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サッカーのスローインで足が上がると反則?審判はここを見る

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タッチライン際でスローインを急いだ瞬間、「今の、足上がってた?」と不安になったことはありませんか。結論からいえば、スローインで“足が上がる”ことは反則になり得ます。ただし、審判が見るのは「ボールを離す瞬間の両足の接地」。助走やモーションの途中で浮いていても、リリースの瞬間に両足が地面に触れていれば適法です。本記事では、競技規則の根拠、審判のチェックポイント、よくある誤解、そして反則を防ぐ実践テクニックまで、現場で役立つ内容に絞って解説します。

結論:スローインで“足が上がる”は反則になり得る。審判はリリースの瞬間の両足接地を判定する

足が完全に浮けば反則、かかとが浮いてもつま先が接地していれば適法

スローインは「両足の一部が地面に触れている」ことが必須です。かかとが浮いていても、つま先や足の一部が接地していれば適法。逆に、片足でも完全に宙に浮いた状態でボールを離すと反則(スローインのやり直しではなく、相手ボール)となります。

判定はボールを離す瞬間の状態で行われる

助走やモーション中に一瞬跳ねても問題はありません。大切なのは「リリースの瞬間」。このタイミングで両足が接地しているかどうかが判定基準になります。

足の位置はタッチライン上または外側のみ有効(フィールド内への踏み込みはNG)

両足は、タッチライン「上」または「外側」に置く必要があります。ラインの内側(フィールドの内側)へ踏み込んでボールを離すのは反則です。ライン上はOKですが、ラインの内側はNGという境界を覚えておきましょう。

競技規則の根拠:IFAB競技規則 第15条(スローイン)を整理する

第15条の要点と原則(正しい再開手順)

  • フィールドに正対して行う(体はピッチの方を向く)。
  • ボールは両手で、後方から頭上を通して投げる。
  • 足はタッチライン上または外側に置き、リリースの瞬間は両足接地。
  • ボールが出た地点から行う(大きなズレは反則)。
  • 相手は2m以上離れる。

必須条件:両手・頭上を通す・後方から・両足接地・所定位置から

  • 両手:片手投げは不可。両手を使っていれば左右の力が完全に等しい必要はありません。
  • 後方から頭上:耳横からの“横投げ”は反則。明確に頭上を通す軌道が必要です。
  • 両足接地:リリースの瞬間に両足の一部が地面に触れていること。
  • 位置:ボールが出た地点付近(厳密には出た地点)。明らかに前進・後退した場合は反則。

反則となる典型例(片足ジャンプ、フィールド内への踏み込み、片手投げ等)

  • 片足ジャンプのままリリース(片足が浮いた状態)。
  • フィールド内へ踏み込んでリリース(ラインの内側)。
  • 片手で投げる、または頭上を通過しない“振り下ろし”。
  • 投げる地点が大きく違う(明確に数メートルのズレ)。

相手競技者の2m距離ルールと再開の扱い

  • 相手はスローイン地点から2m以上離れる義務があります。
  • 距離を取らず妨害すれば警告の対象。状況次第でスローインのやり直しになる場合もあります。

審判はここを見る:実際のチェックポイント

“リリースの瞬間”を切り取って判断する理由

モーションは多様でも、再開が有効かどうかは「ボールを手から離した瞬間」に集約されます。この一瞬で、両足の接地、体の向き、ボールの通過軌道が満たされているかを判断します。

両足の接地面と位置(ライン上/外側、内側侵入の判定)

  • 接地の有無:かかとが浮いてもOK。片足でも完全に浮いていれば反則。
  • 位置:ライン上または外側はOK。ラインの内側へ踏み込んだ状態でリリースはNG。
  • 副審はラインと足の関係(重なり方)を横から確認します。

ボールの持ち方と動作軌道(後方から頭上を通るか、両手使用か)

  • 両手がボールに触れているか。
  • 明確に後方から頭上を通しているか(横投げは不可)。
  • 体はフィールドに正対しているか(極端な横向きは疑われやすい)。

投げる地点の正確性(ボールが出た地点付近)と相手の2m距離

  • ボールが出た地点からの再開。実戦では小さなズレはマネジメント対象ですが、大きな移動は反則です。
  • 相手が2m以内にいる、手を上げて妨害するなどは注意・警告の対象。

再開マネジメント(やり直し、遅延行為、フェイントの扱い)

  • 不正なスローインは原則として相手ボールのスローインに。
  • 過度な時間稼ぎは「遅延行為」で警告対象。
  • フェイント自体は認められていますが、相手を欺く目的での不正や遅延は認められません。

よくある誤解とグレーゾーンの整理

かかとが浮いてもつま先が接地していればOK?

OKです。要件は「足の一部が接地」。つま先がしっかり地面に触れていれば問題ありません。

つま先が浮いてかかとだけ接地はOK?

OKです。極端に不安定になりやすいので実用面では非推奨ですが、ルール上は「接地していれば可」。

ランニングスローでの“跳ね”や“ふわっと浮く”は反則?

モーション中の浮きは問題ありません。ただし、ボールを離す瞬間に両足が接地していなければ反則です。助走の勢いに任せて宙でリリースしないよう注意しましょう。

タッチライン上はOK、ラインの内側はNGの境界

ライン上まではOK。わずかでもラインの内側に踏み込んだ状態でリリースすると反則です。足の幅を広めに取り、かかとがライン外、つま先がライン上にかかる形が安定します。

フリップスロー(前転スロー)は合法か?

条件を満たせば合法です。リリースの瞬間に両足が接地し、両手で後方から頭上を通していれば認められます。着地直後に急いで投げると接地が不十分になりやすいので要注意。

片足を引きずるように滑らせても良いのか

リリースの瞬間に両足が地面に触れていれば問題ありません。滑らせる動作自体は反則ではありません。

濡れたピッチや傾斜で接地が不明瞭な場合の注意

  • スタンスをほんの少し広めにし、足裏の接地感を確保。
  • リリース直前に一瞬の“止め”を入れて、接地を明確に。
  • 滑るスパイクなら、つま先をわずかに外向きにしてグリップを上げる。

反則を防ぐ実践テクニック

両足接地を安定させるスタンスづくり(幅・角度・重心)

  • 幅:肩幅〜1.5倍。狭すぎると浮きやすい、広すぎると回旋が弱くなる。
  • 角度:つま先はやや外向き(5〜15度)で安定。
  • 重心:土踏まずの前寄りに乗せ、かかとは軽く。接地感を維持しやすい。

リリース直前の“一瞬の停止”を習慣化する方法

  • 助走→踏み込み→肩を引く→「1拍止める」→リリース、のリズムを固定。
  • 合言葉:「止めて・投げる」。声に出すとタイミングが安定します。

肩甲帯と体幹で飛距離を伸ばす上半身の使い方

  • 肩甲骨を寄せて胸を開く→腹圧をかけたまま前へスナップ。
  • 腕の力だけに頼らず、骨盤の前傾戻しと胸郭のたわみを使う。

距離とスピードを出すための握り・リズム・助走

  • 握り:親指と指先でC字を作り、手のひら全体で安定させる。
  • リズム:タタン(2歩助走)→止めて→スパッ、と短いテンポが崩れにくい。
  • 助走:出た地点から大きく離れないことが大前提。最後の一歩で重心を落とす。

練習ドリル:壁当て→ターゲット→プレッシャー下の段階練習

  1. 壁当て10本×3セット(正確性とフォーム確認)。
  2. ターゲットマーカー(味方の頭上高さ)へ20本(弾道の再現性)。
  3. プレッシャー付与(相手の立ち位置を2m外に置いて実戦想定)。

試合での戦術活用と注意点

クイックスローと安全な再開のバランスを見極める

速さは武器ですが、フォームが崩れて反則では逆効果。自陣深くでは安全重視、相手が整う前ならクイック重視と、ゾーンで切り替えましょう。

オフサイドが適用されない利点を活かした配置と動き

  • スローインからは直接オフサイドになりません。
  • 背後へのランを積極的に使い、ターゲットとフリーマンの二枚看板で揺さぶる。

相手の2m違反への対応(リテイク・注意喚起)

  • ボールを持ったまま主審に一言アピール。「2メートルお願いします」。
  • 相手が退かない場合は、投げ急がずに審判の介入を待つ。

ベンチワーク:ボールパーソンや交代要員との連携

  • クイックスロー用に即時供給の動線を共有。
  • 同一サイドの選手でスロー担当を固定し、フォームの安定と判定リスクを下げる。

指導・育成年代でのチェックリスト

コーチが確認すべきフォームの順序(足→手→軌道→地点)

  1. 足:両足接地、ライン上/外側、内側踏み込みなし。
  2. 手:両手で保持、指の掛け方は安定しているか。
  3. 軌道:後方から頭上を明確に通過。
  4. 地点:ボールが出た場所から。大きなズレは修正。

親が子どもに伝えやすい“短い合言葉”

  • 「両足・頭上・線外」
  • 「止めて・投げる」

映像でセルフチェックする手順と観点

  • 横から撮影し、リリースの1コマを停止して“両足接地”を確認。
  • 正面からは体の向きとボールの頭上通過をチェック。
  • 投げた地点が妥当か、ラインとの位置関係をフレームに残す。

競技規則アップデートとローカル差への対応

毎年の競技規則改訂で確認したいポイント(第15条)

競技規則は毎年更新される可能性があります。第15条に変更がないか、シーズン前に最新版を確認しましょう。

学校・地域大会のローカルルールがある場合の確認事項

  • 育成年代では、運用として“やり直し優先”の場合があります(大会要項を確認)。
  • ボールパーソン運用や複数球の使用可否など、再開速度に関わる事項もチェック。

試合前の主審・副審とのコミュニケーションのコツ

  • 「スローインの位置とスピード感、厳しさの基準」を短く確認。
  • 相手ベンチとの合意形成(ボール供給のルール)も試合前に共有すると混乱が減ります。

要点まとめと次の一歩

反則を避ける3つのチェック:両足・頭上・位置

  • 両足:リリースの瞬間に接地。浮いたら反則。
  • 頭上:後方から頭上を明確に通す。横投げはNG。
  • 位置:出た地点から。内側踏み込みはNG、ライン上/外側はOK。

今日からできる練習メニューと頻度の目安

  • フォーム10本(動画チェック付き)×週3回。
  • ターゲット狙い20本×週2回(距離と弾道)。
  • プレッシャー下15本×週1回(2mルールで配置)。

よくあるミスを潰す“試合当日のルーティン”

  • アップで「止めて・投げる」を5本。接地感を確認。
  • 審判の基準をキックオフ前に一言で確認。
  • ベンチと「クイック/安全」の判断基準を共有。

あとがき

スローインは地味に見えて、ポゼッションとチャンスの入口です。反則を避けるコツは、難しいテクニックより「一瞬の止め」と「足の置き方」。今日から数本だけでもルーティン化してみてください。迷ったら“両足・頭上・線外”。これだけで、ほとんどのリスクは消せます。

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