サッカー パス 小学生 向け|親子で10分の練習メニュー。短い時間でも、毎日の積み重ねでボールコントロールはしっかり伸びます。この記事では、家の前や公園で親子が安全に取り組める10分メニューを、準備から声かけ、学年別の調整まで具体的にまとめました。道具は最低限、時間は10分。続けやすさを第一に、再現性の高い内容です。
目次
この記事の狙いと読み方
なぜ小学生にパス練習が必要か
試合でボールに触れる回数の多くはパスとトラップです。ドリブルやシュートより目立ちづらいですが、パスが安定すると「ボールが来る前から次を考えられる」余裕が生まれます。小学生の時期にフォームとタッチの良い習慣を身につけると、その後の技術の吸収がスムーズになります。
また、親子でのパス練は成功体験を作りやすく、メンタル面の安定にもつながります。10分の短時間でも、正しい順番で行えば効果的です。
親子で10分の練習メニューの全体像
- 前半:体を起こしてリズムを作る(2分)
- 中盤:近距離の正確なインサイドパス(4分)
- 後半:移動を伴うパス→簡単なゲーム化(4分)
各パートに意図があり、合言葉とチェックポイントを統一します。この記事は「準備」→「基本」→「10分メニュー」→「学年別&レベル別調整」→「計測と習慣化」の流れで読むと使いやすいです。
準備:時間・用具・スペース
必要な道具(ボール1個、マーカー4枚、スマホタイマー)
- ボール:小学生は4号球が一般的です。
- マーカー:小さなコーンやペットボトルでも代用可(4つ)。
- タイマー:スマホの1分カウントでOK。区切りが明確になり集中しやすいです。
安全に配慮したスペースの取り方
- 周囲2〜3mに人や障害物がない場所を選ぶ。
- 地面はできるだけ平ら。段差や濡れたタイルは避ける。
- 窓や車に向けて蹴らない配置にする(横方向に流れる向きがおすすめ)。
- 夜間は明るい場所、反射材や明るい色の服だと安心。
ウォームアップの考え方(ケガ予防)
最初の1〜2分でOK。静的なストレッチより「動きながら温める」が基本です。
- 足首回し→軽いジョグ→スキップ(各20秒)
- ボールタッチ(足裏でコロコロ、インサイドでトントン)各20秒
- ラスト20秒は小さなステップで心拍を上げる
小学生向けパスの基本
インサイドキックの基礎フォーム
- 立ち方:肩幅、背すじは自然にまっすぐ。
- 軸足:ボールの横、つま先は狙う方向へ。
- 蹴り足:足首を固定してインサイドの「平らな面」をつくる。
- スイング:小さく、速く、最後まで面をボールに当て続ける感覚。
- フォロースルー:蹴った足は低く前へ、体は流れすぎない。
軸足と体の向きの作り方
狙う方向にヘソとつま先をそろえると、ボールはブレにくくなります。軸足はボールから握りこぶし1〜2個分。遠すぎると届かず、近すぎると窮屈です。肩は力を抜き、頭はぶれないよう軽くあごを引きます。
トラップ(ファーストタッチ)の基本
- 面を作る:受け足のインサイドをやや開く。
- クッション:当たる瞬間に足を少し引いて勢いを吸収。
- 置き所:次に蹴りやすい位置(体の前の少し斜め)に1タッチで置く。
親が見るべき3つのチェックポイント
- 面が平らか:インサイドの角度と足首固定。
- 軸足の向き:つま先が目標を向いているか。
- 視線:蹴る瞬間までボール→蹴った後だけ顔を上げる。
親子で10分の練習メニュー(標準版)
0:00–2:00 動きづくり&タッチアップ
- 足裏コロコロ→インサイドトントン(各30秒×2セット)
- 合言葉:「まっすぐ立つ・面を作る・最後まで見る」
2:00–4:00 インサイド壁パス(近距離)
親子の間隔は3〜5m。2タッチ(止める→蹴る)で10往復×2セット。
- ポイント:低く速いボール、バウンドを減らす。
- 親の工夫:返すボールの速さを一定に。子が構えたら出す。
4:00–6:00 片足限定パス&トラップ
右足のみでトラップ→パスを1分、左足のみで1分。逆足の強化に最適です。
- ポイント:トラップでボールを30〜50cm前に置く。
- 合言葉:「面を作る→置く→蹴る」を一定のリズムで。
6:00–8:00 移動式パス(パス→サポート)
パスを出したら、1歩サイドに動いて体の向きを作り直し、次のパスを受けます。横移動しながら10本連続を目標に。
- 狙い:出した後の「サポートの習慣」を身につける。
- 親の声かけ:「出したら動く、体を開く、次の人を見つける」
8:00–10:00 ゲーム化:2タッチチャレンジ
2タッチ限定で1分間に何本成功できるか計測。2セット行い、ベスト記録を更新狙いにします。成功条件を「腰の高さ以下・受け手の足元へ」にすると質が上がります。
学年別アレンジ(低学年・中学年・高学年)
低学年向け:距離3–5m/ボールを止める→蹴る
- トラップをやや長めに練習。まずは確実に止める。
- 目標ゾーン(マーカー2枚のゲート)を広めに設定。
中学年向け:距離5–7m/2タッチを安定
- 受けてから2秒以内に蹴る制限でテンポを作る。
- 移動式パスをメインに、体の向きを素早く作る。
高学年向け:距離7–10m/方向づけトラップとワンタッチ
- 受けた瞬間に次のスペースへボールを運ぶ「方向づけ」。
- ワンタッチパスは近距離から、強さより正確性を優先。
レベル別バリエーションと制約ルール
難易度を上げる3ステップ(距離・時間・制限)
- 距離を0.5〜1mずつ延ばす。
- 1分間の成功回数の目標値を上げる。
- 制限を追加(2タッチ限定、片足限定、ゲート通過のみ得点)。
弱い足(逆足)を伸ばすミニ課題
- 逆足だけで30秒チャレンジ×3本。
- 逆足での「止める→置く→蹴る」を口に出しながら実行。
親がキーパー役・コーチ役での工夫
- キーパー役:ゲートを少し動かし、狙いを修正させる。
- コーチ役:成功した要素を具体的に言語化(「面が平ら」「軸足よし」)。
コーチングポイントと声かけ例
フォームの合言葉:まっすぐ立つ・面を作る・最後まで見る
- まっすぐ立つ:背中と頭のブレを抑える。
- 面を作る:足首固定、インサイドの角度。
- 最後まで見る:当たる瞬間までボールに集中。
ミスしたときの声かけテンプレート
- 事実→修正→励まし:「少し浮いたね。面を平らにしてもう一回。今の速さは良いよ!」
- 短く具体的に1点だけ伝える(情報は多すぎない)。
成功体験を増やすフィードバックの出し方
- 結果よりもプロセスを称賛:「軸足の向き、今は完璧!」
- 記録更新を共有:「1分で18本。来週は20本いこう。」
よくあるミスと直し方
ボールが浮く/力みすぎる
- 原因:足首が緩む、面が上向き。
- 対策:つま先を軽く上げて足首固定、膝を柔らかく。
軸足が遠い・向きが合わない
- 原因:入り足が横からになっている。
- 対策:最後の一歩で正面に入る→「つま先は目標へ」。
トラップが足元に収まらない
- 原因:強く当てすぎ、面が閉じている。
- 対策:当たる瞬間に少し引く、面を開く。置き所を常に一定に。
視線が下がりすぎる
- 対策:蹴る瞬間だけボール→蹴ったら顔を上げる合図を決める(親が「アップ!」と声掛け)。
計測と見える化:上達を数値で感じる
1分間の成功回数を数える方法
- 条件を固定(距離・2タッチ・腰より下)し、成功だけカウント。
- 週ごとにベスト更新を目標にする。
距離・精度・タッチ数での記録表アイデア
- 距離:5m→6m→7mの段階表。
- 精度:ゲート幅(1.5m→1.2m→1.0m)。
- タッチ:2タッチ→1タッチ(近距離から)。
週ごとの振り返りの仕方
- 良かったこと3つ/次やること1つを書き出す。
- 動画を10秒だけ撮り、フォームの再現性を確認。
狭い場所・雨の日の代替メニュー
室内でできる静音パス練(軽量ボール/スポンジボール)
- 足裏の転がし→インサイドトントン(30秒×3)。
- 壁から離れて、床に響きにくいマットがあると安心。
壁当ての安全ルールと注意点
- 固い壁・窓の近くは避ける。周囲の確認を徹底。
- 距離は短め、低く速いボールに限定する。
スペースが取れないときの足元テクニック
- 1m四方で「止める→置く→蹴る」をイメージ練習。
- 足首固定と面づくりを鏡や窓でチェック。
週3回で習慣化:ローテーション例(10分×3パターン)
A:基礎安定デー
- タッチアップ2分→近距離パス4分→移動式パス2分→2タッチ記録2分。
B:逆足強化デー
- 逆足タッチ1分→逆足2タッチパス4分→逆足片足限定2分→ゲーム化3分。
C:判断力UPデー(カラーコール)
- マーカーを赤・青で配置。親が色をコール→その色へ体を開いてパス。
- 2分ごとにコールの速さを上げ、反応を鍛える。
親の関わり方とモチベーション設計
やる気を引き出す目標設定(短期・中期)
- 短期:1分で成功20本、逆足10本など。
- 中期:距離7mで安定、1タッチを取り入れる。
ごほうびよりもプロセス賞賛
- 「毎回面が作れてる」「構えが速い」を具体的に褒める。
飽きさせない小さなゲーム化アイデア
- 成功3本で親が1歩下がる、ミス1本で1歩前に戻る。
- 左右交互で成功したらボーナスポイント。
安全配慮と成長期のからだ
小学生に多い痛みとサイン
- かかと・膝・すねの痛みは早めに休む合図。
- 痛みが続く、腫れる、びっこを引く場合は無理をしない。
ウォームアップ・クールダウンの骨子
- アップ:動的(ジョグ、スキップ、軽いボールタッチ)。
- ダウン:呼吸を整え、ふくらはぎ・もも裏・股関節をゆっくり伸ばす。
無理をしない練習量の目安
- 10分×週3回から。疲労が強い日は量より質を優先。
発展:2人から3人以上でも応用できる練習
三角パスでの体の向き作り
- マーカーで三角形(辺3〜6m)。常に「次の頂点」を向いて受ける。
ワンタッチ回しのルール化
- 近距離から開始、ミスしたら全員で拍手してリセット(雰囲気を良くする)。
判断を伴うカラーコーンコール
- 親(コーチ役)が色をコール→その方向に1タッチで置いてパス。
よくある質問(FAQ)
ボールやシューズの選び方
- ボール:小学生は4号球が目安。屋内はスポンジや軽量ボールも便利。
- シューズ:土・公園はトレーニングシューズ、屋内はフラットソール。
どれくらいで上達を実感できる?
個人差はありますが、週3回×2〜4週間で「成功回数」「軸足の向き」「ボールの高さ」が安定しやすくなります。記録を取ると変化に気づきやすいです。
逆足が極端に苦手な場合の進め方
- 距離を短く(2〜3m)、ゲートを広く。
- 「止める→置く」だけの30秒ドリルを挟んでから蹴る。
- 1回成功したらすぐに褒めて終了でもOK(成功で終える)。
まとめ:今日から始める親子10分パス練
最初の1週間の行動チェックリスト
- 月・水・金の同じ時間に10分確保。
- 距離5m、2タッチ、1分カウントで記録。
- 合言葉「まっすぐ立つ・面を作る・最後まで見る」を毎回声に出す。
次のステップへのブリッジ
- 2週目:逆足デー追加、移動式パスの距離を+1m。
- 3週目:カラーコール導入、1タッチを近距離から1分だけ。
サッカーのパスは、正しいフォームと少しの工夫で確実に良くなります。親子で10分、記録と笑顔を積み重ねていきましょう。