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サッカー チャージ ルール完全理解:合法と反則の境界

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相手と肩をぶつけた瞬間に笛が鳴るか、流れるか。その境界は「知っているかどうか」で大きく変わります。この記事では、IFAB競技規則(第12条)に基づき、チャージの合法・反則を明確に言語化。現場で即使えるチェックリストやトレーニングまで一気通貫でまとめました。今日から、安全に、強く、賢く当たりましょう。

目次

先に結論:サッカー チャージ ルール完全理解—合法と反則の境界

合法なショルダーチャージの3原則

肩と肩で当たる/ボールがプレー可能距離にある/不注意でも無謀でも過剰でもない力の使用。この3つを同時に満たしていれば原則OKです。

反則判定の3軸(タイミング・方向・強度)

タイミングが遅い・方向が背面寄り・強度が過度。このいずれかが崩れると反則リスクが急上昇します。3軸が揃って初めて合法の当たりになります。

即チェックできる現場用ミニチェックリスト

  • 肩と肩で当たれているか?(腕・肘・背中押しはNG)
  • ボールは足1~2歩で触れる距離内か?
  • 相手の死角や背後から入っていないか?
  • 減速・踏み替えで強度をコントロールできているか?
  • 当たる直前、視線はボール→相手の順で確認したか?

チャージとは何か:IFAB競技規則(第12条)の位置づけ

用語定義:チャージ/ショルダーチャージ/チャレンジ

チャージは相手と身体的接触を伴う挑戦行為。ショルダーチャージは肩同士での正当な接触。チャレンジはボールを巡る競り合い全般を含みます。

第12条の要点:不正行為の類型と直接フリーキックの根拠

不注意・無謀・過剰な力によるチャージは反則で、直接フリーキック(DFK)の対象。ペナルティエリア内守備側の反則ならPKとなります。

試合再開の種類(DFK/PK)とカードの基本整理

ケアレス=DFK/PKのみ。レックレス=警告+DFK/PK。過剰な力=退場+DFK/PK(重大な反則や暴力行為に該当することがあります)。

合法なショルダーチャージの条件

肩と肩の接触:身体の部位と接触面の基準

接触点は肩~上腕の外側が基本。胸・背中・手を使って押すのは不可。頭部や背面への衝突は危険性が高く反則になりやすいです。

ボールがプレー可能距離にあることの意味

自分または相手が1~2歩で触れられる距離。明らかに遠い場合は「ボールに行っていない」と見なされ、単なる体当たり扱いになります。

公平かつ合理的な力の使用:自然体と過度の力の線引き

接触直前にスピード調整ができ、体の軸が安定しているのが自然体。助走をつけて吹き飛ばす狙いは過度の力の疑いが強くなります。

反則となるチャージの典型例

背後からのチャージと背面押しの扱い

相手の背面や斜め後ろからの接触は視認性が低く危険。特に背中を押す行為は直接FKの典型です。

肘・前腕・手の使用が反則になるケース

肘を張る、前腕で押す、手で突き放すのは拡張行為。相手の顔面付近は警告や退場の対象になり得ます。

助走距離・加速度による過度な力の使用

長い助走や全力での体当たりは「過剰な力」。相手の安全を脅かせば退場のリスクがあります。

審判の判定基準を言語化する:ケアレス/レックレス/過剰な力

ケアレス(不注意)=直接FK

注意義務を怠った程度。接触はあるが危険性や無謀性は高くない場合が該当します。

レックレス(無謀)=警告(イエロー)

相手の安全を顧みない当たり。速度や角度が危険寄りでコントロールが不十分な時に出ます。

過剰な力(過度の力)=退場(レッド/重大な反則)

相手を傷つける可能性が高い強度。肩でも、体当たりの意図や頭部・背面への激突なら一発退場の可能性があります。

ボールとの距離とタイミング:『プレー可能距離』を体感で掴む

距離の目安と状況依存性(スピード・方向)

走行スピードが速いほど「可能距離」は伸びますが、角度が合わなければ実質は短い。自分の一歩で触れるかを常に計算しましょう。

先触り/同時触り/後触りでの評価の違い

先触り・同時触りは合法の土台。同時でも相手の姿勢が不利なら強度に注意。後触りで接触が主なら反則になりやすいです。

ボールに向かう意図の可視化(身体の向き・視線・ステップ)

胸とつま先がボール方向、視線がボール→相手へ移る順序、細かいステップの減速。これらが「ボールに行っている」証拠になります。

接触の方向と角度:正面・側面・背面の境界線

正面~斜め前からのアプローチが安全な理由

相手が接触を予見でき、姿勢を整えやすいから。ファウルになりにくく、ボール奪取へつなげやすい角度です。

横からの当たりでの肩の位置と骨盤の向き

自分の肩は相手の肩より半個分前に。骨盤はタッチライン側へ開き、相手を外へ誘導するのがセオリーです。

背面からの接触が反則になりやすい条件

相手が無防備・スピード差が大・視界外の3条件が重なると危険。軽い接触でも反則判定の可能性が高まります。

手・腕・肘の扱い:バランス維持と拡張行為の区別

自然なスイングとスペース拡張の違い

走行に伴う腕振りはOK。ただし接触直前に腕が横へ固定・拡張して相手に当たれば反則です。

腕を広げた『壁』の評価基準

腕で幅を作って進路を塞ぐのはNG。肩で当たり、腕は肘を軽く曲げて体側に収めるのが安全です。

転倒時の手の使い方と相手接触の注意点

転倒の受け身で相手の顔・首に手や肘が当たるとカード対象に。内側へ畳む意識でリスクを減らしましょう。

空中戦とチャージ:ジャンプ時の接触はどこまで許容?

空中での肩同士の接触と体当たりの違い

同時ジャンプで肩同士が触れるのは許容範囲。助走を付けて相手へ突っ込むのは体当たりで反則です。

相手を見ないジャンプと無謀性の評価

視線がボールだけで相手位置を無視すると無謀判定に。片目でも相手を把握して減速を入れるのが安全です。

着地の安全確保と責任の所在

相手の着地スペースを奪うのは危険行為。肩で触れても、下半身で相手をすくえば反則です。

ゴールキーパーへのチャージの注意点

キーパーが『ボールをコントロールしている』状態の定義

手で保持、手と地面や体で押さえている、腕に乗せ保持、弾ませている・空中に投げ上げた瞬間も含みます。コントロール中は接触禁止です。

ハイボール競り合いでの合法・反則の境界

キーパーが手を伸ばして保持する前なら肩同士の公平な競り合いは可。ただし体でブロックして動線を妨げるのは反則になり得ます。

ゴール前の接触で避けるべき典型的ミス

腰への体当たり、手・肘で押さえる、跳躍中の下肢接触は即反則・カードのリスク。常にボール優先で。

シールド(ボールキープ)とチャージの違いを理解する

身体でボールを守る動作と相手への当たりの差

シールドは自分の位置取りで守る行為。押す・突くなどの能動的接触はチャージ扱いで反則になりやすいです。

静的シールドから動的シールドへの移行

止まって守る→半身で回す→前進の順で。腕で広げず、骨盤と肩でラインを作ります。

背負う→半身→抜けるの三段階と反則回避

背負う時は重心を低く、半身で相手を外へ置き、抜ける瞬間は腕を畳む。これで不必要な接触を減らせます。

状況別ケーススタディ:合法と反則の境界を場面で学ぶ

サイドライン際の押し出し気味の接触

外へ誘導はOKでも背中押しはNG。肩を相手の胸郭側面に当て、足は内側を残すのがコツです。

高速カウンターでの並走チャージ

同速並走で肩同士は可。速度差が大きいまま斜め後方から入ると無謀判定になりがちです。

ペナルティエリア内の競り合いとPKリスク管理

手の使用は極小に。ボールに先触りの根拠を作り、接触は正面~斜め前で短く収めるのが安全です。

ターン直後の当たり:相手が無防備な瞬間の判断

背中向き・視線外は危険。半歩待って正面化してから当たるとファウルとカードの両リスクを下げられます。

サッカー チャージ ルールを実戦で活かす体の使い方

肩の当て方:鎖骨保護と胸郭の角度

肩先ではなく肩峰の少し内側を当てる。胸はわずかに前傾し、首をすくめて鎖骨を守ります。

骨盤と足幅:接触前の『土台作り』

骨盤はやや開き、足幅は肩幅+半足。接触の瞬間に膝を軽く曲げて反力をコントロールします。

頭・胸・腰の三点を一直線に保つコツ

頭が前に落ちるとバランス崩壊。みぞおちを引き上げ、尾骨を真下に落として一直線を意識しましょう。

フィジカル差に左右されない技術要素

先手のポジション取りとライン管理

進行ラインを一足先に抑えると、強度を上げずとも相手を外へ追いやれます。先手が最大の省エネです。

半歩先のステップワークで角度を制す

真横からではなく斜め前へ半歩差す。これだけで合法性と奪取率が同時に上がります。

接触直前0.2秒の減速・踏み替えテクニック

最後の「トンッ」の減速で衝撃を吸収し、ファウル回避。踏み替えで軸を作ると跳ね返されにくいです。

年代・大会要項での差異に備える

ローカル規定や大会要項の確認ポイント

競技規則の適用範囲、選手保護の強調点、懲戒のガイドラインを事前に確認しましょう。

ユース年代で重視されやすい安全配慮の観点

過度な接触の抑制や頭部保護が重視されがち。迷ったら強度を一段落とす判断が無難です。

試合前ブリーフィングで確認したい3項目

接触基準の傾向、GK保護の扱い、ペナルティエリア内の基準。主審に短く確認すると安心です。

レフェリーの視点:何を見て、どう判断しているか

接触の起点・頂点・結果の三分割評価

入る角度(起点)・当たりの瞬間(頂点)・その後の影響(結果)を総合判断。結果だけでは決まりません。

相手の安全を脅かす兆候(速度差・死角・視線)

速度差が大、相手の死角、視線が相手無視。この3つはカードに直結しやすいサインです。

アドバンテージ適用とその後のカード運用

プレー続行後でも無謀・過剰なら次の停止時にカード。利を見つつ安全は担保します。

練習で身につく:合法チャージのトレーニング計画

段階式コンタクトドリル(静→動→試合形式)

静的肩当て→並走当て→2対2サイド制限ゲームの順で負荷を上げ、フォームと強度を整えます。

ショルダー・ヒットの強度コントロール練習

3段階(弱・中・強)で合図に応じて当てる。強度の引き出しを増やすとファウル回避が安定します。

フットワーク&体幹のセットメニュー(週3想定)

ラダー+サイドシャッフル10分、片脚デッドバグ&プランク各2セット、ヒップエクステンションで土台を作ります。

怪我予防とセルフケア:安全に強く当たるために

ウォームアップで準備すべき関節・筋群

頸部・肩甲帯・股関節・足関節を優先。ダイナミックストレッチで可動域と反応速度を上げます。

頸部・肩周りの安定性向上エクササイズ

チンタック、I-Y-Tリフト、外旋バンド。週2~3回で接触時の衝撃耐性を高めましょう。

アフターケア(アイシング/モビリティ/睡眠)

局所のアイシングは短時間で。翌日は軽いモビリティと十分な睡眠で回復を促進します。

反則時の罰則・再開:知って得する実務知識

直接FK/PKの基準整理(位置と影響)

反則位置がFK地点。守備側が自陣PA内で犯せばPK。間接FKではなく直接FKに該当します。

警告・退場の基準とチームマネジメント

無謀=警告、過剰=退場。既警告の選手は接触を減らす采配や交代でリスクヘッジを。

リード時/ビハインド時のリスク・リターン計算

リード時は無理な当たりを控えセットプレー献上を回避。ビハインド時は角度優先でボールタッチを根拠に。

攻守別の戦術活用:チャージで流れを掴む

守備:ボール奪取・外へ追い出す・時間を稼ぐ

半身の当たりでタッチラインを味方に。接触→ボールアウト→整列で試合を安定させます。

攻撃:相手の進路を制限して味方をフリーに

合法の肩当てで相手の重心をずらし、内側のパスレーンを開ける。ファウルは避けつつ局地優位を作ります。

セットプレー直前の接触管理でファウル回避

手の使用ゼロ化、肩の高さ合わせ、動き出し早め。主審の基準に合わせてリスクを最小化します。

VAR時代の接触判定:映像でどう見られるか

明白かつ重大な見逃しの基準に触れないために

PA内の過度な接触や顔周りの腕は介入対象になりやすい。角度と強度のコントロールが命です。

スロー再生で強調されがちな要素への配慮

肘の張り、肩の突き上げ、後追いの押しはスローで悪目立ち。事前の減速が最大の保険です。

接触後のリアクションが招く誤解を防ぐ

過度なアピールや遅延は逆効果。すぐにリカバー姿勢を取り、プレー継続の意思を示しましょう。

よくある誤解Q&A:サッカー チャージ ルール

『ボールに行っていれば何でもOK?』への回答

いいえ。ボールに向かっていても背面・無謀・過剰なら反則です。三軸(タイミング・方向・強度)が必要。

『体が大きい方が常に有利?』の真偽

サイズ差は要素の一つに過ぎません。角度・先手・強度コントロールで十分に埋められます。

『肩が触れた瞬間に倒れたら必ずファウル?』の整理

倒れた結果だけでは決まりません。起点と頂点の正当性、ボール距離が評価されます。

コーチング用キーフレーズと合図

接触前の声かけ(角度・距離・スピード)

「前!半身!減速!」の三語でOK。角度・姿勢・強度を一瞬で共有できます。

味方連携のトリガーワード(寄せ・限定・カバー)

「限定内!」「外切る!」「カバー近い!」で方向と保険を素早く統一します。

試合中に修正を伝える短いフレーズ集

「腕畳む」「一歩待つ」「角度前」など、1~2語で明確に。即時修正がファウルを減らします。

まとめ:今日から改善できる3ポイント

アプローチ角度を半身で作る

正面~斜め前の入口を徹底し、背面気味の接触を封じるだけで判定は安定します。

プレー可能距離の認知を鍛える

常に「一歩で触れるか」を評価。触れない距離での当たりは避けましょう。

強度コントロールでファウルを回避する

接触直前0.2秒の減速・踏み替えが保険。3段階強度の使い分けを練習で身につけてください。

あとがき

チャージの巧さは「知識×体の使い方×瞬間判断」の掛け算です。ルールの枠を理解し、角度と強度を磨けば、余計なファウルを減らしながら球際で勝てます。今日のチェックリストを練習と試合に持ち込み、まずは次の一回の当たりを変えていきましょう。

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