サッカーリフティング上達のコツ 小学生はこの順番で伸びる——最短で上達するには、「正しい順番」と「小さな成功の積み重ね」がカギです。この記事では、リフティング未経験の小学生でも迷わず取り組めるように、準備から10のステップ、1日10分の練習メニュー、試合で活きるつなげ方まで、ロードマップ形式でやさしく解説します。難しい技は後回し。まずは“できる感覚”を伸ばしていきましょう。
目次
- はじめに:なぜ小学生のうちにリフティングを伸ばすべきか
- 上達の全体像:小学生はこの順番で伸びる(ロードマップ)
- 準備:安全・道具・環境の整え方
- ステップ1 手→足→キャッチ:成功体験を量産
- ステップ2 ワンバウンドリフティング:高さとタイミングを掴む
- ステップ3 片足1回→キャッチ:面を止める技術
- ステップ4 連続回数の壁を超える:3→5→10回
- ステップ5 インサイドリフティングで精度を底上げ
- ステップ6 もも・つま先・ヘディングを安全に取り入れる
- ステップ7 コンビネーション:足→もも→足→キャッチ
- ステップ8 動きながらのリフティング:前進・後退・左右
- ステップ9 弱い足強化ドリル
- ステップ10 視線・姿勢・体幹:落ち着きが精度を生む
- よくある失敗と直し方チェックリスト
- 1日10分×週5の練習メニュー(例)
- 目標設定と検定:10回→30回→100回のリアルな道筋
- 試合で活きるリフティング:トラップとファーストタッチへ橋渡し
- 家庭でできるサポートとモチベ維持
- Q&A よくある質問
- まとめ:順番を守れば、だれでも伸びる
- あとがき
はじめに:なぜ小学生のうちにリフティングを伸ばすべきか
ボールタッチの基礎を固める
小学生の時期は、神経系が発達しやすく「触れた感覚」を覚えるのに最適です。リフティングは、足首・膝・股関節の連動や、ボールの「面」に当てる感覚を反復で育てます。ここで得た感覚は、止める・運ぶ・蹴るすべての土台になります。
試合で活きる具体的な場面
浮き球の処理、弾んだボールのトラップ、混戦での一瞬の持ち出しなど、リフティングのコントロールは試合の細部で差になります。上に逃がす、柔らかく受ける、次の一歩が出る位置に置く——こうした微調整力は、日々のリフティングで磨かれます。
集中力・身体コントロール・自信の育ち方
連続回数や目標をクリアするたびに達成感が積み上がり、自信が育ちます。また、リズムや呼吸を整えることで集中力も向上。身体を意図通りに動かす「運動コントロール」を、遊びの延長で楽しく獲得できます。
上達の全体像:小学生はこの順番で伸びる(ロードマップ)
01 手→足→キャッチで面と高さを覚える
小さなトスから1回タッチしてキャッチ。まずは「成功体験」を量産します。
02 ワンバウンドリフティングでタイミング習得
地面に1回バウンドさせてからタッチ。高さと打点の基準を作ります。
03 片足1回→キャッチで面を止める技術
片足で1タッチ、すぐキャッチ。面ブレを抑える“止める技術”を定着させます。
04 両足交互3回→5回→10回で連続性を作る
左右交互のリズムを作り、回数を段階的に伸ばします。
05 インサイドで安定化・精度UP
広い面を使ってミスを減らし、狙いどおりの高さにコントロール。
06 もも・つま先を安全に追加
当てる面を増やし、姿勢変化やバランス調整力を高めます。
07 コンビネーションで遷移スキル強化
面の切り替えをスムーズに。手順化→自動化を狙います。
08 移動しながらのコントロール
前・後・左右に動き、試合に近い状況での対応力を鍛えます。
09 弱い足の集中特訓
配分を調整し、苦手を先に伸ばす設計で全体レベルを底上げ。
10 視線・姿勢・リズムの最適化
最後はフォームの微調整。安定感と余裕が大きく変わります。
準備:安全・道具・環境の整え方
ボールサイズと空気圧の目安
小学生は3号球(低学年)〜4号球(中・高学年)が基本。空気は硬すぎると弾みすぎ、柔らかすぎると足にまとわりつきます。ボールに記載の適正空気圧を目安に、側面を親指で押してわずかにへこむ程度(3〜5mm)を基準にすると扱いやすいです。
靴とグラウンド(屋内・屋外)の選び方
足に合ったトレーニングシューズまたはフットサルシューズがおすすめ。屋内はノンマーキングソール、屋外は土・人工芝に合うグリップを選びましょう。つまずき防止のため、靴ひもは短く結び、ほどけにくい結び方を。
ウォームアップと柔軟の基本
足首回し、膝の屈伸、股関節回し、軽いジョグを各30秒〜1分。ふくらはぎ・ハムストリングスのダイナミックストレッチを入れると、足の上げ下げがスムーズになります。
安全ルールとスペースづくり
半径3m以上のスペースを確保し、周囲の人・物に注意。屋内は照明や家具にぶつからない位置で。汗や雨で滑る時は中止または場所を変更しましょう。
ステップ1 手→足→キャッチ:成功体験を量産
正しいボールの持ち方と小さなトス
両手でボールをおへその前に持ち、顔の高さまで軽くトス。回転をかけないことがポイントです。
インステップの面づくりと足首固定
足首を伸ばし、靴ひもの少し上で水平の面を作ります。つま先は下向き、かかと軽く上げて「まっすぐの板」をイメージ。
キャッチまでのリズム(トス→タッチ→キャッチ)
声に出して「トス・タッチ・キャッチ」。同じリズムで繰り返すと安定します。
回数目標とチェックポイント
まずは10回成功(連続でなくてOK)。ボールが左右に流れたら、打点が身体の真ん中にあるかを確認しましょう。
ステップ2 ワンバウンドリフティング:高さとタイミングを掴む
理想のバウンドと打点の見極め
腰〜みぞおちの高さに上がるバウンドが理想。落ちてくる直前の「最も落下速度が遅い瞬間」を打点にします。
膝と足首の連動・体重移動のコツ
膝を軽く曲げ、当てる瞬間に足首を固めて上下の小さな動きで合わせます。体重は軸足の母趾球に。
両足交互での進め方
右→バウンド→左→バウンドの順でリズム作り。まずは10往復を目標に。
よくあるミスと修正キュー
高く上げすぎ→「天井は見ない」。前に流れる→「おへそ前で当てる」。回転が強い→「面はゴールへ向ける」。
ステップ3 片足1回→キャッチ:面を止める技術
片足支持のバランスと体重配分
軸足の膝を軽く曲げ、頭・へそ・軸足が一直線。肩はリラックス。ふらついたら、軸足の母趾球に重心を戻します。
つま先の向き・足の角度
つま先はやや内側、足の甲を水平に。角度は「地面と平行」を意識。
ボールの当て所(靴ひもの少し上)
足の甲の真ん中より少し上でヒット。毎回同じ場所に当てられるかを確認しましょう。
左右差の確認とタスク設定
右10回成功→左10回成功→交互10回成功と段階を踏み、差が大きい足を多めに練習します。
ステップ4 連続回数の壁を超える:3→5→10回
安定するリズム(一定の高さ・間隔)
高さは膝〜腰。タッチ間隔は「トン・トン・トン」と心拍に合わせると整いやすいです。
打点は膝の真下にキープ
おへそ前かつ膝の真下で当てると前後ブレが減ります。足を振り回さないこと。
高さコントロールの基準作り
「目の高さは上げすぎ」「膝下は低すぎ」。まずは腰の高さ固定を目標にします。
呼吸法とメンタルの整え方
3回ごとに小さく吸う・吐く。ミスしてもすぐにボールを拾い、3秒以内に再開すると集中が切れません。
ステップ5 インサイドリフティングで精度を底上げ
面の広さを活かした当て方
足の内側の広い面で軽く押し上げるイメージ。回転が少なく、安定感が出ます。
股関節の開きと姿勢のポイント
股関節を少し開いて内向きにセット。上体は直立を保ち、腕は軽く開いてバランスを取ります。
インステップとの使い分け
高さを出す・距離を出すならインステップ、安定と細かい調整はインサイド。目的で使い分けましょう。
室内での安全な練習法
低めの高さ(膝〜腰)で、バスタオルやマットの上で行うと音と弾みを抑えられます。
ステップ6 もも・つま先・ヘディングを安全に取り入れる
ももの当て方と体の起こし方
太ももの前面の一番柔らかい部分で、軽く上に“受ける”だけ。上体は少し起こし、反らしすぎない。
つま先タップの使い道と注意点
足先で軽く触れて高さ調整。つま先を強く突き上げず、足首は固めすぎないこと。
年齢に応じたヘディング配慮
一部の国や協会では低年齢での反復的なヘディング練習を制限しています。小学生は無理をせず、柔らかいボールや軽いボールで頻度・強度を抑えましょう。違和感や頭痛があれば中止し、無理は禁物です。
組み合わせ練習の順番
足→もも→足→キャッチのように、必ずキャッチを入れて区切ると安全に広げられます。
ステップ7 コンビネーション:足→もも→足→キャッチ
シンプルな順番から始める設計
足→足→キャッチ、足→もも→キャッチなど2〜3要素で固定。成功率が8割超えたら要素を1つ追加します。
遷移でミスしやすい局面の対処
面の切り替えで落ちるなら、「いったん高さを低めに」か「キャッチをはさむ」。順番を声に出すのも有効です。
ゲーム化・チャレンジのアイデア
30秒で何パターン成功できるか、家族と交互チャレンジ、ミス1回で交代など、遊び要素で継続を後押し。
ステップ8 動きながらのリフティング:前進・後退・左右
フォワードドリフトで前進コントロール
タッチごとに5〜10cm前へ。ボールは体の正面をキープし、歩幅は小さく一定に。
スペース認知と身体の向き
進行方向のスペースをチラ見してからタッチ。肩と腰を進行方向へ揃えるとズレが減ります。
視線は遠く:足元を見すぎないコツ
視線はボールの上、1〜2m先へ。音と感覚で合わせると、試合に近い「余所見耐性」が育ちます。
ラインを使った直線・ジグザグ練習
地面の線や即席テープでコースを設定。直線→S字→ジグザグの順に難易度を上げましょう。
ステップ9 弱い足強化ドリル
“1.5倍ルール”で配分調整
弱い足を強い足の1.5倍練習。強い足20回なら弱い足30回を目安に。
片足縛りメニューの進め方
弱い足のみで1回→キャッチ×10本、ワンバウンド×10本、3回連続×5本と段階を踏みます。
壁当て併用で面の安定化
低い強度で壁に軽く当て、返ってきたボールを弱い足でタッチ。面の角度と足首固定を確認しましょう。
週間タスクと評価のしかた
週初めに「弱い足10回を3セット成功」など数値目標を設定。金曜に動画で自己チェックすると改善点が見えます。
ステップ10 視線・姿勢・体幹:落ち着きが精度を生む
顎を引く・背中を伸ばす
顎を軽く引き、背中はスッと伸ばす。上体の安定が面ブレを減らします。
骨盤の前傾と軸足の安定
骨盤をわずかに前傾し、軸足の内側(母趾球)で地面を押す。足裏の接地感を意識。
上半身は静かに、下半身で調整
腕は軽く開き、肩は上下させない。調整は膝と足首の小さな動きで行いましょう。
指先・肩の余計な力を抜く
指をぶら下げる意識、肩の力を吐く息で抜く。力みが消えるとタッチが軽くなります。
よくある失敗と直し方チェックリスト
ボールが前に流れる:体の真ん中で触る
おへそ前・膝の真下でタッチ。足を振り上げず、上下の小さな動きを意識。
回転がかかりすぎる:面の向きを修正
面が内外に傾いているサイン。靴ひもが正面(ゴール方向)を向く角度に直しましょう。
当てる場所がズレる:靴ひもの上を反復
足の甲の同一点にシールを貼るイメージで当て続ける。10回中8回当たればOK。
高さが安定しない:振り幅一定化
膝の曲げ伸ばしを同じ幅に。上げる力を半分、受ける力を半分で均等に。
焦って視線が落ちる:音と感覚で合わせる
「トン」の接地音に合わせてタッチ。1〜2m先を見る時間を意識的に作りましょう。
1日10分×週5の練習メニュー(例)
初級メニュー:手→足→キャッチ・ワンバウンド
1)手→足→キャッチ×10本×2セット 2)ワンバウンド交互×10往復×2セット 3)片足1回→キャッチ(左右)×各10本。最後に好きな技1分でOK。
中級メニュー:3→5→10回・インサイド導入
1)交互3回×5セット 2)交互5回×5セット 3)インサイドのみ交互×20回チャレンジ 4)もも→足→キャッチ×10本。
上級メニュー:コンビ・移動・弱い足強化
1)足→もも→足→キャッチ×10本 2)前進リフティング10m×3本 3)弱い足のみ10回×3本 4)30秒耐久×2本。
雨の日メニュー:室内安全ルール付き
マットの上で低め限定(膝〜腰)。壁・天井に注意し、インサイド小刻みタッチ30回、ワンバウンド交互20回、コンビ(足→足→キャッチ)×10本。
目標設定と検定:10回→30回→100回のリアルな道筋
年齢・経験別の目安と幅
はじめて1〜2週間で10回、1〜3カ月で30回、継続3〜6カ月で100回が一つの目安。ただし個人差は大きいので、期間はあくまで参考に。
停滞期の乗り越え方(変数を1つだけ変える)
高さ・リズム・面・場所のいずれか1つだけを変える。例:高さを10%低く、足首固定を強める、インサイドに切り替えるなど。
オフ日の過ごし方(可視化と回復)
短い動画でフォーム確認、軽いストレッチ、イメージトレーニング。体が重い日は完全休養でOK。続けることが最優先です。
試合で活きるリフティング:トラップとファーストタッチへ橋渡し
落下点の予測と体の向き作り
浮き球は最初のバウンド前に落下点を見極め、体の向きを次に運びたい方向へセットします。
クッションコントロールで次触れを楽に
足首をやや緩めて衝撃を吸収し、ボールの勢いを殺してから次のタッチへ。リフティングの「受ける感覚」が生きます。
次の一歩が出る置きどころと準備姿勢
次に蹴りたい足の前、半歩分に置く。頭は上げ、周囲の状況を見ながらのファーストタッチを目指します。
家庭でできるサポートとモチベ維持
親子の声かけ例(プロセス重視)
「今日の一番うまくいったタッチはどれ?」「高さがそろってきたね」など、結果ではなく工夫や過程をほめましょう。
記録のつけ方(回数・時間・成功率)
日付・最高回数・合計練習分数・成功率(例:10回中7回成功)をメモ。週ごとの伸びが見えると、やる気が続きます。
ごほうび設計とチャレンジ設定
「30回達成で好きな音楽をかけて練習」「週5達成で好きな晩ごはん」など小さなごほうびでOK。
安全確認のポイントと環境整備
靴ひも・足元の滑り・周囲の障害物を毎回チェック。暗くなる前に切り上げ、疲れたら無理をしない習慣を。
Q&A よくある質問
何歳から始める?
ボールを投げてキャッチできるころからOK。低学年は3号球や軽いボール、風船などから始めると安全です。
毎日どれくらいやる?
目安は1日10分×週5。集中して短く行い、「明日もやりたい」で終えるのがコツ。
ボールがない時の代替案は?
風船、柔らかいラバーボール、丸めた靴下でもタッチのリズム練習は可能。高さは低めに。
他の練習とのバランスは?
リフティングは技術の基礎。パス・ドリブル・対人と並行し、合計の練習時間の1〜2割を目安に組み込みましょう。
まとめ:順番を守れば、だれでも伸びる
今日から始める最初の一歩
手→足→キャッチとワンバウンドから。成功体験を量産し、3→5→10回の小さな山を登りましょう。
続ける仕組み化と次の目標
1日10分を固定化、週ごとに目標を見直し。インサイド導入→コンビ→移動→弱い足強化→フォーム最適化の順で、着実にステップアップできます。
あとがき
リフティングは「器用さ」ではなく「順番」と「反復」で伸びます。できた日も、できなかった日も、10分やり切ったら合格。明日の自分が少しだけ楽になる——その積み重ねが、試合の一瞬を変えます。焦らず、楽しく、続けていきましょう。
