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練習計画表の作り方 一年を勝ち切る逆算術

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練習計画表の作り方 一年を勝ち切る逆算術

勝ち切る一年は、勢いではなく設計から始まります。ゴールから逆算して、試合日までの体と技術とメンタルを整えていく。この記事は、そのための「練習計画表の作り方」を具体的な手順に落とし込みました。マクロ(年)・メゾ(4〜6週間)・マイクロ(週)の3階層で、現実的に回るプランをつくり、データと手触りの両面で改善する。忙しい学校生活や家族の予定、天候や施設の制約も前提にして、“崩れない計画”を一緒に形にしていきましょう。

序章:『逆算』で作るサッカー年間練習計画の全体像

なぜ逆算思考が年間計画表に効くのか

年間計画は「できることから始める」より「必要なことから戻る」方がブレません。ピーク(大事な大会)を先に決め、その日に最大のパフォーマンスが出るよう、必要な能力・技術・コンディションを段階的に積み重ねます。逆算は「やらないこと」が明確になるのも利点。限られた時間に集中投資でき、疲労やオーバーワークのリスクも減らせます。

年間計画と日々の練習をつなぐ3つのレイヤー(マクロ・メゾ・マイクロ)

  • マクロ(年):ピーク設定/期分け(準備期・試合期・移行期)/年間テーマ
  • メゾ(4〜6週):負荷の波形、重点スキルのシラバス、テストとレビューの固定
  • マイクロ(週):試合日から逆算した強度配置、日ごとの技術・戦術・フィジカル配合

三層をつなげることで、今日の1時間が、1年後の自分に「確実に」積み上がっていきます。

勝ち切るためのKPI設定(結果・プロセス・習慣)

  • 結果KPI:得点、アシスト、失点、出場時間など
  • プロセスKPI:スプリント回数、決定機参加数、奪還回数、前進パス本数
  • 習慣KPI:睡眠時間、補食率、RPE記録率、ウォームアップ実施率

結果は相手や条件でブレます。プロセスと習慣を押さえると、再現性が上がります。

現状把握とゴール設定:1年後の『理想の自分』から出発する

現状分析のフレーム(技術・戦術理解・フィジカル・メンタル)

  • 技術:キック精度、トラップの安定、ドリブルの方向転換、ヘディング
  • 戦術理解:スキャン頻度、立ち位置、プレス開始の合図、トランジション
  • フィジカル:スピード、持久力、筋力、可動性、反応速度
  • メンタル:集中維持、セルフトーク、感情コントロール、ルーティン

練習と試合の動画を10〜15本見直し、良い・課題を各3つずつ抽出。主観と客観(数値)の両方で整理します。

目標の種類:結果目標/パフォーマンス目標/行動目標

  • 結果目標:リーグでベスト8、先発定着など
  • パフォーマンス目標:90分あたりのスプリント18回、決定機参加3回など
  • 行動目標:週5日、就寝前ストレッチ10分、RPE記録100%など

KPIの具体化例(例:スプリント回数・決定機参加数・奪還回数など)

ポジション別に、90分換算のKPIを1〜3個に絞るのがコツ。例)FW=裏抜けアクション15回、枠内シュート2本。MF=前進パス10本、スキャン/分10回。DF=1対1勝率60%以上、奪還8回。GK=ペナルティエリア内対応成功率、ビルドアップ前進率など。

期限・測定・達成基準を明確化するSMART設計

  • Specific:裏抜けを「縦への駆け出しと斜め」まで定義
  • Measurable:試合映像でカウント、練習でもミニゲームで記録
  • Achievable:現状の1.2〜1.3倍を目安
  • Relevant:チーム戦術と役割に直結する指標を選ぶ
  • Time-bound:各メゾサイクルごとに中間目標を設定

年間カレンダーの把握:大会・学校行事・気候の三重マップ

大会・リーグ戦・トーナメントの時期を整理する

年間の主要大会とリーグの節を一覧化。優先度A/B/Cをつけ、Aにピークを合わせます。トーナメントは勝ち上がりで延びる可能性があるため、バッファも確保します。

期末試験・行事・長期休暇とのバッティングを避ける

試験週は練習量を減らし、技術の微調整やリカバリー中心に。長期休暇は準備期の強化ブロックに当てやすい期間です。

日本の四季とトレーニング(梅雨・猛暑・寒冷期)の考慮点

  • 梅雨:屋内メニュー(可動性・筋力・技術)を用意
  • 猛暑:早朝/夕方へ移動、給水・塩分・クールダウンを徹底
  • 寒冷期:ウォームアップ延長、筋温を下げない移動と待機

移動や遠征の影響を見込んだ計画のバッファ設計

遠征翌日は原則リカバリー。移動時間をRPEに上乗せし、負荷調整を前提化します。

期分け(ピリオダイゼーション):準備期・試合期・移行期の設計

準備期の狙い:基礎体力・可動性・技術の底上げ

高頻度・中負荷で土台を作る期間。技術は反復量、フィジカルは体幹・股関節・足首の可動性と筋力を優先。ボールと補強を統合して時間効率を上げます。

試合期の狙い:維持・微増・コンディショニングの最適化

週の強度ピークは試合に集約。練習は短く鋭く。弱点は「小出し」で継続、疲労は早めに抜く。

移行期の狙い:疲労抜きと弱点の個別補強

1〜3週間で身体と頭をリフレッシュ。痛みのケア、可動性・左右差の是正、小さな技術課題を再学習します。

年間の期分けパターン例(1ピーク/2ピーク)

  • 1ピーク型:春〜夏に準備→秋の決戦にピーク
  • 2ピーク型:春の大会と秋の全国予選に小・大のピークを設定

マクロサイクル(年間計画表)の作り方

年間の大目標とピーク設定を1枚に落とし込む

12か月の横軸に、期分けと主要大会を配置。ピークに向けて矢印を引き、各期の狙いを書き込みます。

期分けごとの重点テーマ(技術・戦術・フィジカル・メンタル)配分

  • 準備期:技術40%/フィジカル40%/戦術15%/メンタル5%
  • 試合期:技術30%/フィジカル20%/戦術40%/メンタル10%
  • 移行期:技術25%/フィジカル25%/戦術20%/メンタル30%

あくまで目安。チーム状況で微調整しましょう。

月次ターゲットとイベントを並走させる可視化のコツ

各月の欄に「技術テーマ」「フィジカル重点」「試合・行事」「中間KPI」を並べます。色分けで強度も見える化すると便利です。

リスクと代替案(天候・施設・怪我)を初期から組み込む

  • 雨天:屋内可動性+チューブ補強+技術反復
  • 施設不足:公園コーディネーション+ラダードリル代替
  • 怪我:上半身・体幹メニュー、戦術学習(映像・ノート)

メゾサイクル(4〜6週間ブロック)の組み立て方

負荷の波形(上げる→維持→吸収)の基本パターン

3:1や2:1のリズムで、負荷を上げてから吸収週を入れます。吸収は「休む」だけでなく、フォームの質を高める期間です。

技術・戦術テーマを4週で進行させるシラバス設計

  • 週1:基礎動作の精度(触る・蹴る・見る)
  • 週2:状況判断を加えた反復(2対1、3対2)
  • 週3:ゲーム形式で強度アップ
  • 週4:評価・修正・吸収

フィジカル要素の周期化(持久・スピード・筋力・パワー)

週ごとに主役を変えつつ、維持用の軽い刺激を他要素にも残します。例)スプリント主役週でも、筋力は短時間で質高く。

評価週(テスト・レビュー)を固定化して改善ループを回す

20mスプリント、Yo-Yo、反復横跳びなど簡易テストを実施。映像とKPIを照らし合わせ、次ブロックに改善点を渡します。

マイクロサイクル(週計画)のテンプレート

試合日を起点にした週の設計(-3・-2・-1・+1の考え方)

  • -3日:高強度(スピード・パワー/ゲーム形式)
  • -2日:中強度(戦術整理+技術精度)
  • -1日:低強度(セットプレー確認・刺激入れ)
  • +1日:リカバリー(循環・可動性・軽い技術)

高・中・低強度日の配置と技術課題の紐づけ

高強度日に「裏抜け+スプリント」、中強度日に「ビルドアップ+前進パス」、低強度日に「ファーストタッチ+方向付け」など、負荷と技術を一致させます。

ウォームアップ〜メイン〜補強〜リカバリーの時間配分目安

  • ウォームアップ:15〜20分(可動性→アクチベーション→加速)
  • メイン:45〜70分(技術×戦術×ゲーム)
  • 補強:10〜20分(個別弱点)
  • リカバリー:10分(呼吸・ストレッチ)

週1試合/週2試合/試合なし週のバリエーション

週2試合は回復最優先。試合なし週は準備期的に負荷を上げ、技術の反復量を稼ぎます。

ポジション別フォーカス:FW・MF・DF・GKの年間テーマ例

FW:裏抜け・フィニッシュの反復計画とxG意識の育成

走り出しのタイミングと角度、逆足フィニッシュの反復。xG(得点期待値)を意識し、より良いシュートエリアで撃つ意思決定を練習から。

MF:スキャン頻度・前進パス・守備スイッチの定量化

1分あたりのスキャン回数、縦パス本数、守備でのスイッチ合図をカウント。首の可動と体の向き作りをセットで鍛えます。

DF:対人・カバーリング・ラインコントロールの周期化

1対1の姿勢と間合い、裏の管理、ラインアップダウンの声かけ。週に1回はハイライン対応の専用ドリルを入れると効果的です。

GK:ポジショニング・ビルドアップ・セービングの週内配分

試合に近い距離感でのポジショニング→配球→セービングを短サイクルで回す。ビルドアップはフィールド選手との連携練を固定化。

技術×戦術×フィジカル×メンタルの配合設計

練習比率の目安と期分けによるチューニング

期分けに応じて配分を変えつつ、毎回「4要素すべて」を少量でも触れると偏りを防げます。

技術テーマに戦術課題を重ねる『二重目的』ドリル化

例)ファーストタッチ練習に「前進の体の向き」をセット。シュート練習に「逆サイドのランニング」を必ず付与。

フィジカルはボールと統合:ゲームベースの負荷管理

走り込みだけでなく、「ボールありで同等の心拍」を狙う。小さなコートの3対3などを強度の柱に。

メンタルトレーニング(ルーティン・セルフトーク・可視化)

プレー前の3呼吸、キーワード(例:「前へ」「落ち着け」)を決め、毎回の練習で実行。成功イメージの可視化も短時間でOK。

コンディショニングと負荷管理:安全に強くなるために

RPE(主観的運動強度)とコンディションチェックの使い方

RPEは10段階で記録。練習後30分以内に「今日の強度」「疲労」「痛み」を簡単に残します。

睡眠・心拍数傾向・主観疲労の簡易モニタリング

就寝時間・起床時間・体感のだるさを1行で。心拍計があれば安静時心拍の傾向を把握します。

急性/慢性負荷比の考え方(無理のない範囲での指標化)

直近1週の負荷(急性)と直近4週平均(慢性)を見比べ、急激な増加を避けます。数値化が難しければ「週あたりの強度日数」で代替。

リカバリー戦略:補食・ストレッチ・入浴・クールダウン

終了30分以内の補食、静的ストレッチは体幹・股関節中心、湯船は短めに。就寝前はブルーライトを抑えましょう。

怪我予防を年間計画に織り込む

ウォームアップの標準化(可動性・アクチベーション・加速)

毎回同じ流れを基本に。足首・股関節・胸椎の可動→臀筋・ハムの活性→10〜20mの段階加速。

筋力と柔軟性の最低ラインを守るチェック項目

  • 片脚スクワット左右差
  • ハムと臀筋の連動(ヒップヒンジ)
  • 足首背屈角度(しゃがみ込みテスト)

過密日程・猛暑・硬いグラウンドへの対応ルール

過密は接触練習を減らす、猛暑は時間帯変更と補水、硬い地面はスパイク選択とジャンプ着地の意識を徹底。

痛み・違和感が出たときの即時フロー(記録→負荷調整→相談)

部位・痛みの程度・きっかけを記録→その日の負荷を下げる→必要に応じて早めに専門家に相談。

個人練とチーム練の整合性:計画がぶつからない工夫

チームの週負荷を起点にした個人練の差し込み方

高強度日には個人練を軽めに、低強度日に個別強化を。チーム計画表に自分の上乗せ分をメモします。

個人課題の優先順位を3つに絞る方法

「勝ちに直結」「改善余地が大きい」「短期で伸ばせる」の三基準で3つに限定。月ごとに1つ入れ替える程度がちょうどいいです。

自主練テンプレート(技術反復・補強・ボール感覚)

30〜45分でも可。例)ボールタッチ10分→ターン&キック15分→補強(体幹・股関節)10分→呼吸・ストレッチ5分。

動画撮影とセルフレビューのルーチン化

スマホで十分。週1回、狙いと結果を比較して15分で振り返り。良かった3つ、直す1つを書くと続きます。

学業・生活イベントで崩れない『調整ルール』

テスト週間の練習量・強度の目安

量を半分、強度は中程度まで。朝の10分可動性と夜の軽いボールタッチで「止めない」ことを優先。

遠征・早起き・時差(国内移動でも生じるリズム崩れ)対策

前日から就寝・起床を30分ずらす。移動中はこまめに立つ、軽いスナックと水分を確保。

雨天・施設不足の日にできる代替セッション

室内ドリブル、対壁パス、チューブ補強、可動性ルーチン。判断系はミニゲーム動画の観察でも鍛えられます。

睡眠・栄養のミニマムラインを守るチェックリスト

  • 寝床に入る時刻の固定
  • 練習後30分以内の補食
  • 水分:透明な尿色を目安

栄養と睡眠の年間ルーティン設計

期分けと栄養(準備期の増量・試合期のコンディショニング)

準備期はタンパク質と炭水化物をやや増やし体作り。試合期は胃に優しいメニューで当日重さを避けます。

トレーニング前後の補食と水分戦略(季節別ポイント)

前はバナナ+ヨーグルト、後はおにぎり+牛乳など手軽に。夏は電解質、冬は温かい汁物で体を冷やさない。

睡眠の質を上げる就寝前ルーティンと昼寝の扱い

就寝1時間前にスマホを減らし、温シャワー→ストレッチ→3呼吸。昼寝は15〜20分まで。

体重・体調ログとパフォーマンスの相関をとる

週1回の体重・主観疲労・RPE平均を記録。増減の傾向と試合の動きやすさを結びつけると、自己調整力が上がります。

データ記録と振り返り:練習計画表を『生きた台帳』にする

日次・週次・月次の記録項目テンプレート

  • 日次:メニュー、時間、RPE、痛み、所感(1行)
  • 週次:強度日数、KPI達成率、良かった3つ/課題1つ
  • 月次:テスト結果、映像からの気づき、次月の重点

KPIの可視化(グラフ・色分け・コメント)

達成=緑、未達=赤、部分達成=黄。コメントは「何が効いた/効かなかった」を短く具体的に。

レビュー面談(自己・コーチ・保護者)で使う質問集

  • 今月の一番の成長は?
  • 来月に絞るテーマは1つ何?
  • そのための練習を“いつ・どこで・どれだけ”やる?

改善アクションを翌メゾサイクルへ反映させる方法

「やめる・減らす・増やす・新しく試す」を各1つずつ決め、最初の週の予定に落とし込みます。

保護者・指導者と共有するコミュニケーション設計

年間計画の共有範囲と頻度の決め方

四半期ごとの全体共有、月次の重点テーマだけを簡単に報告。情報量は絞るほど続きます。

送迎・食事・睡眠環境のサポートを連携する

練習時間と補食タイミングを家族カレンダーに。就寝前の照明や端末ルールも合意すると強いです。

試合後の声かけテンプレ(評価→気づき→次の一歩)

「良かった点→今日の学び→次回やる1つ」だけ。感情より行動にフォーカスします。

過干渉・放任を避ける『合意した役割分担』

選手=実行と記録、保護者=環境サポート、指導者=方向づけとフィードバック、と役割を明確に。

よくある失敗と回避策:計画倒れにしないために

数値だけを追いすぎる罠と『ゲーム品質』の担保

KPIが増えすぎるとプレーが固くなります。「判断の質」「ポジション取り」などゲームの文脈を常にセットで確認。

詰め込みすぎの失敗:捨てる勇気と集中テーマの決め方

やることは増やすほど弱くなる。月に1〜2テーマに絞ると、体にも頭にも残ります。

記録が続かない問題の解決(最小記録法)

1日1行ルール。RPE・痛み・ひと言だけでOK。余裕があれば追加で詳しく。

コンディション低下の早期サインを見逃さない

寝起きのだるさ、集中切れ、微妙な痛み。2〜3日続けば負荷を落として回復を優先します。

年間計画表テンプレートの作り方(実装例)

スプレッドシート列項目例:日付・期・テーマ・強度・RPE・KPI・所感

列例:日付|期(準備/試合/移行)|日テーマ|技術|戦術|フィジカル|メンタル|予定強度(高/中/低)|RPE(1-10)|KPI値|痛み(有/無)|所感(1行)

色分け・条件付き書式で一目でわかる負荷管理

高=赤/中=黄/低=青、RPE8以上で自動赤、痛み有はセルを網掛け。可視化で判断が速くなります。

月次レビューシートとグラフの設計

KPI推移、RPE平均、強度日数、睡眠時間を折れ線で。達成率は円グラフで直感的に。

印刷用1ページ年間カレンダーのまとめ方

各月の期分け、主要大会、月テーマ、テスト週、行事を1枚に凝縮。冷蔵庫やデスクに貼って常に確認。

週例プラン例:学校日・試合日・オフ日の運用

学校日のタイムブロック(通学・勉強・練習・回復)

例)起床→通学→授業→帰宅30分補食→練習(90分)→夕食→宿題→就寝前ルーティン(15分)→就寝。移動や隙間時間に可動性ミニドリルを挟むと効果的。

試合前日と当日の微調整(食事・睡眠・刺激入れ)

前日は軽めの戦術確認とセットプレー。当日は消化に良い炭水化物を中心に、試合3〜4時間前に主食、直前はゼリー等で。

試合翌日のリカバリーと技術の軽負荷補正

ジョグやバイク、可動性、軽いボールタッチ。翌々日に高強度が戻せるように設計します。

完全オフ日の取り方と『積極的休養』

完全休養は週に1回目安。軽い散歩やストレッチで血流だけ確保。メンタルもオフに。

想定外に強い計画:怪我・中断・スランプへの再計画手順

怪我時の目標再設定(禁止事項の中でできること)

医療的指示の範囲で、可動域、上半身・体幹、戦術学習、映像レビュー、メンタルルーティンを継続。できることを点検して即再配置。

復帰プロトコル:段階的負荷とチェックゲート

痛みなしの日常→軽いラン→方向転換→接触あり→全体練→試合。各段階で痛みや腫れがないか確認。

スランプ期のデータと主観の突き合わせ

KPIが落ちているのか、体感だけなのかを切り分け。睡眠・食事・ストレスの影響もチェックします。

計画の再凍結(リセット)と新メゾサイクルの開始

今の目標をいったん凍結し、2〜4週の短い集中ブロックを新設。小さな成功体験を積み直します。

地域・環境に合わせたカスタマイズ

猛暑対策(時間帯・補水・強度調整)

早朝・夕方中心、氷と冷タオル、休憩の固定。強度はRPEで管理し、無理を避けます。

寒冷期のウォームアップ延伸と筋力維持

ウォームアップは通常の1.5倍。筋力は自重+チューブでも維持可能。手袋・レイヤリングで末端冷えを避けます。

人工芝・天然芝・土グラウンドでの負荷差対応

人工芝は反発が強く疲労が溜まりやすい。土は滑りやすく接触リスクに注意。スパイクと着地姿勢を調整します。

施設・器具が少ない環境での創意工夫

対壁、ライン取り、ペットボトルコーン、タオルでの滑走ドリル。工夫すれば質は担保できます。

上のレベルを目指すための加点要素

相手分析・自己分析の簡易ワークフロー

相手の強み/弱みを3つずつ、狙い所を1つ。自分の狙い行動を前日までに1つだけ決める。

プレー原則の言語化とチェックリスト運用

例)守備「遅らせる→限定する→奪う」。原則を紙にして、練習前に確認、後で自己採点。

動画活用(クリップ化・タグ付け・振り返り会)

自分のプレーを10〜30秒で切り出し、タグ(守備開始、前進、フィニッシュ)を付けると学びが速い。

メンタルスキルの定着(ルーティン・呼吸・リセット)

ミス後のルーティン(手をパン、視線を遠く、深呼吸)を決め、練習から毎回使います。

まとめ:一年を勝ち切る逆算術のチェックリスト

目標→計画→実行→記録→振り返り→改善の循環確認

  • 目標は結果・プロセス・習慣の3層で設定したか
  • マクロ・メゾ・マイクロの連動は明確か
  • RPEとKPIの記録は最低限続いているか
  • 月末のレビューと次メゾへの反映をやったか

今すぐ着手する3アクション

  • 年間カレンダーに大会・行事・期分けを1枚に記入
  • ポジション別KPIを最大3つに絞って決定
  • 週テンプレ(-3/-2/-1/+1)を作り、色分けで固定

継続を支える『軽く・長く・楽しく』の原則

やることは軽く、期間は長く、工夫で楽しく。小さな積み重ねが、最後に大きな差になります。

あとがき

計画は「完璧」より「回る」ことが大切です。予定が崩れる日は必ず来ます。そのときに、代替案が引き出しに入っているか。今日の1行の記録が、来月の一歩を確実にします。ゴールから逆算しつつ、足元の一歩を丁寧に。あなたの一年が、納得のいく積み重ねになりますように。

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