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サッカーのシュート練習は何回?目的別の目安と週当たり量

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サッカーのシュート練習は何回?目的別の目安と週当たり量

「結局、シュート練習は何回やればうまくなるの?」に答えるために、目的別の回数と、週全体の配分の考え方をわかりやすく整理しました。回数だけを追うとフォームが崩れたり、ケガのリスクが上がるのも事実。だからこそ“目的→量→質の担保”の順番で設計するのが近道です。この記事では、レベル・年代・ポジション・試合スケジュールごとに現実的な本数のレンジ(幅)を提示し、今日から使えるセッション設計と1週間サンプルも用意しました。

結論:シュート練習は何回が最適か?目的別・週当たり量の全体像

最初に押さえる前提(体力・技術・試合数で最適値は変わる)

最適な本数は、体力(筋力・回復力)、技術レベル、試合頻度、さらに練習の強度で変わります。同じ「30本」でも、ゴール前の軽いインサイドと、全力のミドルでは身体への負荷がまったく違います。目安はあくまでレンジ(幅)として捉え、前後の疲労と精度(枠内率)の変化を観察しながら微調整してください。

目的別の推奨レンジまとめ(精度・威力・決定力・弱足・状況判断)

  • 精度向上(フォーム・当てる面の安定):1回40〜80本/週160〜240本
  • 威力向上(当たりの強さ・球速):1回20〜40本/週60〜120本(高強度・十分な休息)
  • 決定力向上(試合で決め切る):1回15〜30本/週60〜120本(ゲーム形式中心)
  • 弱足強化(左右差の縮小):1回20〜40本/週100〜200本(小分けで反復)
  • 状況判断・スピード(制限付き):1回12〜24本/週40〜80本(高集中・低本数)

全テーマを同じ週に満遍なくやる必要はありません。2〜3テーマに絞って深める方が効果が出やすいです。

週当たり総本数の考え方(分散と集中のバランス)

  • 試合がない週:200〜350本
  • 週1試合:120〜240本
  • 連戦期(週2試合以上):60〜120本(維持目的)
  • オフシーズン:150〜250本(フォーム再構築+弱点)

1セッションあたりは40〜100本が上限の目安。威力系は短く、精度系はやや多めに。連日で高本数は避け、少なくとも24〜48時間の回復をはさみましょう。

目的別の目安:精度・威力・決定力・弱足・状況判断

精度向上:1回あたりの本数と週当たり量の目安

目的:当てる面(インサイド・インステップ)の安定、支持足の位置・上体の角度の再現性。

  • 本数:1回40〜80本(枠内率70%以上を維持できる強度)
  • 週:2〜3回、合計160〜240本
  • 方法:止まったボール→軽いパス→移動しながらの順で段階アップ
  • 指標:枠内率/コース指定の成功率/動画でのフォーム一致率

威力向上:筋力・フォーム前提の回数設計

目的:ボールスピードの向上、当たりの厚さ、体幹の連動。

  • 本数:1回20〜40本(全力)
  • 週:1〜3回、合計60〜120本
  • 休息:1本ごとに20〜40秒、セット間は2〜3分
  • 補助:ヒップ・ハムストリング・体幹の補強、股関節可動性ドリル

精度が崩れるほど本数を増やすのは逆効果。フォームが乱れたら即休憩が基本です。

決定力向上:試合に近い状況での本数設計

目的:スピード下での選択と実行、GKと駆け引き。

  • 本数:1回15〜30本(ゲーム強度)
  • 週:2回、合計60〜120本
  • 方法:制限時間付き、1〜2タッチ限定、守備者/マネキン配置
  • 指標:xG相当エリアでの枠内率、GKとの1v1成功率

弱足強化:左右差を埋めるための反復量

目的:非利き足の接地・振り出し・当てる面の改善。疲労が軽い日課化が効きます。

  • 本数:1回20〜40本(低〜中強度)
  • 週:3〜5回、合計100〜200本
  • 比率:利き足:非利き足=4:6〜3:7(非利き足多め)

状況判断・スピード:制限付きドリルの回数目安

目的:一瞬の選択を素早く正確に。

  • 本数:1回12〜24本(全力アプローチ)
  • 週:1〜2回、合計40〜80本
  • 方法:コーチのコールでコース変更、色マーカー・ダミー守備者で認知負荷を追加

レベル・年代別の目安:初心者/中級/上級でどう変える?

初心者:フォーム定着を最優先にした本数設計

  • 1回30〜60本、週2〜3回(合計120〜180本)
  • インサイド中心→ゆるいインステップ→動きながらの順
  • 動画チェックとスローモーションでの確認が効果的

中級者:技術維持+弱点強化の配分と量

  • 1回40〜80本、週2〜3回(合計160〜240本)
  • 弱足30〜40%、ゲーム形式20〜30%、精度30〜40%の配分が目安

上級者:質重視の高強度・低反復の考え方

  • 1回30〜60本、週2回(合計120〜180本)
  • 強度高め、セット間休息長め、データで微調整
  • ピーキング前は本数を落として速度と再現性に集中

中高生・大学/社会人の違い(回復力と学業・仕事の兼ね合い)

  • 中高生:回復は早いが成長期の関節に配慮。連日の高強度は避ける
  • 大学/社会人:時間が限られるため“短く鋭く”。通勤・授業後はウォームアップを丁寧に

ポジション別の目安:FW/MF/DF/GK(フィールド)

FW:枠内率と多角度フィニッシュの回数バランス

  • 週:200〜300本(試合なし週)/120〜200本(試合あり)
  • 内訳:PA内50%、斜め角度30%、ミドル20%

MF:ミドルレンジ・落としからの決定力強化の回数設計

  • 週:120〜200本
  • 内訳:ミドル40%、PA外角度25%、走り込みからのフィニッシュ35%

DF:セットプレー後・こぼれ球対応の限定反復量

  • 週:60〜120本
  • 内訳:セカンドボール対応50%、ヘディング・ボレー30%、PK/ロングレンジ20%(個人差)

GKのフィールドプレーとしてのフィニッシュ練(選択的)

  • 週:30〜60本(キック練習に付随)
  • 狙い:ビルドアップからのロングインステップ、PKのメンタル反復

週当たりの配分と周期化:試合がある週/ない週/連戦期/オフ

試合がない週:ボリュームを積む週の設計

週2〜3セッションで合計200〜350本。序盤に量、週末に質を置きます。

試合が1試合ある週:ピーキング志向の配分

合計120〜240本。試合2日前までに主なボリュームを消化し、前日は軽さ優先。

連戦期:最小有効量(M.E.V.)で維持する考え方

合計60〜120本。弱足の低強度とゲーム形式の短時間のみ。疲労を持ち越さないことが最優先。

オフシーズン:フォーム再構築と弱点克服の反復量

合計150〜250本。動画分析→修正→低強度反復。強度は段階的に。

セッション設計:セット数・レップ数・休息比と質担保

ウォームアップとフォーム作り(低本数・高注意)

  • 内容:ジョグ→モビリティ→リフティング→インサイド流し込み
  • 本数:10〜20本(フォーム確認)

静的ドリル(止まったボール/緩いボール)での反復量

  • 本数:20〜40本
  • 狙い:支持足位置、コンタクト面、フォロースルーの固定化

動的ドリル(動き直し・受けからのシュート)の本数設計

  • 本数:20〜40本
  • 休息:1本ごとに10〜20秒、セット間1〜2分

対人/ゲーム形式でのショット回数管理

  • 本数:15〜30本
  • 制限:1〜2タッチ、時間制限、GKあり

クールダウンと翌日の疲労低減

  • 内容:軽いジョグ、呼吸、股関節・大腿前後・ふくらはぎのストレッチ

シュート種類別:技術ごとの練習回数の考え方

インステップとインサイド:基礎技術の比率と本数

  • インステップ:週40〜120本(強度に応じて)
  • インサイド:週60〜120本(コース取り・置き所)

カーブ/ドライブ/無回転:難易度別の適正反復量

  • カーブ:週20〜40本
  • ドライブ:週15〜30本
  • 無回転:週10〜20本(疲労が出やすいので小分け)

ボレー/ハーフボレー/ヘディング:高負荷技術の安全な回数

  • ボレー:週10〜20本
  • ハーフボレー:週10〜20本
  • ヘディング(枠内):週10〜20本(首周りの準備運動は入念に)

チップ/ループ:状況限定スキルの維持量

  • 週10〜20本(GKとの1v1ドリル内で)

弱足(左足)強化の黄金比(利き足:非利き足)

バランス重視なら4:6、非利き足を急速に伸ばしたい時は3:7。精度が50%未満に落ちるほどの本数は避け、成功体験を積む強度を保ちます。

距離・角度・状況別ドリル:局面ごとの回数目安

PA内のファーストタッチから:至近距離の高精度反復

  • 本数:1回20〜40本
  • 条件:1タッチ/2タッチ、逆足優先日を設定

ミドルシュート:疲労管理を前提にした本数

  • 本数:1回15〜30本(全力)
  • 休息:1本ごと20〜40秒、フォーム維持を優先

カウンター時の高速アプローチからのフィニッシュ

  • 本数:1回10〜20本
  • 条件:スプリント→コントロール→即シュート(時間制限)

背後からのパス/斜めのパス受けからのシュート

  • 本数:1回15〜30本
  • 狙い:体の向き直し、最短の持ち出し、逆サイドへのコース取り

セカンドボール対応(バウンド/難球)

  • 本数:1回15〜30本
  • ポイント:姿勢を低く、当てる面を大きく、無理に強振しない

質と量のバランス:疲労・怪我を避ける反復管理

オーバーユースのサイン(膝/股関節/腰)と回数調整

  • 膝前面の違和感、股関節の詰まり、腰の張りが続けば即減量
  • 2日連続の高強度インステップは避ける

キック動作の負荷管理:本数・強度・間隔の三要素

  • 強度を上げたら本数を下げる、または間隔を伸ばす
  • 高強度は週2回までが無難

休息・補強(股関節可動域・体幹)で反復効率を上げる

  • 90/90ストレッチ、ヒップヒンジ、プランク系で土台作り

本数より重要な“成功条件の明確化”

「コース指定」「1タッチ限定」「2秒以内にシュート」など、狙いを明確にするほど質が上がります。

フォームの基礎とチェックポイント:外さないための共通原則

支持足の位置と上体の傾き:枠内率に直結するポイント

  • 支持足はボール横〜やや前、距離は20〜40cm(足の大きさで微調整)
  • 低い弾道は上体やや前傾、高弾道は体の起こし方を意識

視線とコンタクトポイント:当てる面と当てる場所

  • 接触前の最後の一瞬までボールを見る
  • インステップは甲の硬い面の中心、インサイドは母指球寄りの平面で

フォロースルーと減速:球質と再現性の関係

  • 狙うコース方向に振り抜く、減速は足裏で軽く地面をなぞるイメージ

崩れた姿勢からでも枠に飛ばすための最小限原則

  • 軸を短く、インサイドで面を作る、ミート優先で振り切り過ぎない

記録と可視化:本数と決定率で“適正量”を見つける

練習ログの取り方(本数/枠内率/決定率/動画)

  • 日付・本数・枠内率・決定率・体調メモ
  • 月1回は同条件で再テスト(比較のため)

xG思考で“価値あるシュート”を増やす

ゴールに近い中央、GKとの距離が近い1v1など、“入る確率が高いエリアと状況”の反復時間を増やすと決定力は伸びやすいです。

3週間サイクルでの量・質の見直し方法

  • 2週積み上げ+1週軽めで微調整
  • 枠内率が継続的に落ちたら本数か強度を減らす

家でもできる代替メニュー:スペース・時間がない日の工夫

壁当て・リバウンドの反復設計

  • 弱足インサイド100〜150タッチ(5分×2セット)
  • コントロール→ワンタッチフィニッシュの動作模倣(軽いボールやミニボールでも可)

ミニゴール/マーカー活用の疑似フィニッシュ

  • 2m幅のゴールを作り、10〜20本×2セット(コース精度)

股関節・足関節の可動性ドリルとキック補助筋の補強

  • 90/90、カエルストレッチ、カーフレイズ、ヒップスラスト(各10〜15回×2〜3セット)

1週間サンプルプラン:試合あり/なしの現実的メニュー

学校・仕事がある通常週のモデル

  • 月:オフ or 軽い補強
  • 火:精度+弱足 60〜80本(静的→動的)
  • 水:威力 20〜30本+ミドル15本(十分な休息)
  • 木:決定力(ゲーム形式)20〜30本
  • 金:軽めの精度 20〜30本(コース指定)
  • 土:状況判断ドリル 12〜20本+PA内 20本
  • 日:オフ

合計目安:170〜225本

大会期・連戦期のミニマムメニュー

  • 試合間1日:弱足インサイド15〜25本+PA内軽め10〜15本
  • 前日:コース取りのみ10〜15本(低強度)

合計目安:60〜100本(疲労を残さない)

オフ明け2週間の再導入プラン

  • 1週目:精度中心 40〜60本×2回、弱足20〜30本×2回
  • 2週目:動的+ゲーム形式に移行 合計150〜200本

よくある質問(FAQ)

毎日やるべき?休むべき?

高強度のインステップは毎日は非推奨。低強度の弱足インサイドなら短時間の“日課化”は有効です。目安は高強度は週2回、低〜中強度は週2〜3回。

雨・強風の日はどうする?

滑る日は精度ドリルを減らし、屋内でフォーム確認、弱足の壁当て、可動性トレに切り替え。風が強い日はグラウンダーとインサイド中心が安全です。

ボールは何球あると効率的?一人練の回数管理は?

3〜5球あると回転が良く、質が保ちやすいです。一人練は回収時間が運動量になるため、1セット10〜15本で区切り、フォームが乱れたら休むのが基準。

GKと一緒にやる時の回数の合わせ方

GKの飛び込みは負荷が高いので、1セット6〜10本で交代。シューターは2〜3セットで20〜30本、GKは合間に足技や配球を挟んで負担を調整します。

まとめ:目的→量→記録の3ステップで“外さない練習”へ

今日から実行できるチェックリスト

  • 今日の目的を1つに絞ったか(精度/威力/決定力/弱足/判断)
  • 本数と強度のバランスは適切か(強度↑なら本数↓)
  • 枠内率と動画でフォームを確認したか
  • 痛みや張りが出たら即終了・翌日調整を徹底

目標設定と次の4週間プランの作り方

1週目は現状計測(枠内率・決定率)→2〜3週で目的を2つに絞って反復→4週目で軽めにして再テスト。データが上がれば維持、下がれば量か強度を見直す。シンプルですが、これが最短ルートです。

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