーズンの重点

オフシーズン:基礎技術と弱点改善に特化したログ

フォーム動画→ドリル→再撮影のループ。KPIは技術に寄せる(例:両足パス100本ノーミス)。

プレシーズン:コンディション構築と連携のKPI

sRPEを段階的に上げ、怪我ゼロで開幕へ。連携テーマを各ポジションで設定。

インシーズン:回復優先・最小限の重点記録

試合→回復→次の試合での検証ポイント1~2個に集中。書く量は減らして質を保ちます。

試験や行事と両立するスケジューリングメモ

「短時間×高密度」のメニューを用意。15分ドリル集をノート末尾に一覧化。

個人戦術テーマ別テンプレート

ビルドアップ(角度・距離・体の向き)

  • 受ける角度:半身で縦横の選択を両立
  • 距離:相手のプレッシャー基準で調整
  • 体の向き:次のパスコースに合わせる

カウンタープレス(最短・最速・数的優位)

  • 最短:奪われたら1歩目の方向を固定
  • 最速:2秒以内の寄せ
  • 数的優位:味方の背中を見て連動

サイド攻撃(クロスの質/侵入のタイミング)

  • クロス:置き所と足の面
  • 侵入:ニア/ファーの役割を事前合意

セットプレー(役割・合図・実行精度)

  • 役割:キッカー/ブロッカー/飛び込み
  • 合図:手や声の統一
  • 精度:ターゲットゾーンを数値化

GK専用(ポジショニング・1対1・配球)

  • ポジショニング:ボール/味方/相手の三点基準
  • 1対1:間合いとステイ/チャージの判断
  • 配球:ビルドアップの第一手

フォーマット案:見開きレイアウトのサンプル

左ページ=事前計画/右ページ=結果と振り返り

左に目的・KPI・メニュー、右に事実・タイムコード・Next Action。いつでも同じ配置にすると脳が迷いません。

カラーコードと記号一覧(例:◎○△×、↑→↓)

評価記号と矢印はページ冒頭に凡例を書いて統一。

省略語・タグの統一ルール

例:「前進=PF」「裏抜け=RUN」「即時奪取=CP+」。ノートの冒頭に索引を作ります。

週次・月次レビューの専用ページ見本

  • 週次:今週の一言・ベストクリップ・次の検証
  • 月次:テーマ達成度・KPI推移・捨てること/続けること

データが少なくてもできる簡易トラッキング

手動イベントカウント(メモ法と観戦協力)

家族や仲間に「裏抜けだけ数えて」と依頼。1試合1指標が現実的です。

スマホタイマー/ストップウォッチの活用

インターバル練習や回復時間の管理に。メモには「本数×RPE」を残すだけでも有効。

GPSがない場合の代替(区間タイム・本数・主観強度)

100mの区間タイム、坂道ダッシュの本数、主観強度で十分に傾向がつかめます。

継続しやすい最小セットの決め方

「KPI1つ+1行ログ+週1レビュー」。これが最低限の土台です。

情報の取り扱いとプライバシー

チーム戦術・仲間の情報を記載する際の配慮

ノートは個人用を基本に。共有時は個人名や戦術詳細の取り扱いに注意します。

SNS投稿時の匿名化と撮影可否の確認

顔・氏名・背番号が分からない形に加工し、撮影と公開の可否を事前に確認しましょう。

共有範囲と権限の設定(家族/コーチ/チーム)

オンライン共有は閲覧権限を限定。月次レビューだけ共有する等、範囲を明確に。

Q&A:つまずきやすい疑問に答える

時間がない時はどこまで書けばいい?

「今日の一言」と「次にやる1つ」だけ。後で5分レビューを足せばOKです。

試合が悪かった日の記録はどうする?

事実と原因の仮説を短く。感情は別欄に書いて区別。次の行動を必ず1つ決める。

コーチの評価と自分の評価がズレる時は?

映像とKPIで共通の材料を作る。ズレは学び。違いの理由を対話しましょう。

ノートを見返す頻度の目安は?

ミニ:毎日1分/週:15分/月:30分。大事な試合前に直近2週間を一気に復習。

まとめ:今日から始める3ページ

ページ1:今月のテーマとKPI

テーマ1~2、KPI2~3、やらないこと1つを明記。

ページ2:次の練習用『前-中-後』テンプレ

狙い/役割/仮説→メニュー/気づき→成功/課題/Next Action。

ページ3:次の試合用『準備-実行-検証』テンプレ

相手特徴/自分のねらい→タイムコード/簡易スタッツ→自己採点/改善計画。

あとがき

ノートは「うまくいった偶然」を「狙って起こせる必然」に変える味方です。最初は1行で十分。1週間後、1カ月後、振り返った時に自分の変化が必ず見えてきます。練習と試合がつながる1冊で、あなたのサッカーを一段上へ。今日のページから始めましょう。

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