サッカープレイヤーとして「リフティングが上手くなりたい」「試合で自在にボールを扱えるようになりたい」と考える高校生や大人の方は少なくありません。もちろん、リフティングはただ回数を増やすだけではありません。目的や現在地に合わせて練習法やコツを工夫すれば、だれでも着実にレベルアップが目指せます。この記事では、リフティング上達を目指す高校生・大人向けの実践的な練習メニューと、その効果を最大限に引き出す意識の持ち方をわかりやすくご紹介します。また、忙しい社会人やサッカー未経験の親子でも取り組みやすい自主トレメニューや、成長実感を得る記録術、上達の壁にぶつかったときの打開策まで余すことなく解説。今日から新しい一歩を踏み出しましょう!
リフティング上達の重要性とメリット
リフティングとは?目的を明確にする
リフティングとは、足や膝、頭など体のさまざまな部位を使い、ボールを地面に落とさずに扱うテクニックです。単なる「ボールタッチの練習」として捉えている方も多いですが、リフティングには以下のような目的があります。
- ボールの芯を捉える感覚を磨く
- 身体バランス・柔軟性・空間認知力の向上
- プレーの安定感や正確性を高める
- 集中力やメンタル強化にもつながる
つまり、リフティングはサッカーの基礎能力を大きく引き上げる種目です。自分の今のレベルや目標(例えば「50回を安定して超える」「両足を使い分けられるようになる」「試合でトラップミスがなくなる」など)をはっきりさせることで、日々の練習に意味と質がプラスされます。
リフティングがもたらすプレーへの効果
リフティングの上達は、「止める」「蹴る」「運ぶ」といったサッカーの基本スキルを自然とレベルアップさせます。特に次のような効果が期待できます。
- トラップ・ドリブルの精度向上
リフティングでは細かい力加減や足裏・インサイド・アウトサイドを使いこなします。これが、そのままトラップやドリブル時の繊細なタッチに反映されます。 - 状況判断力の向上
ボールと自分との距離や時間をコントロールしながら動くことで、プレー中の判断力も自然と鍛えられます。 - 体幹・バランス強化
リフティングは無意識に体幹や下半身を鍛える効果も。これによって対人プレーやボール奪取の強さも変わってきます。
一朝一夕で得られるものではありませんが、「地味な練習ほど試合に効く」のがリフティングです。
高校生・大人が意識すべきリフティングの違い
小学生に比べて体格や体力が違う高校生や大人が同じリフティング練習をしても、思うように上達しなかったり、かえって混乱してしまったりするケースもあります。その理由は体が大きくなったことで、
- 繊細な力加減が必要になる
- 筋力・柔軟性のアンバランスが出やすい
- 無意識のクセが固定化しやすい
といった面があるためです。ですから、ただ“回数”にこだわるのではなく、「どの足で」「どのタイミングで」「どういう姿勢で」リフティングするか、質に目を向けることが大切です。年齢を重ねてからでも技術は必ず伸ばせます。自分に合った練習メニューを選択し、“目的意識”を持った取り組みが最大の上達ポイントです。
リフティング上達のための基本メニュー
ウォーミングアップ:体とボールを慣らす
いきなり本番のリフティングメニューから始めるとケガのリスクも高まります。まずは5~10分間程度、軽いジョギングやストレッチ、足首・股関節の動的な準備運動を行いましょう。ボールを使った「手で投げてキャッチ」「足でボールを転がして止める」程度の感覚遊びからスタートするのもOK。体とボールが自然となじむことで、正確なタッチにつながります。
基礎を身につける!片足・両足リフティングの反復
リフティング上達において要(かなめ)となるのは、「片足リフティング」と「両足リフティング」の反復練習です。
- 片足リフティング:まずは利き足で20~30回を安定してできることを目指しましょう。大切なのは“毎回同じ位置”でボールをタッチすることです。
- 両足リフティング:左右交互にリフティングを繰り返すことで“無意識のクセ”をリセット。バランスや体幹をフルに使い、次の段階のテクニックにつながる力が養われます。
最初のうちは高さや触る場所がバラバラでも心配いりません。とにかく「落とさないこと」に意識を振りすぎず、「正確にミートできているか」を自分で感じながら取り組みましょう。
インサイド・アウトサイド・太ももなど部位別リフティング
同じリフティングでも使う部位で難易度や目的が変わります。
- インサイドリフティング:比較的やさしく、ボールへの力加減や“面の当て方”の基礎をつかみやすい方法です。
- アウトサイドリフティング:足の外側を使うためバランスや柔軟性が求められます。両足できるとボールコントロールの幅が一段階アップ。
- 太ももリフティング:空中でのトラップ感覚やボールの軌道を意識できます。試合でロングボールを落ち着いて処理する力も身に付きます。
それぞれの部位で「10回連続」を目安にし、続けられるようになったら組み合わせや回数アップにもチャレンジしていきます。
熟練者向け!ハイレベルリフティングパターンの紹介
基本メニューをクリアしたら、さらに高度なリフティングにも挑戦してみましょう。
- 高低ミックスリフティング:意図的に“高く上げる・低く押さえる”を交互に行うことで、ボールコントロールと判断力の幅が広がります。
- ターン&リフティング:1回ごとに体の向きを変えながらリフティングすることで、空間認知や体の連動性をプラス。
- リフティングしながら前後・左右に移動:その場から動きながらリフティングすることで、バランス力と実戦での運動感覚が鍛えられます。
- 部位チェンジリフティング:「足→太もも→頭→足」など続けざまに部位を変えるメニューで、全身コントロールにチャレンジ。
慣れてきたら「毎回テーマを変えて練習する」「自分なりのオリジナルパターンを作る」ことで、さらなる上達が期待できます。
リフティングを伸ばすコツと意識ポイント
安定した姿勢と重心コントロール
リフティングが安定しない一番の原因は「姿勢」と「重心の位置」です。腰が高すぎたり猫背になってしまうと、正確なタッチができません。以下のポイントをチェックしましょう。
- 膝は軽く曲げて、重心はやや前寄り
- 背筋を伸ばし、体全体でボールをフォロー
- 力まず、リラックスした状態で足を振る
足先だけでなく、体全体を使うイメージでバウンドや微調整を行うことで、リフティングが格段に安定します。
視線・タイミング・体の使い方
上達のためにはボールだけを“ガン見”しすぎず、「ボールと足の間」「自分の体」「少し先の空間」に視線を分散することが大切です。毎回同じタイミング・高さでボールを扱うことで、プレーのリズムも生まれます。さらに、
- ボールに当てる“足の面”を毎回そろえる
- タッチ直後に腰・肩で微調整しながら体を動かす
- 息を止めず、呼吸を意識する
こうした細かな意識が、大きな差につながります。
“ミス”が成長の鍵になる理由
「落とした」「うまくいかなかった」この“失敗こそ”成長のチャンスです。毎回完璧を狙うより、「なぜ落ちたのか」「体がどこにぶれていたのか」を一つずつ観察してみてください。実は上手な選手ほどミスや違和感の原因発見→修正のサイクルが上手です。記録をつけておくこともおすすめです。継続の中で必ず“自分流のコツ”が見つかります。
よくある失敗と原因・改善方法
- ボールが横に飛んでしまう:足の面が外向き(または内向き)になっています。真正面から真上に押し返すイメージを徹底しましょう。
- すぐに高く上がってしまう:力みすぎです。膝関節をしなやかに使い、小さいパワーでタッチ。
- 数回でバランスを崩す:姿勢が悪い、目線が安定していない場合が多いです。スタートの重心・立ち位置を直すとともに、しっかりと地面に足をつけて行いましょう。
自分のクセは動画や周囲の人のアドバイスで見直すと、早く改善できます。
自宅や自主トレに最適!応用練習メニュー
狭いスペースでもできる練習法
部活動やグラウンドが使えない日でも、工夫次第で自宅・室内・庭先でリフティング練習は可能です。
- クッション性マットや人工芝の上で練習
- 小さなミニボールやボール型クッションを使ってみる
- 壁に向かってワンバウンドリフティング
天井や周囲への配慮は必要ですが、30cm程度、高さを抑えて連続リフティングすることで、正確性やタッチ力も鍛えられます。
負荷をかけて成長!時間・タッチ数・連続回数チャレンジ
自分をさらに追い込みたい場合は「制限」を設定しましょう。
- 30秒以内に◯回リフティング(タイマー活用)
- 落とさずに部位ごと10回チェンジ
- 1分間での最大回数更新チャレンジ
こういった“プチゲーム”要素を入れることで、競争心や集中力が高まり、練習のやる気も持続しやすいです。
親子・友人とのトレーニングバリエーション
一人での反復練習はもちろん大事ですが、親子や友人を巻き込んだトレーニングもおすすめです。
- パスリフティング:2人で落とさずに交互にリフティングパス
- 変則リフティング:「お題」を順番に出して制限付きでチャレンジ(「片足だけで」「インステップで」etc)
- 親がボールを投げて子供が好きな部位でリフティングチャレンジ
他者の動きを観察したり真似したりすることで、技術の引き出しが増え、飽きずに継続しやすくなります。
リフティング上達に役立つグッズ・アイテム活用法
おすすめ練習グッズと選び方ポイント
市販されているリフティングボールやサッカー用トレーニンググッズにはさまざまな種類があります。おすすめは:
- リフティング特化ミニボール(2号~3号):通常より小さいボールでタップ練習すると、足元の精度が一気に上がります。
- リフティングネット・ターゲット:自宅でも高い場所にボールが飛ばない設計。小スペースでの練習に最適です。
- トレーニングチューブ・バランスボード:ふくらはぎや体幹の細かい筋肉強化に役立ちます。
選ぶ際は「自分のレベル・身長・練習環境」に合わせてサイズ・重さをチェックしましょう。また、あまりにも硬い・重いボールはケガの原因にもなるため注意が必要です。
動画撮影によるセルフチェックと分析方法
上達を目指すうえで、上級者ほどセルフチェックを大切にしています。スマートフォンやカメラで自分のリフティングを撮影し、
- タッチの高さ・タイミング
- 体全体の使い方・姿勢のぶれ
- ミスした際の足の動き・目線
を分析してみてください。客観的に自分のクセや課題が見え、改善スピードが格段に上がります。動画アプリで“スロー再生”や“比較再生”を使うとさらに効果的です。
怪我予防・足裏ケアも重要
リフティングは同じ動作を何度も繰り返すため、特に高校生以降は足首・膝・腰などに負担がかかりやすいです。
- 練習やウォームアップ後は、ふくらはぎやアキレス腱、足裏のストレッチを入念に
- 筋膜ローラーやマッサージボールなどを使ってケア
- 靴下・シューズが合っているか定期的にチェック
継続的な練習のためには体の声をきちんと聞く、これも上達への重要なポイントです。
成長を実感するための記録・モチベーション管理
達成目標の設定と継続のコツ
上達のための原動力は「小さな成功体験」です。「今日は前回より5回多くできた」「今週は部位ごとにリフティングを成功できた」など、達成可能な目標を設定することで日々の継続がぐっと楽になります。
- 具体的な数字や期限で目標を書く(例:「1ヶ月で利き足リフティング30回」など)
- 達成したら“ご褒美”や“友達に自慢”もOK
失敗に気持ちが負けそうな時こそ、「少しの成長」に目を向けることが大切です。
日々の記録が継続と上達への近道
リフティングの上達実感には「記録」が欠かせません。
- 毎日の練習回数・内容をノートやアプリで記録する
- その日の気付き・ミスの原因・良かった点を一言メモで残す
たったこれだけでも、“昨日の自分を超える”という意識につながり、モチベーション維持にも最適です。動画記録も併用すると、数ヶ月後に驚くほどの成長が可視化できます。
上手くなったその先:実戦でリフティングを活かすテクニック
リフティングがうまくなると、試合でもその成果を発揮できる場面が増えていきます。
- 浮き球のトラップやパスミスを素早く正確にリカバリー
- 相手をかわす瞬間の足技や、スペース作りへの応用
- 自分のプレーに自信が持て、余裕を持った判断ができる
“練習のためのリフティング”から、“試合の中で活きるリフティング”へ。日々の積み重ねが「プレーの差」へとつながります。
リフティング上達のQ&A~よくある悩みと解決策~
『○○回から伸びなくなった』時の打開策
多くの人が「30回はできるけど50回が超えられない」など、特定の回数で壁にぶつかります。これは“慣れ”と“集中力”の低下が大きな要因。打開策は、
- 回数にとらわれず、タッチの質に意識を集中させる
- 練習の「高さ」や「リズム」を毎回少しだけ変えてみる
- 動画でミスの直前を分析し、クセの修正を意識
また、時には「部位を変える」「ペースを落とす」など練習メニュー自体をリフレッシュするのも有効です。
『大人から始めて上達できる?』という疑問
「大人になってからリフティングはもう無理なのでは?」という声も聞かれますが、決して遅すぎるということはありません。むしろ、理論や体の使い方を言語化して理解できる大人だからこそ、短期間でコツをつかめるケースも多く見られます。
- 短時間・高密度の練習でも充分効果が得られる
- 体のケアやストレッチをしっかり意識すること
- 「継続」と「体感を磨く」ことが最大の近道
最初の数週間は上達が実感しにくいですが、小さな成功体験を積み重ねながら続けていけば、着実にレベルアップが実現できます。
『集中力が続かない…』改善法
同じ動作の繰り返しで集中力がどうしても切れる場合は、「時間やテーマを区切った練習」が効果的です。
- 5分間だけ集中/終わった後リラックス
- “次は右足だけ”など簡単なチャレンジ要素を入れる
- 音楽や友人との練習で気分転換しながら行う
集中が続かないのは誰でも一緒。無理せず短時間集中型→少しずつ持続時間を延ばすイメージで無理せず取り組みましょう。
まとめ:リフティング上達は日々の積み重ねから
リフティングは派手なプレーではありませんが、地味だからこそ「確実な自信」と「サッカーの基盤」を作ってくれるトレーニングです。高校生・大人それぞれの今の課題や環境に合わせて、日々少しずつ実践していくことで、着実に大きな成長が望めます。
今日から始めて、ミスも変化も“楽しむ”心を忘れずに。できることを一つひとつ重ねていく、その先に「より自由なボールコントロール」「試合での自信あるプレー」が待っています。あなた自身、そして大切な家族や仲間の成長に、この記事が少しでも役立てば幸いです。