家の中でも、ドリブルの「抜ける力」は確実に伸ばせます。ここで紹介するのは、サッカー ドリブル 小学生 向けに、抜ける力が伸びる家練7選。スペースが狭くても、道具が少なくてもOK。重心移動、加速、方向転換という「抜く」の三要素を、小学生でも続けやすい短時間メニューに落とし込みました。安全面と楽しさを大切にしながら、試合で勝てる一歩目を作っていきましょう。
目次
はじめに:家でも伸びる“抜けるドリブル”
この記事のゴール
・家でできる7つのドリブル練習を覚え、15分で回せること。
・「抜ける力」を、重心移動・加速・方向転換の視点で理解し、意識して動けること。
・ミニ計測で成長を見える化し、継続のモチベーションを作ること。
抜ける力=重心移動×加速×方向転換
相手を抜くときは、ただ足が速いだけでは足りません。
・重心移動:身体の重さを左右・前後に素早く移すこと。小さなスペースでも相手のバランスを崩せます。
・加速:だました瞬間の一歩目から2〜3歩で差をつける力。ボールを守りながらスピードに乗るのがコツ。
・方向転換:最短距離で安全に進むための切り返し。タッチ位置と体の向きをセットで変えます。
この3つがそろうと、相手の逆を突ける確率がグッと上がります。
家練が試合に効く理由(原理と転移)
家練は、短い距離でも「最初の一歩」「タッチ位置」「身体の向き」を何度も正しく繰り返せるのが強みです。神経系の学習は反復で定着しやすく、室内の低速・低リスク環境でフォームを固めると、外のスピードにも転移しやすくなります。特に低学年〜中学年では、基本動作の質を上げることが試合での成功につながりやすい傾向があります。
安全に始める準備と練習設計
スペース作りと道具:ボール/テープ/コーン代替
スペースの目安
・1.5m×2mあれば十分。通路やリビングの一角でOK。
・床は滑りすぎない面を選び、カーペットやヨガマットで調整。
・壊れ物は事前に移動し、壁との距離を30cm以上確保。
道具の代替
・ボール:室内用の柔らかいボール推奨。なければ通常球でもタオルを巻いて静音化。
・マーカー:養生テープや紙テープでラインや目印を作成(はがしやすいものを使用)。
・コーン代わり:空のペットボトル、靴、折りたたみ傘など。
ウォームアップとからだの可動域
3分で済む準備運動
1) 足首回し・つま先立ち歩き(30秒)
2) 股関節回し・膝抱え(30秒)
3) 体幹ひねり(立ったまま、腕を大きく振る:30秒)
4) サイドランジ→戻る(左右各5回)
5) 軽い足踏み→もも上げ(30秒)
週3〜5回・15分の家練プランの組み方
配分の基本
・導入2分(ウォームアップ)
・メイン10分(7選から2〜3メニューを選び、各2〜3セット)
・計測or復習3分(タッチ数や3mタイム、映像チェック)
無理せず「短く高品質」を狙うと、集中力が続きます。
床や騒音への配慮とケガ予防
・着地は「静かに」。かかとドンはNG。足裏全体→母指球でソフトに着地。
・厚手ソックス or 室内シューズで滑りをコントロール。
・夜練はボールにタオル巻き+マットで音対策。
・水分を近くに。疲れたら中断する勇気もケガ防止の一部です。
家練7選:小学生向け・抜ける力が伸びるドリブル
1. 左右シフト&ストップ:重心移動のキレを作る
目的
小さな重心移動で相手の体重をズラし、抜きやすい角度を作る。
準備
床に幅40〜60cmの2本ライン(テープ)を平行に貼る。
やり方
・ラインの間でボールを小刻みにタッチ(インサイド)しながら、体だけを左右にシフト。
・コーチの合図(またはタイマー音)でピタッとストップ→1拍おいて再開。
・30秒×3セット。
コーチングポイント
・頭が左右に流れ過ぎないよう、胸の向きは進行方向をキープ。
・止まる瞬間、膝を少し曲げて「静かに止まる」こと。
よくあるミスと直し方
・腰が高い→ヒザを柔らかく、かかとを軽く浮かせる。
・ボールが大きく流れる→タッチは足の親指付け根で小さく。
発展/簡単
発展:最後のストップでアウト→前へ1歩プッシュ。
簡単:ボールなしで体だけ左右シフト。
2. アウト→インのワンツータッチ:最短コースで抜く
目的
相手の足をかわす「最短角度」のタッチを身につける。
準備
スタート点と3歩先に目印を置く。
やり方
・静止状態から、アウトサイドで斜め前にズラす→すぐインサイドで前へ押し出す。
・片足ずつ10回×2セット(左右)。
・インへの切り替えは「ボールの真横」ではなく「斜め前」を意識。
コーチングポイント
・アウトは足首を固めて「面」で押す。
・インは前方へ、身体ごと進行方向へ乗せる。
よくあるミスと直し方
・インで内側に入りすぎて前に進まない→目印に対し前へ通すラインを意識。
・足だけでタッチ→胸・腰も一緒に向きを変える。
発展/簡単
発展:インの直後に加速2歩を追加。
簡単:歩きながらリズムでアウト→イン。
3. ボディフェイント→加速:だます→一歩目で勝つ
目的
体の揺さぶりから、一歩目の速度で差を作る。
準備
2mの直線ラインをテープで作る。
やり方
・ライン上でスローボールタッチ→体だけ大きく右へフェイント→左足で地面を押して左へ加速(逆も)。
・5回×2セット(左右交互)。
コーチングポイント
・フェイントは肩・胸・目線までしっかり。
・加速の一歩目は低く長く、2歩目でボールを前に置く。
よくあるミスと直し方
・フェイントが小さく伝わらない→「つま先から頭まで」同じ方向に傾ける。
・一歩目が跳ねる→膝を曲げ、真下に押すイメージ。
発展/簡単
発展:加速2歩後にシュート動作のモーションまで。
簡単:ボールなしで体の揺さぶり→ダッシュ。
4. シザース→アウトプッシュ:逆を取る定番を最短化
目的
定番の抜き技を、短い動作で早く出す。
準備
ボールの前に小さな円(テープ)を作る。
やり方
・ボールの前で片足を外側から内側へ回す(シザース)→回した足と反対足のアウトで前へ。
・左右各10回×2セット。
コーチングポイント
・シザースの幅はボール1個分でOK。大振りにしない。
・アウトプッシュの瞬間、上半身は抜ける方向へ先行。
よくあるミスと直し方
・足元で回しすぎてバランス崩れ→円の外側を踏むように回す。
・アウトが弱い→足首固定、つま先少し内向き。
発展/簡単
発展:ダブルシザース→アウト。
簡単:シザースのみをリズム良く連続。
5. Vターン&方向転換:狭いスペースでの切り返し
目的
背中で相手を隠しながら、最短のV字で進行方向を変える。
準備
縦1.5mのVゾーン(テープでV字)を作る。
やり方
・前へ押し出す→足裏で引き戻す→インサイドで逆へ押す(V字)。
・連続20秒×3セット。
コーチングポイント
・引く時にかかと体重にならない。膝を柔らかく。
・インサイドは「相手の足の届かない外側」へ置く。
よくあるミスと直し方
・ボールが体から離れる→引きの長さを短く、体の近くを通す。
・顔が下がる→目線は進行方向の先。
発展/簡単
発展:アウトでもどしてV→逆足インで押す。
簡単:歩きスピードでVの形を確認。
6. リアクションドリブル:ランダム指示で反応速度UP
目的
合図に反応して瞬時に方向を選ぶ判断と足運びを鍛える。
準備
前・後ろ・右・左に目印(紙テープや紙)を置く。保護者の声やタイマー音を合図に。
やり方
・その場ドリブル中に指示(例:「右!」「前!」)→2タッチで指定方向へ30〜50cm移動→戻る。
・30秒×3セット。
コーチングポイント
・最初の一歩が大事。重心を先に動かし、ボールは半拍遅れで。
・合図後0.5秒以内に動き出す意識。
よくあるミスと直し方
・ボールを見続ける→合図の瞬間は前を見る。
・大きく動きすぎる→小さめの角度で素早く。
発展/簡単
発展:色カードや数字で合図(色=方向、数字=タッチ数)。
簡単:合図は2方向だけで実施。
7. 影ドリ1v1:見えないDFを想定した突破ゾーン抜け
目的
見えない相手をイメージし、間合いとタッチ位置を最適化する。
準備
1.5mの直線を「突破ゾーン」としてテープで印。スタート点に立つ。
やり方
・ゴーストDFを想定し、フェイント→方向決定→3歩で突破ゾーンを抜ける。
・左右交互に5本×2セット。各本の前に「どう抜くか」を1秒で心の中で決める。
コーチングポイント
・2歩目でボールに追いつくタッチ強度。
・抜け切った後も1歩キープのステップでボールを守る。
よくあるミスと直し方
・決断が遅い→スタート前にプランを言語化(例:「右フェイント→左アウト」)。
・突破後に緩む→抜けたら追加の1歩で安全確保。
発展/簡単
発展:突破後に90度方向転換を追加。
簡単:フェイントなしで最短タッチのみ。
伸びを見える化するミニ計測
5秒タッチ数とフォームの質
・方法:その場インサイドタッチを5秒。回数を数え、同時に姿勢をチェック(背中が立っているか、視線が前か)。
・目安:低学年で12〜16回、中学年で16〜20回程度をまず目標に。回数よりフォーム優先。
3m抜けタイムと加速距離
・方法:3m先にテープを貼り、静止→フェイント→抜けの3歩でライン通過までのタイムを測る(スマホのストップウォッチでOK)。
・目安:タイム短縮だけでなく、2歩目の時点でどれだけ前へ出られているか(加速距離)も観察。
ミス率の記録と目標設定
・1セット中のミス(踏み損ね・転がしすぎ)を数える。
・「1週間でミス半分」「2週間で3mタイム−0.2秒」など、小さく具体的に。
よくあるつまずきと直し方
顔が下がる/視線がボール固定になる
・直し方:ボールにテープで小さな点を1つ貼り、「点だけ視界の端で確認」。合図に反応する練習(リアクションドリブル)を混ぜる。
最初の一歩が遅い・脚だけで抜こうとする
・直し方:ボディフェイントで「胸と骨盤」を先に動かし、地面を真下に押す意識。3のメニューを反復して「低く長い一歩」を身につける。
フェイントの幅とタイミングが合わない
・直し方:4のシザースは幅をボール1個分に制限してスピード重視。タイミングは「相手が足を出す直前」をイメージし、影ドリで再現。
小学生に必要なフィジカル基礎
足首・膝に優しい着地と減速
ミニドリル
・ソフトジャンプ→静かに着地(10回):音を出さないゲームに。
・ストップ&ホールド:3歩ダッシュ→ピタッと2秒静止×5回。
股関節と体幹の安定でブレを減らす
ミニドリル
・デッドバグ(左右各10回):腰を床につけたまま手足を伸ばす。
・ヒップヒンジ(10回):お尻を後ろに引いて前傾→背中まっすぐ。
ステップワーク(ラダーなしでできる)
ミニドリル
・1-2-1ステップ:テープ四角を作り、前→中→前と素早く踏む×10回。
・L字ステップ:L字のコースを小股で速く。方向転換の入口練習に。
保護者のサポートで上達が加速する
安全管理と簡単な声かけのコツ
・周囲の安全確認→「今日は2メニューだけでOK」と量を絞る声かけ。
・良かった動きはすぐ言語化:「今の一歩目、低くて良かった!」
スマホ撮影→チェックポイントの見方
・横から撮影して「一歩目の膝の角度」「頭の高さ」「ボールと体の距離」をチェック。
・同じ角度で週1回。ビフォーアフターが見えると継続しやすいです。
小さな競争とごほうび設計
・「5秒タッチ数対決」「ミス0チャレンジ」など家族ルールで楽しく。
・達成でシール1枚、10枚で好きなメニュー追加など、短期ごほうびが有効。
1週間モデルプラン(15分×5日)
月〜金の練習例と配分
・月:1(左右シフト)+2(アウト→イン)+計測(5秒タッチ)
・火:3(ボディフェイント)+6(リアクション)
・水:休み or フィジカル基礎(体幹・着地)
・木:4(シザース)+5(Vターン)
・金:7(影ドリ1v1)+3m抜けタイム計測
各メニューは30〜40秒×2〜3セット、休憩は30秒。
外練・試合へのつなぎ方
・週末の外練では、家で決めた2つの技だけを「試す目標」に。
・試合後は「決まった/決まらなかった理由」を言葉にして、翌週の家練に反映。
次のレベルへ:外で試す3つのチェック
進行方向の変化で相手を外せたか
横移動だけで満足せず、最後は前へ抜け切れているか確認。
間合いとタッチの置き所
相手の足が届かない外側にボールを置けたか。2歩で届く距離感が目安。
ファーストタッチからの加速
抜きの一歩目でスピードに乗れたか。2歩目で前へ大きく出すのが鍵です。
よくある質問(Q&A)
狭い部屋でも効果は出る?
出ます。重心移動と一歩目、タッチ位置の質は狭いほど集中して磨けます。3m抜けタイムのような短い距離の計測でも、変化は確認できます。
何年生からどのメニューが向いている?
低学年:1・2・5で基礎を固める。
中学年:3・4・6でキレと判断を強化。
高学年:7で実戦の間合いを作り、組み合わせを増やす。個人差があるので、無理のない範囲で選んでください。
逆足・利き足のバランスをどう鍛える?
各メニューを左右同回数に。難しい方は回数を減らしてもOKですが、先に難しい方から始めると定着しやすいです。
まとめ:今日から始める3ステップ
準備→7選から2つ→計測
安全なスペースを作り、今日の2メニューを選ぶ。最後に5秒タッチか3mタイムで締める。
続ける仕組みづくり
週3〜5回、15分の短時間サイクル。チェック表やシールで見える化すると習慣になります。
安全第一で楽しく上達
静かな着地、周囲確認、疲れたら休む。楽しさが一番の伸びしろです。
サッカー ドリブル 小学生 向けに、抜ける力が伸びる家練7選は、家でもすぐ始められる内容です。まずは今週、2つだけ選んでやってみてください。小さな成功を積み重ねれば、試合の一歩目はきっと変わります。