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ラボーナを中学生向けに、今日から蹴れるコツ

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「ラボーナって難しそう…」と思っている人へ。実は、正しい分解と小さなコツを押さえれば、中学生でも今日から感覚をつかめます。この記事は、ラボーナを“見せ技”から“使える選択肢”に変えるための超実践ガイド。ボールなしのシャドーから、1歩助走のショートパスまで、15分で進めるステップを中心に、フォーム、タッチ、ケガ予防、練習計画、試合での使いどころまでまとめました。

導入:ラボーナはなぜ覚える価値があるのか

実戦で使う狙いとリスクの整理

ラボーナの価値は「利き足のまま逆サイド方向へボールを出せること」。たとえば右利きで右サイドにいるとき、左足でのクロスやパスが苦手でも、ラボーナなら右足のタッチ感覚で逆方向へ蹴り出せます。一方で、振りが大きくなりがちでモーションを読まれやすい、支持足に体重が集中して転倒・痛みのリスクがある、といった短所もあります。結論はシンプルで、ラボーナは常用するものではなく、選択肢を1枚増やす技。使いどころを決めておけば、武器になります。

中学生でも今日から取り組める理由

ラボーナは“特別な柔軟性”よりも“正しい支持足の置き方と体の向き”が9割。ボールを強く飛ばすパワーは後回しでOK。固定ボールに軽く当てるだけでも「通るボール」を作れます。つまり、フォームの型とバランスを先に覚えれば、年齢や体格に関係なくスタート可能です。

ラボーナ=“見せ技”だけではない使い道

・ショートパスで相手の逆を取る
・右サイド深い位置からのクロス(右利き)
・シュートコースが閉じたときの非常手段
・FKで壁の外を回す球種のバリエーション
視野と足元の選択肢が増えること自体が戦術的価値。見せるためではなく、「通すため」に使うのが本質です。

ラボーナの仕組みをやさしく分解

支持足(立ち足)の役割と体重の載せ方

支持足は“的の芯”。ボールの横に置く位置と向きで、方向と安定が決まります。右足でラボーナを蹴る場合、左足(支持足)をボールの左横に、やや前(半歩)へ。体重はかかとではなく母趾球〜土踏まずに6〜7割。つま先が浮かないように地面をつかみます。

蹴り足の軌道:外→内のクロス

軌道は「外から内へ、弧を描いてボールの背後を通過」。振り始めはヒザを軽く外に開き、スネを内旋させてインから当てるイメージ。振り抜きは体の外側で終わるのではなく、支持足の前(体の中心ライン)まで持ってきてフィニッシュします。

骨盤と肩の向きがボールの高さを決める

骨盤はやや開く(目標に対して15〜30度オープン)、肩は目標に対して正対気味に“残す”。骨盤を開きすぎると当て面が上を向いて浮きやすく、閉じすぎると詰まってチョロ球に。肩と骨盤の“ねじれ幅”が高さを微調整します。

ボールのどこを蹴るとどう飛ぶ?

  • ボールの中心よりやや下:ふわっと浮くロフト
  • 中心のやや右下(右足の場合):外から内へ曲げる
  • 中心〜やや内側低め:低く速いグラウンダー

当て面はインフロント(親指付け根〜土踏まずの外側寄り)か、甲寄りを使い分けます。足首は90度前後で固定し、接触時間を短くすると回転が強くなります。

今日から蹴れる15分ルーティン(ゼロからの超入門)

1〜5分:ボールなしシャドー(足さばきとバランス)

  • 支持足をボールがあるつもりの場所へセット(つま先11時 or 1時)
  • 蹴り足を外→内へ振るだけ。両手はやや広げてバランス
  • 振り終わりに1秒静止して軸のブレがないか確認

6〜10分:固定ボールで当てるだけ(片足支持の安定)

  • ボールは止めたまま。1ミリでも動けばOKというつもりで軽くタッチ
  • 狙いは距離ではなく「同じ場所に当て続ける」こと
  • 10本中6本、同じ方向に出れば合格

11〜15分:1歩助走でショートパス距離に挑戦

  • 1歩(または2歩)で入り、ミニコーンやラインを目標に5〜8m
  • 当て面を崩さず、フィニッシュで体を止める
  • 右足ならボールの右下〜右側面を薄くヒットして軽い曲がりを出す

成功基準と中断ポイント(無理しない見極め)

  • 成功基準:10本中6本が目標エリア(幅1m)に入る
  • 中断ポイント:支持足膝・股関節に違和感、つま先や足首の痛み、軸のブレが大きくなる
  • 違和感が続く日は、ボールなしのシャドーだけに切り替える

フォームの要点:5つのチェックポイント

足幅と支持足の向き(11時 or 1時に置く)

右足で蹴るなら支持足のつま先は11時。ボールとの横距離はボール約1〜1.5個分。近すぎると空振り、遠すぎると届かない。毎回同じ“置き距離”を癖づけましょう。

上体の前傾角度と軸のブレ防止

前傾は10〜20度。胸を軽くターゲットに向け、視線はボール→直後にターゲット。ブレる人は、蹴る瞬間におへそを軽く内側へ締めて体幹を固定すると安定します。

蹴り足の振り幅とフィニッシュ位置

大振りはNG。振り幅は膝下主体で、フィニッシュは支持足の前で止める。止め切れる=当て面が安定している合図です。

視線の置き方(ボール→ターゲットの順)

振り始め直前にボールの当てる位置を確認→インパクト直後にターゲットへ。ずっとボールだけを見ると方向が散ります。

踏み込みリズム(タメと解放)

「トン(支持)・タメ・スッ(解放)」の3拍子。タメで体重を支持足に預けてから、力みを抜いて振るとミートが安定します。

ボールタッチの種類と使い分け

インフロント気味で曲げる

親指付け根〜甲の内側で薄く触り、ボールの外側をこする。外→内回転でカーブがかかります。クロスや回避パス向き。

足の甲で浮かせるロフトボール

甲寄りで中心のやや下をコンタクト。接触角をやや上向きにして、骨盤を少し開いて高さを作ります。

低く速いグラウンダーを出すコツ

当てる位置は中心〜やや内側低め。上体をかぶせ、足首をロック。芝を擦らないように薄く当てると伸びるボールに。

足首の固定と当て面の作り方

足関節は背屈(つま先を上げる)気味で固定。くるぶし周りが緩むと当て面がブレます。事前に足首回しとつま先上下運動で可動域を確保しましょう。

距離・高さ・回転をコントロールするコツ

距離=助走幅×振り幅×当てる強さ

距離を伸ばす順番は「助走→振り幅→当てる強さ」。力任せではなく、助走の入り角と歩幅を整えると伸びます。

高さ=上体角度と当てる位置

上体を立てれば浮き、かぶせれば低く。ボールの下を触るほど高さが出るものの、やり過ぎると失速するので注意。

回転=足先の向きと接触時間の短さ

足先をやや外に向け、擦る時間を短くすると回転が強く。強回転はブレも出やすいので、まずは中回転を安定させましょう。

雨天・人工芝での調整ポイント

  • 雨:ボールが滑る→当て面はやや厚め、足首固定を強める
  • 人工芝:滑りやすい→スタッドは丸型や短めを選び、踏み込みを浅く

シチュエーション別の使い方(パス・クロス・シュート・FK)

ショートパス:相手に読まれない角度を作る

自分の体を壁にして、足の後ろからボールが出るため、寄せを受けにくい。体をわずかにターゲットと逆方向へ向けて、出どころを隠すと効果的です。

クロス:左足が苦手な右サイドでの選択肢

右利きが右サイドで深くえぐったとき、左足クロスに自信がなければ、ラボーナでインスイングを供給。ニアとファーの間(GKとDFの間)へ中速のボールを通すイメージ。

シュート:ニア上・逆足サイドに通す発想

角度がないときは強さよりコース。ニア上へふわっと、またはGKの逆モーションを狙ってグラウンダーを速く。

セットプレー:間合いと壁の位置で変える球種

FKで壁の外に置いた味方へ曲げるなど、アイデア次第。ただし試合投入は練習で再現性を確認してからが鉄則です。

逆足練習とラボーナの相性

逆足とラボーナ、どちらを先に磨く?

基礎は逆足、即効性はラボーナ。並行して進めるのが最適です。逆足のインサイド5分+ラボーナ5分など、短く分けましょう。

両立のための週次配分例

  • 月水金:逆足の基礎(インサイド、インステップ)各10分
  • 火木土:ラボーナ(シャドー→固定→1歩助走)各15分
  • 日:休息か軽い復習

逆足強化がラボーナの成功率を上げる理由

逆足の支持力とバランスが上がるほど、ラボーナの土台が安定します。結局は「片足で立てる力」が命です。

よくある失敗と即効で直す方法

空振り・かすり:支持足の距離が近すぎる

ボール1〜1.5個分の横距離を確保。足を置いたら動かさない。目印にテープやペットボトルを置くと安定します。

ボールが上がらない:上体の突っ込みを修正

前に倒れ過ぎると押し出しになって浮きません。骨盤を少し開き、足首を固めてボールの下側を薄くヒット。

外に曲がらない:当て面と足先の角度の見直し

足先を外に向け、インフロントで擦る。接触を長くしすぎると押し球になるので、サッと切る感覚で。

膝が痛い・股関節が痛い:フォームと柔軟性チェック

無理な開脚やねじれはNG。痛みが出たら即中断。後述のストレッチと体幹・中臀筋の補強を優先してください。痛みが続く場合は専門家に相談を。

安全第一:ケガ予防とウォームアップ

股関節・内転筋・腸腰筋のダイナミックストレッチ

  • ワイドランジ+上体ツイスト×左右10回
  • レッグスイング(前後・左右)×各10回
  • ヒップサークル(骨盤回し)×各10回

足首と膝の安定化エクササイズ

  • 片足カーフレイズ×15回
  • 片足スクワット(浅め)×8回
  • チューブで足首外反・内反×各10回

練習量の上限と休息のサイン

1セット15分、合計でも30分以内に。フォームが崩れたら質が落ちています。疲労で支持足が震える日は撤退。

痛みが出たときの中断基準

鋭い痛み、腫れ、熱感、可動域の制限が出たら中止。翌日に違和感が残る場合は休み、再開はシャドーから。

体づくり:柔軟性・筋力・バランスを底上げ

股関節可動域を広げる3分ルーティン

  • 90/90ストレッチ(内外旋)各30秒
  • バタフライ(内転筋)60秒
  • ハムストリング前屈60秒

体幹と中臀筋の安定がフォームを安定させる

  • サイドプランク(膝付き可)×30秒
  • クラムシェル(ミニバンド可)×10回
  • デッドバグ×10回

片足バランス能力を伸ばすドリル

片足立ちで目を閉じ10秒→開いて10秒。グラつきが減るほど支持足が強くなります。

ミニバンドとタオルでできる補強

  • ミニバンドサイドウォーク×10歩×2
  • タオル引き(足指じゃんけん)×10回

環境別ドリル:狭い場所・自宅・学校の空きスペース

自宅でのシャドーと当て面作り

ボールの代わりに丸めたタオルを床に置き、支持足の置き位置とスイングだけ練習。床は滑らない場所で。

壁当ての距離と角度の工夫

距離は3〜5m、角度は真正面より少し斜めに。連続して10本コントロールできたら距離を伸ばす。

スペースがない日の代替メニュー

シャドー+片足バランス+体幹で10分。フォームが崩れにくくなり、再開時の戻りが早いです。

夜間や雨天時の安全配慮

濡れた路面・暗所は転倒リスクが高いので避ける。人工芝はグリップの強いスパイクで。

1週間で感覚をつかむ練習プラン

Day1–2:フォーム固めとボールなし

シャドー各10分+可動域ストレッチ。支持足の置き位置を毎回同じに。

Day3–4:固定ボール→1歩助走

固定ボールで当て面の再現→5〜8mのショートレンジへ拡張。

Day5:ショートパス精度テスト

10本中6本以上、目標エリアに通れば合格。角度を変えて2セット。

Day6–7:クロスとシュートの試運転

サイドでインスイングのクロス練習、ペナルティエリア角からの軽いシュート練習。無理に強く蹴らない。

進捗チェックと翌週の課題設定

成功率、ブレ具合、痛みの有無を記録。翌週は距離か高さのどちらか一方にテーマを絞る。

撮影と自己分析:上達を早める見方

横・斜め後方からの撮影で見るべき3点

  • 支持足の置き位置(距離・角度)
  • 上体の前傾と骨盤の開き具合
  • フィニッシュで体が止まっているか

スロー再生で確認するフレーム

インパクト直前・直後・フィニッシュの3点。足首の角度と当て面の向きに注目します。

チェックリストでの自己採点法

項目ごとに0/1で採点(できない/できる)。合計3点以上なら次の距離、高さへ挑戦。

上手くいった動画の保存・比較術

成功と失敗を1本ずつ保存。翌週に見返して、支持足の位置と上体の角度を比べると修正が早いです。

用具の選び方:スパイク・ボール・サポーター

スタッド形状とグリップ感の影響

丸型やHG向けは抜けが良く、支持足のブレを抑えやすい。人工芝ではAG/TFを選ぶと安定します。

ボールの号数・空気圧と蹴り心地

中学生は4号/5号の学校・チーム基準に合わせる。空気圧はやや低めだと当て面の感触がつかみやすいですが、公式基準内に調整しましょう。

サポーターやテーピングの考え方

違和感がある日は無理せずサポートを併用。痛みが強い場合は練習自体を控える判断を。

練習場所に合う装備チェック

滑りやすい地面ではグリップ優先。紐は二重結びで解けないように。

メンタルと判断:いつ使うかを決める基準

遊びではなく“選択肢”としてのラボーナ

「逆足で遅れる」「角度がない」場面でのみ採用。原則は最短で確実なプレーが先です。

失敗後の切り替えルーティン

失敗→3秒で呼吸→次の守備アクション。評価は“次の行動の速さ”。

チームメイトとの連携と合図

サインを決めておくとミスが減ります。たとえば「逆サイド」のコールでラボーナの可能性を味方に共有。

試合での初投入ガイドライン

練習で成功率60%以上、距離5〜8mで安定したら、まずはゴール前以外の低リスクエリアから。

チェックリスト:今日クリアしたい5つの達成指標

支持足の置き位置が安定している

毎回同じ距離・角度で置けたら1点。

当て面を毎回再現できる

当たり負けせず、足首がロックできているか。

3/5回で狙った方向に出せる

角度はブレても、方向性が合っていればOK。

ショートレンジで浮かせられる

5〜8mで軽く浮かせる感覚が出たら合格。

動画でフォームの再現性がある

成功と失敗の差が小さくなっていれば進歩です。

よくある質問(Q&A)

身長や体格は関係ある?

大きな影響はありません。必要なのは支持足の安定と当て面の再現性。軽い選手でも通るボールは作れます。

逆足が極端に苦手でも大丈夫?

大丈夫。ラボーナは利き足の感覚を使える技です。ただし、逆足の基礎が上がるほど成功率は伸びます。

成長期の痛みがある場合の練習は?

無理は禁物。痛みがある日はシャドーや柔軟中心に切り替え、痛みが引いてから段階的に戻しましょう。

どのくらいで試合投入を目指す?

個人差がありますが、毎日15分を1〜2週間続け、成功率と再現性が確認できてから。まずは低リスクの場面で。

次の一歩:発展技とゲームでの活かし方

走りながらのラボーナ

歩数を3歩に増やし、ラスト1歩で支持→タメ→解放。ボールが体から離れすぎないよう細かいタッチを挟みます。

ワンタッチ・ラボーナの導入

味方からのボールに合わせ、支持足→インパクトの2拍で処理。角度の先読みがカギ。

フェイントとして見せてからの逆足

ラボーナを見せて逆足インサイドで出す二択にすると、相手の重心が割れます。

個人目標と振り返りの続け方

「距離」「高さ」「成功率」のうち1つに毎週テーマを絞り、動画で比較。小さな達成を積み上げていきましょう。

まとめ:ラボーナは“型が先、強さは後”で今日から始められる

ラボーナは、支持足の置き位置と当て面の再現性を身につければ、中学生でも今日から蹴り始められます。まずは15分ルーティンで「同じ型で当てる」を習慣に。距離やスピードは後から伸びます。安全第一で無理をせず、撮影とチェックリストで客観視しながら、試合での“使える選択肢”へ育てていきましょう。さあ、今日の15分からスタートです。

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