イランのサッカーは、代表もリーグも「粘り強さ×技術×切れ味」を同居させた独特の魅力があります。本記事は、サッカーのイラン有名選手カタログ:代表とリーグを網羅することを目的に、現役代表の主力、欧州で名を上げた面々、国内クラブの看板選手の系譜、さらにはレジェンドと次世代まで一気に俯瞰できる内容にまとめました。プレーの特徴や評価ポイントがすぐ掴める形で整理しているので、試合観戦の予習にも、育成年代の指導・進路の参考にも使えます。
目次
はじめに:イラン人選手が注目される理由と本カタログの使い方
イランサッカーの概観と強み
イランはアジア屈指の強豪としてW杯常連の地位を築き、組織的な守備と切り替え、前線の決定力で勝負するスタイルを軸に進化してきました。前線はターゲット型とスピード型の共存、中盤は運動量と球際の強さ、最終ラインは対人に強いセンターバックと上下動の速いサイドバックが特徴的。育成面では国内アカデミーに加え、ポルトガル、ベルギー、ロシアといった“踏み台リーグ”を経由して上位リーグに進むルートが確立されつつあります。
本カタログの構成と読み方
まずは現役代表の主力をポジション別にざっと把握し、続いて国内クラブの文脈で“どこが人材の供給源なのか”を確認。さらに欧州・中東で活躍した選手をリーグ別に整理し、歴代レジェンドと若手の芽も合わせて俯瞰します。最後に、映像・統計で深掘りするための実践ガイドを付けています。
更新前提の注意点(所属クラブは変わる)
移籍は常に動きます。記事中の所属先は固定情報ではなく、キャリアの流れや特徴把握を主眼に記述しています。最新の在籍情報はクラブ公式やデータサイトで必ず確認してください。
現役イラン代表・主力カタログ(ポジション別)
FW|メフディ・タレミ
ポストワークとペナルティエリア内の駆け引きに長け、倒れない強さと“もらい方”の巧さを併せ持つストライカー。欧州の強度でもゴールとアシストを安定供給し、CLでも決定的な仕事をしてきました。裏抜けと足元の配球、PK獲得を含むペナルティボックス支配力が武器。
FW|サルダル・アズムン
抜け出しと空中戦で違いを作るフィニッシャー。セカンドストライカー的に下りてつなぐ判断も的確で、カウンター局面では最短距離でゴールに迫ります。ロシアでの量産期を経て、欧州上位リーグでも存在感を示してきました。
WG|アリレザ・ジャハンバフシュ
カットインからの強烈なシュート、ボックス侵入のタイミングが持ち味。オランダで得点王に輝いた実績を持ち、守備の献身性も高いウインガーです。右でも左でもプレーでき、セットプレーのキッカーを任される場面も。
WG/AM|アリ・ゴリザデ
細かなタッチと方向転換で間を刺すレフティ。狭い局面の前進、ラストパス、カットバックの質に特徴があり、サイドから中央へスライドして数的優位を作れます。成熟期に入り、意思決定のスピードと強度対応も向上。
AM/CM|サマン・ゴドス
戦術理解度が高く、前線から中盤まで複数ポジションをこなすユーティリティ。プレスのスイッチ役、逆サイドチェンジ、セットプレー配球が光ります。プレミアの運動量基準で鍛えられ、試合の“間”を読む力が強み。
DM|サイード・エザトラヒ
長身の守備的MF。空中戦とカバーリング、前向きでの潰しに優れ、ロングレンジの配球で陣地を押し上げます。デュエル強度とセーフティな判断のバランスが良く、ビッグゲームでの安定感が評価されています。
CB|モルテザ・プーラリガンジ
対人とブロック、最後の局面の踏ん張りに定評。的確なラインコントロールで最終ラインを束ね、シンプルな前進パスで中盤にパワーを供給します。W杯でも高レベルの守備を披露してきた経験値豊富なセンターバック。
CB|ホセイン・カナーニザデガン
強気に前へ出る守備でボールを刈り取り、ボール保持では縦パスと持ち運びで一列突破を担います。セットプレーでの得点源にもなれるフィジカルとメンタリティが魅力。
SB|ミラド・モハンマディ
爆発的スプリントと戻りの速さが持ち味の左サイドバック。ハイライン裏のカバー、縦への推進力、低い位置からの精度あるクロスでチャンスを生みます。欧州でも屈指の運動量を示してきました。
SB|ラミン・レザイアン
右サイドからのクロスとセットプレーに強み。外インからのコンビネーションで起点を作り、守備では対人の粘りが光ります。戦況に応じてウイングに近い高い位置も取れる器用さを持ちます。
GK|アリレザ・ベイランヴァンド
驚異的なロングスローとPKストップで知られる守護神。前に出る勇気とコーチングで最終ラインを引き上げ、速攻のスイッチをGKから入れられる稀有な存在です。大舞台での集中力が高いタイプ。
GK|ホセイン・ホセイニ
反射神経に優れたショットストッパー。近距離のビッグセーブでチームを救い、足元のプレーも安定。ハイボール処理とセービングのバランスが良いGKです。
GK|アミル・アベドザデ
クロス対応とペナルティエリアの支配力が持ち味。ビルドアップでの配球も意識的で、試合の流れを読んでテンポを変えられます。名GKの父譲りのリーダーシップも魅力。
国内リーグ(ペルシアン・ガルフ・プロリーグ)注目クラブと看板選手の系譜
ペルセポリスFC:首都の赤い巨人
国内最多クラスのタイトルと圧倒的な動員力を誇る名門。堅牢な守備ブロックと手数をかけない速攻、勝負強さが文化として根付いています。アジア舞台でも決勝進出経験があり、名GKや中盤の核、技巧派アタッカーを継続的に輩出。
エステグラルFC:伝統の青
テヘラン・ダービーの相手にしてペルセポリスと双璧を成す存在。ビルドアップの丁寧さと個の突破力の両立が持ち味で、ボランチやサイドアタッカーのタレントが豊富。名GKや屈強なCBも多く生まれています。
セパハンSC:地方最強クラスの常勝軍団
イースファハーンを拠点に、育成とスカウティングの両輪で安定的に上位を維持。精度の高いクロス、セットプレーの完成度の高さが伝統で、代表クラスのユーティリティや万能型サイドが多く台頭してきました。
トラークトゥール:熱狂的なホームとタレントの受け皿
タブリーズの圧倒的な熱量を背にスターを受け入れて強化するスタイル。経験値豊富な代表級の合流で一気に競争力が上がる“ブースト型”のチーム作りが特徴です。ハイプレスと切り替えの速さで相手を押し込みます。
フーラードFCと新興勢力
フーラードをはじめとする新興勢力は、アカデミー強化と分析志向の導入で台頭。運動能力の高いDFや、走れて配球もできる近代型ボランチの輩出が目立ちます。リーグ全体の強度底上げに寄与。
育成年代で注目のクラブ(サイパ、ダマシュ・ギーラーン ほか)
サイパは基礎技術を丁寧に育てる方針で、ボール扱いに長けた選手を多く輩出。ダマシュ・ギーラーンは有望株の“初期露出”の場になりやすく、突破口を開いて欧州へ渡るケースも出ています。ユースからトップへのスムーズな移行がキー。
欧州・中東で存在感を示したイラン人プレーヤー(リーグ別)
プレミアリーグ/イングランド系(サマン・ゴドス、アリレザ・ジャハンバフシュ)
プレミアは運動量と判断の速さが必須。ゴドスは複数ポジション対応で戦術的価値を示し、ジャハンバフシュはオランダでの爆発力を武器に挑戦しました。強度の高い環境で、守備の献身とセカンドボール反応が評価ポイントに。
セリエA/イタリア(メフディ・タレミ、ラフマン・レザーイ)
タレミは欧州での実績を背景にイタリアでも勝負強さを発揮。巧みなポジショニングと対CBの駆け引きで得点に直結します。往年のレザーイは堅守の文化に適応し、読みと対人で評価を高めたCBの好例。
ブンデスリーガ/ドイツ(メフディ・マハダビキア、ヴァヒド・ハシェミアン、アシュカン・デジャガー)
マハダビキアはスピードとクロスでサイドを制し、リーグ屈指のウインガーとして名を刻みました。ハシェミアンは空中戦で“空”を支配し、名門でも存在感を示したストライカー。デジャガーは優れた戦術理解を背景に優勝チームの一員として貢献。
ラ・リーガ/スペイン(ジャヴァド・ネクナム、マスード・ショジャエイ)
ネクナムは走力とインテリジェンスで中盤を制御し、ショジャエイはテクニックと間受けで攻撃のリズムを作りました。技術と判断の精度が問われるラ・リーガで長く信頼を得た2人は、プレーメーカー像の手本です。
ポルトガル/ロシア/オランダ/ベルギー(メフディ・タレミ、サルダル・アズムン、レザ・グーチャネジャド、カーヴェ・レザイー)
ポルトガルは“跳躍台”として実績十分。タレミはここで欧州基準の得点力を証明しました。アズムンはロシアで量産しビッグクラブの門戸を開き、グーチャネジャドはオランダで点取り屋として爪痕。レザイーはベルギーでフィジカルと決定力を磨きました。
ギリシャ/トルコ/中東(カリム・アンサリファルド、エハサン・ハジサフィ)
財政的魅力と出場機会の確保を両立しやすい地域。アンサリファルドはゴール前での冷静さ、ハジサフィはマルチロールで価値を示しました。結果を数字で残すことが求められる実利型の環境で、経験値を積み上げています。
イラン代表のレジェンド図鑑
アリ・ダエイ
代表ゴールの記録で世界的に知られるストライカー。空中戦とポジショニング、勝負強さでアジアの枠を超える存在感を発揮しました。後進の道標となるキャリアは今も語り継がれています。
アリ・カリミ
流麗なドリブルと創造性で“アジアのファンタジスタ”と呼ばれた逸材。欧州の名門でも才能を示し、ボールを持った瞬間にスタジアムの空気を変えることができた選手です。
メフディ・マハダビキア
右サイドの名手。スプリントと運ぶドリブル、正確なクロスで長く欧州の舞台に立ち続け、AFC年間最優秀選手にも選出。攻守の上下動の手本として育成現場でも語られます。
ジャヴァド・ネクナム
中盤の舵取り役として代表の心臓を担ったリーダー。試合のテンポ管理、守から攻への切り替えの質でチームを一段引き上げました。引退後も指導面で存在感を示しています。
カリム・バゲリ
強烈なロングシュートとダイナミズムが代名詞。ゴール前へ躍り出るタイミングは絶妙で、勝負を決める中距離砲は脅威でした。中盤からの決定力という概念を広めた功労者。
ヴァヒド・ハシェミアン
ヘディングとフィジカルで欧州の最前線に立った屈指の点取り屋。ゴール前のポジショニングセンスに優れ、ビッグクラブ経験も持つ“空の覇者”。
アンドラニク・テイムリアン
球際に強く、90分通して運動量が落ちない守備的MF。イングランドでも通用する対人の強さと、ロングレンジの展開力が魅力でした。キャプテンシーも高評価。
アフマドレザ・アベドザデ
90年代を象徴する名GK。反応速度とビッグマッチでの集中力でチームを救う存在でした。GKというポジションの価値を国民的に高めた功績は大きいです。
ナセル・ヘジャージ
イランが誇る伝説的守護神。抜群の存在感とセービングで黄金時代を支え、後世のGK育成に強い影響を与えました。
次世代・若手の注目株
FW|アッラフヤル・サイヤドマネシュ
縦への推進力とハイプレスが売りのストライカー。裏へ走る回数とライン間での受け直しが多く、守備でも最初の“追い方”が優秀。フィニッシュ精度を上げれば一気に一線級へ。
WG/AM|メフディ・ガエディ
切り返しと間合いで勝負するドリブラー。インサイドに切り込み、ショートパスの連鎖から自らも再侵入できるタイプです。フィジカルの当たり方とオフの体作りが伸び代。
WG|アリ・ゴリザデ(成熟期へ)
若手枠からは卒業しつつも、ピークに向けギアを上げたいフェーズ。試合の中で“仕掛ける/溜める”の判断が磨かれ、勝負所での決定的関与が増えています。
MF|ヤシン・サルマニ
運動量と配球を兼備したモダンなMF。前を向く初速が速く、セカンド回収から前進まで一人で担える器用さがあります。セットプレーでのキックも戦力。
伸びしろ評価のポイントと注意点
若手評価は「反復走の質」「ファーストタッチの向き」「守備での最初の1m」「プレー強度の維持」「負傷歴と復帰プロセス」の5本柱で。映像とデータの両面で確認し、年代別代表の出場時間も参考にすると精度が上がります。
ポジション別にみるイラン人選手のプレースタイル傾向
ストライカーの型:ターゲット/セカンド/万能型
ターゲット型は背負って捌き、クロスとセットプレーで威力を発揮。セカンド型は裏抜けとこぼれ球で点を拾い、万能型は両者の要素を状況で切り替えます。イランはこの“混在”が強みで、相手に合わせて前線の組み合わせを変えやすいのが特徴。
ウイング/サイドアタッカーの武器
縦スピードと内外の出し入れを両立。カットインからのミドル、ファー詰め、逆サイドへの速いクロスが得点源です。守備では逆サイド寄せの戻りが速く、ブロック形成に貢献します。
中盤(アンカー/インサイド/10番)の役割分担
アンカーはカバー範囲の広さと縦パス遮断、インサイドは二列目の飛び出しとボール回収、10番は間受けと最終パス。試合の文脈に応じて役割が流動化するのが近年の傾向です。
最終ライン(CB/SB)の身体能力と戦術適応
CBは対人の強さがベースで、持ち運びや縦刺しを加えられると評価が跳ね上がります。SBは往復スプリントとトランジション適応が肝。ボール保持での内側レーン活用も一般化しています。
GKの特徴と育成背景
ビッグセーブ力とロングキック/スローの飛距離が目立ち、速攻の起点化がトレンド。育成ではメンタル面の強化と状況判断(出る/待つ)の基準作りが重視されています。
代表とクラブで読む最新トレンド
データが示す得点パターンとビルドアップ
公開データや試合分析から、クロスとセカンドボール回収後の素早い再侵入で得点するケースが多い傾向。ビルドアップは安全第一から始め、相手2列目を越える“縦一刺し”で一気にスイッチを入れます。
セットプレーとロングスローの活用
高さとキック精度を武器に、CK/FKは重要な得点源。ロングスローは守備側の準備を崩せる特殊兵器として機能し、圧力を継続的にかけられます。二次攻撃への移行が設計されています。
欧州移籍の潮流とキャリア形成のモデル
「国内上位→ポルトガル/ベルギー/ロシア→五大リーグ」という段階的モデルが主流。出場時間を優先し、結果を数字で積み上げることで上位移籍を実現する実務的アプローチが浸透しています。
ハイライト動画と統計で深掘りするための実践ガイド
試合映像チェックリスト(見るべき5項目)
- オフ・ザ・ボールの動き(受け直し/背後への走り直し)
- 最初の5mの加速と減速(止まる/再加速のキレ)
- 局面転換の速さ(攻守の切り替え、負けた後のリアクション)
- 弱い足の処理(浮き球/速いボールへの対応)
- セットプレーでの役割(配置/ブロック/二次攻撃への関与)
スカウトレポート/データの読み方
xG(得点期待値)は“質の良いシュートをどれだけ撃てているか”の指標。xA(アシスト期待値)はチャンスメイクの質を表します。加えて、プログレッシブパス/キャリー(前進への関与)、デュエル勝率、ロスト後5秒の回収率をセットで見るとプレーの本質が立体化します。
信頼できる情報源の探し方と更新の追い方
最新所属や出場時間はクラブ公式、リーグ公式、AFCやFIFAの大会ページが一次情報。移籍動向は信頼度の高い記者やデータサイト(例:Transfermarkt、SofaScore、WhoScoredなど)で補完しましょう。SNSは公式アカウント中心にチェックし、複数ソースで裏取りを。
よくある質問(FAQ)
名前表記のゆれ(ペルシャ語→英語→日本語)
ペルシャ語の転写は“gh/q/kh”など英字表記が複数存在し、日本語カナも揺れます。例として「Jahanbakhsh(ジャハンバフシュ/ジャハンバクシュ)」「Gholizadeh(ゴリザデ/ゴリザーデ)」など。英字の綴りで統一検索すると情報が集めやすくなります。
所属クラブの最新情報を確認するには?
クラブ公式サイトと公式SNSが最速かつ確実。加えて国際大会の登録リスト、データサイトの選手ページで重ねて確認すれば精度が高まります。移籍期間中は日単位で動くため、複数ソース確認が安全です。
若手の台頭が早い理由は?
国内クラブが早い段階でトップの強度に触れさせる方針を取りやすいこと、アジアの国際大会で実戦経験を積めること、欧州“踏み台リーグ”の受け皿があることが背景。出場機会と実践の積み上げが加速を生みます。
まとめ:代表とリーグをつなぐ見取り図
サッカーのイラン有名選手カタログ:代表とリーグを網羅する視点で整理すると、全体像は「国内で基礎を固め、適切なステップで欧州へ」「代表は守備組織と前線の決定力の相乗」で語れます。前線はターゲット/裏抜け/万能型の組み合わせで相手に応じた解を出し、中盤は運動量と判断の速さでゲームを制御。最終ラインは対人の強さと移動スピードで盤面を締め、GKはセービングと発進力で攻守の橋渡しを担います。
本カタログは、観戦前の“予習帳”としても、育成や進路選択の“地図”としても使えます。気になった選手は映像とデータで深掘りし、最新の所属と出場状況を都度アップデート。代表とリーグの往復で、イランサッカーの今と次を立体的に捉えていきましょう。
