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サッカーのシュート小学生向け:親子で決定力を上げる練習

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親子でできるシンプルな工夫で、小学生の「決定力」はちゃんと伸びます。この記事は、フォームの基本から安全面、家でも公園でもできるドリル、計測とゲーム化のコツまでを一本化。特別な道具はほとんどいりません。「枠に飛ばす→コース→強さ」の順で、毎回同じように打てる再現性を一緒につくっていきましょう。

導入:小学生の「決定力」は親子の工夫で伸びる

この記事のねらいと全体像

小学生のシュートは「型×習慣×計測」で伸びます。この記事では、まずケガをしにくい基本フォームをおさえ、その型を崩さずに反復できるドリルへつなげます。次に、ゲーム感を出す仕掛け(制限時間・配点)を加え、最後は「見える化」で成長を実感。週3回・1日15分のプランまで用意したので、今日から始められます。

小学生のサッカーのシュート練習で大事にしたい視点(安全・継続・計測)

  • 安全:膝・足首に無理のないフォーム、周囲のスペース確保、疲労時は早めに切り上げ。
  • 継続:短く終わる設計(15分)、成功体験を作る難易度調整、親の声かけはシンプルに。
  • 計測:枠内率、左右の比率、所要時間など「数値」を持つと意欲が長続きします。

サッカーのシュート基礎:小学生が最初に身につけたいフォームと考え方

軸足の置き所と体の向き(ボール横・ゴールに対する骨盤の向き)

  • 軸足はボールの横、つま先は狙う方向へ。ボールから靴一足ぶん〜足1.5足ぶんの距離が目安。
  • 骨盤(おへそ〜腰)の向きがゴールへ向くと、体が開きにくく枠に飛びやすい。
  • 上体はやや前傾、頭はボールの真上〜やや前。上体が起きるとボールが浮きやすくなります。

ボールコンタクトの基本(インステップ/インサイド/トゥは緊急用)

  • インステップ(足の甲):強いシュート。足首を固定して、靴紐の少し上で当てる。
  • インサイド(足の内側):コース重視。ゴール隅やキーパーの届かない場所に置くイメージ。
  • トゥキック(つま先):時間がない時の非常用。乱用せず、まずは甲と内側の精度を上げる。

助走の角度と歩数(3歩を基準に迷わない仕組み)

  • 角度は15〜30度の斜めからが安定しやすい。
  • 3歩を基準:1歩目で距離合わせ、2歩目で角度、3歩目で踏み込み。常に同じリズムに。
  • 地面に小さな目印(落ち葉・石・テープ)を置き、スタート位置を固定します。

視線と狙いの優先順位(まず枠内・次にコース・最後に強さ)

  • 優先1:枠内。最初の10本はゴール中心〜四隅の大きめゾーンを狙う。
  • 優先2:コース。キーパーの手が届かない場所(サイドネット方向)を意識。
  • 優先3:強さ。フォームが崩れない範囲で段階的に強く。強さは「最後に」足します。

安全と成長を守る:小学生特有の注意点

成長痛(オスグッドなど)と膝への配慮

  • 膝下が痛む、踏み込むとズキっとする場合は無理をしない。痛みが続く時は専門家へ相談。
  • 踏み込み足の膝を内側に入れない。つま先と膝の向きをそろえるだけでも負担が減ります。
  • 練習前は動的ストレッチ、練習後は軽いストレッチと必要に応じてアイシング。

ボール・ゴール・スペースの安全設定

  • 周囲5m以内に人・車・ガラスがない場所を選ぶ。公園では人の流れが少ない時間帯に。
  • 即席ゴールはコーンやペットボトルでOK。後ろに硬い壁がある場合は距離を十分取る。
  • 雨上がりや砂地は足を取られやすい。滑る路面ではボールスピードを落として実施。

練習量と休息のバランス(週あたりの目安)

  • 目安:週3回×15〜20分。集中して短く終えると習慣化しやすい。
  • 痛みがある日はゼロに。疲労が強い日は「フォーム確認」だけの軽めメニューに切り替え。

親子でできるウォームアップとルーティン

3分ダイナミックウォームアップ(股関節・足首・ハムストリング)

  • 足首回し各10回→つま先立ち歩き20歩→かかと歩き20歩
  • 股関節回し(片脚で円を描く)各10回→もも上げ20回
  • 前後スイング各10回→軽いジョグ30秒→サイドステップ30秒

呼吸と合図のルーティンで緊張を整える

  • 合図「3つ吸って、長く吐く→ゴー!」を毎回同じタイミングで。
  • 親は短い言葉「見る→踏む→当てる」の3ワードだけ伝えると集中が切れません。

フォーム確認のプレチェック(軸足・つま先・上半身)

  • 軸足:ボール横、つま先は狙いへ。
  • 蹴り足:足首固定。「靴紐で当てる」「内側で置く」のどちらかを自分で宣言。
  • 上半身:やや前傾、頭はボールの真上。これで浮きすぎを防ぎます。

自宅・公園でできる『決定力』ドリル集(道具少なめ)

3歩助走の一本道ドリル(助走の再現性アップ)

  • 準備:地面に細いライン(落ち葉、紐)を置く。
  • 方法:ラインに沿って3歩→踏み込み→空振りでフォーム確認を5回。次に実際に5本。
  • 回数:10〜15本。ねらいは同じリズムを体に入れること。

置きボールからの枠内チャレンジ(コース優先の基礎)

  • 準備:ゴールを4分割(左右・上下)と考え、まずは中央2ゾーンを目標に。
  • 方法:インサイドでコースに「置く」。強さは60%。10本中7本以上の枠内を目指す。

ワンバウンド・コントロール→シュート(ファーストタッチ強化)

  • 準備:親が5m先から軽く投げてワンバウンド。
  • 方法:子どもはインサイドで前に置く→2歩で踏み込んでシュート。
  • コツ:コントロールの向きはシュート方向へ。止めない、流しながら打つ。

カラーボール反応シュート(合図→反応→キック)

  • 準備:色違いのマーカー2枚(赤/青)。
  • 方法:親が色をコール→子どもは言われた色方向へ1歩サイドステップ→すぐシュート。
  • 狙い:視覚・聴覚からの合図に素早く反応し、迷わず打つ癖をつける。

ドリブル→方向転換→シュート(コーン2本でOK)

  • 準備:ゴール前7mにコーンを左右2本。
  • 方法:中央からドリブル→左右どちらかで方向転換→2歩でシュート。
  • コツ:方向転換の最後の一歩でボールを置く位置を低く、体の前に。

壁当て→ファーストタッチ→シュート(試合の流れを再現)

  • 準備:壁またはリバウンドネット。壁から5〜7m。
  • 方法:壁当て→跳ね返りをインサイドで前へ→3歩でシュート。
  • 配慮:壁が硬い場合は距離を伸ばして安全に。

逆足強化のインサイドフィニッシュ(距離短め・回数多め)

  • 方法:ゴールから5m、逆足インサイドでコースへ。強さ50%。
  • 回数:10本×2セット。成功体験を優先して距離は無理に伸ばさない。

ゴールキーパーなしでも『試合っぽく』する工夫

ゴール内にゾーンと配点を設定(狙いを具体化)

  • 例:中央=1点、左右サイド=2点、四隅=3点。合計15点を目標にゲーム化。
  • 小さい的(ペットボトル)をサイドに置くと狙いが明確になります。

制限時間シュート(受けて1.2秒以内で打つ)

  • 親がパス→「1・2」でコール。2までに打てたら成功。
  • 迷いを減らし、ワンタッチ/ツータッチの判断が早くなります。

パス→シュートの連続性(止めない・迷わない)

  • 5本連続チャレンジ。止めて考えるのは禁止。外してもすぐ次へ。
  • リズムを止めないことで試合のテンポに近づきます。

親の関わり方:指導者ではなく『設計者』になる

声かけのコツ(結果より過程・具体的な行動をほめる)

  • 良い例:「軸足が近くてナイス」「頭が下がってていいね」。
  • 避けたい例:「なんで外すの?」など結果だけの評価。

失敗の扱い方(チャレンジ率を上げるルールづくり)

  • 外したら「次はどのコース?」だけ確認。原因探しは1つに絞る。
  • 成功より試行回数をほめると、怖がらずに打てます。

負荷の上げ下げ(成功体験60〜80%の難易度に調整)

  • 枠内率が50%以下→距離を縮める、ゾーンを広げる。
  • 80%以上→距離を伸ばす、制限時間を短くする、逆足を増やす。

よくある悩みと原因別チェックリスト

枠に飛ばない:体が開く/軸足が遠い/視線が外れる

  • 体が開く→おへそをゴールへ、最後まで頭を残す。
  • 軸足が遠い→ボール横「靴一足ぶん」に修正。
  • 視線→蹴る直前までボールの下半分を見る。

ボールが浮きすぎる・浮かない:足首の固定と当てる位置

  • 浮きすぎ→上体前傾、ボールの中心〜やや下をインステップで。
  • 浮かない→足首を固め、ボールのやや下を強めに。つま先が下がりすぎないよう注意。

ミートが安定しない:最後の一歩と踏み込みのリズム

  • 最後の一歩を「長め」に踏み込むと安定。走り込みすぎはブレーキ不足でぶれます。
  • 「タッ・タッ・ターン(3歩目で踏む)」のリズムを口に出すと整います。

助走で迷子になる:角度の固定とスタート位置の印

  • 助走角度は毎回同じ目印から。迷うなら正面気味から始めて徐々に角度をつける。

週3回・1日15分から始める練習プラン(4週間)

1週目:フォーム固め(置きボール×ゾーン狙い)

  • 5分:ウォームアップ+プレチェック。
  • 8分:置きボール(インサイド優先)×10本×2。枠内率70%を目標。
  • 2分:記録と振り返り(良かった1点・直す1点)。

2週目:ファーストタッチ→シュート(壁当て導入)

  • 5分:ウォームアップ。
  • 6分:壁当て→コントロール→シュート×8本。
  • 4分:カラーボール反応シュート×6本。
  • 記録:コントロール後からシュートまでの平均秒数。

3週目:逆足とコース取り(配点ゲーム化)

  • 5分:ウォームアップ。
  • 7分:逆足インサイド×10本。
  • 3分:ゾーン配点ゲーム×10本(目標15点)。
  • 記録:左右の比率(右:左)。偏りをチェック。

4週目:ゲーム化と計測(制限時間・連続パス)

  • 5分:ウォームアップ。
  • 6分:制限時間シュート(受けて1.2秒)×8本。
  • 4分:5本連続チャレンジ×2セット(止めない・迷わない)。
  • 記録:枠内率、平均秒数、配点合計のベスト更新。

成果を見える化:家庭用記録シートの作り方

指標の決め方(枠内率/平均所要時間/左右比/距離)

  • 枠内率(本数/合計)
  • 平均秒数(受けて→シュート)
  • 左右比(右何本・左何本)
  • 距離(何mから成功)

テストデーの運用(週1回・10本×3セット)

  • 同じ条件で10本×3セット。セット間は1分休憩。
  • フォーム優先の日と、ゲーム化の日を分けると推移が分かりやすい。

小さな目標とごほうび設計(内発的動機づけを守る)

  • 例:「枠内率+10%」「左右比を1:0.7へ」「平均秒数-0.2秒」。
  • ごほうびは体験型(好きなメニューを選べる日など)で、勝敗と切り離すのがコツ。

ミニ戦術理解:『いつ打つか』を学ぶ

ファーストタッチ前に見る(視線の順番)

  • 合言葉は「見る→置く→打つ」。トラップ前にゴールとキーパー位置をチラ見。

角度がない時の選択(ニア強打・ファーインサイド)

  • ニア強打:角度がない=ニア上へ強く。フォームが崩れない強さで。
  • ファーインサイド:カーブで巻くイメージ。コース重視で置きにいく。

混雑時の工夫(ワンタッチ・逆足・コース優先)

  • ワンタッチで打てる場所に置く、逆足でもコースに流す、迷わず最短で。

補強と身体づくり(器具なし)

足首・股関節の可動性ルーチン(ケガ予防とキック精度)

  • 足首ドリル:つま先上下20回、内外ひねり各10回。
  • 股関節:四つ這いで脚回し各10回、開脚前後ゆらし20回。

踏み込みの瞬発力(スキップ・リズムジャンプ)

  • Aスキップ20m×2、リズムジャンプ(左右/前後)各20回。

体幹の安定(左右非対称動作に強くなる)

  • 片脚バランス30秒×左右、サイドプランク20秒×左右、デッドバグ10回。

クールダウンとセルフケア

5分ストレッチ(前もも・ふくらはぎ・臀部)

  • 前もも・ふくらはぎ・お尻を各30秒×2。呼吸は止めない。

アイシングの目安と水分補給

  • 痛みや軽い炎症感がある部位は10〜15分を目安に冷却。
  • 水分は運動後10〜20分以内にこまめに。汗が多い日は電解質も。

睡眠・栄養の基本(夕方練習後のリカバリー)

  • 就寝1〜2時間前に練習を終えると、寝つきが良くなります。
  • 軽いタンパク質と炭水化物(牛乳+おにぎりなど)で回復をサポート。

よくある質問(Q&A)

室内でできるシュート練習はある?

  • フォーム素振り:助走→踏み込み→空振りで足首固定を確認。
  • やわらかいボールでインサイドパス→壁当て。距離は2〜3m、低速で。
  • 狙いを明確に:床にタオルを置いて「コースに置く」感覚を作る。

小学生は何号球がよい?練習での使い分けは?

  • 一般的に小学生は4号球が標準。低学年は3号を使うこともあります。所属チームの規定に合わせましょう。
  • 室内やフォーム練習は軽いボール、屋外や試合に近い練習は公式球に。

ヘディング練習はどうする?安全面の考え方

  • 軽いボール・少ない回数から。まずは胸→足→頭の順で段階的に。
  • 痛みや不快感がある時は中止。チームの方針やコーチの指導に従うのが安心です。

女子でも同じメニューで大丈夫?配慮点は?

  • 基本は同じでOK。個人差に合わせて距離や本数を調整。
  • 体調に応じて負荷を下げる、鉄分や水分補給を意識するなどの配慮を。

まとめ:続ける仕組みが『決定力』をつくる

親子で守る3原則(安全・継続・計測)

  • 安全:フォームと環境を整える。
  • 継続:短く、楽しく、ゲーム化。
  • 計測:枠内率・時間・左右比で見える化。

次の一歩(試合映像の活用と練習への落とし込み)

  • 試合や練習の動画を10秒だけ確認→「良い1点」「直す1点」を決めて次に反映。
  • 今日の合言葉は「見る→置く→打つ」。親子で合図を合わせ、迷わないシュートを習慣にしましょう。

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