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チーム コンパクトネス とは攻守の距離感の設計図

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チーム コンパクトネス とは攻守の距離感の設計図

リード

いい守備も、気持ちいい前進も、最後は「距離感」がものを言います。チームのコンパクトネスは、ただ縮こまることではありません。前後・左右・高さ・密度・角度をデザインして、攻守を通して最適な距離を保つ考え方です。この記事では、試合で即使える原則と数値の目安、ドリルやKPIまでをまとめて解説します。特別な戦術用語を覚える必要はありません。ボールと仲間との距離を、読みやすく現場目線で整理していきます。

はじめに:チーム コンパクトネス とは攻守の距離感の設計図

この記事の狙いと読み方

狙いはシンプルです。「なぜ詰めるのか、どこを開けるのか、誰が寄せ、誰が待つのか」を距離で説明し、チーム全体で共有できる言葉と目安を作ること。そのために、定義→原則→数値→攻守→トランジション→ポジション→練習→KPI→試合での修正、という流れで読み進められる構成にしています。途中だけ読んでも活用できるよう、各見出しに具体的な行動レベルのヒントを入れました。

試合を左右するのは『距離の管理』

良い守備は奪回距離を短くし、良い攻撃はサポート距離を最適化します。距離の設計に成功すると、球際の強度は同じでも「数で勝つ」「時間を奪う」「パスが通る」確率が上がります。つまり距離の管理は、個を超えてチームの成果を底上げする“見えにくい差”です。

コンパクトネスと単なるブロックの違い

ブロックは“形”、コンパクトネスは“機能”。形を整えるだけではボールの移動や相手の動きに遅れます。機能としてのコンパクトネスは、ボールに近い側を適切に圧縮しつつ、逆サイドや背後の危険も数と距離で管理する動的な振る舞いです。

個人技だけでは届かない“集団の距離感”という武器

一人の守備範囲や突破力には限界があります。距離感が整うと、一歩遅れの選手でも“最短で助ける”道筋が生まれます。最短距離でのサポート、二人目・三人目の連動、即時奪回。どれも個よりも“集団の距離感”が武器になります。

定義と全体像:チーム コンパクトネスの基礎理解

コンパクトネスの定義(幅・奥行・高さ・密度・角度)

コンパクトネスは、以下5つの要素のバランスで定義できます。

  • 幅:横方向の広がり。ボールサイドは圧縮、逆サイドは“準備の幅”。
  • 奥行:前後の間隔。ライン間の詰まり具合とチーム長に関係。
  • 高さ:ブロック位置。ハイ、ミドル、ローで求める距離が変わる。
  • 密度:ボール周辺に集める人数と距離。奪回力の源。
  • 角度:サポートの角度と体の向き。前を向ける角度を作る。

攻守共通の原理:ボールに近い人数と遠い人数のバランス

常にボール周辺の“数的+距離的優位”を作り、遠い側は“遅れても間に合う距離”で備える。寄り切るか、残すかを一貫したルールで決めることが、攻守の連続性を生みます。

攻守の距離感の設計図という考え方

設計図とは「状況が変わっても判断がぶれない基準」です。サイドで数をかけたら、逆サイドは何mの距離で何人残すか。最前線〜最終ラインのチーム長をどの帯で保つか。数値の目安を持つと、現場の指示がシンプルになります。

誤解されがちなポイント(守備だけの概念ではない)

コンパクトネスは守備だけではありません。攻撃でも、受け手と出し手の距離、リバウンドボールに届く距離、奪われた瞬間の再圧縮距離を設計することで質が上がります。

攻守に共通する距離感の原則

圧力・カバー・バランスの三位一体

最初に寄せる“圧力”、その背後を守る“カバー”、逆サイドや背後を管理する“バランス”。誰がどの距離で担当するかを明確にし、3者の距離が崩れないよう連動します。

三角形と菱形:支点・受点・第三の動き

常に三角形(支点・受点・奥行)を意識し、菱形で“もう一つの出口”を確保。第三の動きは「受け手が触れる前に動き出す距離」が鍵です。

縦の近さと横の近さ:優先順位の付け方

守備は縦の近さ(ライン間の圧縮)を優先、攻撃は横の近さ(角度の確保)で前を向く土台を作ります。ただしゴール前は逆転することがあるため、ペナルティエリア付近では“横より縦”を強調します。

体の向きと視野(オープン/クローズ)の整合

距離が良くても体の向きが悪いと詰みます。受ける前に「半身で前向き」を基本に、守備は“内側を閉じる”向きを基準に距離を調整します。

ライン同調(前後左右の“ズレ過ぎ”を防ぐ)

一人が出たら一列ごとに1〜3mつられて上げる/寄せる。同調が遅れるほど、ライン間と縦パスの“通り道”が生まれます。

数値で捉える:チーム長とライン間距離の目安

チーム長(最前線〜最終ラインの距離)という指標

チーム長は、ハイプレス時で約25〜35m、ミドルブロックで約30〜40m、ローでは約20〜30mを目安にできます。相手の縦スピードや自分たちの走力で調整してください。

ライン間距離(DF-MF-FW)の許容幅

DF-MF、MF-FWの間は8〜15mを目安に。守備強度を上げたい時は8〜12m、ボール保持で前進したい時は10〜15m。大雨や悪ピッチでは短めが有効な場面が増えます。

横幅の使い方:ボールサイド圧縮と逆サイド管理

ボールサイドで約8〜12mの間隔を保ち密度を確保。逆サイドは“通されたら寄せ切れる距離”として、サイドバックやウイングが内側気味に待機するのが安定します。

距離基準の運用:固定値ではなく状況依存

数値は目安です。相手の狙い、スコア、残り時間、コンディションで上下させます。重要なのは「全員が同じ目安を共有しているか」です。

守備のコンパクトネス:奪回と被被弾の最小化

ブロックの高さ(ハイ/ミドル/ロー)と距離管理

ハイは前からの圧力で“前向きの奪回”を狙い、ミドルは中央封鎖、ローはペナルティエリア保護を優先。高さに合わせてチーム長とライン間距離を調整します。

プレッシングのトリガーとチーム全体の“寄せ方”

後ろ向きのトラップ、浮き球のコントロールミス、バックパス、タッチライン際などを合図に全体で3〜5mずつ前進。個の全力ダッシュではなく、列ごとの“圧縮”で奪います。

カバーシャドウとパスコース封鎖

寄せる選手は体で縦パスや逆サイドの出口を隠し、背後のカバーは一列深い位置から奪われた時の最短距離を確保。シャドウで消す→限定→奪うの順序を徹底します。

縦ズレ・横ズレの連動ルール

縦ズレは「出たら一列でつられる」、横ズレは「ボールサイド3枚、逆サイド2枚を基準」に。ボール移動と同時に1〜2m先回りする意識が効果的です。

最終ラインの深さ管理と背後ケア

CBは背後のランナーに対し“走り出しの一歩目”で勝つ位置取りを。GKはスイーパー的に18〜25mまで前進できると、ラインを高く保てます。(相手の蹴る力とピッチ状況で調整)

奪った後を見据えた守備(レストディフェンス)

攻撃中でも、必ずボールの後ろに2〜3枚+サイドの戻り道を確保。奪った瞬間に前進できる角度と、失った瞬間に再圧縮できる距離を同時に設計します。

攻撃のコンパクトネス:前進・崩し・即時奪回の土台

サポート距離と角度(近すぎず遠すぎず)

パススピードと相手の寄せ速度で変化しますが、近距離サポートは6〜12m、中距離は12〜20mが目安。受け手の前側45度に“次の出口”を作ると前進率が上がります。

インサイドレーン/ハーフスペースの活用

外幅を確保しつつ、ハーフスペースに受け手を作ると前を向きやすく、縦パスやドリブルの両方を選べます。SBやIHの入れ替えで角度を増やします。

二人目・三人目の連動で前進率を高める

縦パス→落とし→裏抜け、の三人目を“距離で仕込む”。落とし先は8〜10m、三人目は視界に入る15〜20mでタイミングを合せます。

幅の確保と中央の密度:両立させる原則

ウイングが幅、IHがライン間、CFが奥行の基準点。外で広げ、内に密度、背後に脅威。この3層を保つと選択肢が増えます。

ボールロスト後の即時奪回を見据えた配置

シュートやクロスの前も、外し時の3秒再圧縮を想定。トップ下やIHがボールの落下点に近い距離を保つとセカンド回収率が上がります。

トランジション設計:攻守切り替え時の距離感

攻→守:ボール周辺の再圧縮と後方の安全網

失った瞬間、最も近い3人で半径8〜10mを圧縮。後方のアンカーとCBは“中央の門”を閉じ、外へ追い出す距離で構えます。

守→攻:前進の“最短ルート”を作る再配置

奪った瞬間、近距離サポートは斜め前へ、遠距離の走者は背後へ。三角形が一瞬で立ち上がる距離で動き出すとファーストパスが安定します。

レストディフェンスの基本形と人数配分

攻撃時の背後保険は、中央2枚+外回収1枚を基本に、相手のカウンター枚数に応じて増減。全員が「誰を見て、どの距離で止めるか」を共有します。

カウンター耐性を高めるリスク管理

クロス時はボール外のハーフスペースに“潰し役”を1人。CKではボックス外のリターン用に2人。距離で“事故リスク”を減らします。

GKと最終ラインの役割:深さと背後の秩序

GKの位置取りが生むチーム全体の高さ

GKが一歩高ければ、最終ラインは一歩前に。ボールが相手陣にある時は、ペナルティエリアの外〜円付近まで出る準備でチーム全体を押し上げます。

オフサイドラインと縦の圧縮

CBはラインコントロールで“縦のパスライン”を圧縮。ウイングのサイドチェンジ中は連動して1〜3m上げると、受け手が前を向く前に潰せます。

背後へのロングボール対策とスイーパー的機能

相手が長い球を多用する時は、GKの出る距離を事前に合図で共有。「出る/待つ」を迷わないことでラインが崩れません。

クロス局面での距離感とセカンドボール回収

ニア・中央・ファーの3点に対し、外側のセカンドゾーン(ボックス外)に1〜2人。弾き返しの回収距離を短くします。

ポジション別:距離感の実務ルール

CB:前進の起点と背後管理の両立

隣のCBと8〜12m、アンカーとは10〜15m。縦パスを刺したら即座に3〜5m押し上げてセカンドを踏む。背後はGKと合図で分担。

SB:外幅と内側サポートのスイッチング

ウイングが幅を取るなら内側8〜12mでIHをサポート。持ち上がる時は逆SBとの“同時高過ぎ”を避け、レストディフェンスの人数を維持。

アンカー/ボランチ:距離のハブと体の向き

最も多くの味方と等距離に近い位置を取る。受ける時は半身で前向き、出したら“背後の門番”の距離に戻るのが基本。

インサイドハーフ:ライン間での受け直し

最終ラインと中盤の間で5〜10mの小刻みな受け直し。前を向けない時は一度外へ角度を作り、三人目の動きに橋渡し。

ウイング:幅と内側侵入の使い分け

幅で相手SBを釘付けにし、ボールサイドが詰まったら内側へ5〜8m侵入して数的優位を作る。逆サイドは絞ってセカンド回収へ。

CF:基準点としてのポスト/裏抜けの配分

CBと8〜10mの駆け引き。ポストで落とす距離は8〜12m、裏抜けは最終ラインの背後15〜20mのスペースを狙う基準で。

相手の“アンチ・コンパクト”への対抗策

サイドチェンジの連続に対する横圧縮の回復

ボール移動の滞空中に横ズレを先取り。中盤の“渡り役”を1人置き、出し手と受け手の両方にプレッシャーの距離を作ります。

ロングボール連打への背後・セカンド対策

CB+アンカーで落下点周辺を三角形で囲い、SBは中へ絞ってセカンド回収。GKは出る/出ないの基準を試合前に共有。

偽9番・偽SBなどズレを生む配置への適応

“付いていく/受け渡す”のルールを距離で決めます。最終ラインが出る距離を10m以内に、出られない時はアンカーが5m前で受け渡し。

マンマーク誘導とズレ解消のコール

相手がマンマークを仕掛けるなら、意図的な“引き離し”で空間を作り第三の動きへ。ズレたら「止める・戻す・渡す」の短い合言葉で修正。

相手の強みを“距離”で弱体化する考え方

ドリブラーには“受ける前の距離”を詰め、フィジカル型CFには“競らせない距離”で前に出る。強みを発揮する前の距離で勝負します。

試合状況・環境で変える距離設計

リード時:ブロックの高さとチーム長の調整

ミドル〜ローでチーム長を20〜30mに圧縮。逆サイド寄りをタイトにし、ライン間8〜12mで中央封鎖を強化します。

ビハインド時:人数と距離のリスク許容幅

前線の枚数を1枚増やし、ライン間10〜15mで前向きの受け直しを増やす。背後はGKの位置で補います。

ピッチサイズ・芝・天候が距離に与える影響

狭いピッチや重い芝は距離短めが有利、風が強い時はロングの滞空を見越して横ズレを早めに。雨天はセカンド回収距離を短縮。

連戦やコンディションに応じた縮小/拡大型

走力が落ちる試合は、侵攻で一気に行かず“段差”を作って前進。守備は中で待ち、外に誘導する距離で省エネ化します。

トレーニング設計:コンパクトネスを“習慣化”する

制約付きSSGで距離感を内在化する方法

ピッチを縦40×横35mなどに縮小し、チーム長制限を設定。触ったら3秒以内にサポート距離へ入るルールで密度を体に覚えさせます。

ゾーン分割と得点ルールで距離を可視化

縦3分割で“中央通過は2点”など、距離を詰めて通す行為にインセンティブを与えます。

ポジショナルロンドの段階的難易度設定

4対2→5対2→6対3と増やし、角度と距離の選択を迫る。ターン成功で得点ボーナスを付けると前向きの受けが増えます。

切り替えトレーニング(攻→守→攻)の連続化

奪われたら3秒再圧縮、奪い返したら5秒で前進のルール。連続性が距離の習慣を作ります。

コーチングキュー(言葉)と合図の統一

「詰める」「渡す」「戻す」「押し上げ」「絞れ」など、短い言葉とハンドサインを全員で統一。距離の修正が速くなります。

ドリル例:距離感に直結するメニュー集

20-40mのチーム長制限付きビルドアップ

最前線と最終ラインの間にロープやマーカーで上限を可視化。違反は相手ボールで再開。前後の距離感を染み込ませます。

ライン間ターゲットゲートでの前進ドリル

中盤のライン間に幅2mのゲートを複数設置。ゲート通過でポイント。角度と距離の質を上げます。

再圧縮3秒ルールの即時奪回ゲーム

ロスト後3秒以内にボール半径10mへ3人集合で+1点。短距離ダッシュと合図の連動を鍛えます。

逆サイド警戒ポイント制のサイドチェンジ対策

逆サイドでインターセプトor遅らせ成功に加点。横ズレのスピードを数値で意識付け。

背後ラン可視化のオフサイドラインゲーム

最終ラインの上げ下げにコーチが笛で合図。背後への走り出しとGKの位置取りを同期させます。

データとKPI:距離感を“測る”と“磨く”

チーム長・平均ライン間距離のトラッキング

GPSや動画の座標計測で、相手保持時/自分保持時の平均値を確認。試合の局面ごとに帯(レンジ)で管理します。

ボール奪回地点と被進入エリアの相関

どこで奪えているか、どこから入られているかをヒートマップで比較。距離設計のズレを可視化します。

PPDAや被シュート質との関係を読む

PPDAの悪化と被シュートの質(枠内率、ペナルティエリア内比率)の変化を見て、距離の圧縮が足りない時間帯を特定します。

GPS/動画解析での運用と限界

データは傾向把握の道具。実際の合図やコミュニケーションの質を伴わなければ機能しません。数字は“会話のきっかけ”に。

練習→試合のフィードバックループ設計

週次で「目標レンジ→試合の実績→翌週の制約設定」を回す。数字と言葉を往復させると習熟が速いです。

試合分析・コミュニケーション:距離を共有する言語化

ハーフタイムでの距離調整チェックリスト

  • チーム長は狙いの帯に入っているか
  • ライン間8〜15mの維持/ズレ
  • 逆サイドのバランス人数
  • GK位置と最終ラインの同調

ビデオ分析の視点(縦幅・横幅・密度の推移)

10分ごとの指標で推移を確認。スコア変動と距離の変化を紐づけて原因を言語化します。

役割ごとの合言葉と意思決定トリガー

CF「引き付け→落とす→背後」、IH「半身→受け直し→第三」、アンカー「門番→限定→回収」など、短い言葉で瞬時に合わせます。

キャプテン/GKを中心にした現場での修正手順

死球やスローイン時に「ライン上げ/下げ」「内締め/外誘導」を即指示。ゲームキャプテンとGKが距離の司令塔です。

よくある落とし穴と処方箋

寄り過ぎて前進できない問題

近距離サポートが4人以上集まると渋滞。1人は“出口役”として15〜20m離れ、角度を作ります。

広がり過ぎて奪えない問題

横幅を取りすぎると一人の寄せが届かない。ボールサイドは8〜12mで密度を上げ、逆サイドは絞り気味に。

ライン間で“立っているだけ”の停滞

受け直しと向き直しが足りないサイン。5〜10mの小さな動き直しで半身を作り、第三の動きを引き出します。

個人の正解がチームの不正解になる瞬間

1人の突撃でライン同調が崩れるケース。出るなら列で、出ないなら待つ。合図の統一で防ぎます。

改善の優先順位と段階的アプローチ

まず守備のライン間→次にチーム長→最後に攻撃の角度。土台から順に修正すると効果が持続します。

実戦への落とし込み:1週間のプラン例

試合から逆算したテーマ設定

相手の強みを“距離”で要約(ロング多用/サイドチェンジ速い等)。その対策をテーマに据えます。

日毎の負荷と距離テーマの配分

  • 月:回復+ロンド(角度と半身)
  • 火:強度高めSSG(再圧縮3秒)
  • 水:戦術ゲーム(チーム長制限)
  • 木:11対11(ライン同調と合図)
  • 金:セットプレー距離最終確認

セットプレー時の距離感調整

攻守ともに“外の回収”を必ず配置。CKはボックス外の距離を短く、FKはセカンドの落下点を想定して3人で三角形に。

前日確認ドリルと合図の最終統一

10分で“押し上げ/絞り/受け渡し”の合図を最終合わせ。短い言葉の統一が勝敗を分けます。

ケーススタディ:距離感で試合を変えた3つの修正

押し込まれた前半からの“ライン間詰め”で流れ奪回

ハーフタイムにDF-MF間を12m→9mへ修正。縦パスを遮断でき、中盤の奪回が増加。前向きの攻撃が増えました。

ビハインド時の“逆サイド速度”強化で同点

サイドチェンジの滞空中に横ズレを先取り。ウイングの絞り距離を5m短くしてセカンド回収→素早い折り返しで得点に。

終盤の“チーム長短縮”で逃げ切り成功

リード後にチーム長を35m→25mへ。最終ラインとアンカーの距離を8mに詰め、中央の侵入を遮断しました。

用語集:攻守の距離感をめぐるキーワード

チーム長/ライン間距離/横スライド

前後の総距離、列間の距離、ボール移動に伴う横方向の連動を指します。

レストディフェンス/カバーシャドウ

攻撃時の守備準備、体でパスコースを隠す守備技術のこと。

トリガー/圧力・カバー・バランス

プレッシング開始の合図と、三位一体の守備の役割分担。

ハーフスペース/第三の動き

サイドと中央の間のレーン、二人目・三人目の連携による前進のこと。

まとめ:距離感は“戦術の文法”

設計図としてのコンパクトネスを再確認

幅・奥行・高さ・密度・角度。この5要素の距離設計が、攻守を貫く文法になります。形ではなく機能としてのコンパクトネスを目指しましょう。

練習メニューとKPIのセット運用

制約付きSSGやロンドで距離を習慣化し、チーム長・ライン間・奪回地点などのKPIで週次管理。数字と言葉の往復が鍵です。

次の試合で試す3つの具体アクション

  • 守備時のライン間を“9〜12m”に統一する合図を決める
  • 奪われたら“3秒再圧縮”をチームの合言葉にする
  • ビルドアップで“落とし8〜10m→第三の動き15〜20m”を徹底する

距離感は才能ではなく設計と共有で磨けます。次の90分に向けて、あなたのチームの“距離の文法”を一つ決めるところから始めましょう。

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