練習に向かうたびに「今日はどれだけ水を持っていけばいい?」と迷っていませんか。サッカーは走行距離も強度も高く、発汗量の個人差も大きい競技。水筒の容量が足りないとパフォーマンスが落ち、持ち過ぎると重くて移動がしんどい——このちょうど良いラインを、練習時間・環境・補給機会からロジカルに決めるための記事です。結論から言うと、水筒のおすすめ容量は「練習時間 × 発汗量」をベースに、季節と補給ポイントで調整し、さらに予備を約20%のせるのが現実的。この記事では、時間別・季節別の目安、発汗量の簡単な測定法、ポジションや年齢での違い、ボトルの選び方、2本持ちの実践例、衛生・携行までを丸ごとガイドします。
目次
- 導入:サッカーに最適な水筒容量は「練習時間×発汗量」で決まる
- まずは目安が知りたい:練習時間別・季節別のおすすめ容量
- 足りない・持ち過ぎを防ぐ計算式:自分の発汗量を知る
- 体格・年齢・ポジションでどう変わる?
- 飲み方の基本:いつ、どれくらい、何を飲む?
- 中身の選び方:水・スポーツドリンク・経口補水液の使い分け
- 気温・湿度・ピッチ環境で容量はここまで変わる
- 試合日・遠征日の特例:補給機会を織り込んだ容量計画
- ボトル容量ラインナップと選び方
- 2本持ち運用のすすめ:中身と容量の組み合わせ例
- 衛生とメンテ:安全に飲み切るための管理
- バッグの重量と携行術:賢く持ち運ぶコツ
- よくある失敗とチェックリスト
- まとめ:今日から迷わない容量設計
導入:サッカーに最適な水筒容量は「練習時間×発汗量」で決まる
この記事の狙いと結論の先出し
狙いはシンプル。練習時間・季節・補給機会をもとに「今日のベスト容量」を迷いなく決められる状態にすることです。結論は次の3点。
- 容量は「練習時間 × 自分の発汗量」を基本にする
- 季節・気温・湿度で±20〜40%の補正をかける
- 給水タイムや自販機・水道が使えるかで増減し、さらに予備20%をのせる
まずは時間・季節別の「ざっくり目安」から入り、のちほど自分の発汗量を測って精度を上げていきます。
不足も持ち過ぎも防ぐ3つの判断軸(時間・環境・補給機会)
- 時間:60・90・120・180分で必要量は大きく変わる
- 環境:気温・湿度・日射・ピッチ(人工芝/天然芝/屋内)で発汗量が上下
- 補給機会:給水タイムの頻度、自販機や水道の有無、ベンチに置ける本数
この3つを足し合わせて容量を決めると、慢性的な「ちょっと足りない」「重すぎる」を解消できます。
まずの基準値と、個人差に合わせる考え方
一般的に、サッカー中の発汗量は環境次第で大きく変わり、1時間あたり0.5〜1.5L程度に収まる選手が多い印象です(個人差はこれより大きくなり得ます)。スタートはこのレンジを参照し、のちほど紹介する「前後体重差法」で自分の値に寄せてください。
まずは目安が知りたい:練習時間別・季節別のおすすめ容量
クイック早見:60/90/120/180分の基準(夏・春秋・冬)
以下は「自販機や水道が使いにくい」「給水タイムは15〜20分に1回」を想定した持参量の目安(合計)です。氷を多く入れる場合は実容量が減る点も考慮しましょう。
- 60分:
- 夏(暑熱):1.0〜1.5L
- 春・秋:0.7〜1.0L
- 冬(寒冷):0.5〜0.7L
- 90分:
- 夏:1.2〜1.8L
- 春・秋:1.0〜1.4L
- 冬:0.7〜1.0L
- 120分:
- 夏:1.6〜2.4L
- 春・秋:1.2〜1.6L
- 冬:0.8〜1.2L
- 180分(半日):
- 夏:2.5〜3.5L
- 春・秋:1.8〜2.5L
- 冬:1.2〜1.8L
60分練習のおすすめ容量
強度が中〜高でも、60分であれば夏場1.0〜1.5Lが実用的。小容量派なら1.0L+予備のペット(500ml)をベンチに置く運用でもOK。春秋・冬は0.5〜1.0Lで足りるケースが多いですが、スプリントが多いメニューや屋内練習は多めに。
90分練習のおすすめ容量
90分は「1.5Lを超えるか」が分かれ目。夏は1.5〜1.8Lを基準に、給水タイムが少ないチームは2.0Lも選択肢。春秋は1.0〜1.4L、冬は1.0Lを1本で回す選手も多いですが、風が強く汗が乾きやすい日は喉の渇きに鈍くなるので注意。
120分練習のおすすめ容量
2時間は夏場なら最低1.6L、できれば2.0Lを確保。スパイクを脱いだ後半に脚が攣りやすい選手は、スポーツドリンク比率を上げた1.0L+水1.0Lの2本体制が現実的。春秋は1.2〜1.6L、冬は1.0L前後でも足りることがあります。
180分以上・半日練習のおすすめ容量
午前〜午後にまたがる日や合宿初日は、夏で2.5〜3.5Lが目安。1.5L+1.0L+500mlペットの3点セットが運用しやすく、保冷の観点からも分散が有利。春秋は2.0L程度、冬は1.5L前後をスタートラインにして微調整を。
補給ポイント(給水タイム・自販機・水道)の有無での増減
- ピッチ脇に水道やチームジャグがある:−300〜500ml
- 自販機が近い:−300〜1000ml(小銭/キャッシュレス忘れに注意)
- 給水タイムが少ない・移動が長い:+300〜700ml
「足りなかったときのダメージ>持ち過ぎの重さ」と考え、最終的に+20%のせておくと安心です。
季節・天候の補正(暑熱時は+20〜40%、寒冷時は−10〜20%の目安)
気温30℃超・湿度高め・直射日光ありなら+20〜40%を上乗せ。逆に冬で気温が低く風がある日は−10〜20%にしてもOK。ただし乾燥環境は汗が速く蒸発し、喉の渇きを感じにくいので油断しないこと。
足りない・持ち過ぎを防ぐ計算式:自分の発汗量を知る
発汗量の測り方(前後体重差法)
- トイレを済ませ、練習着で「練習前の体重」を測る
- 飲んだ量(ボトルの減り+追加で買った飲料)を記録
- 練習後すぐ、同じ服装で「練習後の体重」を測る
- トイレに行った場合は尿量もメモ(おおまかでOK)
発汗量(L)=[練習前体重 − 練習後体重](kg)+ 練習中に飲んだ量(L) − 尿量(L)
時間で割れば1時間あたりの発汗量(L/h)になります。
計算式:必要量=発汗量−練習中に摂取した量+予備(約20%)
次回の「持参すべき合計容量」を決めるときの考え方です。前回、汗として失った量(発汗量)に対して、その場で実際に飲めた量が少なければ不足が出ています。そこで、
次回持参量(合計)= 前回の発汗量 − 前回の練習中に摂取できた量 + 予備(約20%) + 今回も現地で摂取できそうな量
現地で自販機やチーム給水が見込めない日は「現地で摂取できそうな量=0」で計算。逆に、前回すでに十分飲めていた場合は「不足=0」と見なして、発汗量の60〜80%を練習中に補うイメージで持参量を設定し、残りは練習後数時間でリカバーする運用が現実的です。
事例:夏日の90分トレーニングでの試算
- 前:68.0kg、後:67.0kg(−1.0kg)
- 飲んだ量:1.0L、尿なし → 発汗量=1.0kg+1.0L=約2.0L
- 前回は1.0Lしか飲めていない → 不足は約1.0L
- 次回持参量の目安:1.0L(不足分)+予備20%(0.2L)+現地補給0=1.2L「の上乗せ」
つまり前回と同じ1.0Lでは不足するので、合計2.2L程度に増やすのが目安。2.0L+小ペット(500ml)で対応できます。
同じメニューでも変わる要因(睡眠・前日の疲労・体調)
睡眠不足、前日のハードワーク、風邪気味などは発汗や飲水の受け付け方に影響します。前後体重差法は「その日の状態」も反映するので、体調変動があった日は記録にメモを残すと再現性が上がります。
1回測って終わりにしない:季節ごとの更新手順
同じ選手でも夏と冬では別人級に変わります。シーズンが変わるタイミング(春→夏、秋→冬)で最低2回ずつ測り、平均を基準値にしましょう。
体格・年齢・ポジションでどう変わる?
体格・筋量と発汗量の関係
体が大きい、筋量が多いほど発熱が増え、発汗量も上がる傾向があります。同じ90分でも、60kg台と80kg台では必要容量が1本分変わることも珍しくありません。
高校生・成人の一般的な範囲と注意点
高校生〜成人男子では、温和な環境で0.5〜1.0L/h、夏の暑熱環境で1.0L/h以上になるケースがよくあります。体重減少が2%を超えるとパフォーマンス低下に影響しやすいので、重めのメニューや試合日は余裕を持って準備を。
中学生・小学生の注意(親が見るサインと補助)
子どもは喉の渇きに鈍感で、我慢しがち。親御さんは「帰宅後の体重減少」「尿の色が濃い」「頭痛・だるさ」をサインとして確認。ボトルは軽く握っても出るストロータイプや、少量ずつ飲めるキャップが使いやすいです。
ポジション別の傾向(走行距離・守備/攻撃の役割)
- サイド・ボランチ:走行距離が伸びやすく、飲水量も増えやすい
- センターバック・GK:相対的に少なめでも、暑熱日は例外的に多くなる
- プレス強度が高い戦術の日:全体的に+10〜20%を見込む
個人差の最終調整:練習後の体重差と尿色で微調整
練習後の体重減少が1%以内か、尿色が淡い黄色に戻っているかを指標に。減少が大きい/尿が濃いなら次回は+300〜500ml、逆に余るなら−300mlで再調整します。
飲み方の基本:いつ、どれくらい、何を飲む?
事前補水:開始2時間前からの計画と直前200〜300ml
練習2時間前からこまめに飲み、スタート直前に200〜300ml。胃が重くならない範囲で、透明〜淡い色の飲料を選ぶとコンディションに影響しにくいです。
練習中:15〜20分ごとに150〜250mlを目安に小分け
小分けで継続的に入れるのがポイント。一気飲みは胃にも走りにも負担。給水タイムが少ないチームは、休憩に入る直前にベンチサイドで素早く飲める位置取りを。
終了後:体重減少1kgあたり約1.2〜1.5Lを数時間で補う
短時間での完全補給が必要な連戦時は、減少量の約1.2〜1.5倍を2〜4時間かけて戻します。普段練習なら、無理のないペースで食事・スープも活用して補えば十分です。
尿の色・回数でセルフチェック(淡い黄色が目安)
淡い黄色がOKライン。濃くて回数が少ないのは不足サイン。透明に近い状態が続くなら飲み過ぎの可能性があります。
飲み過ぎ・一気飲みを避けるコツ
- 飲む量を1回200ml程度に区切る
- 冷えすぎは腹を冷やすので、キンキンと常温を使い分け
- 味の濃さを一定にして、喉越しで量をコントロール
中身の選び方:水・スポーツドリンク・経口補水液の使い分け
水だけで十分な場面(60分以内・涼しい環境)
短時間で涼しい日、強度がそこまで上がらない練習なら水でOK。味のない水を1本、味のある飲料をサブにすると飲み飽きを防げます。
スポーツドリンクが有効な場面(60分超・暑熱・大量発汗)
発汗で失う電解質(特にナトリウム)と、動き続ける燃料となる糖質の補給が効果的。目安はナトリウム300〜700mg/L、糖質4〜8%程度。濃すぎは胃が重くなるので注意。
電解質と糖質の目安(Na 300〜700mg/L、糖質4〜8%程度)
市販のスポーツドリンクはおおむねこのレンジに入ります。粉末タイプは表示どおりに作るのが基本。濃く作ると吸収が遅れたり胃に負担がかかります。
経口補水液の位置づけと使うときの注意
経口補水液は脱水時の補水に適した組成で、通常の練習の常用ドリンクというより「体調不良や熱中症リスクが高いときの対処用」。塩味が強いので、味が合わない選手は無理をしないこと。
粉末タイプは表示どおりに作る(濃くしない)
粉末は水量を守るのが最優先。氷を多く入れると希釈されるので、実際に飲む濃度もイメージして調整しましょう。
カフェイン・エナジードリンクを避ける理由
高カフェインや刺激成分が多い飲料は、心拍・眠り・胃腸に影響する場合があります。練習前後の主飲料としては推奨しづらく、スポーツドリンクや水を基本にするのが安全です。
気温・湿度・ピッチ環境で容量はここまで変わる
気温・湿度・直射日光の影響
高温多湿+直射日光は発汗量が最も増えます。同じ90分でも、曇りの日と炎天下では500ml以上違うことも。帽子や日陰の活用、アップを短めにするなどの調整も検討を。
人工芝・天然芝・屋内の違い
人工芝は照り返しと路面温度の影響で体感温度が上がりやすい一方、屋内は風が通らず蒸しやすい。天然芝・屋外・曇天は比較的楽ですが、湿度が高い日は別。環境に応じて+/−をかけましょう。
前日準備:天気予報・WBGTの活用と容量の前倒し調整
前夜に天気予報とWBGT(暑さ指数)を確認。警戒レベルが高ければ、翌日は+20〜40%を上乗せ。氷や保冷剤、2本持ちの準備も前倒しします。
風・日陰・ミストなど環境対策と飲水量の関係
風・日陰・ミストは体温上昇を抑え、必要飲水量を下げる助けになります。簡易ミストや冷たいタオルをベンチに用意しておくと、飲み過ぎずに体を冷やせます。
試合日・遠征日の特例:補給機会を織り込んだ容量計画
試合日の流れで分ける必要量(アップ・前半・HT・後半・延長)
- アップ:200〜400ml(スポドリ比率やや高め)
- 前半:300〜600ml
- ハーフタイム:200〜400ml(状況で電解質補強)
- 後半:300〜600ml
- 延長:200〜400ml
合計目安は夏で1.2〜2.0L。ピッチサイド用とベンチバッグ用に分けて準備すると取り回しが良いです。
大会・合宿(1日複数セッション)の総量の考え方
午前・午後の2部練なら、夏で3.0L前後が起点。セッション間で1.2〜1.5倍のリカバーを意識し、塩分と食事で戻す設計に。
ベンチと移動の分散(ピッチサイドとバッグ内)
ベンチサイドには素早く飲める直飲みボトル、バッグには大容量の補充用。氷・保冷剤はバッグ側に厚めに入れて温度を維持。
バス移動・現地販売・自販機の有無での持参量調整
現地で買えるなら−500〜1000ml。ただし売り切れリスクやキャッシュレス不可もあるので、最低ラインは必ず自前で確保。
熱中症警戒日:保冷・塩分・予備ボトルの強化
真空断熱のボトル+クーラーバッグでダブル保冷。塩タブレットや梅干し等で塩分もプラス。ベンチに置く予備ボトルは名前と色で識別を。
ボトル容量ラインナップと選び方
容量帯の特徴(0.5L/0.7L/1.0L/1.5L/2.0L/3.0Lジャグ)
- 0.5L:短時間やサブ用。試合のピッチサイドに最適
- 0.7L:通学+部活の普段使い。片手操作しやすい
- 1.0L:90分の春秋や冬の主役サイズ
- 1.5L:夏の90〜120分の軸。1本で回しやすい
- 2.0L:夏の120分以上や合宿日の安心サイズ
- 3.0Lジャグ:チーム用・ベンチ常駐向けのタンク役
1本か2本か:練習時間・補給機会で決める
持ち歩きやすさは1本、温度・味・用途を分けられるのが2本。120分以上または夏の試合日は2本運用が強いです。
口径・飲み口(直飲み/コップ/ストロー)と練習強度の相性
- 直飲み:素早い補給向き。強度が高い練習・試合
- コップ:量の管理がしやすい。ベンチで落ち着いて飲むとき
- ストロー:姿勢を崩さずに飲める。ジュニアやGKにも好相性
素材と保冷:ステンレス真空・樹脂のメリット/注意点
- ステンレス真空:保冷力が高いが重い。夏の主力
- 樹脂(軽量):軽いがぬるくなりやすい。春秋やサブに
重量バランスと保冷のトレードオフを理解して選びましょう。
氷の体積で実容量が減る問題と解決策
- 飲み始めは氷の分だけ「量が入っていない」→2本持ちで補う
- 前夜に飲料自体を冷蔵で下げ、氷は少なめに
- 冷え重視の1本、量重視の1本で役割分担
2本持ち運用のすすめ:中身と容量の組み合わせ例
水+スポーツドリンクの基本セット
「水で喉を潤す→スポドリで補給」の二段構えが実用的。味の変化で飲みやすさも維持できます。
組み合わせ例(1.5L+1.0L、2.0L+0.7L など)
- 夏の120分:1.5L(スポドリ)+1.0L(水)
- 夏の90分:2.0L(水)+0.7L(濃くないスポドリ)
- 春秋の90分:1.0L(水)+0.7L(スポドリ)
前半用と後半用に分けて温度・味を保つ
前半はキンキン、後半はやや冷たい程度に。後半用はクーラーバッグに待機させると最後まで飲みやすい温度を維持できます。
凍らせボトルと常温ボトルの使い分け
凍らせボトルは保冷剤代わりにも。常温を一緒に持つと腹を冷やしすぎません。粉末を入れる場合は、凍結に対応しているか取説を確認。
チーム内での取り違え防止(色・ラベル・名前)
テープで色分け、名前の大きな表示、キャップにマーキング。似たボトルが多いチームほど厳格に。
衛生とメンテ:安全に飲み切るための管理
毎回の洗浄手順と週1の徹底メンテ
- 毎回:分解→食器用中性洗剤で洗浄→十分に乾燥
- 週1:細部(パッキン溝・ストロー)を丁寧に。メーカー推奨の方法を優先
パッキン・ストロー・キャップの点検と交換目安
ニオイ・ヌメリ・漏れは交換サイン。消耗品は型番で取り寄せ可能なものを選ぶと長く使えます。
酸性飲料の長時間放置は避ける(取扱説明書に従う)
柑橘系や乳酸飲料などを長時間放置すると、材質を傷める場合があります。取説の注意事項に沿って管理を。
共有禁止・ベンチでの管理の徹底
ボトル共有はリスク。各自のボトルは定位置に。直射日光や地面の熱も避けます。
飲み残しの扱い(常温放置せず、速やかに廃棄)
高温環境での飲み残しは雑菌が増えやすいです。持ち帰らず、その場で処分する判断も大切。
バッグの重量と携行術:賢く持ち運ぶコツ
重量の目安(1L≈1kg)とバッグ設計
水は約1kg/L。2本で2〜3kgはすぐ超えます。肩への一点集中を避け、両肩シェアできるバッグを。
クーラーバッグ・保冷剤・ボトルホルダーの活用
真空ボトル+クーラーバッグ+保冷剤で保冷を三段構えに。外側にボトルホルダーがあると、取り出しやすさが段違いです。
自転車・電車・雨天時の持ち運び工夫
- 自転車:ボトルケージ+バックパックで分散
- 電車:縦長のボトルは倒れにくい位置に固定
- 雨天:防水インナーやビニール袋で結露・漏れ対策
ピッチサイドでの直射日光対策(タオル・日陰・地面熱)
タオルで覆う、日陰に置く、直置きを避ける(地表温度は想像以上に高い)。クーラーシートがあると万全です。
よくある失敗とチェックリスト
前半で飲み過ぎて後半足りない
前半:後半=6:4くらいの配分を意識。ハーフタイム前に残量を確認し、後半用を確保。
スポーツドリンクを濃く作って胃が重い
表示濃度厳守。濃いと吸収が遅れ、飲む量自体も減りがちです。
量は十分だが冷えておらず飲む量が減る
保冷不足は摂取量ダウンの原因。1本は強保冷、1本は量重視で役割分担を。
洗浄不足でニオイ・雑菌が気になる
分解洗いと完全乾燥を徹底。パッキンの交換時期も逃さない。
ペットボトル1本頼みで補給機会に失敗する
自販機頼みは売り切れ・故障のリスクあり。最低限は自前で持参。
練習前の体重計測・尿色チェックのルーティン化
体重と尿色を“見える化”すれば、容量設計の精度は上がります。メモはスマホで十分。
まとめ:今日から迷わない容量設計
一度は自分の発汗量を測って基準を作る
前後体重差法で自分のL/hを把握。数字になるだけで、容量の迷いが一気に減ります。
目安→実践→微調整で最適化する
本記事の季節・時間目安を使い、実際の練習で前後体重と尿色を確認。次回+/−300〜500mlの微調整を繰り返せば、あなたのベストが見えてきます。
季節とメニューに合わせて『予備20%ルール』を習慣化
最後に20%の余裕。これだけで「足りなかった」をほぼ撲滅できます。水筒は道具。扱い方を最適化して、練習の質と安全性を両立させましょう。