「自分はどれくらい走れているのか?」は、練習や試合の質を上げるうえでの大事なヒントです。この記事では、年代別の“リアル”な走行距離の目安を先に提示し、距離の意味、測り方、戦術や環境によるブレ、練習への落とし込みまでを一本につなげます。数値はあくまで参考レンジですが、ただの平均値で終わらない“使える基準”として活用できるよう工夫しました。
目次
- 走行距離の平均目安は?年代別リアル基準【先に結論の早見表】
- 前提と用語整理:『走行距離』の定義・計測方法・ピッチ規格
- 年代別の参考値:走行距離の平均目安とリアル基準の根拠
- ポジション別のリアル基準:同じ年代でも距離は違う
- 戦術・試合展開・環境で変わる『距離のブレ』をどう読むか
- 練習と試合の関係:週あたりの走行距離・強度配分の目安
- 距離を増やすより“質”を上げる:勝負を分ける走りの中身
- 具体的トレーニングメニュー:年代別・目的別の実践例
- 成長期の安全管理:走行距離とケガ予防のリアル
- 栄養・補水・睡眠:同じ距離でもパフォーマンスが変わる理由
- データの見方:GPSがなくてもできる“実務的トラッキング”
- よくある質問(FAQ)
- 参考データと出典例の扱いについて
- まとめ:年代別リアル基準の使い方と次の一歩
走行距離の平均目安は?年代別リアル基準【先に結論の早見表】
前提:以下は11人制の規格・試合時間に準じた「参考レンジ」です(U-10は8人制想定)。戦術・対戦レベル・気候・ポジションでブレます。数値は「試合1本あたり」。高強度・スプリントはおおよその距離または回数(成人は速度閾値、育成年代は相対基準の考え方を後述)。
小学生(U-10/8人制)の平均目安
- 総走行距離:3.0〜5.0km
- 高強度走(相対基準):100〜300m 相当/スプリント回数:5〜12回
- GK:2.0〜3.5km
ポイント:コートが小さく人数が少ないため折り返しや加減速の回数が距離以上に効きます。
小学生(U-12/8人制→11人制移行期)の平均目安
- 総走行距離:4.5〜6.5km(11人制に入ると5.5〜7.5km)
- 高強度走(相対基準):150〜400m 相当/スプリント回数:6〜15回
- GK:2.5〜4.0km
ポイント:ピッチ拡大と試合時間延長で距離が伸びますが、速度閾値は大人と同じでは測れません。
中学生(U-15/11人制)の平均目安
- 総走行距離:7.0〜9.0km
- 高強度走:300〜900m/スプリント距離:80〜250m(8〜20回)
- GK:3.0〜4.5km
ポイント:ポジション差が見え始める時期。発育差によるブレが最も大きい層です。
高校生(U-18/11人制)の平均目安
- 総走行距離:8.0〜11.0km
- 高強度走:500〜1,200m/スプリント距離:120〜350m(10〜25回)
- GK:3.5〜5.0km
ポイント:戦術理解と走りの“使いどころ”で数値の意味が変わります。
大学・社会人アマチュアの平均目安
- 総走行距離:7.5〜11.0km(競技レベル高:9.0〜12.0km)
- 高強度走:500〜1,500m/スプリント距離:120〜400m(10〜30回)
- GK:3.5〜5.5km
ポイント:試合展開・戦術志向で幅が広い層。週のトレーニング設計の影響が顕著。
国内トップ〜プロ相当の参考値
- 総走行距離:10.0〜13.0km
- 高強度走(約20km/h超目安):800〜2,000m/スプリント距離(約25km/h超):150〜400m(15〜40回)
- GK:4.0〜6.0km(スプリントは少量だが高強度アクション多)
ポイント:公開データや学術研究のレンジと一致。ポジションとゲームモデルで色が出ます。
ゴールキーパー(各年代)の参考値
- 総走行距離:年代に応じて2.0〜6.0km
- 短距離の加速・減速・ジャンプ・ダイブの反復が主体(距離より強度)
ポイント:距離が少なくても疲労は強い。反復高強度への準備と回復が鍵。
前提と用語整理:『走行距離』の定義・計測方法・ピッチ規格
総走行距離・中高速走・スプリント距離の違い
- 総走行距離:歩き〜全力までの合計。量の全体像。
- 中高速走:おおむね約15〜20km/hを超える走行。移動の迫力と守攻の切り替えに関与。
- スプリント距離:約25km/h以上の走行や最大速度に近い局面の合計。決定機に直結。
育成年代では絶対速度でなく、選手個々の最大速度やMAS(最大有酸素速度)に対する相対基準で見る方法も有効です。
計測方法(GPSトラッカー、光学トラッキング、手動観察)の特徴
- GPSトラッカー:屋外での精度が高く、加減速やスプリントも捉えやすい。機材コストが課題。
- 光学トラッキング(スタジアム設置カメラ等):プロ環境で普及。チーム比較に強いが導入ハードル高。
- 手動観察+区分計時:誰でも実施可能。距離は概算だが「高強度の時間割合」など実務的KPIを残せる。
試合時間・人数・ピッチサイズが与える影響(8人制と11人制)
8人制はフィールドが狭く人数が少ないため、走行距離そのものは短くても加速・減速の回数は増えがち。11人制に移行すると距離は伸びますが、スペースの使い方やポジションごとの役割で強度の配分が変わります。
コンディション・気候・対戦強度によるブレ幅
- 気温・湿度が高い:同じ距離でも疲労は大きく、スプリント回数が落ちやすい。
- 相手が強い/押し込まれる:守備側の中高速走・スプリントが増加しがち。
- 芝質・標高:踏み込み負担や呼吸負担が変わるため、比較時は条件をメモ。
年代別の参考値:走行距離の平均目安とリアル基準の根拠
小学生(U-10/8人制):総距離・高強度の目安と注意点
U-10は総距離3.0〜5.0kmでも、切り返しの回数は多く疲労感が強くなります。直線的な最大速度は未発達なため、高強度は「その子の最大速度比」で見るのが現実的。痛みを訴えたら距離よりアクションの質(ジャンプ・方向転換頻度)を確認し、無理は禁物です。
小学生(U-12):11人制移行期の見方と育成年代の焦点
5.5〜7.5kmに伸びる一方で、体の使い方が未熟だと疲労がたまりやすい時期。長い距離を走る練習より、短い区間の反復・正しいブレーキ・体幹の安定を優先。11人制に慣れるにつれ、スプリント回数が増える選手が出てきます。
中学生(U-15):ポジション別の差と発育差への配慮
7.0〜9.0kmが目安。CMFやSBは距離が伸びやすく、CFとCBは距離は中位でも加減速は多め。発育スパートの時期は痛み(膝やすね)を抱えやすく、距離だけ見て負荷を上げるのは危険。週の合計強度で微調整しましょう。
高校生(U-18):トレーニング量が距離に与える影響
8.0〜11.0km。戦術理解が進むと、ムダ走りが減って距離は同じでも“効率”が上がります。スプリントの質(いつ、どこに、どの長さで)が勝敗を左右。練習の総量を増やす時はスプリント準備(腱・筋の剛性づくり)を先に。
大学・社会人:アマチュア競技レベルの分布と傾向
7.5〜11.0km(上位カテゴリーで9.0〜12.0km)。週の練習構成(授業・仕事の都合)で波が出やすい層です。試合週は「試合×2.5〜3.5倍」の総距離に収めると整えやすいケースが多いですが、個人差あり。翌週の疲労指標(主観・筋肉痛)と合わせて調整しましょう。
国内トップ〜プロ相当:公開データから読み解けるレンジ
10.0〜13.0kmが一般的レンジ。中高速走800〜2,000m、スプリント距離150〜400m。ポジション別には、SB/SH/CMFが距離上位、CF/CBはスプリントのメリハリと加減速の回数が鍵。ゲームモデル(ポゼッションか、トランジション重視か)でプロファイルが変わります。
GKの特殊性:距離が少なくても強度は高いという事実
4.0〜6.0km程度でも、短いダッシュ・ジャンプ・方向転換の“密度”が高く、神経系の負担が大きいのが特徴。上半身と股関節周りの連動、着地の減速スキル、起き上がりの速さがパフォーマンスを左右します。
ポジション別のリアル基準:同じ年代でも距離は違う
サイドバック/ウイング:オーバーラップとリターンで距離が伸びる理由
縦の往復が多く、総距離は上位。カウンター対応で最大速度に近いスプリントが増えます。クロス→即リターンのような「高強度の連続」を練習で再現しましょう。
センターミッドフィルダー:可動域の広さと強度管理
ボール周辺を広くカバーするため距離は最上位。スプリントは中位でも、短い加速の回数が多い。休む時間の設計(ポジショニングと判断)で最後の10分の質が変わります。
サイドハーフ/ウイング:スプリント距離の捉え方
スプリント距離・回数が多く、最大速度の維持が求められます。加速だけでなく「最高速を出せる助走の作り方」を覚えると実戦で距離以上の脅威に。
センターバック:総距離は中位、加減速回数は多い
ラインコントロールと対人でのギャップ詰めが多く、短いスプリントやストップ&ゴーが頻発。距離で評価しないことが大切です。
センターフォワード:“走行距離が少ない=貢献が少ない”ではない
決定的な走りの選択が価値。プレスのトリガーと裏抜けのタイミングが合えば、総距離が少なくても勝負を決められます。
ゴールキーパー:高強度アクションの質に着目する
横移動・前方ダッシュ・ジャンプの質と回復速度がKPI。距離では測れない貢献が大半です。
戦術・試合展開・環境で変わる『距離のブレ』をどう読むか
ポゼッション型とトランジション重視での違い
ポゼッション型は一定のペースで距離が伸び、中高速のピークは抑えめ。トランジション重視はスプリントと加減速が増え、波が大きくなります。チームのゲームモデルに照らして数値を読むと整合します。
押し込む展開と受ける展開:同じ選手でも数値が変わる
押し込む試合ではビルドアップ側のCMFやSBの距離が伸び、受ける試合ではWGやSBのスプリントが増加。相手との実力差も加味しましょう。
気温・湿度・芝質・標高が強度に与える影響
暑熱時はスプリント回数が落ちやすく、心拍・主観的運動強度(RPE)が上がります。芝が重いと減速負担が増え、すね・足首周りにストレス。条件を記録して比較の基盤に。
公式戦と練習試合:心理的強度の差
公式戦は集中の高さから瞬間的な出力が上がりやすく、同じ距離でも疲労が大きい傾向。翌日の回復戦略を分けましょう。
練習と試合の関係:週あたりの走行距離・強度配分の目安
週合計の考え方:試合日を起点にした強度の波
- 試合日(MD):ピーク強度。
- 翌日(MD+1):回復重視(低強度+可動域+軽技術)。
- 中日(MD-3〜MD-2):高強度ブロック(スプリント、ゲーム強度)。
- 前日(MD-1):短時間・鋭さの確認(加速2〜4本など)。
週の総距離は「試合距離の2.5〜3.5倍」を目安に、個別の反応で微調整。同じ数値でも「どのゾーンで走ったか」が重要です。
sRPE×時間で把握する“隠れた負荷”
主観的運動強度(10段階など)×セッション時間=セッション負荷。距離に現れない対人・ジャンプ・寒暑のストレスを拾えます。
急性:慢性負荷比(ACWR)に頼りすぎない使い方
直近1週と過去4週の比で急な上げ幅を避ける指標。万能ではないので、痛み・睡眠の質・気分(ウェルネス)とセットで判断を。
連戦時の距離管理:累積疲労と回復戦略
短い高強度の合計を抑え、可変性の少ない技術練習で質を担保。ストライドの大きいスプリントは削り、加速の短距離に置き換えるなど工夫を。
距離を増やすより“質”を上げる:勝負を分ける走りの中身
高強度走・スプリント・加減速の比率を整える
距離が同じでも、勝てるチームは「必要な場面で強度を出せる」。試合の要求に合わせ、ゾーン別の時間や回数を見直しましょう。
ゲームモデルと走行プロファイルの一致を確認する
奪ったら速く行くならスプリント回数・距離が増えるのが自然。数字が合っていなければ、配置か練習設計を調整するサインです。
スプリント準備力(出力・方向転換・ブレーキ)の重要性
筋腱の弾性とブレーキ技術が不十分だと、スプリントを増やすほどケガのリスクが上がります。ハム・ふくらはぎ・股関節の準備をセットで。
『走れる選手』は『賢く走る選手』:走行のタイミング設計
見る→判断→動き出しの順番を磨くと、同じ距離で決定機に絡む回数が増えます。数値は結果であり、設計の質が本質です。
具体的トレーニングメニュー:年代別・目的別の実践例
U-12:多方向シャトル+遊び要素でのスピード基礎づくり
- 10〜15mのコーンを四角に配置。色コールで方向転換(8〜10秒×8本×2セット)。
- ボールありチャレンジ(ドリブル→色反応→ショートパス)。
- 目的:加速・減速の基本、視野と反応を同時に刺激。
U-15:テンポ走×小規模ゲームで“持久×強度”の橋渡し
- テンポ走:70〜80%強度で100m×10〜15本(技術ドリルと交互)。
- 4対4+フリーマン(20×25m、1.5〜2分×6本)。
- 目的:中強度の土台とゲーム中の反復高強度への適応。
U-18:HIIT/RSA(反復スプリント)/小中大局面ゲームの組み合わせ
- RSA:30mスプリント×6〜8本(20〜25秒回し)×2セット。
- ポジショナルゲーム:5対5+GK(25×30m、3分×5本)。
- 11v11条件付き(自陣奪取後10秒以内にシュートなど)。
大学・社会人:個別プロファイル別の補強(加速・減速・方向転換)
- 加速弱点タイプ:10〜20mスタート多め、姿勢と踏み出し角度の改善。
- 減速弱点タイプ:減速ドリル(4〜6歩で止まる)+股関節の等尺・エキセントリック。
- 方向転換弱点タイプ:45°・90°・180°の変化走を段階づけ実施。
GK向け:短時間・高強度反復と回復管理
- ゴール前リアクション:コーチ投球→セーブ→起き上がり→セカンドアクション(6〜8秒×8回)。
- 前方ダッシュ5〜8m→スライディングブロック→復帰の連結。
ウォームアップとスプリント前の“準備運動”テンプレ
- 関節モビリティ→アクティベーション(臀筋・ハム)→プライオ(スキップ・バウンディング)→短距離加速×2〜4本。
成長期の安全管理:走行距離とケガ予防のリアル
オスグッド・シンスプリントなど成長期の代表的リスク
膝前面やすね内側の痛みは成長期に多発。痛みが出たら距離だけでなく、ジャンプや方向転換の回数・着地の質を見直し、休養を確保しましょう。
距離を増やす前に見るべき“加減速回数と地面反力”
曲がる・止まるのストレスが最も負担。芝・シューズ・路面が合っているか、ステップ数が多すぎないかを確認。
増量・身長伸び期の負荷調整とシューズ選び
体重増や身長の急伸時は腱・筋の適応が遅れがち。シューズはクッション性とフィットを優先、紐調整を細かく。
熱中症・脱水のリスク管理(季節・時間帯・休息)
こまめな給水、塩分・電解質の補給、炎天下の時間帯回避。前日からの睡眠・朝食も重要です。
栄養・補水・睡眠:同じ距離でもパフォーマンスが変わる理由
試合前24〜48時間の炭水化物戦略と胃腸負担
直前に大量摂取ではなく、前日からこまめに。脂肪分・食物繊維の多い食品は量を控えめにして胃腸負担を回避。
水分・電解質・暑熱時の摂取計画
開始2時間前から分割で補水。暑熱時は電解質を組み合わせ、トイレの色(淡い黄色)を目安に。
リカバリー栄養(たんぱく質+炭水化物)のタイミング
試合後30〜60分で素早く、2〜3時間後に食事で追い打ち。たんぱく質20〜30g目安を複数回。
睡眠の質がスプリントと意思決定に与える影響
寝不足は意思決定と反応速度を落とします。就寝前のスマホ光量を減らし、就寝・起床時間を整えましょう。
データの見方:GPSがなくてもできる“実務的トラッキング”
RPE日誌と試合中の主観強度マッピング
練習・試合後にRPE(10段階)を記録。試合は「前半前半/前半後半/後半前半/後半後半」で主観強度をメモすると、落ちやすい時間帯が見えます。
時間-動作分析(タイムモーション)の簡易実施法
スタッフ1名がベンチで「スプリント回数」「高強度の連続(10秒以上)」をカウント。紙でも十分役立ちます。
区分計時と心拍計の併用で見る“強度の抜け漏れ”
心拍は外的負荷(距離)に対する内的反応の指標。気温や緊張で変わるため、距離とセットで眺めます。
チーム全員で共有するKPIボードの作り方(テキスト版)
- 個人:総距離/高強度回数/スプリント回数/主観強度。
- チーム:奪ってからのスプリント数、プレスの連続時間、後半70分以降のスプリント数。
よくある質問(FAQ)
『距離が伸びない』ときに最初に見直すべきポイントは?
走力そのものより、ポジショニングと判断の遅れが原因のことが多いです。ボール非保持時の「次の一歩」の準備と、局面切り替えの合図(トリガー)を整理しましょう。
『距離は多いのに走り負ける』のはなぜ?
高強度の割合やスプリント回数が不足している可能性。量はあるが質が伴っていないパターンです。短距離加速やRSAを週2で少量でも積みましょう。
部活とクラブの二重活動時、距離管理はどうする?
週の合計を見える化し、スプリント系が重なる日はどちらかを技術・戦術中心に。睡眠と翌日のRPEを優先して調整を。
ポジション変更時、距離と強度はどれくらい変わる?
CMF→SBで総距離は維持〜増、スプリントが増加。CF→WGで最大速度の発揮機会が増えます。2〜4週間は移行期間として負荷を漸進。
市民ラン向け有酸素はサッカーにどこまで有効?
基礎の心肺づくりには有効ですが、試合の決定局面は加速・減速・方向転換。週1程度にとどめ、残りはフットボール特有の強度で積みましょう。
参考データと出典例の扱いについて
公表データのレンジと“現場の肌感覚”のすり合わせ
国際大会や主要リーグのトラッキングデータ、スポーツ科学のレビュー論文では、成人トップレベルの総距離10〜13km、高強度走0.8〜2.0km、スプリント距離0.15〜0.40kmといったレンジが報告されています。国内外のプロクラブの公開値も概ね一致します。本記事はそれらの公開レンジと現場観察を突き合わせ、育成年代やアマチュアに転用できる幅を示しています。
単一数値に固執しないためのチェックポイント
- 計測方法・速度閾値の違いを必ず確認する。
- 試合時間・延長・気候をメモして比較する。
- 距離だけでなく、高強度の割合・回数・加減速も見る。
出典例:主要リーグの試合トラッキング報告、国際大会技術レポート、査読論文(例:トップレベルの試合走行分析、反復スプリント能力に関する研究 など)。個別数値は大会・手法で差があるため、レンジで理解するのが実務的です。
まとめ:年代別リアル基準の使い方と次の一歩
今日からできる『自分の基準値』の作り方
- 試合ごとに「総距離(概算でOK)」「スプリント回数」「RPE」を記録。
- 条件(気候・相手レベル・ポジション)をメモして3〜5試合で平均化。
- 弱点(加速・減速・最高速・回復)を1つだけ選び、練習メニューに反映。
“距離の平均”を“勝つための走り”に翻訳する
距離は出発点であり、目的ではありません。ゲームモデルに合った強度配分、スプリントの質、加減速の技術、そして判断の速さ。この4つを整えると、同じ距離でも試合を動かせます。今日の練習から、数値をプレーに変えていきましょう。
