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サッカー退場後に交代できる?その後の正解と例外

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サッカー退場後に交代できる?その後の正解と例外

一人退場。試合中にその瞬間が来たとき、ピッチとベンチは何を優先し、どこまで交代でリカバリーできるのか。この記事では「サッカー退場後に交代できる?その後の正解と例外」を、競技規則(IFAB)に沿ってわかりやすく整理します。GK退場やPK戦の扱い、延長の特例、ベンチワークの実務、そして未然に防ぐトレーニングまで。誤解しやすいポイントを徹底的にほどいて、数的不利でも勝機を作る道筋を示します。

結論:退場後に交代できる?その後の正解と例外

基本原則:レッドカードは交代できない・人数は一人少ないままで続行

競技規則の基本はシンプルです。試合中に退場(レッドカード、または二枚目のイエローによる退場)が出たら、退場した選手は交代で補充できません。つまり、その後は一人少ない人数で試合を続けます。この原則は、フィールドプレーヤーでもゴールキーパーでも同じです。延長戦に入っても、退場による人数不利は解消されません。

この「補充不可」は、退場の瞬間だけでなく、その後どのタイミングであっても同様。残っている交代枠があっても、退場者の“代わり”として11人に戻すことはできません。交代はあくまでピッチ上の誰かと入れ替えるだけで、人数そのものは増えないと覚えておきましょう。

誰が退場したかで違う影響(フィールド選手/ゴールキーパー/交代要員/交代済み選手/チーム役員)

  • フィールド選手が退場:そのまま一人少ない。交代は可能だが、人数は戻らない。
  • ゴールキーパーが退場:一人少ないうえで、別の選手がGKを務める。交代枠が残っていればGKを投入して、別のフィールド選手を下げる選択も可能(ただし人数は10人のまま)。
  • 交代要員(ベンチ)や交代済み選手が退場:ピッチ上の人数は変わらないが、使える人員が減る。PK戦の“参加可能者”にも影響することがある。
  • チーム役員(監督・コーチ等)が退席:ピッチ上の人数は変わらないが、指揮系統・ベンチワークに大きな影響。

試合継続の最低人数と「中止」ライン(7人ルール)

11人制では、試合は「7人未満」になると開始できず、進行中なら続行できません。複数退場や負傷・退場の重なりで6人以下になった時点で、主審は試合を中止(放棄・中断・中止のいずれかの判断)します。逆にいえば、7人いれば続けられますが、GK不在は不可。必ず誰かがGKを務めなければなりません。

シーン別の正解:退場その後どう動く?交代はできる/できない

試合中にフィールドプレーヤーが退場した場合の基本対応

もっとも多いケースです。退場=即時に一人少ない状態。交代枠が残っていても、11人へは戻せません。以降の交代は「疲労・戦術・カードリスクの管理」のために使い、数的不利を前提とした配置と役割の再設計が必要です。サイドの一方を整理して4-4-1や5-3-1など守備ブロックを先に整え、攻撃はカウンターとセットプレーに資源を集中させます。

ゴールキーパーが退場した場合の正解と現実解

  • 交代枠が残っている:GKを交代投入し、フィールド選手の誰かを下げる。人数は10人のまま。
  • 交代枠が残っていない:フィールド選手の誰かがGKを務める。ビブスとGK用の用具を急ぎ準備。守備ラインはやや低め、被シュート数を抑える計画に切り替えます。

いずれにせよ、GK退場後は「シュートを打たせない」「中央を閉める」「不用意なCK・FKを与えない」が鉄則。CK対策のマーク基準、壁の枚数、FK時のライン設定は素早く再確認しましょう。

二枚目のイエローによる退場(累積退場)と交代の扱い

二枚目のイエロー→レッドは、交代不可という点で直接レッドと同じ扱いです。違いは試合後の出場停止の重さ(競技会の規定による)であり、試合中の人数や交代の可否は変わりません。既に警告を受けている選手は、ファウルと抗議の両面でリスク管理が必要。ベンチは早めの交代判断で「二枚目」を未然に防ぐのが実務です。

キックオフ前に退場が出た場合は交代できる?スターティングリストの扱い

試合開始前(ウォームアップ中や入場前など)にスタメン選手が退場となった場合、チームは「登録済みの交代要員の中から」その選手を置き換えて先発させられます。試合は11人で開始できますが、ベンチに残る交代要員は一人減ります。反対に、ベンチメンバーがキックオフ前に退場した場合、その選手は交代要員から削られるだけでピッチ上の人数には影響しません。

ハーフタイムや延長開始前に退場が出た場合の取り扱い

ハーフタイムや延長戦の開始前など、試合の一部として扱われる時間帯の退場は「交代不可で一人少ないまま」次のピリオドを迎えます。人数は戻せません。ロッカールームでの出来事でも、主審が確認し懲戒が示されれば同様です。

PK戦(KFTPM)での退場:交代できる?できない?

PK戦に入った後の退場も交代で補充はできません。フィールドプレーヤーの退場なら、その時点でキッカーに選べる人数が減ります。ゴールキーパーが退場した場合、フィールドの残り選手から誰かがGKを務めます。ベンチからの投入は基本的に不可です。

例外的に、競技会規定と競技規則の範囲内で「GKが負傷等で続行不可能な場合」に限り、未使用の交代枠が残っているなら登録済み交代要員との交代が許可されることがあります(詳細は大会規定次第)。退場は負傷と違い、交代の対象になりません。

ベンチの交代要員や交代済み選手・チーム役員が退場になったら人数はどうなる?

ベンチの退場(交代要員・交代済み選手・役員)は、フィールド上の人数には影響しません。ただし、使える選手・指揮系統が削がれるため、戦術的な選択肢は狭まります。PK戦では「参加資格のある選手」の扱いが細かく定められているため、主審・第4の審判員に適宜確認し、キッカー順の再調整を行いましょう。

例外と特例:退場後の交代に関する本当の『例外』はどこにあるか

PK戦でのゴールキーパー負傷時に限る交代特例(競技会規定による)

PK戦中にGKが負傷等で続行不能の場合、競技規則上は「試合で許可されている交代枠を使い切っていないなら」登録済み交代要員と交代できる余地が示されています。これは大会規定にも左右されるため、必ず事前に確認を。退場によるGK不在は対象外で、交代は認められません。退場時はフィールド選手がGKを務めるのが原則です。

延長戦の追加交代・脳振盪(コンカッション)交代と人数の関係

  • 延長戦の追加交代:大会規定で許可されている場合、交代枠は増えますが、退場者の補充には使えません。戦術や疲労管理に充てましょう。
  • 脳振盪交代:追加の「特別交代」として許可される大会があります。これは安全最優先の仕組みで、退場者の人数を補うための制度ではありません。仮に脳振盪交代を用いても、退場で減った人数は戻せません。

誤認退場(間違った選手が退場)の修正と人数回復

主審が「誤って別の選手を退場させた」ことに気づいた場合、プレー再開前であれば修正が可能です。このときは本来退場すべき選手が退場し、人数は変わりません。プレー再開後に誤認が判明しても、原則としてその場での訂正は不可。試合は進行し、処分は大会側が事後に扱います。よって、その試合中に人数を戻すことはできません。

一時的退出(シンビン)を採用する大会の注意点:退場との違い

一部の育成年代や草の根サッカーで導入される「一時的退出(シンビン)」は、主に異議(判定への過度な抗議)に対する10分間などの一時退場制度です。これはレッドカードではなく、時間経過後に復帰できます。シンビンを採用しない大会の方が多く、またレッドカードと混同しないよう注意が必要です。

育成年代・ローカルルール(自由交代)でも退場は別扱い

ジュニアや学校大会などで「自由交代(再出場可)」を採用していても、レッドカードは別扱いです。退場は常に交代不可、補充不可。大会運営要項で出場停止の扱いも合わせて確認しましょう。

フットサル・7人制など別競技のルール差(2分間退場など)

フットサルでは退場後、原則2分経過または相手の得点で人数回復が可能など、11人制と大きく異なります。7人制・9人制といった小サイドの大会でも最低人数や交代の細則が違う場合があります。この記事は11人制サッカーの競技規則を前提としているため、別競技・別形式の規則は大会要項を必ず確認してください。

退場直後のベンチワーク:数的不利で勝ち筋を作る実務

フォーメーション再設計のセオリー(4-4-1/5-3-1/3-4-1 など)

退場直後の最優先は「守備ブロックの再構築」。以下の基本形から、相手の強みと自分の交代可能性で選びます。

  • 4-4-1:サイドの一枚を削り、中央密度を維持。最もバランスが取りやすい。
  • 5-3-1:リード時やクロス対応が課題の相手に有効。WBの撤退とCBの増員でPA内の防衛を強化。
  • 3-4-1:ビハインド時にカウンターの厚みを確保。WBの戻り基準を明確化しないと背後を突かれやすい。

素早い役割再割り当てのコツ

  • 「誰が誰を見て、どこを捨てるか」を30秒で言語化する(キャプテン・守備リーダー・ベンチで分担)。
  • 10人時は相手SBの一方を“放置気味”にし、逆サイドを徹底封鎖する片側管理が有効。

守備の優先順位:ゾーン設定・サイドの捨て方・背後管理

  • 中央のゾーン優先:ハーフスペースとPA正面は最優先で閉じる。
  • 片側サイドの整理:ボールサイドで数的不利にならないよう、逆サイドのウイングやSBのプッシュを制限。
  • 背後管理:ラインは低くし過ぎず、CBとアンカーの背中を互いにカバー。ロングボールの初期位置を1~2m早める。
  • ファウル管理:カウンター阻止の戦術的ファウルは場所とタイミングが命。PA付近と自陣深くでの後ろからは厳禁。

攻撃の狙いを絞る:カウンターとセットプレーに資源集中

  • カウンター設計:前線の1人+インサイドの1人の2枚で「起点と裏抜け」を固定。残りは押し上げのタイミングを待つ。
  • キッカーとターゲットの固定:CK/FKは手数を減らし、決め事を単純化(ニア1st、ファー2nd、セカンド回収担当)。
  • スローインも武器化:自陣での安易なロストを防ぎ、相手のプレッシングを切る休憩ポイントに。

誰を下げて誰を残す?犠牲にするポジションと交代の使い方

退場直後の交代は「犠牲の最小化」。スプリント反復が多いウイングや、守備局面で浮きやすいトップ下を削るのが定石です。残すのは「ボールを収められる前線」「空中戦の強いCB」「運動量とカバー範囲のある中盤」。交代枠は終盤の走力維持に温存し、カードリスクの高い選手の早替えも検討を。

GK退場時の現実解:フィールド選手のGK化と交代カードの最適化

  • フィールドGKの条件:身長・ハイボール処理・勇気。キックが得意ならビルドアップの出口にも。
  • 交代枠が残るなら:GKを投入し、空中戦に強い前線やセットプレー要員を温存。終盤の一発に賭ける。
  • リスタート管理:FK・CKの壁とマークは簡潔な言葉で統一。コール担当を1人決める。

ゲームマネジメント:時間の使い方・メンタル立て直し・カード管理

  • 時間管理:スローイン・GKの構え・交代の手続きは「遅延にならない範囲」で落ち着いて。主審のラインを把握する。
  • メンタル:退場直後の5分が最も危険。キャプテンは「次の1プレー」に集中させる声かけを。
  • カード管理:既警告の選手はデュエルの入り方を修正。抗議の代弁者は1人(キャプテン)に限定。

退場を未然に防ぐ:判断・技術・メンタルのトレーニング

ファウルリスクの判断力を鍛える状況別ドリル

  • DOGSO判断ゲーム:最後尾の位置、ボールの方向、相手とゴール距離、守備者の数を即判定する2分間サイクル。
  • PA内の対応ドリル:背後から手で止めない、体の入れ方と足の出し方を限定する「ノータッチ回収」反復。
  • トランジション5秒ルール:ボールロスト後5秒の優先順位(遅らせる、コース切り、寄せすぎない)をチームで統一。

数的不利を想定した守備・攻撃トレーニングメニュー

  • 10対11のハーフコートゲーム:片側サイド放棄のゾーン設定、カウンター2枚の発射台を固定。
  • 守備のローテーション:CB-アンカー-SBの三角で背後と内側の受け渡しを自動化。
  • セットプレー簡素化:10人用のCK/守備CK配置を別メニューで確立(誰がいない時でも機能する形)。

審判対応と感情コントロールドリル(言動でカードを避ける)

  • 拒絶ワードの共有:言ってはいけないフレーズをチームで確認。感情の一次反応を「深呼吸→一語で伝える」に置換。
  • キャプテンへの一本化:判定への質問はキャプテンのみ。周囲は背中を向けて次のポジションへ移動。
  • セルフモニタリング:心拍や呼吸を合図に切り替えるルーティン(指先圧迫、3カウント呼吸など)。

FAQ:退場その後 交代 できる?よくある誤解と正しい答え

退場したらすぐ別の選手を入れて11人に戻せる?

戻せません。レッドカードは交代での補充不可。以降は一人少ないままです。

延長戦なら戻せる?前半と後半で扱いは違う?

延長でも同じ。退場による人数不利は最後まで解消されません。どの時間帯でも交代での補充は不可です。

ベンチが退場になったらピッチ上の人数は減る?

減りません。交代要員・交代済み選手・チーム役員の退場は、ピッチ上の人数には影響しません。

DOGSO(決定機阻止)や手による阻止でも交代で救済される?

されません。DOGSOや著しい反則は退場で、交代での補充は不可です。以後は一人少ないまま続行します。

相手も退場して10対10になった場合の考え方

スペースが広がり、個の質がより勝敗に影響します。守備の約束事を維持しつつ、相手の弱点サイドを集中的に突くのが得策です。

複数人退場で6人未満になったらどうなる?

7人未満になった時点で試合は続行できません。主審が試合中止を判断します。最終的な扱い(没収試合など)は大会規定に従います。

原典と実務:誤解しないための情報リテラシー

IFAB競技規則で確認すべき条文(競技者、懲戒、得点方法)

  • 競技者(Law 3):人数、交代、最低人数、GKに関する規定。
  • 主審(Law 5):判定変更の可否(再開前の修正など)。
  • 反則と不正行為(Law 12):警告・退場の基準、DOGSO等。
  • 試合の勝者を決定する方法(Law 10):PK戦(KFTPM)の手順、人数合わせ、GKの扱い。

競技会規定の読み方(交代枠・延長・PK方式・追加交代)

IFABの大枠に加え、各大会の規定が「交代枠の数」「延長の有無」「PK戦への移行条件」「延長での追加交代」「脳振盪交代」などを定めます。特にPK戦でのGK負傷時の扱いは規定差が出やすい部分。必ず大会要項で「交代可能数」「KFTPMのGK交代条件」を確認しましょう。

現場で迷ったら:主審への確認手順と記録用紙の扱い

  • 確認はインターバルやボールアウト時に、落ち着いたトーンでキャプテンまたは監督が実施。
  • 交代は第4の審判員の合図とボード表示に従う。記録用紙(メンバー表)は試合前・HT・延長前に再確認。
  • 退場・負傷・交代の連鎖が起こったら、ベンチ内で「誰がGK」「セットプレー配置」「キッカー順」を即時共有。

まとめ:『退場後は交代できない』を前提に最短距離で勝ちに戻す

要点の再確認と即実行チェックリスト

  • 退場=交代で補充不可。人数は最後まで戻らない。
  • GK退場はフィールド選手がGKか、交代枠があればGK投入+誰かを下げる(人数は10のまま)。
  • PK戦は退場でも補充不可。GK負傷時のみ、規定と交代枠次第で交代可の余地。
  • 最低人数は7人。6人未満は続行不可。
  • 直後は守備ブロックを最優先で整え、攻撃はカウンターとセットプレーに集中。
  • カードと感情の管理は組織的に。抗議はキャプテン1本化。

次節までに準備すべき練習テーマとベンチ共有事項

  • 10人用のフォーメーションと合言葉(4-4-1、5-3-1、役割の即時移行)。
  • DOGSO回避の守備判断とPA内の対応技術。
  • セットプレーの簡素化パターン(キッカー固定、ニア・ファーの役割)。
  • PK戦でのキッカー優先順、GKが不在になった場合の手順。
  • 大会規定の再確認(交代枠、延長、KFTPM、脳振盪交代)。
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