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蹴り方の基本を小学生にやさしく解説|失敗しない3つのコツ

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「まっすぐ蹴れない」「毎回ボールが変な方向に行く」。そんな悩みは、小学生のうちに直しておくと後の上達がグッと速くなります。この記事では、蹴り方の基本を小学生にもわかる言葉でやさしく解説し、失敗しない3つのコツと、家や公園でできる10分練習までまとめました。特別な道具は必要ありません。今日から実践できる内容だけを厳選しているので、親子で読みながら試してみてください。

はじめに:小学生でもできる“まっすぐ蹴る”の第一歩

この記事で身につくこと

このページを読み終えると、次の3つができるようになることを目指します。

  • 狙った方向へ、安定してボールをまっすぐ蹴れる
  • 試合で使う3種類のキック(インサイド・インステップ・アウトサイド)の使い分けがわかる
  • 1日10分の練習で、フォームを崩さずに精度を上げる習慣がつく

今日から意識する3つのポイント

  • 軸足の位置とつま先の向き:ボールの横に置き、つま先は目標へ
  • 当てる面を先に作る:足の内側・甲・外側の「平らな面」をイメージしてから振る
  • フォロースルー:蹴った後も体を止めず、振り抜く方向でボールの行き先を決める

蹴り方の基本を小学生にやさしく解説:ボール・軸足・体の向き

ボールに対して立つ位置(軸足の置き方)

まっすぐ蹴る基本は、軸足(蹴らない方の足)の置き方から。軸足はボールの真横に置き、ボールとの距離は足1足分が目安です。近すぎると足が振れず、遠すぎると届かずに当たりが弱くなります。軸足のヒザは少し曲げ、体重を軸足にのせて安定させましょう。ボールの真後ろに軸足を置くと、足が外から回り込んでぶれやすくなるので注意です。

体の向きと視線のセット

体の向きは、胸と腰、そしてつま先を目標方向へそろえるのが基本です。顔だけ目標を見ていても、胸や腰が横を向いているとボールは狙いから外れやすくなります。視線は「ボールの下1/3」と「目標」を交互に見るイメージ。蹴る直前はボールに集中、蹴った後は目標を確認しましょう。姿勢は背中をまっすぐ保ち、上半身が大きく後ろに反らないようにします。反るとボールが不必要に浮きやすくなります。

足の振りとフォロースルーの考え方

足の振りは「小さく速く」が基本。大きく振るほど強くなるわけではありません。足首を固定して当てる面を安定させ、インパクト(当たる瞬間)で力が逃げないようにします。フォロースルー(振り抜き)は、狙う方向へまっすぐ。振り抜きが上に向けばボールは浮き、横へ流れると曲がります。インパクトからフォロースルーまでの道筋を「線」で描くように意識しましょう。

キックの種類と使い分け(小学生向け)

インサイドキック:正確にまっすぐ届ける

足の内側(親指の付け根から土踏まずのあたりの平らな面)でボールの中心を押すように蹴ります。パスや近い距離のシュートに最適。足首を内側に少しひねって面を作り、ボールの中心にまっすぐ当てます。軸足のつま先は目標へ。体はボールの上にかぶせるイメージで、ボールが浮かないようにしましょう。

インステップキック:強く遠くに飛ばす

足の甲(ヒモの結び目の上あたり)でボールを蹴ります。遠くへのパスやシュートに使います。足首をしっかり伸ばして固め、つま先を下に向けると面が安定します。ボールのやや中心をとらえ、フォロースルーは前へ長く。体を後ろに反らしすぎると浮きやすくなるので、上半身はやや前傾で。

アウトサイドキック:小さく曲げる・方向転換

足の外側で当てるキック。相手をかわす短いパスや、素早い方向転換に便利です。足首を外側へひねり、当てる面を先に作ってから小さく速く振ります。狙いがずれやすいので、最初は近い距離でコントロール重視で練習するのがコツです。

トーキックは緊急時のみの使い方

つま先で弾くように蹴る方法で、咄嗟にクリアしたい時などに限定して使います。正確性やコントロールは落ちやすく、足の指に負担がかかることもあるため、基礎練習では多用しないのが無難です。

失敗しない3つのコツ

コツ1:軸足はボールの横、つま先は目標へ

軸足が1歩後ろや前にずれると、当たりが安定しません。ボールの横に置き、つま先は必ず目標方向へ。これだけで「狙った方向に出る確率」が大きく変わります。練習では、軸足の位置に小石や落ち葉を置いて、毎回同じ場所に立てているかチェックしましょう。

コツ2:当てる“面”を先に作ってから歩くように蹴る

面が作れていないと、強く蹴ってもブレます。キック前に「足首を固め、どの面で触るか」を先に決め、最後は“歩くように”スッと当てにいく。スイングよりもインパクトの安定が重要です。最初はゆっくり、正確に。速さは後からついてきます。

コツ3:蹴った後も止まらない、フォロースルーで方向を決める

インパクトで足を止めると、ボールは失速して曲がります。蹴った後も体を前へ運び、足を目標へ振り抜く。フォロースルーの高さと方向で、弾道が決まります。低くまっすぐ出したい時は、低く長く。高く遠くへは、前上がりに大きく。

よくある失敗と直し方

ボールが浮きすぎる/転がらない原因と修正

  • 原因:上体が反っている、ボールの下を強く触っている、フォロースルーが上へ
  • 修正:胸をボールの上にかぶせ、ボールの中心を薄く押す。フォロースルーは目標へ水平に

どこに飛ぶかわからない(ぶれる)を止める

  • 原因:軸足のつま先が横を向いている、足首がフニャっと緩む
  • 修正:軸足のつま先を目標へ固定。インパクトの瞬間は足首を固め、面を崩さない

足の甲や内側に当たらないときの合わせ方

  • ポイント:当てる位置を「靴のどこで触るか」で覚える。ひも上=インステップ、土踏まず寄り=インサイド
  • 練習:止まったボールに対して、当てるだけのタッチを左右各50回。まずは“音”が一定になるまで

助走でズレる・歩幅が合わないときの整え方

  • 対策1:助走は2~3歩で十分。最後の一歩で軸足を置く位置を“目”で決める
  • 対策2:ミニマーカー代わりに落ち葉やペットボトルキャップを置き、毎回同じ歩幅で入る

1日10分の練習メニュー(家・公園でOK)

ウォームアップ:足首と股関節を柔らかく

左右それぞれ足首回し10回、アキレス腱伸ばし20秒×2、股関節の開閉10回。可動域が広がると面が作りやすく、ケガの予防にもつながります(合計2分)。

壁当ての基礎(10回×3セット)

インサイドで1mの距離から壁当て。目標は「同じ場所に当てる」こと。1回ごとに軸足の位置とつま先の向きを確認(3分)。

コーンなしターゲットキック

地面の葉っぱや線を“的”にして、5m先へインサイド・インステップを各10球。フォーム重視で、的の手前でワンバウンドさせるとコントロールが身につきます(3分)。

2人組パスでリズムを作る

距離3~5mでインサイドパス20本。合図でアウトサイド5本、インステップ5本。テンポは一定に、トラップを1歩で済ませる意識を持ちましょう(1~2分)。

仕上げ:的当てゲームで精度アップ

ペットボトルやリュックを的にして、倒せたら1点。10球勝負で遊びながら精度を上げます。記録をつけるとやる気が続きます(2分)。

家庭でできるサポート方法

ボールとシューズの選び方(サイズ・空気圧)

  • ボールサイズ:小学生は基本4号球。手で持って投げ上げ、戻ってくる速さが速すぎない重さが目安
  • 空気圧:押した時に1cmほどへこむくらい。固すぎると足に負担、柔らかすぎると反発が安定しません
  • シューズ:つま先に5mm程度の余裕。インソールがズレないものを選ぶと面が作りやすい

声かけのコツ:結果よりフォームを見る

「入った?外れた?」より、「軸足は目標を向けられた?」「面は作れていた?」とプロセスに注目した声かけが効果的。成功の形を子ども自身が言葉にできるよう、質問型でサポートしましょう。

ケガ予防:ストレッチと休むタイミング

  • 練習後はふくらはぎ・太もも前後を20秒ずつ伸ばす
  • 足の甲や指が痛い時は無理をせず、キック量を減らしてトラップ練習に切り替える
  • 痛みが続く場合は専門家に相談する。サイズの合わない靴や過度なトーキックは避ける

試合で生きる“蹴り方の基本”の考え方

ゴール前・タッチライン際での蹴り分け

ゴール前は低く速いインサイドで正確に。混雑している時はアウトサイドで小さく角度を作るとスペースができます。タッチライン際では、身体を外へ開きすぎないで、胸と腰をピッチ内に向けて蹴ると内側に通しやすいです。

1タッチと2タッチの使い分け

相手が近い時は1タッチで素早くはたく、時間がある時は2タッチで止めて正確に。1タッチは面の準備が命、2タッチはトラップでボールを蹴りやすい位置へ置くのがポイントです。

逆足を育てる練習の入れ方

毎回の練習に「逆足だけの壁当て30回」を入れるだけで、数週間で変化が出ます。最初は距離1m、強さは弱く、面の安定だけを目標に。ゲームでも、あえて1本は逆足で蹴る“マイルール”を決めると定着します。

上達を早めるチェックリスト

フォーム動画のセルフチェック項目

  • 軸足はボールの横にあるか、つま先は目標を向いているか
  • インパクトの瞬間、足首は固定され面が崩れていないか
  • 上半身は反っていないか、胸が目標へ向いているか
  • フォロースルーは狙う方向へまっすぐ伸びているか
  • 毎回の助走歩数とリズムが一定か

週ごとの目標設定テンプレート

  • 今週の技術目標:例)インサイドで5m先の的に10/20本当てる
  • 今日の着目点:例)軸足のつま先を目標へ固定
  • 練習メニュー:壁当て10分+的当て10分(できた回数を記録)
  • ふり返り:できたこと/次回直すことを1行ずつ

よくある質問(Q&A)

小学低学年でもインステップは必要?

必要です。ただし「強さ」より「面の作り方」と「足首の固定」を先に覚えましょう。近距離から弱い力でフォームを固めれば、安全に身につきます。

足の甲が痛いときの対処

空気圧が高すぎないか、靴のサイズが合っているかを確認。痛みがある日はインサイド中心の練習に切り替え、アイシングや休息で無理をしないように。

雨の日でボールが重いときはどうする?

濡れると重くなり、滑りやすくなります。インサイドで短い距離の正確なパス練習に切り替え、インステップの強いキックは量を減らしましょう。グリップのあるソックスやタオルでのケアも効果的です。

逆足はいつから練習する?

今日からでOK。最初は5分だけでも十分です。フォーム優先で、強さは求めません。毎日少しずつ続けることが上達の近道です。

まとめ:今日から3つのコツで“失敗しない蹴り方”へ

明日からの練習計画

  • 準備:足首・股関節のウォームアップ(2分)
  • 基本:インサイド壁当て10回×3セット(フォーム確認)
  • 発展:的当てでインサイド10球、インステップ10球(記録を残す)
  • 仕上げ:2人組パスでテンポづくり(1~2分)
  • 逆足タイム:壁当て30回(弱く正確に)

継続のコツと成長の見つけ方

上達は「再現性」で測れます。偶然うまくいくのではなく、同じフォームで同じ結果を出せるか。軸足・面・フォロースルー、この3つを毎回チェックするだけで、失敗は確実に減ります。小さな成功をメモに残し、週ごとに見返しましょう。積み重ねた記録が、自信になります。

蹴り方の基本は、一生モノの土台です。今日の10分が、明日のプレーを変えます。焦らず、正しく、楽しく。親子で笑顔の練習を、ぜひ始めてみてください。

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