「サッカーの試合時間って結局何分?」——年代や大会ごとに微妙に違うので混乱しがちですよね。本記事では、国内の一般的な目安を早見表でスッキリ整理し、基本ルールから大会別の取り扱い、実戦で役立つ時間配分のコツまでまとめて解説します。まずはサッと確認できる早見表からどうぞ。
目次
結論:サッカーの試合時間は何分?年代別・大会別の早見表
年代別早見表(U-6〜社会人)
国内で一般的に採用されやすい「目安」です。最終的な決定は大会要項や主催団体の規定で異なります。
年代・カテゴリー | 形式 | 試合時間(目安) | ハーフタイム | 備考 |
---|---|---|---|---|
U-6(未就学) | 5〜8人制 | 8〜12分×2 | 3〜5分 | フェス形式が多く短時間・多試合 |
U-7〜U-8(小1・小2) | 5〜8人制 | 12〜15分×2 | 5分前後 | 安全配慮で短め設定が一般的 |
U-9〜U-10(小3・小4) | 8人制中心 | 15〜20分×2 | 5〜10分 | 地域差あり(大会要項要確認) |
U-11〜U-12(小5・小6) | 8人制中心 | 20分×2(計40分) | 5〜10分 | ピリオド制(3ピリオド)採用例もあり |
U-13(中1) | 11人制 | 30分×2(計60分) | 10分前後 | 育成年代として段階的に延長 |
U-14〜U-15(中2・中3) | 11人制 | 35分×2(計70分) | 10分前後 | クラブユースでは40×2の設定も見られる |
U-16〜U-18(高校年代) | 11人制 | 40分×2(計80分)または45分×2(計90分) | 10〜15分 | 高校選手権・インターハイは80分が一般的/U-18上位リーグは90分が多い |
大学生・社会人(アマ) | 11人制 | 45分×2(計90分) | 15分以内 | 標準ルールに準拠 |
プロ・代表(男子) | 11人制 | 45分×2(計90分) | 15分以内 | IFAB競技規則の標準 |
女子(参考) | 11人制中心 | U-15:35×2/U-18:40〜45×2/トップ:45×2 | 10〜15分 | 大会によって男子と同等か1段階短い設定 |
日本の主要大会別早見表(リーグ・カップ・学校競技)
大会 | 試合時間 | 延長戦 | PK方式 | メモ |
---|---|---|---|---|
Jリーグ(J1/J2/J3) | 45×2 | なし(リーグ戦) | なし(リーグ戦) | 引き分けあり |
ルヴァンカップ | 45×2 | 規定によりノックアウトで実施の場合あり | 規定により実施 | 年ごとに大会方式が変わることがある |
天皇杯 | 45×2 | 実施(15×2) | 実施 | ノックアウト方式 |
WEリーグ(女子) | 45×2 | なし(リーグ戦) | なし(リーグ戦) | 引き分けあり |
なでしこリーグ | 45×2 | なし(リーグ戦) | なし(リーグ戦) | 引き分けあり |
全国高校サッカー選手権 | 40×2が一般的 | 大会規定により実施(10×2または15×2の例) | 実施 | 年度要項で確認必須 |
インターハイ(高校) | 40×2が一般的 | 大会規定による | 実施 | 暑熱対策の特記事項に注意 |
中体連 主要大会 | 35×2が一般的 | 大会規定による | 実施 | 地域差あり |
全日本U-12選手権 | 20×2(8人制) | 大会規定による | 実施 | 予選〜決勝Tで取り扱いが異なる場合あり |
大学サッカー(リーグ) | 45×2 | なし(リーグ戦) | なし(リーグ戦) | 大会による |
延長戦・PK方式の有無と適用タイミングの早見表
試合形式 | 延長戦 | PK方式(KFTPM) | 主な例 |
---|---|---|---|
リーグ戦 | なし | なし | Jリーグ、WEリーグ、大学・地域リーグ |
国内カップ戦(ノックアウト) | 実施(15×2が標準) | 延長後に実施 | 天皇杯、各種決勝 |
学校大会 決勝トーナメント | 実施または省略 | 延長後または直行 | 高校・中学の大会要項で規定 |
国際大会 決勝トーナメント | 実施(15×2) | 延長後に実施 | ワールドカップ、女子ワールドカップ |
確認のコツ:最終判断は大会要項と最新の競技規則で
年代・地域・大会によって時間や延長の扱いは変わります。迷ったら「大会要項」「主催団体の通達」「最新のIFAB競技規則(日本語版)」を確認しましょう。特に暑熱対策や同日複数試合がある大会では、直前に特則が出ることもあります。
サッカーの試合時間の基本ルール
IFAB競技規則の基本:標準は90分(45分×2)
国際的な基準では、サッカーの試合時間は前後半45分ずつの合計90分が基本です。試合の進行、主審の裁量、アディショナルタイムなどもこの枠組みの中で運用されます。
アディショナルタイムの考え方と主審の裁量
交代、負傷対応、VARチェック、時間の浪費、飲水タイムなどで止まった時間を主審が総合的に判断して追加します。表示は目安であり、実際の終了タイミングは主審の笛が基準です。
ハーフタイムの長さと例外
ハーフタイムは最大15分まで。大会規定で短く設定されることもあります(例:小学生年代で5〜10分)。ハーフタイム延長は原則不可ですが、運営上や安全上の理由で特則が出る場合はあります。
少年年代での短縮設定の考え方(安全・発育・環境)
低学年ほど競技時間が短いのは、体力・集中力・体温調節機能への配慮から。ピッチサイズや人数、ボールサイズも合わせて段階的に拡大・成長に適合させます。猛暑時には飲水タイムや短縮が積極的に検討されます。
年代別の試合時間の目安(国内で一般的な設定)
未就学・小学校低学年(U-6/U-8)の目安
・U-6は8〜12分×2、U-7〜U-8は12〜15分×2が目安。フェスティバル形式で1日に複数試合を行うことが多く、休憩・水分・日陰の確保が最優先です。
小学校中学年(U-9/U-10)の目安
・15〜20分×2。地域リーグやローカル大会でばらつきが出やすい年代です。ピリオド制(例:15分×3)を採用して出場機会を平等にする工夫も見られます。
小学校高学年(U-11/U-12)の目安
・20分×2(計40分)が一般的。公式系大会でもこの設定が中心です。8人制が基本ですが、育成目的で11人制の練習試合を行う場合もあり、そのときは時間を短縮することがあります。
中学生(U-13〜U-15/中体連・クラブユース)の目安
・U-13は30×2、U-14〜U-15は35×2が多め。クラブユース系の上位大会では40×2が採用されることもあります。学校部活動かクラブかで違うことがあるので、所属主体の規定を確認しましょう。
高校生(U-16〜U-18/高体連・クラブユース)の目安
・高校の全国大会では40×2(計80分)が一般的。一方、U-18の上位リーグやクラブユースのカテゴリーでは45×2(計90分)が主流です。大会やリーグの趣旨(育成か競争か)で差が出ます。
大学生・社会人(アマチュアカテゴリー)の目安
・多くは45×2。地域・都道府県リーグやトーナメントでも標準に準拠しますが、同日開催や過密日程では短縮特則が出ることがあります。
プロ・トップレベル(Jリーグ/WEリーグ/代表)の標準時間
・45×2。リーグ戦は延長なし、カップ戦や代表の決勝トーナメントは延長15×2ののちPK方式が基本。年ごとの大会方式の変更に注意しましょう。
女子の年代別にみる試合時間の目安
・原則は男子と同様。ただし女子の育成年代では、安全配慮で男子と同等または1段階短い設定(U-15で35×2、U-18で40×2など)が見られます。トップ(WEリーグ、なでしこリーグ、代表)は45×2が標準です。
8人制(主にU-12)と11人制での時間設定の違い
・8人制は移動距離が短く攻守の切り替えが速いため、U-12では20×2が広く定着。11人制にトライする場合は、同年代でも短縮(例:15〜20×2)で実施することがあります。
同日複数試合開催時の短縮設定とコンディション配慮
・大会運営や安全面から、1日2〜3試合を戦う場合は規定で時間短縮(例:15×2)やピリオド制、選手のローテーション義務などが導入されます。選手・保護者・指導者は必ず事前に要項をチェックしましょう。
大会別の試合時間と延長・PKの取り扱い
FIFAワールドカップ/女子ワールドカップの試合時間と延長・PK
・グループステージは45×2、引き分けあり。決勝トーナメントは延長(15×2)→PK方式の順で決着。アディショナルタイムはVARや時間の浪費が反映され、近年は長くなる傾向があります。
Jリーグ(J1/J2/J3)とカップ戦(ルヴァンカップ)のルール概要
・リーグ戦は45×2、延長・PKなしの引き分けあり。ルヴァンカップは年によって方式が変わるため、ノックアウトの延長・PKやホーム&アウェイの細則はその年の大会要項で確認が必要です。
天皇杯の試合時間・延長・PKの基本
・90分で決しない場合は延長(15×2)、なお決しなければPK方式。アマチュアからプロまで混在するノックアウトで、時間戦術とコンディション管理が重要になります。
WEリーグ/なでしこリーグの試合時間の標準
・いずれも45×2。リーグ戦は延長なし、引き分けあり。カップや決勝イベントでは延長・PKが設定される場合があります。
全国高校サッカー選手権・インターハイ(高体連)の取り扱い
・試合は40×2が一般的。決勝トーナメントの延長は大会規定により10×2や15×2が用いられることがあります。暑熱対策や連戦配慮の特則が出る年度もあります。
中体連の主要大会における試合時間の目安
・35×2が多く、地域によっては30×2や40×2の設定も見られます。決勝トーナメントの延長・PKの運用は主催要項に従います。
全日本U-12サッカー選手権(小学生年代)の目安
・8人制で20×2が基本。ラウンドによって延長・PKの扱いが異なることがあるため、最新の大会要項で確認しましょう。ピリオド制を併用する地域予選もあります。
地域リーグ・トーナメント・招待大会でのバリエーション
・会場確保や安全配慮から時間を短縮するケースがあるほか、同日開催のためにプレーイングタイム制(有効時間制)や3ピリオド制を採用する大会もあります。
注意点:大会要項での特記事項(ピリオド制・プレーイングタイムなど)
・ピリオド制:例として「15分×3」で各ピリオド間に短い休憩を入れる方式。
・プレーイングタイム:時計を止める有効時間制。主に育成年代や短時間大会で採用例があります。
試合時間に関わる周辺ルールの基礎知識
アディショナルタイム(いわゆるロスタイム)とその算出要素
・交代回数、負傷対応、VAR、時間の浪費、飲水・クーリングブレイク、セレモニー等。表示は最小値で、主審の裁量で延長されることがあります。
飲水タイム・クーリングブレイクの導入基準と実施方法
・高温多湿時は前半・後半の中盤で1分程度の飲水タイム、極端な暑さでは3分程度のクーリングブレイクを導入することがあります。実施の有無は主審と大会規定の判断です。
延長戦の構成(前後半)と現行ルールの要点
・延長は15分×2が標準。ハーフタイムは短く、インターバルとして設定されます。ゴールデンゴールやシルバーゴールは現行では採用されていません。
PK方式(Kicks from the Penalty Mark)の基本と進行
・各チーム5人ずつが交互に蹴り、決まらなければサドンデス。出場可能なのは試合終了時にフィールド上にいた選手(交代枠や負傷者の扱いは規定に従う)。
VAR導入試合でのアディショナルタイムへの影響
・レビューやオンフィールドレビュー(OFR)に要した時間はアディショナルタイムに加算。近年は表示時間が長めになる傾向があります。
有効プレー時間(プレーイングタイム)という考え方
・時計を止めて「実際にボールが動いている時間」で管理する方式。公式戦の標準ではありませんが、育成年代や時短イベントで採用されることがあります。
交代枠・交代回数と延長時の取り扱い(大会規定次第)
・多くの大会で交代枠は5人(3回の交代機会+ハーフタイム)を採用する流れですが、詳細は大会ごとに異なります。延長に入ると交代機会や枠の取り扱いが追加・変更される場合があります。
年代別・大会別に役立つ実戦アドバイス(時間配分と準備)
少年年代:出場時間のローテーションと安全管理
・出場時間を均等化し、短時間でも全力を発揮できるようローテーションを事前に設計。気温・湿度に応じて飲水タイムと日陰待機、帽子・冷却グッズ、こまめな補食を準備しましょう。
高校・大学・社会人:終盤のゲームマネジメントと時間戦術
・80分制か90分制かで終盤の強度配分が変わります。ベンチワークはアディショナルタイムの見立てが鍵。相手の交代回数やVAR有無も加味して、残り時間のプランBを持ちましょう。
延長・PKを見据えた体力配分と交代戦略の考え方
・ノックアウトは「90+30+PK」を想定してスタミナとメンタルの配分を。PK要員は技術だけでなく心拍の落ち着きやルーティンが大切。延長での追加交代の可否は事前に確認しておきましょう。
ウォームアップとハーフタイム調整の時間設計
・試合形式に合わせてアップ時間を最適化。80分制なら短めに立ち上がり重視、90分制なら持久・スプリントのバランスを。ハーフタイムは「補水→情報→再活性化」の順にシンプルに。
猛暑・寒冷・連戦時の水分・栄養・回復の計画
・猛暑:ナトリウムを含むドリンク、氷嚢・冷却スプレー、直射日光対策。
・寒冷:発汗が少なくても喉の渇きに鈍感、温かい補給と防寒を。
・連戦:終了直後の糖質+たんぱく質、入浴・睡眠の確保、翌日の低強度リカバリー。
よくある質問(FAQ)
なぜ同じ年代でも大会ごとに試合時間が違うの?
・会場確保、試合数、気候、安全配慮、育成方針などの事情で最適解が異なるためです。特に育成年代では「出場機会の確保」を重視してピリオド制や短縮を採用することがあります。
アディショナルタイムは誰が決めている?基準は?
・主審が決めます。交代、負傷対応、VAR、飲水・クーリングブレイク、時間の浪費などで失われた時間を総合的に加算して表示します。
少年サッカーでのピリオド制・交代自由と試合時間の関係
・プレー時間の均等化と安全配慮のための設計です。1試合あたりの総時間は同じでも、区切りを増やすことで集中力の維持やコーチング・補水の機会を確保できます。
同日複数試合のときに時間が短くなる理由は?
・熱中症やオーバーユースを防ぎ、予定試合数を消化するためです。短縮だけでなく、選手のローテーション推奨などが合わせて明記される場合があります。
前後半制と3ピリオド制の違いとメリット・デメリット
・前後半制:試合の流れを連続的に学べる。デメリットは低年齢での集中力維持が難しい場合があること。
・3ピリオド制:補水・交代・コーチングの機会が増え、安全性・育成に適する。デメリットは試合の連続性が分断されやすい点。
まとめ:最新の大会要項を確認しつつ、年代・大会に最適化した準備を
チェックリスト:試合前に確認する時間関連の項目
- 試合時間(前後半・ピリオド・ハーフタイム)
- 延長戦とPK方式の有無・順序
- 飲水タイム・クーリングブレイクの運用
- 交代枠・交代回数・延長時の取り扱い
- 同日複数試合の有無と短縮特則
- 集合時間・公式ウォームアップ枠
指導者・選手・保護者それぞれに必要な視点
- 指導者:大会要項の読み込みと事前共有、終盤の時間戦術、暑熱・寒冷対策
- 選手:試合時間に合った配分(80分か90分か)、飲水・補食の習慣化、PKを想定したメンタル準備
- 保護者:天候への備え(テント・防寒・補給)、移動・待機の段取り、体調変化への早期気づき
次に読むべき関連ガイド(コンディショニング・熱中症対策など)
・時間設計とコンディションは表裏一体です。ウォームアップ、リカバリー、暑熱・寒冷対策、栄養・睡眠の基礎を合わせて押さえると、同じ試合時間でもパフォーマンスが安定します。
最後にもう一度。サッカーの標準は90分ですが、年代や大会で実際はさまざま。早見表を出発点に、必ず最新の大会要項と競技規則で最終確認を。準備の質が、終盤の一本やPKの一本を左右します。