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サッカー技術向上!シザースのコツと試合で使うための練習法

サッカーのプレーで「ドリブル突破」に憧れる人は多いですよね。中でもシザース(またぎフェイント)は、テレビで見る有名選手のように相手を華麗に抜く姿が印象的なテクニックです。
「自分もシザースを試合で決めたい」「コツや練習法が知りたい」と思っている方、あるいはお子さんのサッカー技術を伸ばしたいご両親も多いはず。本記事は、そのような疑問に応えるべく、シザースの基本から上達のための練習法、さらには試合で本当に使いこなすための“リアルなヒント”まで、客観的な解説とともにまとめました。
ぜひ今日から、あなたやお子さん自身のドリブル力アップに活用してください!

シザースとは?ドリブルテクニックの基礎知識

シザースの定義と歴史

シザースとは、ボールを軸に足を外側から内側へ振り回してまたぎ、相手の動きを誘う定番のドリブルフェイントです。
起源をたどると、20世紀初頭から南米や欧州で個人技を生かすために使われていた技術ですが、現代サッカーではポジションやレベルを問わず広く使われています。英語で「シザース(scissors)」と呼ばれるのは、その動きがハサミの開閉(scissors movement)に似ているからです。日本では「またぎフェイント」とも呼ばれています。

名選手も愛用するシザース

世界のトッププレイヤーを見ても、シザースは多くの名手が愛用しています。例えば、クリスティアーノ・ロナウド選手は若い頃から鋭いシザースで相手DFを翻弄し、ゴールに直結するプレーを何度も見せてきました。また、ネイマール選手も独特のリズムでシザースを多用し、その抜群のキレは世界のDFを悩ませています。
日本人選手でも、スピードに乗ったシザースで勝負を仕掛けるアタッカーは増えています。育成年代から国際大会まで、個の力を発揮するために“使えるフェイント”といえます。

シザースが活きる局面

シザースは特に、1対1の突破や、サイドで相手をかわす場面で威力を発揮します。相手DFとの距離がやや近く、しかし完全に詰められていないタイミングが理想です。また、動き出しやドリブル中にスピードの緩急をつけることで、縦にも中にも突破を狙える選択肢が生まれます。
一方で、混戦やスペースがない状況では有効性が落ちることもあるため、使いどころを見極めることも重要といえるでしょう。

シザースを試合で使うメリット

相手DFとの駆け引きで優位に立つ

シザースは見た目こそ派手ですが、その本質は「DFの重心をずらす」「相手の意識を自分の意図に誘導する」といった駆け引きにあります。一流選手ほど、シザースを単なるフェイントではなくコミュニケーションの一部として使っています。
シザースを正しく使えば、相手DFは“一瞬どちらに仕掛けてくるか分からない”状態に陥り、半歩遅れてプレッシャーが弱まります。これにより、自分の思い通りのスペースへ持ち込むことが容易になるのです。

試合展開を変える武器に

シザースは単なる個人技を越えて、「チームの攻撃リズムを変えられる一手」ともなり得ます。相手が守備的な形を作る中で、思い切りのよいシザースを一発決めることで、周囲の味方やスタンドにも勢いがもたらされます。
特に高校生・大学生、またはジュニア年代でも、試合終盤の重苦しい空気を一変させるカンフル剤として機能します。ピッチを広く使う展開につながるので、攻守の切り替えにも一役買います。

個人技向上がもたらす影響

シザースを習得する過程で磨かれるのは、単に足技だけではありません。
・相手を観察する洞察力
・瞬時の判断力
・自信とチャレンジする勇気
こうしたサッカーの本質的な力が身につきます。
特に“抜ける喜び”を一度でも感じると、プレー全体に積極性が芽生えることも多々あります。

シザースのコツ:動きの基本を徹底解説

上半身と下半身の連動

シザースの基本は、「足だけでまたぐ」のではなく「上半身と下半身を連動させて相手を騙す」ことにあります。
例えば、肩や上体の動きを利用すると、DFはよりリアルに本物の突破と勘違いしやすくなります。
おすすめポイント:またぐ側の肩をグッと入れる(倒す)ことで体全体でフェイントを入れられるため、動きにキレが生まれます。ただし、不自然な身体の力みや前傾はバランスが崩れる原因にもなるので注意しましょう。

重心移動のポイント

シザースの成否は、「重心移動」の質に大きく左右されます。
・またぐ足に体重を一度しっかり乗せる
・逆足へ一気にスイッチして加速する
この2つがセットです。中途半端に軽くまたぐだけでは、DFは振り切れません。
重心を低くし、細かな“あしぶみ”でニュートラルな姿勢を保つことが、素早い切り返しへの布石となります。

目線・フェイントの作り方

シザース動作で相手を“騙す”には、足元だけではなく目線や顔の向きも重要な要素です。
仕掛けたい方向とは逆に、一度視線や顔を誘う「ニセのアクション」を加えることでDFの意識を誘導できます。これはプロ選手も使う実戦的テクニックです。
また、ボールから目を切ることなく、しかし自然な視線移動を心がけることで、DFに対して「今にも仕掛けてくる」印象を与えられます。

ありがちな失敗パターンと改善法

・足だけのシザースになってしまう
→“またぐ動作”だけに頼ると、DFに読まれやすくなります。肩や上半身を上手く連動させて、本当に突破しにいく気持ちで!
・スピードが落ちる、動きが止まる
→シザース前後の「緩急」を意識しないと、一瞬立ち止まるような不自然な動きに…。予備動作で自然に加速度をつけると、DFを置き去りにしやすくなります。
・ボールを見失う、身体がぶれる
→ボールを意識し過ぎたり、無理な体勢でまたぐとバランスを崩してしまいます。最初はゆっくりと、ボールの位置を体の真下に保った状態で反復練習するのがコツです。

実践力を高める!シザース上達のための練習法

基本動作習得のためのドリルトレーニング

1. 静止状態でのシザース反復
ボールを止めた状態から、左右どちらからでも連続でシザースを繰り返します。
上半身・下半身・視線の“三位一体”を意識しましょう。鏡やスマートフォンで動画撮影して、自分のフォームを客観的にチェックするのもおすすめです。

2. 小さなステップで徐々に前進
足元で細かくボールタッチしながら、シザース動作後に一歩前進。その際、ボールコントロールが大きくズレない範囲で素早く行うことが大切です。

1人でもできる自主練メニュー

シザース→加速:目標物突破ドリル
コーンやマーカーをDFに見立てて設置し、「シザースから一気に抜き去る」動きを繰り返します。
「シザースした直後にスピードアップできるか」に集中してください。

鏡トレーニング
鏡の前で動作を確認しながら行うことで、身体全体がどう見えているか把握でき、試合中に自然な形に近付けます。

動画で自己分析
スマートフォンの動画機能を活用して練習時の動きを記録。再度見返して修正点やクセに注目すると、改善スピードが格段に上がります。

ペア・チームでの応用練習

シザースは相手がいてこそ効果が分かりやすい技。
・ペアでDF役を設定し、DFとの間合いを変えてシザース突破
・ボールをもらう前の動き出し&シザースの連携
・複数人で“抜きあいバトル”形式のミニゲーム
こういった実践的な練習を繰り返すことで、本番の“抜ける快感”に近い体験を積めます。
味方コーチや指導者からフィードバックをもらえると、さらに効果アップです。

実戦想定トレーニング

本当の意味で試合で使いたいなら、「試合形式の中でシザースを出す」練習が必須です。
・1対1、2対2形式のミニゲームで、シザース“強制チャレンジ”タイムを作る
・フルピッチやハーフコートで、“突破が必要な局面”をあえて作ってみる
こうしたシーン別練習は、実際に相手を騙すリズム、瞬時の判断力を鍛えてくれます。
何度も失敗と成功を繰り返して、その感覚を体に染み込ませましょう。

試合でシザースを使いこなすためのヒント

使うタイミングと状況判断

「使ってみたい!」と思っても、すべての場面でシザースが有効なわけではありません。
・相手DFが“構える寸前”や“動き出す直前”
・タッチライン近くやペナルティエリア付近で“1対1の勝負”
こうした場面では、シザースが効果的な可能性大。しかし、密集状態や複数DFに囲まれている場合には、焦って出さずに安全なパスも選択肢にしましょう。
「ここは絶対に抜き切りたい」「チャンスを生み出したい」と思ったその一瞬の判断が、ゲームを動かします。

シザースからの展開を広げる工夫

シザースを“抜くだけの技”で終わらせるのはもったいないです。シザースから“すぐパス”や“クロス、シュート”に持ち込めると、試合での脅威は何倍にもなります。
・シザースでDFを引きつけ、味方の走り込みにラストパス
・相手がシザースを警戒し始めたら、あえてフェイントだけ→逆をついてパス
このように、「次の選択肢」をセットで身につけることで、プレーの幅が広がります。

メンタル・視野の重要性

シザースは技術そのものだけでなく、メンタルでも大きく結果が変わります。
「絶対に抜く!」という意志だけでなく、「抜けなくてもチャレンジは次につながる」という前向きな姿勢が大切です。また、ボールばかりを見ずに顔を上げることで、相手の動き・味方の状況が見え、より的確な判断ができるようになります。
“上手くやろうとし過ぎず、思い切ってトライする”ことこそ、試合で使えるシザースへの近道です。

よくある質問とシザース上達のポイントQ&A

Q1: シザースが試合でうまく出せない場合の対処法は?

まずは、練習で「成功体験」を積むことが最重要です。シンプルな1対1やコーン突破で“何度も抜く成功”を感じ、自信をつけましょう。
また、試合の流れや味方との位置関係が分からず迷いやすい場合は、「どの場面で使うか」を事前にイメージトレーニングしておくのも有効です。
徐々にでも試合の中でトライし、少しずつ慣れていくステップを踏みましょう。

Q2: 何回まで連続して使っても良い?

シザースは“多用し過ぎ”は逆効果になることがあります。1~2回でDFのバランスを崩したら、すぐに仕掛けるのがコツです。
連続して3回、4回と使いたくなる気持ちも分かりますが、それだけ警戒されて読まれやすくなります。「質」で勝負する意識を持ち、無駄なフェイントは省くことがポイントです。

Q3: シザースに向いているポジションは?

シザースは基本的にドリブルで仕掛ける役割のある選手に特に向いています。
サイドアタッカー(ウイング、サイドバック)、トップ下、セカンドトップなど、1対1の局面や狭いエリアで仕掛けが求められるポジションで繰り出されるシーンが多いです。
一方、ボランチやCB(センターバック)などでは状況によりますが、使いどころに注意しましょう。

まとめ:目指せ“抜けるドリブラー”

シザースは見た目のカッコ良さだけでなく、試合全体の流れを変える“本当に使える技術”です。地味な反復練習や、たくさんの失敗を経てこそ、試合での“あの一瞬”が生まれます。
ぜひ日々の練習に積極的に取り入れ、自信を持ってピッチでチャレンジを。抜けた喜び、その一つ一つが、あなた自身の成長に直結します。
焦らず、けれども果敢に――目指せ、抜けるドリブラー!

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